コラム

失敗しない新入社員研修(公開講座)の選び方│フォローも万全で、安心スタート!

スーツ姿の男女数名が会議をしている様子

2022/12/05作成ー

「良い新入社員研修の公開講座を見つけたい」と考え、本コラムにたどり着いた方もいらっしゃることと思います。

しかしながら、各社のさまざまな新入社員研修の公開講座を調べても、どれも同じように見え、違いがよく分からないということが、同時に生じているのではないでしょうか。

新入社員研修の公開講座をご検討されている人事・経営者の方々によく見られるケースは、

①大切な新入社員をあずけるにも、どのように判断していいかわからず、
②まずは複数の研修会社に対して、資料請求をして、
③打ち合わせを行い、一番良さそうなところにしよう。

という行動が見られます。
ただし、このような選び方をすると「自組織に合った新入社員研修」ではなく、研修会社の営業担当者の良し悪しで、決定してしまうことが多々あります。

当社へのお問合せで、新入社員研修の公開講座のリプレイスを検討されているケースでは、

・研修内容が、ずいぶん前から更新されていないような内容だったから
・研修講師のスキルにバラつきがあるように感じたから
・1クラスあたりの受講生が多すぎて、講師の目が行き届いているとは思えなかったから
・研修後のフォローやサポートが何もなかったから

などといったお話をよくお聞きします。これらの課題意識を事前に踏まえられていれば、良質かつ自組織にあった新入社員研修の公開講座を受講できたのではないでしょうか。

本コラムでは、

・良質な新入社員研修の公開講座の定義
・良質な新入社員研修の公開講座の選び方
・良質な新入社員研修の公開講座の活用事例

をお伝えしていきます。

本コラムを読み終えた時には、「良質な新入社員研修の公開講座を選択するための判断軸」が分かり、自信を持って新入社員研修の公開講座を決定し、経営者に伝えることができるでしょう。そして、公開講座であっても、新入社員は良質な研修を受講することができることをお約束します。

1)良質な新入社員研修の公開講座とは、『パフォーマンス』と『エンゲージメント』を高めるもの

当たり前ですが、新入社員は一日でも早く一人前になり、成果を出すことが求められます。それと同時に、組織への定着を促し、早期離職を未然に防いでいく必要があります。

そのためには、新入社員の『パフォーマンス』と『エンゲージメント』を高める「良質な新入社員研修の公開講座」を用意する必要があります。

例えば、新入社員研修の公開講座の選定で失敗する例として、低価格という理由のみで導入を決めてしまうものがあります。そうすると、研修前後のフォローも適当に済ませてしまう可能性があり、新入社員も「言われたから、ただ研修を受講してきただけ」という状況に陥ってしまうことがあります。これでは、「学生から社会人への切り替え」や「基本的なビジネススキル(報連相やスケジューリングなど)の習得」ができず、いつまでたっても成果は出せません。

また、「学生から社会人への切り替え」や「基本的なビジネススキル(報連相やスケジューリングなど)の習得」ができたとしても、新入社員のエンゲージメントが上がらなければ、退職リスクは高まります。「自分のしたい仕事ができない」、「上司やトレーナーとのコミュニケーションが取れず、孤独だ」などという問題が起きることもあります。

だからこそ、新入社員の『パフォーマンス』と『エンゲージメント』を高める「良質な新入社員研修の公開講座」を実施する必要があります。

ここで、『新入社員のパフォーマンスとエンゲージメントを高める「良質な新入社員研修の公開講座」なんてどう見つければいいのだろうか?本当にあるのだろうか?』といった疑問が生じてくるかと思います。次の章から、具体的に解説をしていきます。

2)『パフォーマンス』と『エンゲージメント』が向上する新入社員研修の公開講座の選び方

パフォーマンスとエンゲージメントが向上する新入社員研修の公開講座を選定する際は、次の4つを判断軸とされることをおすすめします。

① 研修プログラムの品質
② 講師の品質
③ 納品の品質
④ フォローの品質

この4つの判断軸を用いた「パフォーマンスとエンゲージメントが向上する新入社員研修の公開講座の選び方」のチェックシートを下記にご紹介します。
この表をもとに、ぜひ、ご検討中の新入社員研修の公開講座をチェックしてみてください。

確認項目 チェック
1 人材開発・組織開発などの学術的背景があって、研修が創られているか?
2 時代に即した研修内容になっているか?
3 研修コンセプトや、ラーニングポイントが明確になっているか?
4 講師は、トレーニングをしっかり受けているか?受け続けているか?
5 講師としての登壇実績はあるか?
6 講師は、実務経験があるか?
7 研修内容に対して、受講人数は適切か?
8 研修内容に対して、教室のレイアウトは適切か?
9 研修内容に対して、アテンドスタッフの人数は適切か?
10 研修後のレポートは、充実しているか?
11 受講生の認知変容・行動変容に関してのフォローアプローチがあるか?
12 社内研修に対しての相談やフォローが可能か?

この表の判断軸は、下記のように分かれています。 パフォーマンスとエンゲージメントが向上する新入社員研修の公開講座の選び方
次の章から一つずつ詳しく解説していきます。

① 研修プログラムの品質

まずは、研修プログラムの品質を確認します。ポイントは次の3つです。

・人材開発・組織開発などの学術的背景があって、研修が創られているか?
・時代に即した研修内容になっているか?
・研修コンセプトや、ラーニングポイントが明確になっているか?

それぞれ説明していきます。

人材開発・組織開発などの学術的背景があって、研修が創られているか?

人材開発・組織開発の学術的背景や根拠がない研修プログラムでは、研修会社や講師の持論になってしまうので、新入社員のパフォーマンス発揮につながる学びになるかどうかが分かりません。

例えば、学生から社会人への意識変革を行う研修で「顧客満足を大切にしましょう」ということを、ただ言い続けても「それはそうだよね」と、何となくで終わってしまいます。新入社員に伝えるかどうかは別として、学術的背景が必要になります。

「研修を提供する上で、御社が大切にしている学術的背景は何ですか?」と確認を取ることをお勧めします。そして、なぜその学術的背景を大事にしているのかまで確認いただけると、自社にマッチした研修内容かどうかの判断もつきやすくなります。

時代に即した研修内容になっているか?

ビジネス環境の変化や新入社員の傾向にあわせた研修内容になっていなければ、新入社員のパフォーマンスとエンゲージメントが向上するための学びには繋がりません。昔と今とでは大きく考え方が変わった部分や科学的にも間違っていた考えも出ているためです。

例えば、「声出しをひたすら行う」、「絶対時間内に終わらないような理不尽なワークを行う」などの昔ながらの研修内容では、逆効果となってしまうこともあります。「声出し」に関しては意味が無いと捉えますし、「理不尽なワーク」に関しては、”無理ゲー”と捉えて前向きに受講しなくなる可能性があります。

そのためにも「今の新入社員の傾向も含めて、どのような点を意識して研修を提供していますか?」と確認を取ることをお勧めします。

研修コンセプトや、ラーニングポイントが明確になっているか?

研修コンセプトやラーニングポイント(学びのポイント)が明確であれば、新入社員の学習度合いも高まるため、新入社員のパフォーマンスとエンゲージメントが向上するための学びには重要な観点になります。

ラーニングポイントについて、もう少しイメージしやすいよう弊社のビジネスマナー研修を例にあげて解説します。ビジネスマナー研修にてよく扱われている「敬語」「名刺交換」「電話応対」などは、もちろん学ぶべき知識・スキルではありますが、ラーニングポイントにはなりません。ラーニングポイントとは、ビジネスマナー研修を通して、どんな考え方や姿勢を学んでほしいかという観点になります。

【参考】当社のビジネスマナー研修の研修コンセプトやラーニングポイント(当社資料より一部抜粋抜粋) ビジネスマナー研修のコンセプト
ご検討の際は、「学びのポイントは何ですか?どのようにその学びのポイントを研修コンテンツに落としていますか?」と確認を取ることをお勧めします。

② 講師の品質

次に、講師の品質について確認をします。ポイントは、3つです。

・講師は、トレーニングをしっかり受けているか?受け続けているか?
・講師としての登壇実績はあるか?
・講師は、実務経験があるか?

それぞれ説明していきます。

講師は、トレーニングをしっかり受けているか?受け続けているか?

講師がちゃんとトレーニングを受けている(受け続けている)人物であることも、新入社員のパフォーマンスとエンゲージメントが向上するための学びには重要な観点です。トレーニングを受けていない我流で行っている講師は、人材開発・組織開発の知識・スキルが浅い可能性が高く、高いハイパフォーマンスを出す講師とは言えません。また、人材開発・組織開発の知識・スキルは、日々進化しているので、常に学び続ける必要があります。

例えば、講師の言葉遣いやオペレーション一つをとっても、新入社員の学びに大きく影響します。指示命令で行うよりも、講師からの問いかけを多くすることで、新入社員が能動的に考えるようになります。ワークの説明においても、受講生の理解度に応じて説明度合いを調整するなどのスキルも必要になります。

ご検討の際には、「講師に対して、どのようなトレーニングをしているか?講師のスキルアップにどのような支援をしているか?」と確認を取ることをお勧めします。

講師としての登壇実績はあるか?

登壇実績のない講師では、新入社員のパフォーマンスとエンゲージメントが向上するための学びに繋がりにくくなります。「年間で何件くらい登壇しているのか?」、「講師としての経験年数はどれくらいか?」などの観点ももちろん重要です。ただ、それ以上に、「講師登壇に対してどのような想いがあり、受講生にどのような想いを伝えてきたのか?」という観点が大切になります。

新入社員研修の講師は、年齢的に若い講師も多いため、年間の登壇数や講師の経験年数が少ないことが多いです。ただし、年齢を若くして講師になる方は、研修のアテンドスタッフやサブ講師などを多く経験しているケースも多いです。そのため、さまざまな研修の場面に立ち会っています。研修業界を経験せずに講師になられている方よりも、研修現場を見ている経験が実は多かったりします。自身の登壇が数少ない場合であっても、アテンドスタッフ・サブ講師としての学び・経験をどのように活かしているのか、確認するといいでしょう。

「講師として、何を大切にしているか?自身が登壇した新入社員研修で印象的な場面と、困った場面をどうやって対応したか?」といった確認を取ることをお勧めします。パフォーマンスとエンゲージメントが向上するための新入社員研修の公開講座を行うには、講師の実績が不可欠です。

講師は、実務経験があるか?

講師としての経験だけでなく、実務経験もないと、新入社員のパフォーマンスとエンゲージメントが向上するための学びに繋がりません。新入社員研修の内容と共に、講師自身のリアルな体験談を受講生に伝えることで、現場での活用イメージを具体的に持ちやすくなります。

一つ例として、当社のある講師の経験談を簡単にご紹介します。

・IT業界の大企業に新入社員として入社。企画部門を希望していたが、営業職に配属となる。毎日ひたすらテレアポをする仕事に追われ、辞めたいと思っていた
・辛い中でも今できることに取り組み、結果を出すことで、上司・先輩社員からも少しずつ認められて、少しずつ企画の仕事も任せられるようになった
・そしてその後、ベンチャー企業に転職。新卒の時の経験が今も活きていると考えており、会社規模に関わらず新入社員に対し、どのように壁を乗り越えていくかを伝えている

上記は一例ですが、ご自身のリアルな体験やそこから学んだ気付きを、想いを持って新入社員に伝えられる講師であることが重要です。新入社員の字面のプロフィールを確認するだけではなく、「新入社員時代も含めて、どのような実務経験があり、どのような苦労や失敗を乗り越えてきたか」を確認を取ることをお勧めします。

【参考】公開講座の登壇講師の確認について
公開講座の講師は、参加企業が選ぶことはできませんし、また事前の講師顔合わせなどもありません。もし、ご不安な場合には、営業担当者に講師プロフィールを提供してもらったり、上記内容についてご質問いただくことをおすすめします。特に、営業担当者の受け答えで、ハイパフォーマーな講師かどうかが分かります。

③ 納品の品質

続いて、納品の品質について確認をします。ポイントは、3つです。

・研修内容に対して、受講人数は適切か?
・研修内容に対して、教室のレイアウトは適切か?
・研修内容に対して、アテンドスタッフの人数は適切か?

それぞれ説明していきます。

研修内容に対して、受講人数は適切か?

研修内容に対して、適切な受講人数であるかどうかも、新入社員のパフォーマンスとエンゲージメントが向上するための学びには重要な観点です。

研修には、さまざまな手法があります。例えば、「ケーススタディを個人/ペア/グループワークで行うもの」や、「講師が上司役・新入社員が部下役となり、シミュレーション形式でワークを行うもの」、「ワークショップ形式で対話中心で行うもの」などがあります。適切な受講人数は、研修手法やワークの内容によって全て変わってきます。そして、同じ研修内容でも、集合型(リアル)かオンラインかで、適切な受講人数は変わってきます。

例えば、4月の新入社員研修だと「学生から社会人への切り替え研修」や「ビジネスマナー研修」などがの研修内容で、「ケーススタディを個人/ペア/グループワークで行うもの」や「講師が上司役・新入社員が部下役となり、シミュレーション形式でワークを行うもの」などの研修手法が中心となることが多いです。その場合は、どんなに多くても1クラス40名未満におさえなければ、研修が適切に機能になくなってしまいます。

「講師の目が行き届かず、ワークに集中しない新入社員がいる」や「進め方が理解できず、ワークに取り組めていない新入社員に、講師がフォローできていない」といったトラブルが発生する恐れがあります。そのため、「研修は、何名で行っているか?(40名以上の場合は)その人数は適切なのか?」と確認を取ることをお勧めします。

研修内容に対して、教室のレイアウトは適切か?

「研修内容に対して、教室のレイアウトが適切でない」と、新入社員のパフォーマンスとエンゲージメントが向上するための学びに繋がりません。研修でよく用いられるレイアウトを下記図表でお見せします。
 任意の名前 ※ 当社、社内ファシリテーター育成コースのテキストより抜粋
グループワークを実施するのであれば、島形式が一般的です。バズ形式(小グループのサークル)でも可能ですが、新入社員研修では模造紙を用いてアウトプットを作成することが多いため、ケーススタディなどには向いていません。

例えば、品質の低い新入社員研修の公開講座でよくあるケースとしては、「無理やりスクール形式やバズ形式で行う」ということです。スクール形式で行うと、「ペアワークでは、他のペアの声と重なり、声が聴こえなくなる」や「前列の新入社員が後列の新入社員の方に向き直し、メモなどが取れない」ということが起きます。バズ形式だと模造紙が書けないということも起きるでしょう。これは、受講人数を増やすために、一つの教室に多くの受講生を入れる研修会社の都合のためです。

確認の際は、「研修風景の写真を見せてもらえませんか?(写真を見て)島形式でグループワークを行うんですね」とお聞きいただくことをお勧めします。(「写真を見たときは島形式だったのに、研修の見学に行ったらスクール形式だった」というお話をお客様からお聞きしたため)

研修内容に対して、アテンドスタッフの人数は適切か?

「研修内容に対して、アテンドスタッフの人数が適切でない」と、新入社員のパフォーマンスとエンゲージメントが向上するための学びに繋がりません。これは、講師一人だけでは、研修の場をホールドしたり、コントロールすることが難しいためです。

例えば、新入社員が目立たないように居眠りしていたとします。そのことに講師が気付かなければ、寝ている本人の学びが少ないどころか、同グループの新入社員たちに対してもネガティブな影響を与えてしまいます。この際に、アテンドスタッフがいれば、講師に状況を報告ができ、講師から当人に対して注意喚起することが可能になります。
※ 注意の仕方は状況に応じて、全体の前か・個別かなどの判断が必要になります。このような内容は、講師のトレーニングの際に学んでいくことになります。

研修の場に良くない影響を及ぼしていることに対しては、適切かつ早期に対応していく必要があり、そのためにはアテンドスタッフからのサポートが必要です。基本的に、受講生が16名以上の場合にはアテンドスタッフが必要と言っていいでしょう。40名以上の場合は、最低2名は必要です。

ご検討のタイミングで、「研修は、講師以外にアテンドスタッフの方はいますか?」と確認を取ることをお勧めします。

④ フォローの品質

最後に、フォローの品質を確認します。ポイントは3つです。

・研修後のレポートは、充実しているか?
・受講生の認知変容・行動変容へのフォローアプローチがあるか?
・社内研修に対しての相談やフォローが可能か?

それぞれ説明していきます。

研修後のレポートは、充実しているか?

「研修後のレポートが充実していない」と、新入社員のパフォーマンスとエンゲージメントが向上するための学びに繋がりません。研修後のレポートがなければ、「新入社員が何を・どのように学んだのか」を把握できませんし、適切なフォローもできません。

例えば、当社では下記のような研修後のレポートを作成・共有しています。
2022年4月4日開催「社会人の自覚研修」ー公開講座研修レポート
2022年4月5日開催「ビジネスマナー研修」ー公開講座研修レポート

「研修後のレポートはありますか?具体的な内容はどのようなものでしょうか」と確認を取ることをお勧めします。

受講生の認知変容・行動変容へのフォローアプローチがあるか?

「受講生の認知変容・行動変容へのフォローアプローチ」が充実していれば、新入社員研修の学び・気付きを継続させることができるため、新入社員のパフォーマンスとエンゲージメントの向上には重要な観点です。

研修受講後、何もフォローやサポートがなく受けっぱなしで終わってしまっていては、新入社員の認知変容・行動変容は弱まってしまいます。

「新入社員が研修で学んだことを、継続するためのフォローはありますか?」と確認を取ることをお勧めします。

社内研修に対しての相談やフォローが可能か?

社内研修に対して相談できる場やフォローなどのサポートがあると、新入社員のパフォーマンスとエンゲージメントが向上につながります。どんなに素晴らしい研修であっても、社内研修と連動できていなかったり、現場でフォローやサポートがなければ、研修効果は半減してしまいます。

例えば、ビジネスマナーについて業界特有のルールがあった場合、社内研修で唐突に業界特有のルールについて伝えるだけでは、新入社員は「何が正しいのか?」と混乱してしまう可能性があります。公開講座で学んだことを前提におき、業界特有のルールも伝えることができれば、新入社員の納得度や理解度は高まります。

ご検討にあたっては、「社内研修との連動で相談に乗ってもらえませんか?」と確認を取ることをお勧めします。

【参考】 品質の低い公開講座が多く出回る研修業界の問題に関して
研修業界の全体の問題として、新入社員研修の公開講座問わず、公開講座の品質は低くなる傾向が見られます。理由は、研修会社は、公開講座への優先度を低くしている場合が多いためです。また、公開講座よりも、派遣型研修の方が売上・利益に繋がりやすいためです。そのため、公開講座の企画へのリソースは少なくなりますし、パフォーマンスの高い講師の登壇は抑えられる傾向が生まれます。残念ながら、多くの研修会社の公開講座は、このような状況に陥っています。​下記のような状況が起きるのは、必然と言ってもいいでしょう。

・研修内容が古い
・講師のレベルが低い
・受講生が多すぎる
・研修が終わった後、フォローも何もなかったから

悲しいことですが、研修会社は、公開講座への優先度を低くしているケースが多いです。
※ もちろん、想いを持って、高いレベルで公開講座を提供されている研修会社もあります。

そのため、公開講座は新入社員研修を問わず、ネームバリューなどに囚われず、慎重に検討していただけるといいでしょう。

皆さんの組織にあった「パフォーマンスとエンゲージメントが向上する新入社員研修の公開講座」を選択するために、次章では当社の研修事例を通して、具体的にどのような観点で検討していけばよいのかをお伝えします。

3)『パフォーマンス』と『エンゲージメント』が向上する新入社員研修の公開講座の事例

パフォーマンスとエンゲージメントが向上する新入社員研修の公開講座の具体例として、当社新入社員研修の公開講座のアプローチ方法をお伝えします。前述した判断軸に沿って一つひとつお伝えしていきますので、ぜひ新入社員の公開講座を選択・決定する際のご参考にいただければと思います。

① 研修プログラムの品質

下記3つの観点に沿って解説します。

・人材開発・組織開発などの学術的背景があって、研修が創られているか?
・時代に即した研修内容になっているか?
・研修コンセプトや、ラーニングポイントが明確になっているか?

人材開発・組織開発などの学術的背景があって、研修が創られているか?

学術的背景は、研修効果を高めるためにも重要ですし、研修会社が「新入社員研修を提供する上で何を大切にしているのか」がわかります。

例えば、当社では、「シェアドリーダーシップと学習する組織」を大切にしています。シェアドリーダーシップでは『リーダーシップは誰しもが発揮できるものであり、それはたとえ新入社員であっても発揮できる』ということを伝えています。新入社員らしい・自分らしいリーダーシップを発揮して、自組織にポジティブな影響を与えることで、自発的な行動を促します。

学習する組織は、「新入社員研修」という育成機会を通して組織変革の一つのきっかけにしたいという想いと仕掛けをご提供するためです。こちらについては、新入社員に直接的に伝えているわけではありませんが、学習する組織の哲学は、新入社員研修問わず当社の研修にはふんだんに盛り込まれています。

※ リーダーシップとは、現在の学術的な主流な考え方は「目的・目標などに影響を与えること」と言われています。
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※ 当社資料より一部抜粋

時代に即した研修内容になっているか?

研修を提供する側として日々学び続けているか、そして、時代遅れの研修内容となっていないか、がポイントになります。

例えば、当社では、今までの新入社員研修の歴史やトレンドを理解しており、毎年の就活生や新入社員の傾向・特徴の独自調査を行っています。2023年度に関しては、コロナ禍の影響を今まで以上に受けた新入社員が入社します。コロナジェネレーションとも言われる世代です。そして、2023年度の新入社員は、“3つの分断”がより一層拡大していくと考えています。詳細は、下記画像をご覧いただければと思います。

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※ 当社資料より一部抜粋

研修コンセプトや、ラーニングポイントが明確になっているか?

「研修コンセプト」や「ラーニングポイント」は、研修会社が研修一つひとつに対して、どれだけ想いを持って開発しているかが分かります。もちろん、研修会社にとっては生命線とも言えるものですので、簡単にお見せできる内容ではありませんが、データをお渡しできなくても、説明をすることは可能でしょう。

本コラムでは特別に、当社の「社会人の自覚の研修のコンセプトや、ラーニングポイント」が分かる資料を下記にお見せします。(「研修コンセプト・ラーニングポイント」は、もちろん学術的な背景や時代にマッチしたものでなければなりません。)

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※ 当社資料より一部抜粋

② 講師の品質

下記3つの観点に沿って解説します。

・講師は、トレーニングをしっかり受けているか?受け続けているか?
・講師としての登壇実績はあるか?
・講師は、実務経験があるか?

それぞれ説明していきます。

講師は、トレーニングをしっかり受けているか?受け続けているか?

「講師へのトレーニングの有無」については、研修会社が講師の品質に対してどのように向き合っているのかが分かります。当社では、講師認定テストを実施し、合格した上で、当社の研修にマッチするための講師トレーニングを受けていただいています。下記の「Agenda」に記載されているような内容を、講師の方には受講していただきます。また、当社社員に対しては、毎月一回の社内研修と人材開発・組織開発の知識・スキルを身に付けるために、必ず年一回は外部研修を受講してもらっています。  講師のトレーニング ※ 当社資料より一部抜粋

講師としての登壇実績はあるか?講師は、実務経験があるか?

「講師としての登壇実績や実務経験」については、講師の品質を担保しているかが分かります。当社では、下記のような講師に登壇していただいています。講師としての力量、ビジネスマンとしての経験、そして人としてのあり方がとても素敵な方です。

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※ 当社資料より一部抜粋

③ 納品の品質

確認するポイントは、次の3つの観点です。

・研修内容に対して、受講人数は適切か?
・研修内容に対して、教室のレイアウトは適切か?
・研修内容に対して、アテンドスタッフの人数は適切か?

上記3つの観点から、研修納品の品質に対して、どのように向き合い、担保しているかが把握できます。当社では、適切な受講人数、教室のレイアウト、アテンドスタッフを配置しています。詳細は下記のとおりです。

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※ 上記は集合型研修の場合であり、オンラインの場合はまた変わります。
※ 当社資料より一部抜粋

④ フォローの品質

確認するポイントは、次の3つの観点です。

・研修後のレポートは、充実しているか?
・受講生の認知変容・行動変容へのフォローアプローチがあるか?
・社内研修に対して相談やフォローが可能か?

それぞれ説明していきます。

研修後のレポートは、充実しているか?

「研修後のレポートの充実度合い」については、クライアントである人事・経営者に対して情報提供を丁寧に行っている姿勢や研修後の現場に対するフォロー体制を把握することができます。

当社では、クライアント様ごとにWEB上に専用ページを作り、研修内容のレジュメ、アウトプット、受講生のレポートを掲載しています。また、4月の新入社員研修の公開講座を5日間以上受講されたクライアント様に関しては、特別に新入社員の一人ひとりのフィードバックレポートをお渡ししています。(通常、お一人あたり5,000円(税別)をいただいています)

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※ 当社資料より一部抜粋

受講生の認知変容・行動変容へのフォローアプローチがあるか?

研修後、受講生に対して認知変容・行動変容を促すフォローアプローチを行うことは必要不可欠ではあるものの、公開講座だと「研修を受けてもらったらそれで終了」という研修会社が多いかもしれません。

当社では、新入社員研修の公開講座・派遣型を問わず、当社の新入社員研修を受講したクライアント様に関して、毎月実施するパルスサーベイGrowthを無料で提供し、クライアント様の専用ページにサーベイレポートを毎月アップしています。新入社員にとっては、定期的な内省の機会になりますし、人事・経営者の方は、サーベイレポートによって新入社員の状態が把握でき、適切にフォローしていくことが可能になります。(パルスサーベイGrowthは、通常お一人500円/回のご料金となります。)

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※ 当社資料より一部抜粋

社内研修に対しての相談やフォローが可能か?

社内研修に対しての相談やフォローの有無については、新入社員の育成・成長に対して真摯に向き合っているか否かが分かります。

例えば、当社では、4月の研修後、ご希望のお客様には特別に、最大一時間で研修の振り返りのお打ち合わせ(オンライン)を実施しています。その際に、受講生の個別フィードバックや現場育成へのアドバイス等をお伝えしています。また毎月、人事・経営者向けの勉強会(テーマは新入社員・若手社員)を実施しておりますので、こちらに参加していただいております。

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※ 当社資料より一部抜粋

4)アーティエンスの新入社員研修の公開講座は、新入社員の育成だけではなく、『組織の育成文化を創る』ことを目指します

ここまで、パフォーマンスとエンゲージメントが向上する新入社員研修の公開講座の具体例として、当社新入社員研修の公開講座のアプローチ方法をお伝えしてきました。ぜひ、新入社員の公開講座を選択・決定する際のご参考にいただければ幸いです。

研修コンセプト「時代遅れを刷新!新入社員育成を通した育成文化づくり」

アーティエンスの2023年度の新入社員研修の公開講座では、【時代遅れを刷新!新入社員育成を通した育成文化づくり】を全体コンセプトに掲げ、そのための3つの仕掛けを用意しています。
 23年度新入社員研修のコンセプトと仕掛け ※ 当社資料より一部抜粋

『新入社員を育てるのは当たり前、“組織の育成文化”を育てたい』
これは私たちが新入社員研修において大切にしている想い
です。

また、新入社員のパフォーマンスとエンゲージメント向上のためには、研修を行うだけでは限界な部分もあります。そのため、新入社員研修を起点として、クライアント様の育成文化を醸成していくことを大切にし、取り組んでいます。
下記は3つの仕掛けの全体像になります(当社資料より一部抜粋)

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23年度 新入社員研修スケジュール

23年度の新入社員研修スケジュールは、下記になります。
1日程、1名様から参加いただけます。
5月以降の日程は、確定次第掲載いたします。

研修名 目的 対象層 日程
社会人の自覚研修 学生から社会人への切り替えと、自身の強みの探求を通じて、周りに対してどのようにポジティブな影響を与えていくかを考えます
  • 新入社員
  • 若手社員
23/4/4(火)
9:00~18:00
ビジネスマナー研修 信用や関係性を高めていくための自身と相手や場を大切にしたビジネスマナーの考え方を学びます
  • 新入社員
  • 若手社員
23/4/5(水)
9:00~18:00
目標達成・コスト意識研修 ビジネスゲームを通じて、売上創出の難しさ、コスト意識、目標達成するために必要となる数値の捉え方を習得します
  • 新入社員
  • 若手社員
23/4/6(木)
9:00~18:00
ビジネススキル研修 仕事の優先度や重要度の理解、ホウレンソウ、問題再発防止等、プロとしての“仕事の取り組み方”を学びます
  • 新入社員
  • 若手社員
23/4/7(金)
9:00~18:00
上司との協働体感研修 上司との協働体験を通して、仕事の品質が上がることを知り、チームで仕事をする当事者意識・主体性を持つことの重要性を学びます
  • 新入社員
  • 若手社員
23/4/10(月)
9:00~18:00
巻き込み力研修 ロールプレイングを通して周囲を巻き込み成果をだす楽しさを実感する
  • 新入社員
  • 若手社員
5月予定
関係性構築力研修 自身の在り方を見つめ、関係者とのコミュニケーションをより円滑にする方法を学ぶ
  • 新入社員
  • 若手社員
  • 中堅社員
6月予定
ロジカルシンキング研修 相手の期待に応えるために“自分自身でロジックを創る方法”を繰り返し学ぶ
  • 新入社員
  • 若手社員
  • 中堅社員
7月予定
要件定義力研修 「相手にわかりやすく伝える」ために必要な考え方と手法(可視化すること)を学ぶ
  • 新入社員
  • 若手社員
  • 中堅社員
8月予定
新入社員・トレーナー合同研修 「自らの成長・変化を実感」し、「どのように成長スピードを上げていくか」を探求する
  • 新入社員
  • トレーナー
9月予定
ソリューション提案力研修 社内(上司・先輩)やお客様との認識のずれを無くし、成果を出すためのコミュニケーションスキルを実践的に学ぶ
  • 新入社員
  • 若手社員
  • 中堅社員
11月予定
成長力強化研修 自らの「現状」と「課題」に向き合い、これからの「目指したい姿」を探求する
  • 新入社員
  • 若手社員
1月予定
1年目フォロー研修 自らが成長することで、組織の成長につながる一歩を踏み出す
  • 新入社員
3月予定

仕掛け① ワクワク感をもった社会への適応

「仕掛け① ワクワク感をもった社会への適応」では、当社が大切にしているシェアドリーダーシップや学習する組織の内容が入っており、そして今の時代や新入社員の傾向にあわせた研修内容にアップデートしています。
 仕掛け① ワクワク感をもった社会への適応
 学術的な背景 ※ 当社資料より一部抜粋

仕掛け② 自利利他を育む土台づくり

「仕掛け② 自利利他を育む土台づくり」では、新入社員研修の公開講座をやりっぱなしにするのではなく、フォローの品質を最大限高めるために、オンボーディングツールの提供も行っており、オンボーディングツールの使い方に関して、動画での説明資料も提供します。また、4月だけではなく、一年間の研修実施や、オンボーディングを強化するための3カ月間にわたる研修コースもあります。
 仕掛け① ワクワク感をもった社会への適応
 仕掛け① ワクワク感をもった社会への適応 ※ 当社資料より一部抜粋

仕掛け③ 継続的なコミュニケーション支援

「仕掛け③ 継続的なコミュニケーション支援」では、新入社員と組織・現場がつながり続ける支援を行います。パルスサーベイGrowth人事勉強会Growth Meetingで新入社員と組織の繋がりを創り、OJTトレーナー研修や新入社員・OJTトレーナー合同研修(フォロー研修)で繋がりを創ります。
 仕掛け③ 継続的なコミュニケーション支援

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※ 当社資料より一部抜粋

5)アーティエンスの新入社員研修の公開講座が選ばれる3つの理由

最後に、アーティエンスの新入社員研修の公開講座が選ばれる3つの理由をお伝えします。

1)研修後のフォローが手厚く丁寧
2)年間を通した育成サポートが整っている
3)育成に関して情報収集や気軽に相談できる場がある

それぞれの詳細は下記図をご覧ください。

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※ 当社資料より一部抜粋

【参考】アーティエンスの新入社員研修(公開講座)をご利用されたお客様の声

株式会社one様『自組織だけではなく社会で通用する新入社員育成 ~ベンチャー企業を選んでくれた新卒一期生への感謝を込めて~』
アクシスコンサルティング株式会社様『コロナ禍の新人育成どう進めた?企業インタビューから見えた3つのポイント』
株式会社主婦と生活社様『仕事の土台は「正しく相手に伝える」こと』
株式会社エンファクトリー様『「振り返り」から見えてくる未来』

6)まとめ

本コラムでは、下記内容をお伝えいたしました。

・良質な新入社員研修公開講座とは、パフォーマンスとエンゲージメントを高めるもの
・パフォーマンスとエンゲージメントが向上する新入社員研修の公開講座の選び方
・パフォーマンスとエンゲージメントが向上する新入社員研修の公開講座の事例

本コラムを参考にしていただければ、「新入社員研修の公開講座を選択する判断軸」として「研修プログラム・講師・納品・フォロー」の質が重要だということをご理解いただけると思います。ぜひ下記の表を用いて、新入社員研修の公開講座の品質をチェックしていただければと思います。

確認項目 チェック
1 人材開発・組織開発などの学術的背景があって、研修が創られているか?
2 時代に即した研修内容になっているか?
3 研修コンセプトや、ラーニングポイントが明確になっているか?
4 講師は、トレーニングをしっかり受けているか?受け続けているか?
5 講師としての登壇実績はあるか?
6 講師は、実務経験があるか?
7 研修内容に対して、受講人数は適切か?
8 研修内容に対して、教室のレイアウトは適切か?
9 研修内容に対して、アテンドスタッフの人数は適切か?
10 研修後のレポートは、充実しているか?
11 受講生の認知変容・行動変容に関してのフォローアプローチがあるか?
12 社内研修に対して相談やフォローが可能か?

当社の新入社員研修の公開講座を事例として出しながら、どのように新入社員研修の公開講座を確認し、決定すればいいかもご理解いただけたかと思います。この判断軸で確認し、ぜひ経営者・人事責任者の方にご説明していただければと思います。

最後に、当社の新入社員研修の公開講座は、想いを持って開発し、提供しています。
12年間アップデートし続けており、多くのお客様から好評を得ています。
事例として、当社の新入社員研修の公開講座を扱いましたので、当社の考え方に共感いただける方は、ぜひご一緒に新入社員の育成を通して、育成風土を創っていけたらと思っています。

当社の新入社員研修の公開講座にご興味をお持ちの方は、ぜひお問い合わせいただければ嬉しいです。本コラムを通して、みなさまの組織にあった素晴らしい新入社員研修の公開講座と出会えることを、願っております。

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