コラム

【保存版】新入社員研修の内容を目的別に解説!効果を高める5つのチェックポイント

 新入社員 イラスト

2022/9/20作成ー

 

「新入社員研修って、どんな内容を行えばよいのだろう…?」と考えて検索し、この記事に辿り着いた方も多いのではないでしょうか?

社会人としての土台を築き、活躍人材へと育成するための最初のステップである「新入社員研修」。その内容は、ビジネスマナーやビジネススキルの他にも、企業理念やビジョンへの理解浸透や、業界・職種に応じた専門知識・技能の習得など、企業や職種によってその内容は多岐に渡ります。
多岐に渡る内容があるため、実施目的を明確に設定し、その目的に応じた研修内容や研修手法を綿密に計画・実行していかなければなりません。 目的が曖昧なまま研修を行ってしまうと、期待した研修効果が得にくく、新入社員の立ち上がりが遅くなってしまいます。
また、綿密に計画されていない研修内容だと、受講した新入社員は「自分は会社に歓迎されていない」と感じ、エンゲージメント低下や早期離職のリスクを高める恐れがあります。

本記事では、新入社員研修の目的別の内容や効果的な研修手法を理解するとともに、より高い効果で研修を実施するためのチェックポイントについて解説していきます。
この記事を読んでいただければ、新入社員研修の内容の検討する際に押さえるべきポイントを網羅することができます。

1)【目的別】新入社員研修の内容・効果的な研修手法

新入社員研修では具体的にどのような内容を取り扱うべきなのか、5つの目的(狙い)別に具体的な研修内容・効果的な研修手法を下記表にまとめました。

目的(狙い) 研修内容 効果的な研修手法
社会人としてのマインドセットを行う ・社会人としての自覚醸成
・コンプライアンス理解
・コスト意識醸成
・講義形式
・ロールプレイ
・ケーススタディ
・ゲーム形式
仕事を進めていく上で基礎となる
姿勢・スキルを習得する
・ビジネスマナー
・ビジネススキル
・ITスキル
・講義形式
・ロールプレイ
・ケーススタディ
・eラーニング
・テスト形式
社会人として基礎となる思考スキルを
習得する
・ロジカルシンキング(考える力)
・ドキュメンテーション(可視化する力)
・問題解決力(インタラクティブに聴く・伝える力)
・講義形式
・ロールプレイ
・ケーススタディ
自組織や職場についての理解・浸透を図る ・企業理念や方針の理解
・同期とのチームビルディング
・トレーナーとの相互理解・関係構築
・ストーリーテリング
・ダイアログ
・レクリエーション
・ロールプレイ
心身共に健康で働くためにストレスとの
適切な向き合い方を身に付ける
・レジリエンス
・セルフマネジメント
・講義形式
・ロールプレイ
・ケーススタディ
業界・職種に応じた専門知識・スキルを
習得する
・講義形式
・ロールプレイ
・ケーススタディ
・テスト形式

次の項目から、一つずつ説明していきます。

 

① 社会人としてのマインドセットを行う

1つ目は、社会人としてのマインドセットを行うことを目的とした研修です。
社会人として期待される姿を理解し、学生から社会人への意識変革を行うことで、新入社員研修の中でも非常に重要な内容となります。
なぜなら、社会人になった自覚を持てないままだと、無責任な言動やトラブルを引き起こし、会社として不利益を被るリスクが高まるためです。

主な研修内容は、以下の通りです。

社会人としての自覚醸成

学生と社会人の違いを理解し、社会人として仕事や課題に対する向き合い姿勢の醸成は、社会人としてのマインドセットに必須です。 例えば、弊社の社会人の自覚研修では、社会人が身に付けるべき要素として以下を扱っています。

・モラル遵守
・顧客満足の担保
・周囲への貢献意識
・時間管理への意識

これらは、座学のインプットだけではなかなか習得できません。ケーススタディやロールプレイを通して実践したり、得た知識を自分の言葉でアウトプットする機会を設けることをおすすめします。

具体例として、弊社の研修では、【「与えられる立場」から「与える立場」になる】という学生と社会人の立場の違いを理解するため、「社会人とは何か?」というテーマで、ワールド・カフェ(※)形式でグループワークを行っています。マインドセットを行うには「社会人のあるべき像」一方的に押し付けるのではなく、「学生と社会人の違い」について、新入社員自身で探求し、理解を深めていくプロセスが重要です。

【研修イメージ(ワールド・カフェの様子。「学生と社会人の違いとは何だろう?」など3つの問いについて話し合います)】  任意の名前

※ワールド・カフェとは、『カフェ』のようなリラックスした雰囲気の中で、少人数に分かれたテーブルで自由な対話を行い、他のテーブルとメンバーをシャッフルして対話を続けることにより、参加した全員の意見や知識を集めることができる対話手法の一つ。

 

コンプライアンス理解

現代はSNSの発展と共に、機密情報や個人情報の漏洩といったコンプライアンス違反がより身近に起こり得るものへと変化しているため、コンプライアンス理解は新入社員教育に欠かせないテーマです。 以下、具体的な取り扱い内容をあげます。

・個人情報保護
・SNSの取り扱い
・ハラスメント ・社内規定や就業規定
・著作権や特許権

また、研修では、実際に起こった事例を基にしたケーススタディやグループワークを行うと、新入社員もイメージしやすく、また当事者意識も持ちやすくなります。

【研修イメージ(SNSの取り扱いに関する弊社研修テキスト例)】  任意の名前

 

コスト意識醸成

社会人としてのマインドセットを行うにあたり、コスト意識(※)も重要な要素です。

※コスト意識とは、会社における自分自身の活動が、売上やコスト・利益にどう繋がるかのイメージを持ち、最小のインプット(投入)で最大のアウトプットやリターン(利益・メリット)を生もうとする意識

例えば、自分の人件費(給料)が会社のコストの大きな部分を占めると認識している新入社員は少ないのではないのでしょうか。ただし、職場で上司から新入社員に「あなたはコストだ」と直接伝えるのは、伝え方によっては誤解を招き、パワハラやブラック企業とも認識されかねませんので注意が必要です。
そのため、研修を通して、会社の利益構造の仕組みや「コスト意識」の意味を正しく理解し、日頃から「コスト」とそれに対するリターン(利益・メリット)を考えながら行動する意識醸成をおこなうことが最適と言えます。

コスト意識醸成の研修例として、弊社の「目標達成・コスト意識研修」では、経営シミュレーションゲームを通して、売上創出の難しさコスト意識、目標達成するために必要となる数値の捉え方を習得しています。

【研修イメージ(経営シミュレーションゲームをグループで取り組む様子)】  経営シミュレーションゲームをグループで取り組む様子

 

② 仕事を進めていく上で基礎となる姿勢・スキルを習得する

2つ目は、仕事を進めていく上で基礎となる姿勢・スキル習得のための研修です。
ビジネスパーソンとして、社内外問わず良好な関係性を築いていくため、また、早期に立ち上がり仕事の成果を出していくために、必要不可欠な教育内容となります。
主な研修内容は、以下の通りです。

ビジネスマナー

電話応対や来客応対、名刺交換の仕方、敬語やビジネス文書など、相手や場にふさわしいビジネスマナーは社会人として必須です。ビジネスマナーを教える際は、講義だけではなく必ずロールプレイを行い、実際に体感することが効果的です。また、研修後日に敬語やマナーをテスト形式で復習するものよいでしょう。

その他、例えば弊社ビジネスマナー研修では、動画で間違い探しを行い、正しいビジネスマナーを理解しています。ビジネスマナーは覚えることが多くなりがちですが、完璧に丸暗記することが重要ではありません。マナーは『信用や関係性を高めていくためのもの』という本質を理解し、表面的な考えに囚われないことが重要です。そのため、間違い探しを通して「なぜこのマナーは、場と相手にとって相応しくないのか?」という感覚を養っていきます。

なお、動画のURLは新入社員にも共有し、研修後も復習がてら視聴可能としています。
【研修イメージ(ビジネスマナー動画より一部抜粋)】  ビジネスマナー動画より一部抜粋

※ ビジネスマナー動画URLは、下記より無料ダウンロードいただけます。
期間限定!オンラインで学べるビジネスマナー研修の動画公開

 

ビジネススキル

仕事を効率的に進めていくための報告・連絡・相談(報連相)やタスク分解、スケジューリングなどの業務遂行スキルも、必須で身に付けるべき内容です。こちらも講義だけではなく、ロールプレイやグループワークを中心に実践的に学んでいくことが効果的です。

その中でも報連相は、スムーズな意思決定や周囲との連携をしていくための必須コミュニケーションスキルです。弊社のビジネススキル研修では、様々な場面を想定した報連相のペアワークを行っています。 先日まで学生だった新入社員は、上司や顧客などの年齢や立場の違う相手とコミュニケーションを取ることに不慣れなケースも多いです。
そのため、報連相のやり方だけでなく、相手の立場を考えた発言の仕方やコミュニケーションをとる際の心構えなども理解しておく必要があります。

【研修イメージ(報連相ペアワークのテキスト一部)】  ビジネスマナー動画より一部抜粋

 

ITスキル

スムーズに仕事を進めていくために、基本的なPC操作スキルや最低限のITリテラシーを研修を通して身に付けておくことも重要です。具体的には以下の内容があります。

・コンピュータ・IT基礎(コンピューター仕組みやセキュリティなど)
・OAスキル(Excel、PowerPoint、Word、Outlookなど)
・社内システムやチャットツールの利用方法
・プログラミング技術

ただし、会社や部署、職種によって使用ツールや求められるレベルが異なるため、事前に職場の状況をリサーチして研修内容を検討する必要があります。

 

③ 社会人として基礎となる思考スキルを習得する

3つ目は、社会人として基本的な思考スキル(考え方や型)を習得するための研修です。
思考スキルを使いこなせると、周囲とのコミュニケーションが円滑になり、仕事を効率的に進められ、アウトプットの量と質も向上するため、押さえたい研修内容です。

思考スキルは、講義形式のみで習得することは難しく、職場での活用場面をイメージしながら体感できるワークを行うことが重要です。例えば、弊社研修では、実際の仕事現場に近しい世界観を創って講師が上司役・新入社員が部下役となり、報連相を繰り返しながら思考の型を習得していくワークを終日かけて行っています。

【研修イメージ(ロジカルシンキング研修にて上司役の講師に報連相を行う場面)】  ロジカルシンキング研修にて上司役の講師に報連相を行う場面 なお、新入社員の入社間もないタイミングで、思考スキル系の研修を行うことは推奨していません。 なぜならば、入社直後だと実務経験がないため、職場での具体的な活用場面がイメージしにくいためです。また、その時期はその他にも習得すべき知識やスキルがたくさんあるため、インプット過多になり、研修効果も半減してしまいます。弊社では、新入社員向けの思考スキル系研修は、入社2~4ヵ月以上経ったタイミングでの実施をオススメしています。

思考スキル系の主な研修内容は、以下の通りです。

ロジカルシンキング(考える力)

ロジカルシンキングは、あらゆるビジネスシーンで役に立つ、物事をロジカルに考える思考スキルです。
ロジカルシンキングが身に付かないと、分かりやすく筋の通った論理形成ができないため、上司やお客様から「結局、何が言いたいの?」と思われてしまいます。
研修では、情報を整理しやすくするための思考法とフレームワーク(ロジックツリーやマトリックスなど)を身に付け、結論と論拠に矛盾のない筋の通った論理形成を目指します。

【研修イメージ(研修テキストの一部と受講生のアウトプット例)】  ロジカルシンキング研修テキストの一部と受講生のアウトプット例

 

ドキュメンテーション(可視化する力)

ドキュメンテーションは、自分の意見を相手にわかりやすく伝えるために、可視化するスキルです。ロジカルシンキング研修後の次のステップとして学ぶとより効果的です。 ドキュメンテーションは、企画書を作成するような職種だけではなく、上司への報連相や会議の場面でも役立つスキルで、業務効率化や周囲と円滑なコミュニケーションにも繋がるため、新入社員のうちから身に付けたいスキルです。

【研修イメージ(研修テキストの一部と受講生のアウトプット例)】  ドキュメンテーション研修テキストの一部と受講生のアウトプット例

 

問題解決力(インタラクティブに聴く・伝える力)

問題解決力とは、問題や課題の本質を見極め、解決プランを実行していくために、他者(上司やお客様)とコミュニケーションを取りながら、認識のズレをなくし、合意形成をしていくスキルです。ロジカルシンキング、ドキュメンテーション習得後の3つ目のステップとして学びたいのが問題解決力です。 問題解決力は、コンサルティング型の営業職や企画職など、(顧客の)課題解決に向けた企画提案をメインとする職種には必須スキルです。

【研修イメージ(研修テキストの一部と受講生のアウトプット例)】  ソリューション提案力研修テキストの一部と受講生のアウトプット例

 

④ 自組織や職場についての理解・浸透を図る

4つ目は、自組織や職場についての理解・浸透を図ることを目的とした研修です。
新入社員の早期離職防止やエンゲージメント向上にも繋がるため、実施すべき研修です。
主な研修内容は、以下の通りです。

企業理念や方針の理解

企業理念や事業目的、ビジョンや価値観を伝えることで、新入社員は自身の役割を認識することができます。また、新入社員自身がその企業の一員として働く上で大切にしたい想いやビジョンの醸成にも繋がります。
弊社がお客様に提供させていただいている例として、経営陣や現場社員から新入社員に向けてストーリーティング(※) を行い、その内容を基に参加者全員で対話を行うワークを取り入れています。 組織ビジョンや社会に提供している価値を、経営陣・現場社員自らの言葉でお話いただき、ストーリーを通して感じたこと・発見等を新入社員同士で対話し、理解を深めていきます。

※ストーリーテリング:自身の経験や想いをオープンに、かつ、人間味を持ってストーリーとして伝える方法。抽象的な単語や情報を羅列するよりも、相手の記憶に残りやすく、得られる理解や共感が深い。組織の理念やビジョンなどを、メンバーに浸透、動機づける際に活用されることが多い。(ストーリーで話す方法と論理的・数値的に話を伝える方法とでは、人の記憶の残りやすさに最大22倍差が生じるとの研究結果もある。(スタンフォード大学 Jennifer Aaker教授))

【研修イメージ(ストーリーテリングとダイアログ)】  ストーリーテリングとダイアログ

 

同期とのチームビルディング

同期との横のつながりを強化し、お互いに高め合える関係性を構築します。
同期と良好な関係性をつくれると、疎外感や不安感が軽減され、配属後も協力して仕事を進めやすくなります。 簡単なゲームなどを通したレクリエーションで同期の新たな一面を知ったり、グループワークで互いに協力し合い、異なる意見を一つにまとめていく等の経験を積むことが効果的です。

例えば、弊社研修では「あなたが大切にしていること」をテーマにしたワークシートを用いて、新入社員同士が自己紹介し合います。シートを用いることで、通常の自己紹介では伝えられない観点を伝え、お互いに知ることができ、関係の質向上に繋がります。

【研修イメージ(自己紹介のグループワークや対話)】  自己紹介のグループワークや対話

 

トレーナーとの相互理解・関係構築

新入社員とトレーナーの相互理解・関係構築を扱った研修も、新入社員の早期離職防止のために実施したい内容です。トレーナーとの関係性がうまく構築できなければ、新入社員から積極的に報連相をしなくなります。その結果、仕事の覚えが悪くなったり、職場になかなか馴染めず早期退職というリスクも高まってしまいます。
研修内容の例としては、新入社員とトレーナーがお互いにインタビューし合い、その内容を基に対話し、相互理解を深めるワーク等が効果的でしょう。

その他、配属後のトレーナーとの関係性構築については、下記コラムもご参考下さい。
OJTトレーナーと新入社員の関係性の作り方について、人事ができることとは

 

⑤ 心身共に健康で働くためにストレスとの適切な向き合い方を身に付ける

5つ目は、社会人として健康管理についての意識を高め、ストレスへの適切な対処方法を身につける事を目的とした研修です。
近年、働く人のメンタル不調は増加傾向にあります。生活環境が大きく変わる新入社員も、気付かぬうちにストレスを溜め込み、休職や離職に至ってしまうケースもあります。そのような状況に陥らないためには、必須のテーマと言えるでしょう。

レジリエンス

レジリエンスとは「困難や逆境があっても乗り越える力。ストレスを受けた状態から回復できる力」のことです。新入社員がこれから歩む社会人人生において、失敗や困難な状況に直面したり、人間関係や将来への不安からストレスを抱える場面も多々あるかと思います。そんな時、レジリエンスが低いとネガティブ思考から脱却できず、ストレスを溜め込み、メンタル不調にも繋がりかねません。そのため、現代のビジネスパーソンにとって、レジリエンスアップは必須と言えます。

レジリエンスアップ研修では、以下2つの観点をワークに盛り込めると効果的です。

・自己理解(自身のストレス対象と反応を理解すること)
・柔軟性(自身のストレス対応に対し、自分のパターンを見つけ、柔軟に対応すること)

※ レジリエンスについての詳細は、下記コラムもご参考ください。
新入社員・若手社員のストレスマネジメント対策 ~自ら逆境や困難を乗り越えるレジリエンスを鍛える~

 

セルフマネジメント

セルフマネジメント(self-management)とは、直訳では「自己管理」を意味します。 ビジネスの場においては「課題解決や目標達成のために、自分の行動や感情、健康などを自分自身で律してよい状態に調整すること」と捉えられています。

コロナ禍を機にテレワークが浸透しました。その環境下でも、社員一人ひとりが、誰かが見ていなくても自分を律して仕事に取り組む意識や、周囲からサポートを得にくい状況でも自ら成長し、成果を出し続ける必要性が増したことで、セルフマネジメントはより一層注目を浴びるようになりました。特に、入社後テレワーク勤務が中心となる新入社員にとっては、必須で養うべき力と言えます。

ちなみに、セルフマネジメントと比較・混同されやすい「セルフコントロール(self-control)」は、「自己抑制」を意味します。セルフマネジメントが「目的意識を持って、自身の状態をより良く維持すること」に対して、セルフコントロールは「自分の欲望や感情、様々な誘惑などから抑制すること」であり、それぞれ目的が異なります。

具体的な研修内容をご紹介します。例えば、弊社ではセルフマネジメント(力)は「業務遂行力、巻き込み力、意義付け力、成長力」の4つの要素から構成されると定義付けており、図に表すと以下になります  セルフマネジメント力 自分自身を律し、よい状態に保ち続けるセルフマネジメントは、一度きりの研修で身に付けられるものではありません。そのため、1年間を通して、新入社員のつまずきやすいポイントと連動させた研修スケジュールを組んで定期的に研修を行い、新入社員のセルフマネジメント力強化をサポートしています。

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※「新入社員の気になる様子」に応じて研修内容・スケジュールを組み、セルフマネジメント力の強化を行っています。

 

⑥ 業界・職種に応じた専門知識・スキルを習得する

6つ目は、業界や職種に応じた専門知識・スキルを習得を目的に行う研修です。なるべく早い段階で職場に馴染み活躍してもらうために、仕事に必要な専門的なスキルや知識を教育します。
業界や職種ごとに必要とされるスキルや知識は異なるため、新入社員の配属先に合ったカリキュラム内容にするのがポイントです。

一例として、職種別に主な研修内容をお伝えします。

職種 主な研修内容
営業・販売系 サービス・業界理解、コミュニケーション、ヒアリング、プレゼンテーション、テレアポ など
企画・マーケティング系 顧客分析などのマーケティング基礎、企画書作成、Webマーケティング など
エンジニア・技術系 技術スキル、情報セキュリティ、資格取得支援、タイムマネジメントなど
事務・バックオフィス系 PCスキル、資格取得支援、業務効率化、簿記、各部署理解 など
【参考】研修内容から決めるのはNG!新入社員研修企画の6ステップ
目的別に新入社員研修の内容についてご紹介してきましたが、研修内容からはいって研修計画を立てるのはNGです。研修内容ありきで計画してしまうと、組織全体の人材育成の方向性や現場の実態とズレが生じてしまうためです。 下記6ステップを参考に、研修を企画していただくことを推奨します。

ステップ 詳細
組織全体の育成コンセプトの設定 中長期的に組織としてどうなっていきたいかを考え、そこから育成コンセプトを設定する。
階層ごとに育成コンセプトの設定 組織全体の育成コンセプトを基に、階層別の育成コンセプトを設定する。
(例:経営陣・管理職・中堅社員・若手社員(2・3年目)・新入社員)
配属先や新入社員へのヒアリング調査 新入社員の配属先の社員や昨年度の新入社員らにヒアリング調査を行い、新入社員育成に必要な要素やスキルを洗い出す。
研修目的・ゴールの設定 育成コンセプトとヒアリング調査をもとに、
新入社員の目指す姿(ゴール)を定め、研修目的を設定する。
研修期間の設定 研修目的・ゴールにあわせて最適な研修期間を設定する。
具体的な研修内容・
スケジュールの設定
全体の流れを意識しながら、具体的な研修内容・スケジュールを設定する。

2)より良い研修内容にしていくための5つのチェックポイント

前章では、目的別に新入社員研修の内容について紹介してまいりました。新入社員研修の一般的な研修内容は網羅していますので、研修企画の際のご参考になればと思います。

さて、ここで当たり前のことを言いますが、新入社員研修は、確実に、最大の効果が出る研修内容を企画していく必要があります。その理由は大きく二つ。一つ目は、入社間もない新入社員はすぐに成果を出すことができない状態であり、いち早く成果を生み出す存在に成長する必要があるためです。二つ目は、そんな右も左もわからない状態だからこそ、吸収力が高く、研修の投資対効果が高いためです。
そこで、新入社員研修を効果的でより良い内容にしていくために重要な5つのチェックポイントをあげさせていただきました。

① 新入社員の傾向や時代にあわせて、研修内容をアップデートできているか?
② 新入社員のインサイドアウト(内発的動機)を促せているか?
③ 研修内容は詰め込み過ぎていないか?
④ 講師は新入社員研修に適した人物であるか?
⑤ 研修後の認知・行動変容に対する継続的なフォローアプローチがあるか?

次の項目から、一つずつ説明していきます。

① 新入社員の傾向や時代にあわせて、研修内容をアップデートできているか?

新入社員研修は、ビジネス環境や新入社員の傾向・特徴の変化にあわせて、その内容をアップデートしていく必要があり、毎年同じ研修内容を行っている場合は効果が徐々に下がっているため、早急に見直す必要があります。
特にコロナ禍以降は、入社前の学生時代の過ごし方や人材育成の場も大きく様変わりしています。変化に応じて、研修内容をアップデートしていかなければ、育成効果は高まりません。
弊社のお客様も、コロナ禍で目まぐるしく変わる環境下で「今までの育成では効果が出にくいとわかっていけど、ずっと同じ内容で行っていたものだから、どこから手を付ければいいのか…」といったご相談をよくいただくようになりました。

研修内容のアップデート例として、新入社員の傾向をふまえた弊社新入社員研修の内容をお伝えします。2022年度の新入社員育成を通して、コロナ禍で行動や関係性が制限された学生時代を過ごした新入社員は、これまで以上に「他者からのフィードバックに慣れていない」という傾向が見受けられました。 その仮説を持ち、2023年度入社予定の学生らへのインタビューや独自調査を行った結果、この傾向は2023年度以降より一層強まるであろうと考えています。
そのため、2023年度の新入社員研修では「フィードバックの受け止め方」に関するワークを取り入れる予定です。フィードバックを自らの成長の糧としていくためのスタンス醸成や具体的な考え方を習得するとともに、現場育成のサポートを行っていきます。  フィードバックの受け止め方 ※ 2022年度新入社員の特徴をまとめた資料は、こちらから無料ダウンロードいただけます。 2023年度新入社員研修に関する資料請求・お問合せはこちら

 

② 新入社員のインサイドアウト(内発的動機)を促せているか?

研修の場で、新入社員のインサイドアウト(内発的動機)を促すアプローチができているかも重要なポイントです。なぜならば、インサイドアウトが促せていない新入社員は、指示待ちの受け身人材となる可能性が高いためです。

インサイドアウトの対極にあるのはアウトサイドインで、2つのメタファーとしてよく用いられるのが、卵の例です。  インサイドアウト アウトサイドイン 上記写真を見ていただくと一目瞭然ですが、「内側から殻を破る」ととても力強いエネルギーが発揮されます。その一方で、外側から無理やり強く叩くと壊れてしまいます。

新入社員研修も同様に、外側からの「こうあるべき」を押し付けるのではなく、新入社員の内側からの「ありたい」を解放し、変容に繋げていくものが、本質的に効果的な研修であると考えています。

とはいえ、新入社員研修は、社会や企業のルールや規範を教える場でもあるので「べき論」も多くなる研修ではあります。しかしながら、何から何まで「べき論」で教えてしまうと「正解は自分の外にあるもの」という認知が形成されてしまいます。VUCAとも言われる予測不可能な時代において、上司や先輩が必ずしも正解を知っているとは限らず、共に正解をつくっていくことが新入社員にも求められています。 社会人としてのマインドセットのタイミングで、「べき論」のみで育成された新入社員は、現場配属後も、周りから正解を与えられることを待ち、自分で考えなくなる、指示待ちの受け身人材となってしまいます。
そのため、新入社員研修を通してインサイドアウトを促し、彼らの「ありたい」を醸成し、主体性と当事者意識を育むことがポイントです。 研修内でインサイドアウトを促すアプローチとしては、例えば下記のようなものが有効です。

・ワールド・カフェなどのダイアログを通して良質な問いを提供し、新入社員の中から出てきたものを大切にする
・講師がファシリテーターとしての役割も担い「講師だけが正解を持っているのではなく、新入社員同士で学び合うことが重要」であると気付く場づくりを行う

【参考】弊社では「講師」と「ファシリテーター」は、目的や周囲への関わり方の異なる存在として定義付けています。

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③ 研修内容は詰め込み過ぎていないか?

あれもこれもと1日の研修に色んな内容を詰め込み過ぎるのもよくありません。量が多すぎて処理しきれなければ、「結局、何が重要なんだろう?」と学びのポイントがぼやけてしまい、かえって逆効果にもなり得ません。研修企画の際は、下記の観点をふまえる必要があります。

・インプットとアウトプット(ワークで実践したり、振り返る時間)のバランスは適切か?
・研修タイミングと内容は適切か?(前後の内容と整合性は取れているか?)

新入社員研修の研修プログラムから考えて企画し始めると、色々と詰め込み過ぎてしまう傾向があります。(弊社では「研修の幕の内弁当化」と呼んでいます。)また、新入社員育成に強い想いや関心の高い人事や企業ほど「詰め込むのは良くないと頭で理解はしていても、色々と教えたくなっちゃう…」と、結果として詰め込み過ぎな研修を行っている状況をよく目にします。

そうならないためには、前章に【参考】として記載した「新入社員研修企画の6つプロセス」をふまえて、以下2点を都度確認しながら企画していくことが重要です。

・自社の育成コンセプトや研修目的に即した内容であるか?
・研修期間内で、本当に実施すべき内容か?優先順位は付けられているか?

 

④ 講師は新入社員研修に適した人物であるか?

新入社員研修に相応しい講師であるかもチェックする必要があります。どんなに素晴らしい研修内容であっても、それを行う講師が新入社員育成に相応しくなければ効果が半減してしまうためです。

例えば、講師が自身の新入社員時代の失敗談や実体験を交えて、現場のリアル感を伝えることは、新入社員にとって深い学びや気づきにつながります。ただ、変化の激しい昨今のビジネス環境と講師が新入社員だった時代とでは、状況や常識が異なる部分もあります。講師が「自身の成功体験・やり方が勝ちパターンである」という思考のままだと、現場のリアルとそぐわない内容となるため、学びは半減してしまいます。(もちろん、過去の成功体験から学ぶべきポイントもたくさんありますが)
その他、下記スキルや観点が備わっていれば、新入社員研修の講師として適任と言えます。

・わかりやすい講義を行うための プレゼンテーションスキル
・学習効果を高める場づくりや関係構築のための コミュニケーションスキル
・新入社員の主体性と当事者意識を高める ファシリテーションスキル
・場や状況に応じて、インタラクティブに対応できる能力
・計画通りに研修を遂行できるタイムマネジメント能力
・新入社員がロールモデルとしてイメージしやすいか
・近年のビジネストレンドや新入社員の特徴・傾向を理解しているか
・自身の過去の成功体験ややり方をアンラーンできているか

そして、以下は弊社としての想いになりますが・・・
新入社員研修は、誰しも一生に一度しか経験できない学びの場であり、これから続く社会人人生の大切なスタートの場です。かれらに対して愛情をもって向き合い、接することができる方が、新入社員研修の講師として相応しいと考えています。

 

⑤ 研修後の認知・行動変容に対する継続的なフォローアプローチがあるか?

研修を行って終わりではありません。研修での学びが一過性で終わらず定着していくためには、研修後のフォローやリマインド(刺激)が重要です。
人の忘却のメカニズムの研究として、「1日後には34%、1か月後には21%しか記憶した内容を覚えていない」という研究結果(Ebing Housの忘却曲線)があります。  エビングハウスの忘却曲線 画像参照:エビングハウスの忘却曲線

ただし、この実験は無意味な単語を覚え、その後の記憶の定着率を表した実験結果のため、意味のある研修の内容にはそのまま適応できませんが、1日経てばかなりの部分を忘れてしまうことは確かでしょう。 研修での学びを記憶に留めるだけでなく、認知・行動変容へと繋げていくには、定期的なリマインド(刺激)やフォローは不可欠と言えます。 以下、研修後のフォローアプローチをタイミング別に表にまとめました。

【研修後のフォローアプローチ例】

タイミング 実施内容
研修直後 研修内容の振り返りとして、レポート作成を行う。
研修翌日(配属後) トレーナー・現場管理職の研修内容に対する理解や支援をしてもらうため、新入社員からトレーナー・現場管理職に対して、研修での学び・モヤモヤ・職場で行うアクションプランを報告する。
研修1週間後 研修内容のリマインドとして、人事から新入社員(現場社員)に対して、研修レポートを共有する。
研修2週間後~ バトンメール®を開始し、新入社員同士で交流や刺激をし合う。
研修1か月後~ Growth(グロース)などのサーベイを実施し、定期的な内省を促し、自身でPDCAサイクルを回す仕組みをつくる。また、Growthの回答結果を基に、上司と1on1などで対話を行う。
研修2~3か月後 現場でのGrowth取り組みを振り返り、学びの定着に向けて、フォロー研修を実施する。

上記表にも記載されている、バトンメール®とGrowth(グロース)についてご紹介します。

 

バトンメール®

バトンのように特定のグループの中でメールを回していく、研修後のフォローツールです。(メール以外にも、グループチャット等で実施も可能です)

【具体的な進め方】
1. 新入社員に意識して欲しいことを基に、“問い”を作成しメール文言を考えます。 2. 新入社員をグループ(4~6人)に分けます。 3. 各グループのなかで1名指定し、その方からバトンメール®をスタートします。 4. メールを作成し、グループメンバー全員にメールを送ります。 5. メールの文末に、次にメールを送ってほしい人を指名します。 6. 指名された人は、次の1週間の間にメールを作成し、グループ内の別のメンバーに送ります。 7. メールの文末に、次にメールを送ってほしい人を指名します。 ※ 6~7を繰り返します。

【バトンメール®を実施する際のポイント】
・文頭でアイスブレイクを入れる ・メールの順番は新入社員に任せる ・人事もCCに入れ、メール送付が遅れている場合は声掛けをする ・終了時期を決める

【参考:バトンメール®サンプル】 バトンメール®サンプル

 

バトンメール®の大きなメリットは、人事や新入社員の負担が少なく実施できる点です。また、終了時期を予め決めておくことで、新入社員も「いつまで続くのだろう?」という気持ちなく、取り組むことができます。例えば、フォロー研修や入社半年まで等の時期を設定し、実施できると良いでしょう。

Growth(グロース)

Growthとは、アーティエンスが提供している若手・新入社員向けのフォローサーベイです。 月1回の回答を通して、若手・新入社員の内省機会を提供し、自身でPDCAサイクルを回す仕組みをつくります。また、サーベイ結果を基に、上司と1on1などで対話を行えると、研修後のフォロー効果も高まります。(Growthと連動した1on1シート等の1on1支援ツールも提供しています) Growthと連動した1on1シート等の1on1支援ツール ※Growthサーベイ結果、1on1シートイメージ
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3)まとめ

本記事では、目的別に新入社員研修の内容や手法、より研修効果を高めるためのチェックポイントについてお伝えしました。以下にまとめましたので、おさらいをしてみましょう。

【目的別】新入社員研修の内容・効果的な研修手法

目的(狙い) 研修内容 効果的な研修手法
社会人としてのマインドセットを行う ・社会人としての自覚醸成
・コンプライアンス理解
・コスト意識醸成
・講義形式
・ロールプレイ
・ケーススタディ
・ゲーム形式
仕事を進めていく上で基礎となる
姿勢・スキルを習得する
・ビジネスマナー
・ビジネススキル
・ITスキル
・講義形式
・ロールプレイ
・ケーススタディ
・eラーニング
・テスト形式
社会人として基礎となる思考スキルを
習得する
・ロジカルシンキング(考える力)
・ドキュメンテーション(可視化する力)
・問題解決力(インタラクティブに聴く・伝える力)
・講義形式
・ロールプレイ
・ケーススタディ
自組織や職場についての理解・浸透を図る ・企業理念や方針の理解
・同期とのチームビルディング
・トレーナーとの相互理解・関係構築
・ストーリーテリング
・ダイアログ
・レクリエーション
・ロールプレイ
心身共に健康で働くためにストレスとの
適切な向き合い方を身に付ける
・レジリエンス
・セルフマネジメント
・講義形式
・ロールプレイ
・ケーススタディ
業界・職種に応じた専門知識・スキルを
習得する
・講義形式
・ロールプレイ
・ケーススタディ
・テスト形式
【より良い研修内容にしていくための5つのチェックポイント】
①新入社員の傾向や時代にあわせて、研修内容をアップデートできているか?
②新入社員のインサイドアウト(内発的動機)を促せているか?
③研修内容は詰め込み過ぎていないか?
④講師は新入社員研修に適した人物であるか?
⑤研修後の認知・行動変容に対する継続的なフォローアプローチがあるか?

新入社員が活躍人材として成長していくためには、新入社員の傾向や特徴、ビジネス環境の変化に応じて、研修内容も見直し、効果を高めていく必要があります。 弊社では、時代の流れや新入社員の特徴・傾向にマッチした研修内容に毎年アップデートしております。 2023年度新入社員研修をお考えの方は、是非一度ご相談ください