管理職が部下育成で押さえるべき5ポイント|対象社員別の取り組みが鍵!

更新日:

作成日:2023.6.21

ファシリテーション

「管理職が部下育成を行う際、どのようなことに気を付ければよいのだろう?」
「管理職として、もっと効果的に部下育成を行うにはどうすれば?」

などのお悩みを感じて、本コラムに辿り着いたのではないでしょうか?

本コラムでは、
・管理職が部下育成において、意識しないといけないことは何か
・管理職が育成を行わなければならない対象者はだれか
・管理職が育成を行う際に行わなければならない具体的な行動とは何か

の3点を、詳しくお伝えしていきます。

本コラムを読み終わった後には、管理職が行う部下育成について、解像度が高まっているでしょう。そして、育成を進めていく上で自組織や管理職自身に足りない部分はどこかを見つけることができます。

監修者プロフィール

迫間 智彦

大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。


合計500社以上の導入実績を誇るアーティエンスでは「管理職がプレイヤーから抜け出せていない」「管理職が昔の気質のままで変われない」といった企業さまへ「研修成功事例集」を作成しました。
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1. 管理職の部下育成のゴールは「育成文化を創り、育むこと」

管理職にとっての部下育成のゴールは「育成文化を創り、育むこと」です。

管理職は、短期成果(売上など)と中長期成長(チーム創り)を求められる役割です。
売上創出などの短期的成果を目的として部下を育成するのではなく、チームの中長期的な成長を考えたうえで、部下育成に取り組む必要があります。
そして、チームの中長期的な成長には、チーム全体として人を育てる意識を高め、取り組んでいくこと(育成文化)が不可決です。

2. 【対象社員別】管理職が行う部下育成の内容

前述した「育成文化を創り育むため」に、管理職が自ら行うべき部下育成は、次の3つを対象としたものです。

・次期管理職の育成
・トレーナーの育成
・問題社員の育成

それぞれ説明していきます。

2-1.次期管理職の育成

次期管理職の育成は、自身のポジションをゆだねることができる管理職を育てるために重要です。自身が次のステップに行く際に、次期管理職がいないとスムーズな移行ができません。
また、次期管理職候補といえる存在を増やせることは、組織力強化につながります。
次期管理職の育成方法として、具体的には下記内容を行っていくとよいでしょう。

・自身の仕事を段階的に委譲する
・難易度の高い仕事へのアサインする

それぞれ説明していきます。

自身の仕事を段階的に委譲する

次期管理職の育成では、自身の仕事を段階的に委譲していきましょう。次期管理職にとっては管理職になる前の助走期間といえるでしょう。この助走期間で、管理職としての仕事の仕方や心構えなどを伝えていきます。
具体的には、何人かの部下育成を任せる・他部署との窓口・難易度の低い業務管理などの業務を行わせてもいいでしょう。その際、管理職はどこまでの業務範囲を任せていくのかを明確にしておくことが大切です。
また管理職として自身が大切にしている心構えを伝えながら、次期管理職候補のメンバーの大切にしたいことの言語化を手伝っていくとよいでしょう。

難易度の高い仕事へのアサインする

次期管理職の育成では、難易度の高い仕事へのアサインする必要があります。
難易度の高い仕事は人を成長させますし、管理職になった際は難易度の高い仕事が多くなります。部下からクレーム対応を依頼されることもあるでしょう。そのためには、難易度の高い仕事を通じて、困難な状況を経験し乗り越えていく必要があります。

例えば、営業部に所属しているのであれば、難易度の高い大型案件を一人で任せるのもよいでしょう。エンジニアでしたら、難易度の高いプロジェクトにおいて、短納期かつ顧客要望が多い案件を任せるのも一つの方法です。
この時の注意点としては、必ず期待を込めて難易度の高い仕事を任せることです。そしてすぐにフォローに入ることのできる状況を準備しておくことが必要です。

2-2.トレーナーの育成

トレーナーの育成を通して、育成文化を創り育むためには欠かせません。
トレーナーは、新入社員や新人(新しく部署異動してきたメンバーや中途入社したメンバー)の育成を行う役割を担います。彼らが新入社員や新人をどれだけ想いを持って適切に育成できるかは、育成文化を創っていく上でとても重要です。
また、育成された側も自身も大切に育ててられた経験があり、それが成果と成長に繋がっていると実感できていれば育成文化は自然と育まれ続けるでしょう。

トレーナーの育成方法として、3つプロセスで進めていくとよいでしょう。

1)OJTトレーナーとしてのアサインと面談
2)OJTトレーナー研修の受講
3)OJTトレーナーへの後方支援

それぞれ説明していきます。

  • 1)OJTトレーナーとしてのアサインと面談

OJTトレーナーの育成として、まず初めにOJTトレーナーとしてのアサイン・面談が必要です。OJTトレーナーへのアサイン・面談を丁寧に行うことでOJTトレーナーの役割の重要性を感じることもでき、育成文化が育まれやすくなります。
OJTトレーナーへのアサインは「新入社員・新人の育成ができるレベルにあるか」や「OJTトレーナーの業務状況や、新入社員・新人との相性」などを加味しアサインします。
面談では「OJTトレーナーにアサインした期待や目標」をしっかりと伝え、期待していることを伝えることが大切です。

  • 2)OJTトレーナー研修の受講

  • OJTトレーナーの育成において、OJTトレーナー研修の受講は必要です。
  • OJTトレーナーを初めて行うのであれば、どのように新入社員・新人を育成していけばいいか分かりません。そのため、まずはスキルを知る場を渡すことが必要です。実施方法は外部研修でも社内研修でも構いません。
  • OJTトレーナーの基本的且つ一般的なスキルとして、下記スキルを学ぶ機会を設けていくといいでしょう。
  • 育成計画の立案
  • ティーチング
  • フィードバック
  • コーチング基礎
  • ※ 当社でも講師派遣・公開講座にて育成担当者・OJTトレーナー研修を提供しております。お気軽にお問い合わせください。
  • 3)OJTトレーナーへの後方支援

  • OJTトレーナーの育成において、OJTトレーナーへの後方支援が必要です。
  • OJTトレーナーは、新入社員・新人育成を進める中で悩みを持つことが多くあります。また、OJTトレーナーと新入社員・新人との認識のずれ(トレーナーは育成が順調だと思っているが、新入社員・新人は順調だと思っていないなど)が無意識に生じることは多々あります。そのため、適切な後方支援を行う必要があります。
  • 具体的には、OJTトレーナーとの定期的な1on1ミーティングや、新入社員・新人とトレーナーの日報・週報のやり取りに関して、管理職自身も閲覧できるような状態を作るなどです。
  • 【参考コラム】1on1ミーティング研修導入ガイド:目的設定から事後フォローまで解説
  • 2-3. 問題社員の育成

  • 管理職は問題社員の育成を通して、育成文化に悪影響を与える要因を無くしていくことも求められます。問題社員の存在は、チーム全体のパフォーマンス低下にもつながってしまいます。
  • 問題社員の3つのタイプ別に、育成方法をお伝えしていきます。
  • ・自身のパフォーマンスは低いが、チームへ悪影響も与えない社員
  • ・自身のパフォーマンスが低く、チームにも悪影響を与える社員
  • ・自身のパフォーマンスが高いが、チームへ悪影響を与える社員
  • 自身のパフォーマンスは低いが、チームへ悪影響も与えない社員

本タイプの社員の原因は、本人の能力不足にあると考えられます。能力を高めるための働きかけを行うといいでしょう。
なお、このタイプの社員の育成は、初期教育から時間をかけて実施しなければならない可能性もあります。そのため、管理職自身が直接育成をするとこの社員の育成だけに相当な時間を取られてしまう可能性があります。次期管理職候補やOJTトレーナーなど、他のメンバーに依頼し、自身は後方支援にまわることも検討しましょう。

  • 自身のパフォーマンスが低く、チームにも悪影響を与える社員

本タイプの社員は、チームメンバーからの既に不満が出ている可能性も大きいです。そのため、管理職が丁寧に指導をしていく必要があります。

具体的には、毎日の朝礼を兼ねて1on1ミーティングを行う等です。その際には二つのポイントを抑えて実施しましょう。

・当人のタスク管理をする
・フィードバックを通して、業務支援・内省支援・精神支援を行う

「当人のタスク管理をする」は、当社員が抱えているタスクの洗い出しや実施手順を一緒にこまめに確認することです。昨日のスケジュールの振り返りと、本日の予定を確認すると良いでしょう。
「フィードバックを通して、業務支援・内省支援・精神支援(※3章で詳しく解説)を行うこと」は、当人へのフィードバックを活用しながら、こまめにフォローを行うことを指しています。

  • 自身のパフォーマンスは高いが、チームへ悪影響を与える社員

本タイプは、最も対処の難易度が高いメンバーであり注意深く対応する必要があります。なぜなら、パフォーマンスが高いがゆえに他チームメンバーへの影響度合いが高いためです。
他のチームメンバーが問題社員の味方になり、チーム環境が悪化するケースもあるでしょう。

まずは、メンバーの状況や取り巻く環境を把握します。メンバーの話を聞き、当社員が悪影響を与えている原因を探すます。多くの場合、悪影響の原因はその本人の問題よりも取り巻く環境が引き起こしていることが多いです。

例えば、「当社員への業務負担が多くなっており、その不公平感から不満がたまり、周囲に悪影響を与えるようになっている」や、「目標設定について経営陣から適切な説明がない(経営陣は伝えたつもりになっている)ため、納得度合いが低く、目標に対して不満が発生し、周囲に悪影響を与えている」などです。
これらの状況が分かった場合は、管理職が環境を改善するための働きかけを行うことが求められます。
一方で、利己的な考えが強いなど、人としての成熟度が低いことが原因である場合も考えられます。この場合は、精神的成長(※)を促す働きかけを行い続ける必要があります。あまりにも改善傾向が見られない場合は、面談の機会を設けて毅然とした態度で指導していく必要があります。

【参考】精神的成長とは

成長には大きく2つの種類があります。その一つである精神的成長は、物事への意識・捉え方が変わる、意欲や意識の向上などの内面的な変化を指します。もう一つは、技術的成長(スキルや技術が身に付くこと)です。技術的成長と比較すると成長を感じにくいと言われています。
ただ、精神的成長が得られると、仕事に対するモチベーションが向上し、自身のキャリアをより主体的に捉えられるようになります。そして、そのような個人の成長・変化は、チームや組織にもポジティブな影響をもたらします。そのため、この2つの成長を促すことが、初期教育には欠かせないのです。

3.管理職が部下育成で実施すべき5つの行動

管理職が部下育成をする際には、実施すべき5つの行動があります。

・部下育成のゴールを明確にする
・部下にあわせた教え方をする
・部下の成長に繋がるフィードバックを行う
・部下のインサイドアウトを促す
・チーム全体で、教えあい学びあう

それぞれ説明していきます。

3-1.部下育成のゴールを明確にする

部下育成においては、ゴールを明確にすることが必要です。ゴール設定ができていないと、管理職本人と部下の双方にとって、目指す方向が分かりません。また、成長度合いも分からずに、迷いや不安が多く生じてしまいます。
ゴール設定に関しては、SMARTの法則を用いるといいでしょう。

※ 当社、育成担当者・OJTトレーナー研修のテキストより抜粋

例えば、管理職候補の社員の一例をお伝えします。他部署との窓口を任せたとします。

S : ○○部との窓口として、通常のコミュニケーション及び、定例会議において自部署の責任者として出席できる
M : 通常のコミュニケーション及び、定例会議において、イレギュラー案件以外は自身で対応可能になること
A : 部門横断のプロジェクトの経験があるため、対応可能
R : 次期管理職候補としての能力開発としての実施
T : 今期中に達成する

このように部下育成においては、ゴールを明確にすることが必要です。

3-2.部下にあわせた教え方をする

部下育成においては「部下にあわせた教え方をする」ことが必要です。価値観が多様化している現在では”あるべき論”をただ押し付けるだけではうまくいきません。

例えば、今の時代、すべての人が管理職になりたいわけではありません。管理職になりたくない人(※)が増えています。「管理職になることがいいことだ」ではなく、相手の価値観を踏まえて育成していく必要があります。

このように部下育成においては、相手にあわせて育成をしていくことも大切です。

※管理職になりたくないというテーマについては”「管理職になりたくない」現象―潜むリスクとデメリット|対処法あり”に詳しく記載しています。

部下が何を考えているか分からない。どうやってコミュニケーションを取ればいいのかとお悩みの方は管理職に求められるコミュニケーションと、高めるべきコミュケーションスキルとは?の記事もぜひ参考にしてください。

3-3.部下の成長に繋がるフィードバックを行う

部下育成では「部下の成長に繋がるフィードバックを行う」ことが必要です。
問題社員に対しては、特に必要な行動です。問題社員へのフィードバックはどうしても、ネガティブフィードバックが多くなる傾向にあります。だからこそ、彼らの成長を信じて、フィードバックを丁寧に扱う必要があります。

具体的には、グロースマインドセットの考え方を持ってフィードバックを行うと良いでしょう。

【参考】グロースマインドセットとは
グロース・マインドセット(Growth Mindset):「自分が持っている能力や才能は、経験や努力によって成長できる」という信念・心の在り方を指す。スタンフォード大学心理学教授キャロル・ドゥエック氏によって提唱。グロース・マインドセットと対極にあるのがフィックスト・マインドセット(Fixed Mindset)で、「自分が持っている能力や才能は先天的なもので、経験や努力では成長しない」という信念・心の在り方指す。

※ 当社、研修テキストより抜粋

グロースマインドセットをベースにして、下記ポイントを抑えてフィードバックを行います。

・ 社員の「自己」ではなく「行動」に焦点を当てる
・コンパクトに、日常的に、高頻度で行う
・業務支援・内省支援・精神支援の3つを押さえている

それぞれ説明していきます。

社員の「自己」ではなく「行動」に焦点を当てる

グロース・マインドセットにつながるフィードバックは、社員の「自己」ではなく「行動」に焦点を当てることが必要です。具体的には「あなたは…」を主語にするのではなく、「その行動は…」と行動を主語にしてフィードバックを伝えることを心掛けましょう。
なぜならば、「あなた」を主語にしてフィードバックすると、受け手であるに社員は自分自身が否定されたように感じ、拒絶感や自己嫌悪に陥りやすくなってしまいます。その結果、フィードバックの目的である、改善行動まで至りにくく、フィックスト・マインドセットも強化されてしまいます。
その一方で「本人の行動」を主語にしてフィードバックを行うと「この行動を変えていけばいいんだ!」と理解でき、次なる行動にも繋がりやすく、フィードバックの効果も出やすくなります。

コンパクトに、日常的に、高頻度で行う

グロース・マインドセットにつながるフィードバックとして、一度に色々詰め込まずに的を絞って、日々の業務の中でこまめに行うことが必要です。なぜならば、一度の情報量が多いフィードバックは、受け手が理解するのに負担がかかり次なる行動に繋がりにくくなります。その結果「できない経験」が積み重なりフィックスト・マインドセットが強化される可能性があります。

的を絞ったこまめなフィードバックは、受け手も「これならできそう」と思えます。そして、高頻度でフィードバックを受け取り、改善行動を行うことで、前進感や成長実感が持てて、フィードバック効果を実感できるはずです。
「フィードバックは自分の成長に繋がる」と思えると、よりフィードバックを求めるようになりグロース・マインドセットが助長されやすくなります。

1on1ミーティングなどの時間を取ったフィードバックの機会だけでなく、会議の前後の時間や社内チャットツールなどを活用し、日々の業務の中で意識的にフィードバックを取り入れていく姿勢が大切です。ただし、やり方によっては「マイクロマネジメントをされている」と受け取られることもあるため注意が必要です。

業務支援・内省支援・精神支援の3つを押さえている

グロース・マインドセットにつながるフィードバックとして、業務支援、内省支援、精神支援の3つを押さえたフィードバックを行うことが必要です。中原淳氏のフィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術によると、職場で人が育つためには、業務支援、内省支援、精神支援の3つの支援を他者から受ける必要があります。

詳細
業務支援 いわゆるOJTのこと。仕事のやり方を教え、必要に応じてアドバイスする。
内省支援 振り返りを促してあげること。客観的な意見を伝えて、本人の気付きを促す。
精神支援 励まし、褒めること。本人の感情のケアをする。

現場では往々にして「業務支援はできているが、周囲からの内省支援や精神支援が抜けている」という状況が起きやすいです。

内省支援が足りないと経験から得られたことの整理が進まずに、同じ失敗を何度も繰り返してしまうことがあります。精神支援が足りないと、落ち込んだり、自信をなくしたりする状態が続き、心を病んでしまう可能性もあります。そのような状態は「人は変われない」というフィックスト・マインドセットを助長してしまう恐れがあります。そのため、フィードバックを通して、内省支援や精神支援も担保していくことが重要です。

このように部下育成においては、グロースマインドセットを意識したフィードバックをすることが必要です。

3-4.部下のインサイド・アウトを促す

部下育成においては、部下のインサイド・アウト(※)を促すことが必要です。インサイド・アウトとは、簡単に言うと本人の内側から生まれるエネルギーです。インサイド・アウトがないままに育成を進めても、本人は常にやらされ感を感じ成長意欲も低いままでしょう。
例えば、次期管理職育成において「管理職にはなりたくない」という本人の気持ちを無視したまま「管理職になってもらおう!」自身の仕事を移譲し経験を積ませたとしても、能力は思うように伸びないでしょう。

インサイド・アウトを促すためには、目標設定等の際には「対象者がどうなりたいか」や「どのような状態になっていると嬉しいか」などを聴いていくといいでしょう。ありたい姿といわれるものがない場合は、仕事で嬉しかったことや楽しかったことを探すのでもいいでしょうし、ネガティブな要因を無くしていくということを共に考えてもいいでしょう。

このように部下育成においては、部下のインサイド・アウトを促すことが必要です。

【参考】インサイド・アウトとは

3-5.チーム全体で、教えあい学びあう習慣を創る

部下育成においては、「チーム全体で教えあい、学びあうこと」が必要です。理由は、2つあります。

・育成文化を創り育むためには、チーム学習が必要になる
・管理職ひとりがすべてを知っているわけではないため、チーム学習が必要になる

それぞれ説明していきます。

育成文化を創り育むためには、チーム学習が必要になる

管理職がいなくなった後でも育成風土や学習機会が継続されるためにはチーム学習の習慣を創っておくことが大切です。

次期管理職の育成には、他のチームメンバーから率直なフィードバックを行う場を設けてもいいでしょう。トレーナーの育成は、トレーナー一人で新入社員・新人を育成するのではなく、チーム全体で育成していくことを前提に進めると良いでしょう。問題社員の育成は、時には管理職が厳しいアプローチをする必要も出てきます。その際には他のメンバーがフォローできる体制があるといいでしょう。

管理職ひとりがすべてを知っているわけではないため、チーム学習が必要になる

VUCAと言われる今の時代は今日の正解が明日の不正解になっている可能性があります。そのような変化のスピードが速い時代において、管理職一人が考えつく正解だけで進めるには無理があります。チームで学びあい、今の正解を見つけていくことが必要です。

例えば、生成AIを活用したい場合には、若手社員の方が最新情報のキャッチアップが速いかもしれません。そのような場合は、若手社員が生成AIの情報収集を行い、チームに展開した方がよいでしょう。
このように部下育成においては、「チーム全体で、教えあい学びあう(チーム学習)こと」が必要です。

4.まとめ

本コラムでは、管理職が行うべき部下育成とは「育成文化を創り、育むこと」と定義し、解説をしていきました。そして、育成文化を創り、育んでいくために管理職が育成すべき対象は、次の通りです。

・次期管理職の育成
・トレーナーの育成
・問題社員の育成

本コラムを通して、管理職が行うべき部下育成をご理解いただけれたら嬉しく思います。そして、具体的に自組織・管理職自身がまず何をしなければならないかが分かり、実際の部下育成の一つのアクションにつなげていただければ幸いです。

管理職の部下育成でお困りの際は、ぜひアーティエンスまでご連絡くださいませ。

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