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【事例付】社員研修の企画、何から始める?4ステップで迷いを解消!
更新日:
「社員研修の企画の進め方がわからない…」
「社長から研修制度を作れと言われたけど、どうすれば?」
このように、社員研修の企画に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
研修の効果を高めるために、企画段階が重要であることは理解していても、いざ進めるとなると 「何から手をつければいいのか?」 と迷ってしまいがちです。
企画書の作成、スケジュール管理、予算の割り振りなど、考えるべきことが多く、負担に感じることも少なくありません。
本コラムでは、効果的な社員研修を企画するためのプロセスを4つのステップに分けて、事例をもとに解説します。さらに、企画段階で注意すべき7つのポイントも紹介します。
やるべきことを1つずクリアして企画の質を高め、効果的な研修を実施しましょう。
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大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。
1)効果的な社員研修を企画する4つのプロセス
効果的な社員研修の企画を作成するプロセスは以下の通りです。
①課題orありたい姿(戦略)から方向性を定める
②研修コンセプト・研修のゴール(要件定義)を創る
③研修プログラム・研修講師・スケジュールを決める
④研修の振り返りを行い、次回につなげる
事例を用いながら、詳しく説明していきます。
プロセス①|課題orありたい姿(戦略)から方向性を定める
まずは研修の方向性を定める必要があります。方法は以下の2つあります。
パターンA:課題から方向性を決める
パターンB:ありたい姿(戦略)から方向性を決める
それぞれの方法を事例とともにお伝えします。
パターンA:課題から整理する
まず自社の課題を洗い出します。その後、技術的問題と適応課題に分けて整理し、対応すべき課題を見定めていきます。
具体的な事例で見ていきましょう。
下記の事例では、技術的問題と適応課題で様々な課題が出ており、この中から本質的な課題を見つけ、研修によってアプローチすべき部分を見つけていきます。
【参考】技術的問題と適応課題とは
技術的問題 | 技術があれば解決できること 例:財務分析、評価制度の策定 |
---|---|
適応課題 | 技術や他者からのサポートがあったにせよ、自分が変わらないとその課題を解決することができないこと 例:人間関係、人事評価において納得感を高める |
パターンB:ありたい姿(戦略)から把握する
組織全体の戦略を確認し、戦略を実行するために何が必要なのかを考えていきます。
事例でみてみましょう。ある企業では、目指したい姿が以下のように明確に掲げられていました。
課題や戦略を明確にすると、研修のゴール(要件定義)が見えてきやすいです。
なお、課題や戦略を整理すると、研修では解決できないこと・費用対効果が悪いケースが出てきます。その場合は、研修にこだわる必要はありません。他の施策の実行も検討しましょう。
プロセス②|研修コンセプト・研修のゴール(要件定義)を創る
研修コンセプト・研修のゴール(要件定義)を創ります。
研修のゴール(要件定義):研修後に受講者が達成すべき具体的な目標
研修コンセプトを作る際は、プロセス①の「方向性」を加味し、本研修で目指したい状態を考えます。
事例では、「2025年に100億円規模企業」になるためには、新規プロダクトの開発が必須で、新規プロダクトを生むためには、どんな人が必要なのかを考えた結果です。
当社と企業の人事の方と何度も対話をした結果、人材育成のコンセプトを「『心理的安全性』と『挑戦』の両立」と設定することになりました。
その後、人材育成のコンセプトを階層ごとに落とし込み、研修のゴール(要件定義)を創っていきました。
階層 | コンセプト | スキル要件 |
経営陣 | より挑戦できる新しい組織づくり ┗リスクテイクへの説明責任ができる ┗現場と共創・協働の機会を増やす | ・挑戦を推進する組織づくり ・対話力 ・経験のナレッジ化とアンラーニング |
管理職 | チーム学習の強化 ┗スペースを創り、思考ができる状態を創る ┗越境による刺激を得て、認知を広げる | ・挑戦の阻害要因を取り除く力 ・問う力 ・エンパワーメント |
中堅社員 | 成果を出したいという成長欲求の醸成 ┗キャリアにつながる成長を得る | ・挑戦するマインド ・企画力 ・レジリエンス |
若手社員 | 良質なリーダーシップの発揮経験の獲得 ┗周囲から適切な支援を得る ┗挑戦することでの成功体験を得る | ・自利利他の精神 ・業務推進力 ・リーダーシップ |
※参考:事例資料
このようにみると、全てが繋がっていることがわかると思います。
研修コンセプトが決まると、研修のゴール(要件定義)が具体的に考えやすくなります。
プロセス③|研修プログラム・研修講師・スケジュールを決める
研修のゴール(要件定義)を達成するための研修プログラム・研修講師・スケジュールを決めていきます。
すでに研修会社が決まっている場合は、適切な研修を提案してもらいましょう。
研修会社を探す場合は、以下の確認ポイントをふまえて、研修のゴールを最大限実現できる企業を選び、進めていきます。
確認事項の詳細は「新入社員研修の外部委託で失敗しない!14の確認ポイント」より確認できます。
事例で紹介していた企業は、下記のように研修プログラムとスケジュールを設計しました。各研修の年間スケジュールは以下の通りです。
研修のゴール(要件定義)を達成するために適切な、研修プログラム・研修講師・スケジュールを決めていきましょう。
プロセス④| 研修の振り返りを行い、次回につなげる
研修を実施して終わりにせず、次回をより良くするために研修の振り返りを行います。研修の振り返りを行うことで、研修自体の改善や人材開発・組織開発のアップデートにつながります。
振り返りで最も必要なのは、研修効果にフォーカスすることです。「受講生にどのような認知変容や行動変容があったのか」を下記の視点で振り返ります。
・良かった点(受講生に見られた変化)
・よりよくできた点
・次にチャレンジしたい点
振り返りを通して、アップデートポイントを定めます。
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2)社員研修の効果を高めるために企画段階で注意すべき7つのこと
社員研修の効果を高めるために企画段階で注意すべきことを7つ紹介します。
1.経営理念・戦略との連動を意識する
2.研修企画から実施までの大まかスケジュールを事前に明確化する
3.選択と集中を意識する
4.経営者・人事責任者との密なコミュニケーションを取る
5.適切に予算を分配する
6.研修企画を進めるにあたっての阻害要因を考える
7.研修企画に囚われ過ぎない
2-1.経営理念・戦略との連動を意識する
研修企画では、経営理念・戦略(経営戦略・事業戦略・人事戦略等)との連動が重要です。経営理念や戦略との連動性がないと、一貫性のない人材開発になり、思い付きで対応してしまうことになります。
例えば、新規事業開発に力を入れていく戦略にもかかわらず、会社の枠組みを押し付けるような研修を実施してしまうと、戦略と研修に乖離が発生してしまいます。
結果、会社のメッセージと研修でのメッセージが異なってしまい、混乱を引き起こしてしまいます。これでは、研修効果が下がる企画になってしまうでしょう。
2-2.研修企画から実施までの大まかスケジュールを事前に明確化する
研修企画を始める際には、研修企画から実施の大まかなスケジュールを明確にしてから取り掛かることをおすすめします。
スケジュールを先に明確化しておかないと、企画に多くの時間をかけてしまい、余裕がなくなる場合があります。最悪、研修自体が無くなってしまうケースもあります。それは、結果的には、課題の解決やありたい姿の実現が遠のく事態を招いてしまいます。
以下のスケジュールに必要な期間を見定めながら、逆算をして決めると良いでしょう。
スケジュール例
・研修の実施日程の仮決め
・研修の準備(会場手配、備品確保、受講生の日程調整など)
・外部研修会社の選定(必要に応じて)や、講師のアサイン
・研修企画
2-3.選択と集中を意識する
研修企画では、選択と集中を意識することが重要です。
限られたリソースを有効に活用するために、研修テーマを明確にして、自組織では何が最も重要なのかを決めていきます。多くのことをしたくなると思いますが、本当に組織にとって必要な研修を選択します。
研修テーマをシンプルにすることで、受講生も何が大切かを理解することができます。
研修テーマを詳しく知りたい方は、下記コラムをぜひ参考にしてください。
2-4.経営者・人事責任者との密なコミュニケーションを取る
研修企画では、経営者・人事責任者と、密なコミュニケーションを取りましょう。
経営者・人事責任者と、密なコミュニケーションを取らないと、独りよがりの企画になってしまうことがあります。可能であれば、課題やありたい姿(戦略)から方向性を定める段階は、経営者・人事責任者と一緒に創ることをおすすめします。
上記が難しい場合は、企画が進むたびに合意形成を取るといいでしょうでしょう。
2-5.適切に予算を分配する
研修企画では、適切に予算を分配していきます。はじめに研修予算が決まっているケースもあれば、補正予算を行い研修予算を取りに行くケースがあります。
研修予算が決まっているケースでは「管理職研修で予算を使うから、新入社員研修は内製化を目指す」などの調整も必要です。おおよその方針は決めますが、新入社員研修でどうしても外部研修が必要になった場合は、他の研修での予算を持ってきたり、予算を増やしていきます。
補正予算を行い研修予算を取りに行くケースでは、世の中の一般的な研修費用を調べて、補正予算を行うといいでしょう。
この時の注意点は、「コストを抑える」という意識ではなく、「費用対効果が高い」という意識が必要です。効果がなければ、研修を実施しても意味がありません。
2-6.研修企画を進めるにあたっての阻害要因を考える
研修企画を進めるにあたって、阻害要因を考えていきます。どんなに素晴らしい研修企画ができたとしても、”絵に描いた餅”で終わってしまっては意味がありません。
具体的には、下記の項目を考えていくと、阻害要因が出てくるでしょう。
・研修に参加する受講生がどのような反応があるのか?
・要件定義や研修のスケジュール、講師アサインは、本当に現実的か?
・研修での学びは、本当に現場で活用されるのか?
・受講生の上司や部下は、研修に対してどのような反応をするのか?
・経営者・人事責任者から、どのような反対意見が出るのか?
2-7.研修企画に囚われ過ぎない
研修を実施するタイミングによっては、受講生の状況が想定と異なっている場合があります。この時に準備した企画通りに進めようとすると、上手くいかないことが多いです。
例えば、「管理職が素晴らしい組織と未来を描く」ための研修を行ったとします。しかし、管理職が疲弊し今ある現実の課題解決への意識が強い状態では、とても未来は考えられません。
この時は、まず目の前の課題を解決し、その後で未来を描くステップを踏むといいでしょう。講師と相談しながら、要件定義を意識しつつ、可能な範囲で研修内容を柔軟に変更していきます。
また研修が複数日程ある場合は、初日の結果をふまえて、後日に予定されている研修を変えていくことが必要な時もあります。講師と相談をしながら、状況に合わせて柔軟に変更しましょう。企画にとらわれすぎず、研修をよりよくする意識を持つことが重要です。
3.まとめ・効果的な研修企画を創るならアーティエンス
本コラムでは、効果的な社員研修を実施するための企画に焦点を当ててをお伝えしました。
社員研修企画は、効果的な研修を実現するためにとても重要なものフェーズです。考えることが多くて、混乱が起きたり、さまざまな意見の統合が難しいことも起こります。
そのような場合は、ぜひ当社までお気軽にご連絡ください。今までのノウハウをお渡ししながら、より効果を最大化できる研修を作れるようにサポートいたします。
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