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OJTとOFF-JTの違いは?特徴や組み合わせのコツを押さえ、育成の質を高めよう!
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OJTの8つのメリットとは?効果を最大化させる4つのポイントを詳しく解説!
更新日: ー
作成日:2023.10.2
「OJTのメリットってなんだろう…?」
「OJTでトレーナーが疲弊してしまっている。このまま続けた方がいいのだろうか…?」
「OJTを実施した方がいい理由を知りたい…!」
このようなお悩みをお持ちの方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
OJTとは”On-the-Job Training”の略です。
日々の業務の中でトレーナーがトレーニーへ必要な知識やスキルを育成し、トレーニーの成長と自律を促すことを目的としています。
※トレーナー:社員の成長のために仕事で必要なスキルや知識を教える役割の人を指します。
※トレーニー:育成を受ける側の人のことを指します。
OJTは多くの企業で導入されており、厚生労働省による令和元年度「能力開発基本調査」詳細結果によると、令和元年度に計画的なOJTを実施した事業所は66.2%と半数以上を占めていることがわかります。
しかし、実施している企業から「OJTは意味がない」という声を聞いたり、OJTのメリットを理解しきれていないまま実施している組織も多くあるように感じます。
そのような状態では効果的なOJTを実施できません。
なぜなら、OJTを実施する意味やメリットが明確でない状態ではOJTトレーナーのモチベーションは上がらず、トレーニーに質の良い指導することは難しいためです。
他の業務も抱えているOJTトレーナーは、OJTの負担をできるだけ少なく楽にしようとするためトレーニーの成長を期待通りに促せていない可能性があります。
そこで本記事では、OJTのメリット8つお伝えします。また、OJTのメリットを最大化する方法もお伝えしますので、OJTによる育成の質を高めることができます。
OJTのメリットを知ることでOJTを実施する意味を明確にし、OJTの質を高めましょう。そうすることで、トレーニーの成長が促進され、組織の成長にもつながります。
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目次
1)OJTを行うことで得られる8つのメリット
OJTのメリットとして、以下のことが挙げられます。
・育成コストを抑えられる
・実践的なスキルが身に付く
・実務と育成を同時に行える
・個々の状況に合わせた指導ができる
・リアルタイムでフィードバックできる
・組織文化の理解につながる
・縦のつながりを強化できる
・トレーナーの成長につながる
それぞれ順番に説明します。
育成コストを抑えられる
OJTは育成コストを抑えることができます。実務の中で先輩社員が業務時間の中で育成するためです。特別な設備や教材、外部トレーナーの雇用など、追加のコストが発生しないため、育成に予算が割けない時に活用されやすいです。
例えば新入社員が10名いて、全員に外部研修を1回受講させようとすると、数十万円程度かかる場合もあります。しかしOJTでの育成ではその費用をかけることなく育成できます。
実際は、OJTで基本的な型や根本的まで教えることは難しいため、社員へ身につけてほしいスキルの優先順位をつけて、OFF-JTと組み合わせる必要があることがほとんどです。それでも、OJTで実施する部分を増やすことで育成費用を抑えることはできます。
このように、OJTは育成の費用が少ない場面で、スキルを習得させることができる、というメリットがあります。育成の予算が少ない企業が始めに取りかかりやすい育成手段です。
【参考コラム】
なぜ「OJTは意味がない」と言われるのか?うまくいかない企業が見落としているポイントOJTとOFF-JTの違いとは?特徴を理解して組み合わせることで、育成の質を高める!
実践的なスキルが身に付く
OJTによって、実務の進め方や仕事内容が理解でき、より実践的なスキルを身につけることができます。現場の業務に基づいてぶため、具体的な実務の進め方や仕事内容がイメージしやすいためです。実際の業務における課題に直面することで、より深い理解が生まれます。
例えば、新しい部署に配属されてどんな仕事をするのかわからない人でも、実務を用いて教えてもらうことで、仕事のイメージや進め方を理解できます。そして、それがわかることで、自分に足りないところを見つけて強化したり、強みを活かしたりしやすく、実践に活かせるスキルを成長させられます。
このように、OJTは実際の仕事を通して育成を行うため、実践的なスキルを身につけて伸ばすことができるというメリットがあります。
実務と育成を同時に行える
OJTは実務と育成を同時に進めることができます。実務を通じて育成を行うためです。
例えば、クライアントへの営業資料の作成を進めると同時に、トレーニーへ営業資料の作り方を育成できます。他にも、電話対応を実際に行うことで課題が見えて改善することで、成長できます。このように実務と育成を同時に行えるため効率的に見えます。
ただ、トレーニーが業務に慣れていないと予想以上に時間がかかったり、実務での失敗によりクライアントへの対応が適切でない、というリスクはあります。そのため、失敗しても周囲がサポートできる範囲の仕事から行い、成長スピードに合わせて徐々に難易度を高めていくことが必要です。
このように、OJTは実務と育成を同時に行えるため、リスクの回避ができていれば効率的な育成につながる、というメリットがあります。
個々の状況に合わせた指導ができる
OJTは、個々の状況やスキルに合わせた育成が必要なときに効果的です。育成のコンテンツが定まっているわけではなく、柔軟に対応できるためです。個々の社員のスキルや実務の状況に応じて育成コンテンツを考え、苦手の克服や強みの強化を行えます。
例えば、資料の作成が苦手な人がいた場合は、その人のスキルとペースに合わせて、最初は1ページから徐々に任せるページ数を増やすような育成を行うこともできます。また、自分で考えて発言することが得意な人の場合は、その特徴を活かせるように会議でトレーニーに話を振ることで成長を促せます。
このように、OJTは個々の状況やスキルに合わせて柔軟な育成ができる、というメリットがあります。
リアルタイムでフィードバックできる
OJTだとトレーニーに対して、リアルタイムでフィードバックをできます。トレーニーにの実務の進捗や行動をこまめに確認でき、また、成長過程を見られるためです。トレーニーの変化を見続けていることで、リアルタイムに適切なフィードバックを渡せます。
例えば、依頼していた打ち合わせ資料の用意について、足りない資料があったらその場でフィードバックをして対応し、その後一緒に改善策を考えることで、次に同じミスを起きなくできます。他にも、営業についてリアルタイムにフィードバックをすることで、徐々に良くなっていく様子を見ることができます。そうすると、改善点だけでなく、ポジティブフィードバックもしやすくなり、トレーニーのモチベーションの向上につなげることもできます。
このように、OJTはリアルタイムなフィードバックによって、トレーニーの学習の質を向上できる、というメリットがあります。
組織文化の理解につながる
OJTで組織文化を理解しやすくなります。仕事のやり方にも組織の考え方や想いが入っているためです。トレーニーは組織がどのような価値観を持っていて、クライアントとどのような関係性を築いていこうとしているのかを、実務を通して知れます。
特に新入社員は、組織文化を理解しきれていないため、OJTを通して知ることが多いです。
例えば、チーム全員に確認を取ってから仕事を進めるスタイルだと、チームの一体感を大切に仕事をしている組織だということがわかります。他にも、営業のフィードバックとして単価の高い商品をおすすめするのではなく、本当にクライアントに適した商品を紹介することの大切さを教えてもらうことで、利益の追求ではなく、クライアントとの信頼関係を大切にしている組織だということに気づきます。
このように、OJTは実務を行う中で組織の価値観や文化に触れるため、組織の価値観や文化を知れる、というメリットがあります。
縦のつながりを強化できる
OJTは、縦のつながりを強化したいときに特に適しています。育成を通してトレーナーとトレーニーで関わりを作ることができるためです。
スキルの提供だけであれば、OFF-JTやeラーニング、読書などでも学ぶことはできる部分はありますが、それだと社員同士が関わる機会を作れません。
育成を通して関わる機会を設けることで、コミュニケーションが生まれ、関係性の構築につながります。
組織の文化として、後輩をサポートすることができていると、トレーナーだけでなく、同じ部署の先輩や上司も、必要に応じてトレーニーのサポートをしようと行動するため、より広い範囲でつながりを作ることもできます。
このように、OJTで後輩を育てていく文化を持つことで、縦のつながりやチームとの関係性が強化できる、というメリットがあります。
トレーナーの成長につながる
OJTを行うことで、トレーナーは自身の知識や指導スキルを向上させ、成長の機会を得ることができます。他者に教えるには、伝える内容について深く理解し、言語化することが必要なためです。
例えば、トレーナーがOJTでトレーニーにお客様との商談の進め方を教える場合、トレーナーは、トレーニーが具体的にイメージできるようわかりやすく伝えることが求められます。
日々、当たり前のように進めている仕事でも、誰かに教えるとなると意外と難しいものです。トレーニーが理解できるように仕事内容や手順を言語化する、ということは自分の仕事の仕方を振り返る機会にもなります。自分の対応の仕方を客観視することで、新たな気づきを得ることもあります。
このように、OJTはトレーニーに伝えるために仕事の仕方を振り返ることもあり、その機会があることでトレーナー自身の気づきが生まれ成長につながる、というメリットがあります。
OJTはトレーニーの成長を促す8つのメリットがあることがわかりました。
2)OJTのメリットを最大化するための4つのポイント
OJTのメリットを最大化するためには、以下の内容を行うことをおすすめします。
・OJT制度の構築
・トレーナーの育成に対する想いを醸成
・トレーナーの育成スキル向上
・トレーナーとトレーニーの関係性を築く
それぞれ順番に説明します。
OJT制度の構築
OJTのメリットを最大化するためには、OJT制度を構築できていることが必要です。目的がなかったり、OJTトレーナーに任せっきりにしてしまうと、人事や組織が期待しているような効果が出なかったりOJTの質に差が出たりしてしまうためです。
OJT制度を構築する際に、下記6つのチェックポイントがクリアになっていると、OJTで質の良い育成を行えます。
チェックポイント | チェック欄 | |
1 | 育成のコンセプトは明確になっているか? | |
2 | OJT終了後の目指す姿・目標が明確になっているか? | |
3 | 他の育成と連動性があり、目指す姿・目標から逆算された育成スケジュールがあるか? | |
4 | 基本的なOJTの指導ガイドやマニュアル等が用意されているか? | |
5 | トレーナーに対して定期的なフィードバックやサポート体制があるか? | |
6 | OJTに対して周囲(トレーナー以外)の協力体制は構築できているか? |
1:育成のコンセプトは明確になっているか?
自社における「育成コンセプト」を明確にしましょう。育成コンセプトは、OJT実施有無に関わらず、人材育成において重要な項目です。育成コンセプトを設定する理由は下記の通りです。
・軸がぶれにくくなり、考え方に一貫性を持ちやすくなるため
・OJTだけでなく、Off-JTの企画も検討しやすく連動性を考えやすくなるため
・現場社員への展開時、育成コンセプトがあるとイメージがしやすくなるため
育成コンセプトというのは例えば、「自ら考えて、周囲と学び合い続け、成長を楽しむ人材へ」などです。これはアーティエンスが、とあるクライアント様とご一緒に考えた育成のコンセプトです。(文言の一部を変更しています)
このような育成コンセプトがあると、OJTだけでなく、OFF-JTなどの全体設計をしやすくなります。育成コンセプトは階層によって内容が変わってくるため、階層ごとに設定することをおすすめします。
2:OJT終了後の目指す姿・目標が明確になっているか?
OJT終了後、「何を、どの程度身に付け、どのような状態を目指すのか」という目標を設定しましょう。目標を設定しなければ、OJT終了後に正しく振り返りができません。
目標を設定する場合は、具体的でイメージしやすい内容にすることをおすすめします。そうすることで目標に対して現在地を確認しやすいです。また、OJTが終了した後に、目標を達成できたかを確認しやすいです。
例えば、営業部の新入社員に対する目標の設定として、「3月末までに〇〇サービスに関して、初回訪問(会社説明・ヒアリング)から提案・受注・納品プロセスを、一人で遂行できるようになる」という内容だと明確になっていてわかりやすいです。
【参考】目標を明確にするために意識したいSMARTの法則
SMARTの法則というのは、ジョージ・T・ドラン氏が提唱した理論で、5つの成功因子によって構成されています。目標を設定する際には、このすべての要素が含まれているかを、チェックします。
3:他の育成との連動性があり、目指す姿・目標から逆算された育成スケジュールがあるか?
育成スケジュールを作りましょう。「いつまでに・何を・どの程度まで・どのように教え、どのような状態を目指すか?」が決まっていることで、調整しやすくなります。
スケジュールを考える時は、他の育成との連動性を考えるとそれぞれの育成効果を最大化しやすくなります。基本的には、OFF-JTの研修などで基本的なスキルの原則や考え方、型などを学んだ後に、OJTで実践していくと学びが定着しやすくおすすめです。
また、スケジュールはトラブルやイレギュラーが発生しても対応できるように最初から余裕を持ったスケジュール設計にしておきましょう。
【参考コラム】
【新入社員研修のスケジュール】新入社員が最大限の学びを得るために
【新入社員研修のカリキュラム】事例をもとに研修のプロが徹底解説
4:基本的なOJTの指導ガイドやマニュアル等が用意されているか?
基礎となる指導内容はマニュアルやガイドに落とし込み、育成の標準化・時間短縮を図りましょう。指導にばらつきが出やすいOJTですが、最低限のレベルを揃えることができます。
例えば、OJTとしての育成時間を毎日30分は確保する、など実施時間に関するルールを設けることも良いでしょう。他には、トレーニーからよくある質問に対する答え方や答える時の注意点をまとめておくことで、トレーナーの負担を減らすことができます。
【参考コラム】新入社員の意識と行動が変わるマニュアルの作り方│一つ上の活用方法も説明
5:トレーナーに対して定期的なフィードバックやサポート体制があるか?
トレーナーに対して、定期的なサポートを行いましょう。トレーナーとしてどのように育成していけばいいのかわからなくなってしまう、という不安や悩みを抱えることがあります。また、業務との兼ね合いで負担が大きくなりすぎてしまっている可能性もあります。
定期的なフォローやサポートの一例としては下記があります。
・トレーナー同士での勉強会
・現場管理職との定期的な1on1
・人事担当者との定期面談
定期的に実施することが大切なため、自組織の中でできることから実施しましょう。
6:OJTに対して周囲(トレーナー以外)の協力体制は構築できているか?
トレーニーの育成をトレーナーだけに任せっきりにするのではなく、チームや部署、組織全体で協力的に行えるようにしましょう。
トレーナーがどうしても自分の仕事に追われて育成時間が取れない時に変わってもらえると心強いです。また、トレーナー以外の仕事の進め方を知ることで、トレーニーが自分なりの仕事を見つけやすくもなります。
トレーニーの育成は最終的には組織の成長のため、という組織全体に関わることです。そのために互いに協力し合う意識を醸成しましょう。
このようなOJT制度を構築できていると、OJTでの育成効果を最大化できます。
トレーナーの育成に対する想いを醸成
OJTのメリットを最大化するためには、トレーナーの育成に対する想いを醸成することが重要です。トレーナーの育成に対するモチベーションによって、育成の質が変わってくるためです。
トレーナーの想いや当事者意識を醸成するための方法として、下記の方法が考えられます。
・トレーナーが評価される環境をつくる
・トレーナー自身がOJTやトレーナーへの意味を持てるようにする
トレーナーが評価される環境をつくる
組織の中でトレーナーが評価される立場である状態を作り、トレーナーに選ばれたことに対して誇りを持てる状態にすることは一つの方法です。
具体的には、トレーナーとして選出されたときに表彰式を行なってトレーナーとして期待していることを伝えるとか、トレーナーとなることで評価にポジティブな影響になるようにするなどです。
トレーナー自身がOJTやトレーナーへの意味を持てるようにする
トレーナーの想いや当事者意識を醸成するためには、トレーナー自身が自分なりの答えがある状態を作れることも大切です。そのためには下記のような内容について考える機会を設けましょう。
・そもそもなぜOJTをする必要があるのか
・OJTによってトレーナーが得られるメリットは何か
・OJTを行うことで自分は組織に対してどのような貢献ができるのか
・OJTを行うことによってどのようなキャリアが開かれるのか
これらに自分なりの意味を見い出せていると、育成に対して想いを持って取り組みやすくなります。このようにトレーナーの育成に対する想いを醸成することで、トレーニーの成長を一緒に喜べる状態をつくることができ、OJTのメリットを最大化することにつながります。
トレーナーの育成スキル向上
OJTのメリットを最大化するためには、育成者の育成スキルを高めることが重要です。いくら優秀な社員でも育成スキルがなければ、知識やスキルを適切に後輩に伝えることができないためです。
アーティエンスでは、下記4つのスキルが必要になると考えています。
・育成計画作成スキル
・ティーチングスキル
・フィードバックスキル
・コーチングスキル
育成計画作成スキル
育成計画は、トレーニーに目指して欲しいところを明確にし、そのためにどのような指導を行い、どのような仕事を渡せばいいのかという道筋となります。目指すべきところとそのためにやるべきことが明確になっていると、指導が行いやすくなります。
ティーチングスキル
ティーチングは、スキルを渡したり、仕事の進め方を説明するときに必要です。伝え方がうまくないと、トレーニーが理解しきれず、修正の回数が多くなったり、指導に時間がかかってしまいます。
フィードバックスキル
フィードバックは、トレーニーの行動を改善・強化するために必要です。トレーニーが行った言動に対して、どのようなフィードバックを行うかで、トレーニーの成長やモチベーションへの影響が変化します。
このときに、トレーナーは自分の価値観だけで物事を判断するのではなく、トレーニーの背景を理解しようとする意識を持ちましょう。トレーナーとトレーニーで持っている価値観が異なる場合があるためです。価値観が異なっている場合は、お互いの意見を理解することが難しいです。お互いの価値観は全く異なっているという前提を持って接し、価値観が異なることに出会ったとき、その言動に至った背景を考えたり確認して歩み寄ることが大切です。
【参考コラム】
新入社員育成のカギ!フィードバックする時に知っておきたい5つのポイント
新入社員が受け止めるアドバイスとは?│アドバイスのフローまで解説
コーチングスキル
コーチングは、トレーニーを自律・自走させるために必要です。トレーニーに対していつまでも指導をし続けるのではなく、自律して一人でも仕事を任せられるようになってもらう必要があるためです。
【参考コラム】
管理職研修におけるコーチングの活用方法と、3つのメリット
このように4つのスキルを高めることで、OJTでの育成の質を高められます。
【参考コラム】
トレーニーを成長させるOJTトレーナーに必要な4つのスキル
管理職が部下育成で担う役割と押さえるべき6つの育成ポイント
トレーナーとトレーニーの関係性を築く
OJTのメリットを最大化するためには、トレーナーとトレーニーの関係性を築くことも大切です。関係性が良くないと質の良い仕事が生まれないためです。
トレーナーとトレーニーの関係性を築けるようにするために、組織として次のような支援を検討して見ましょう。
OJTトレーナーへのフォロー
・業務量の確認と調整をする
OJTトレーナーの業務量を確認して見ましょう。時間に余裕がないと、トレーニーの育成は後回しにしてしまいがちだからです。OJTトレーナーが自分の仕事のみで業務時間がいっぱいになってしまっている状態の場合は、トレーニーの育成を行うための時間を作るために、OJTトレーナーの業務量の調整を行いましょう。
・トレーナーを任せている意味を伝える
トレーナーを任せている意味を伝えましょう。OJTトレーナーをやらされている、と感じている場合はモチベーションが低く、トレーニーに対して雑な対応をしやすくなるためです。OJTトレーナーに選出したポジティブな理由を伝えることで、選ばれてOJTトレーナーを任されているんだという感覚になり、モチベーションの向上につながります。
・OJTスキルを渡す
OJTに必要なスキルを渡しましょう。どのようにトレーニーに接したらいいのかがわからないという人もいるためです。OJTに必要な育成計画、ティーチング、コーティングのスキルを学ぶことで、コミュニケーションの取り方を知り、改善を期待できます。
トレーニーへのフォロー
・放置をしない仕組みを創る
放置をしない仕組みを創りましょう。ほったらかしにされている感覚があると、トレーナーに対して批判的な感情を抱きやすいためです。
具体的には、
・日報・週報に対して、トレーナーがコメントを返す
・部内の朝礼のあとに、二人で当日のスケジュールを確認する朝礼を行う
・月に一回、ランチを行う(会社からの支援金あり)
などが考えられます。
OJTトレーナー・トレーニー両者へのフォロー
・1on1などで、両者から話を話を聞く機会を創る
1on1などで、両者から話を話を聞く機会を創りましょう。話す機会を設けることでお互いのモヤモヤや悩み、不安や不満がわかり、フォローできるようになるためです。機会を設けていないと、仕事での人間関係に悩み退職を決意してしまう可能性もあります。
月に1回は1on1などで状況を確認できるようにしておきましょう。
【参考コラム】新入社員が辞める「5つのギャップ」|入社前・入社後にできる予防策10選
・パルスサーベイを実施する
パルスサーベイを実施しましょう。OJTトレーナーとトレーニーの状態を把握するためです。OJTトレーナーとトレーニーの認知の違いを確認することで、新たな気づきが生まれやすくなります。
アーティエンスで開発したパルスサーベイを実施すると、多くの場合でOJTトレーナーとトレーニーで認識の差が起きています。
※ パルスサーベイとは、簡易的な調査を短期間に繰り返し実施し、その推移結果から組織や従業員の状態を把握する調査手法のことです。
見えなかったことをこのように視覚的にすることで、ズレを認識でき、調整していくことができます。
・合同研修を実施する
OJTトレーナーとトレーニーが合同で行う研修を実施するのも一つの方法です。お互いに本音を伝える機会を設けることで、お互いへの感謝や気づきを得ることができるためです。
アーティエンスでは、新入社員・OJTトレーナー合同研修を実施しています。その様子を見ていると、OJTトレーナーはトレーニーがそんなことを気にしていたのか、ということに気づきを得ていることが多いです。一方トレーニーは今まで意識していなかったけど自分のために頑張ってくれていることに気づいたり、細かい成長を見てくれていることを知り、感謝を感じていることが多いです。このような経験をすることで関係性が見直され、お互いの成長を促すことができます。
このようにトレーナーとトレーニーの関係性を築けるようにすることで、トレーナーとトレーニーがお互いに気持ちよく働き共に成長していけるOJTを行えるようになります。
【参考コラム】
OJTトレーナーと新入社員の関係性の作り方について、人事ができることとは
新入社員の教育担当者が知っておくべき4つのこと|よくある悩みと対処法も解説
OJTのメリットを最大化するためには、これらのことを実施が必要です。
3)【参考】OJTにはデメリットもある
OJTにはメリットだけでなく、弱いところもあります。OJTのデメリットを4つ紹介します。
・一貫性を持たせられない
・論理的・体系的な指導が弱くなりやすい
・育成時間の優先順位が後になりやすい
・トレーナー、トレーニーの関係性によって効果が変化する
順番に説明します。
一貫性を持たせられない
OJTのデメリットとして、一貫性を持たせられない点が挙げられます。トレーナーの指導の質やスタイルをには個人差があるためです。
トレーナーが皆全く同じ経験をしていることはなく、それぞれの経験によって、教えられる知識やスキルも異なります。また、トレーナーの育成に対するモチベーションもそれぞれで、トレーナーによっては、トレーニーに教えることをせず、指示しか渡さない人もいます。
さらに、成績は優秀でも育成の仕方を知らなければ、トレーナーを傷つけたり、意味のある学びができない場合もあります。
このように、OJTの育成においては、育成者間の差異が生じることは避けられない課題です。
論理的・体系的な指導が弱くなりやすい
OJTのデメリットとして、論理的・体系的な指導が行えないことがあります。OJTは実務を通じてスキルを習得するプロセスであり、トレーナーが論理的な背後や原則を説明することが難しいためです。
例えば、トレーニーに対して報連相をもっとしてほしいと思い、報連相教科の育成をするときに、なぜ報連相をしてほしいのか、報連相の具体的な方法、報連相で意識することなどを丁寧に説明できるトレーナーは少ないです。よくある言動としては、トレーニーが報連相をしなかったときに、「なんで報告してくれなかったの?次から、自分で動く前に報告してね。」としか伝えない、という言動です。
これではトレーニーとしては、次のような考えが浮かんでいます。「なぜ報告する必要があったのか、自分で動く前って具体的にどんなとき?コピーを取るときも許可を得ないといけないのかな?報告してって言われても、先輩ほとんど席にいないじゃん。どうしたらいいの?」
これでは、もやもやしているだけで学ぶことはできていません。結局どのタイミングで報連相を求められているのかがわからず、トレーナーはその度に注意し、トレーニーが成長しないと愚痴をこぼすようになるでしょう。
トレーニーが自ら報連相のタイミングを考えるためには、報連相を行う意味や理由を学ぶことが必要です。上辺ではなく、本質的な部分を理解してもらうことで、トレーニーは自律できます。
このようにOJTでの育成において、論理的・体系的な指導を提供するのは困難な場合があります。
育成時間の優先順位が後になりやすい
OJTのデメリットとして、育成時間の優先順位が後になりやすい、という点があります。トレーナーは育成だけでなく、他の実務も請け負っており、それが評価に影響するためです。
実務と育成では、実務の方が優先順位が高くなりやすく、育成の時間が確保しきれないことも多いです。特に、組織の中で育成に対する評価が行われていない場合は、トレーナーは自身の評価を高めるために実務に時間を費やしたくなるのは明らかです。
OJTでは、トレーナーが費やしてくれる時間に応じてトレーニーの学びの量が変わるため、トレーナーが育成時間を確保できなければ、トレーニーの成長を促すことはできません。
このように、OJTの育成において、育成時間の確保が難しいことは、トレーニーの成長を停滞させてしまう課題です。
トレーナー、トレーニーの関係性によって効果が変化する
OJTのデメリットとして、トレーナー、トレーニーの関係性によって効果が変化する、という点があります。OJTの育成でトレーナーとトレーニーの関係性が構築されていない場合、学びが弱くなることがあります。関係性が希薄だと、トレーナーは思いを持って育成することができず、育成に力を入れることが難しくなるためです。また、トレーニーも関係性が築けていないと、トレーナーからの情報共有やフィードバックの受け入れが難しくなります。
トレーナーとトレーニーの関係性が構築できていないと、できる限りコミュニケーション量を抑えて関わらないようにしたい、という思いも出てきます。そのため、報連相の頻度が減ったり、指導をしなくていいように同じような仕事しかトレーニーに渡さず、トレーニーの成長を促すことができない状態にもなってしまいやすいです。
このように、OJTの育成において、トレーナーとトレーニーの関係性が構築されていないと、学びの質と効果が低下する可能性があります。
OJTにはこれらの弱さがあるため、OFF-JTと組み合わせて実施することをおすすめします。
4)まとめ〜アーティエンスではOJTトレーナーへの育成をサポート〜
本記事では、OJTのメリット8つとOJTのメリットを最大化する方法をお伝えしました。
OJTのメリットとして、以下の8つことが挙げられます。
・育成コストを抑えられる
・実践的なスキルが身に付く
・実務と育成を同時に行える
・個々の状況に合わせた指導ができる
・リアルタイムでフィードバックできる
・組織文化の理解につながる
・縦のつながりを強化できる
・トレーナーの成長につながる
上記メリットを最大化させていくために、本コラムでお伝えしたポイントを参考にお取り組み頂ければ幸いです。
なお、アーティエンスでは育成担当者の方が育成スキルを学べる研修を提供しています。
部下・後輩を育てる意義や、育て方を実践的に学べる研修となっています。
以下より、ぜひダウンロードいただければと思います。
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社員のスキルアップと業績向上を目指す方に、役立つメルマガです。
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