コラム

【Q&A付き】これだけは意識してほしい!新入社員との接し方で気をつけるべきこと5選

上司と後輩

2023/3/6作成ー

新入社員と上手く接することができなくて、関係性が築けていない…
新入社員との接し方で気をつけるべきことはあるのだろうか…

このような漠然としたお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
最近では、自分が良かれと思って伝えたことが、新入社員からするとハラスメントとして受け取られてしまったり、精神的な問題も話題に上がることが多く、新入社員との接し方に難しさを感じているかと思います。

しかし、だからと言って新入社員と接する機会を減らしてしまうと、関係性が築かれず、チームとしての力が弱くなってしまいます。

新入社員との接し方を気をつけることで、関係性が改善し踏み込んだ指摘もできるようになります。また、コミュニケーションが活発化し、細かい不安や悩みも共有できます。新入社員との接し方を気をつけることで、新入社員の成長をより促すことができます。

そこで今回は、新入社員との接し方で気をつけるべきことをお伝えします。この内容を読むことで、新入社員への接し方で気をつけるべきことがわかり、日々の中でどこに意識を向けたら良いかがわかるようになります。

新入社員への接し方を意識したことで、新入社員と良い関係性を築くことができ、良いチームとして仕事ができるようにしましょう。

1)新入社員との接し方5選

Q&A 新入社員との接し方で気をつけるべきことは大きく5つあります。

1、お互いの価値観が違うという前提で接する
2、新入社員など一括りでまとめて扱うのではなく、個々をみて接する
3、背景を伝えて接する
4、仕事でミスしたときは、どう改善していこうかという前向きな姿勢で接する
5、新入社員が仕事に何を求めているのかを理解した上で接する

詳しく説明します。

1、お互いの価値観が違うという前提で接する

お互いの価値観が違うという認識の上で接するようにしましょう。価値観が違うという前提で接しないと、良い関係性を気づくことができないためです。

新入社員と他の社員は育ってきた環境が異なるため、そもそも、それぞれが持っている常識や普通が異なります。価値観が異なることを認識できていないと、新入社員に対して理解できないことが起きたときに、「なぜそんなことするの?」という怒りや呆れの感情が湧いてきて、不快感を感じることになります。

このときに、「普通はこうでしょ」「社会人として〇〇できないのはありえない」など自分の価値観で相手に伝えてしまっては、新入社員は理解できません。新入社員の価値観としては、そのことが普通でもなく当たり前でもないためです。

例えば、新入社員が休みたいという連絡をLINEでくれたとします。このことに対して、「休みの連絡をLINEでするなんてありえない。普通は電話するでしょ」と感じる人もいるかもしれません。しかし、新入社員としては、「LINEだと、部署ではなくピンポイントで上司に連絡できるし、もし上司が外出していてもすぐに伝えられるよな。電話だと他の人に繋いでもらわないといけないから、迷惑がかかる気がする」ということを考えた上で、LINEという選択をしているかもしれません。また、電話の予約や問い合わせもメールやチャットになった時代で生きているため、電話をする、という発想自体がない可能性もあります。

このときに、新入社員に対して「LINEで連絡は社会人としてどうなの?」などと伝えるとしましょう。
お互いの価値観が異なることを認識せずに、一方的に自分の価値観を新入社員に押し付けて指導をすると、新入社員は何がダメだったのかが理解ができません。また、その状態が続くとお互いにストレスが溜まり、良い関係性を築くことができなくなります。

一方、価値観が異なることを認識しておくと、「あなたはそんな考え方を持つんだね、なるほど」と理解はできないかもしれないけど受け入れることができるようになります。この状態になって初めて、解決策を考えることができるようになります。

新入社員は、わざと相手を困らせてやろうと思って、言動をしている訳ではありません。自分なりに良いと思ったからこそ、発言したり行動したりしています。そのため、お互いの価値観は全く異なっているという前提を持って新入社員と接し、価値観が異なることに出会ったとき、その言動に至った背景を考えたり、確認することが大切です。なぜ、そのような言動を行ったのかの背景を確認できると、お互いが納得できる解決策を考えられるようになります。

2、新入社員など一括りでまとめて扱うのではなく、個々をみて接する

個人として接するようにしましょう。誰とでも同じように接したら関係性を高められるという方法はなく、関係性を高めるためには、個々の特徴や性格に合わせた接し方が必要になるためです。

当たり前ではありますが、例えば40代男性、という括りに該当する方に同じように接したら、皆が同じ反応を返すのかというと、そんなことはありません。そのため、例えば、「今年の新入社員は元気だよね」と声をかけられたときに、新入社員の頭の中では、「元気な人も多いけど、そうでない人もいるよな。どうやって返事をすればいいのだろう」となっている可能性もあります。

また、「今年の新入社員は、パソコンの使い方は問題なさそうに思っていたけど、〇〇さんは少し苦手?」と言われると、新入社員としては自分だけ異なることにショックを受けたり、皆と同じでないといけないことに対する違和感、比較をされることに対する不快感を感じる可能性もあります。特に、Z世代と呼ばれる最近の新入社員はこの傾向が強いです。

このように、今年の新入社員など、個人ではなくて大きな括りで接してしまうと、新入社員にとっては自分をみてくれている感じがしません。そのため、話している相手と向き合うように気をつけましょう。

3、背景を伝えて接する

新入社員に対して何かを伝えるときは、背景を伝えるようにしましょう。背景がわからないと相手の考えがいつまでたっても理解できず、お互いがストレスを感じてしまうようになるためです。また、最近の新入社員は、なぜそうするのかを理解できないと、意味がなく無駄な行動と認識し、意欲的になれないことも多いです。

例えば、「打ち合わせを行うときは、議事録を書いて」という指示だけでは、新入社員は何のために議事録をとる必要があるのかが理解できません。新入社員の頭の中としては、「打ち合わせに参加する人がそれぞれでメモをすればいいんじゃない?」と思っているかもしれません。このような認識では、議事録をとるという仕事について意欲的に行うことができません。

そのため、「関係者の共通認識をすり合わせ、次の打ち合わせのときに、前の打ち合わせで話していたことを共有できるように」や「欠席者にも内容が共有できるように」など、依頼する背景を伝えることを気をつけましょう。背景を伝えることで、「この人はこういう考えを持っている人なんだ」ということも理解することができます。

依頼する際の背景として、例えば「作業を効率化するために」という言葉が頻繁に使われていたら、この人は作業を効率的に進めたい人なんだな、ということが理解できます。また、「相手がパッとみて理解できるように」という言葉がよく使われると感じると、視覚的に相手が理解できることを大切にしていそうだな、と分かります。

トレーナーや上司がどのような考えを大切にしているかがわかると、新入社員も相手に合わせて仕事の進め方を工夫することができます。その結果、お互いが仕事をやりやすくなり、関係性も築きやすくなります。

新入社員に仕事の依頼などを伝えるときは、背景も一緒に伝え、新入社員が納得して仕事や物事を進められるように気をつけましょう。

4、仕事でミスしたときは、どう改善していこうかという前向きな姿勢で接する

新入社員が仕事でミスしたときは、ミスしたことという過去に注力するのではなく、今後より良い仕事をするために今回のミスをどう活かすか、というこれからのことに視点を置いて接しましょう。ミスを責めるような指導をすると、怒られることが怖いという理由でミスをすることが怖くなり、行動できなくなる、ということが起こりかねないためです。

新入社員にとって仕事のミスはつきものです。ミスする度に、新入社員が恐怖心や、羞恥心、自己否定を行っていたら、精神状態を保つことができません。

例えば、新入社員がイベントの備品発注の数をミスしてしまい商品が足りず、本番までにいろんなお店からかき集めなければならなくなった、というミスをしたとします。このときの新入社員の心情としては、「どうしよう、大変なミスをしてしまった」などパニック状態になっていることでしょう。そんなときに、ミスを責めるような接し方をしても、新入社員がただ恐縮するだけで誰のためにもならず、今後に活かすこともできません。

このような時は、一旦イベントを問題なく実施できることに意識を向けて取り組みます。イベントが失敗に終わることが新入社員にとって一番の恐怖だからです。その後、新入社員が話を聞ける状態になるくらい落ち着いてから、今回のミスが起きてしまった原因と、今後同じミスを起こさないようにするための対策を一緒に考えるようにしましょう。

起きてしまったことに対して注意をし続けても、新入社員の精神状態を傷つけることになる可能性もありますし、次に活かすことはできません。今回と同じミスを繰り返さないためにどうすればいいか、今回のミスをこれからの仕事でどう活かすかに意識を向けて接するようにしましょう。

新入社員のミスのフォローは大変なこともあると思います。しかし、そのときに先輩方に助けてもらったという経験は新入社員の記憶に深く残ります。その際に、新入社員から感謝や尊敬される先輩になれると、その後の関係性も良くなることが期待できます。その時の感情だけではなく、その後の関係性のことも意識して接するようにしましょう。

5、新入社員が仕事に何を求めているのかを理解した上で接する

新入社員が仕事に何を求めているのかを理解した上で接するようにしましょう。新入社員は、個々によって仕事に求めていることが異なるためです。

今までは、会社で昇格していくことを多くの人は求めていたため、確認するまでもありませんでした。しかし、最近の新入社員は個々によって仕事に求めていることが異なります。

例えば、最低限暮らしていけるだけの給与を稼げたら良いので、昇進や昇給にあまり興味がない人もいれば、ガンガン成果を出して昇給していきたいという人もいます。また、業務内容についても成長を求めている人もいれば、仕事の負担が少ないルーティン作業を求めている人もいます。いろんなことにチャレンジしてみたいという人もいれば、一つの仕事を追求したいという人もいます。

もし、昇進や昇給にあまり興味がない人に向かって、「さまざまな意見をまとめることは、チームリーダーになったときにも役に立つから〜」というアドバイスをしたとしても、心に刺さることはありません。昇進に興味がないため、自分がチームリーダーになることを想像できないためです。

また、ルーティン業務を求めている人に対して「あなたの成長を考えると、この新しい仕事をやってみた方がいいと思うんだけど、どう?」という言葉に対して、心が動くことはないでしょう。なぜなら、この新入社員は新しいことをできるようになることを望んでいるのではなく、今ある業務をより高い品質やスピードで行うことに面白さややりがいを感じるためです。

新入社員が求めていることと、アドバイスや声掛けの方向性がズレていると、良い関係性を築くことには繋がらないため、新入社員が仕事に対して何を求めているのかを理解して接するように気をつけましょう。

この5つの新入社員との接し方で気をつけるべきことを意識することで、新入社員との関係性が良くなっていきます。

2)新入社員との接し方に関するQ&A

Q&A

1、新入社員がプライベートのことを話したがらない

プライベートと仕事を分けたい人もいるので、無理に聞き出そうとはしなくても良いと思います。 ただ、地方から出てきて一人暮らしをしているような人は、周りに頼れる人がいない場合が多いため、気にかけてあげることをお勧めします。

新入社員が自ら話したがらない場合は、「自分が一人暮らしのときにこういうことがあって大変だった」など自分の経験を話して「〇〇さんは大丈夫?」と質問すると、相談しやすくなるかと思います。

2、新入社員がミスしたときに勇気づけるためにはどうしたら良いか

その時の新入社員のミスと同等かそれ以上の自分の失敗談を話してみましょう。
そのミスをした時の心境や、その時の状況を映像でイメージできるくらい鮮明に話します。そして、その後、その失敗をしたことでの気づきや、どのような成長に役に立ったかを伝えます。

そうすることで、同じようなミスをした先輩が、ミスを成長の糧にしているのであれば、私もできるかもしれないと、新入社員が思えるようになるでしょう。

3、いちいち説明しなくても、自分の仕事の様子を見て学んでほしい

仕事に対するモチベーションが低いと、背中を見て学ぼうとする意欲が弱くなります。そのため、新入社員のモチベーションを高めるための施策を行うことが求められます。

また、最近の新入社員は、背中を見て学ぶという経験が少ないため、背中を見て学べという育成方法は今の新入社員には向いているとは言えません。その事実を受け入れて、今の新入社員にあった育成方法で接していくことをおすすめします。

新入社員にわかりやすくレクチャーして、実行していきながら育成をする方がスムーズにいくと思います。

4、反応が薄く、本当にわかっているのか、聞いているのかわからない

新入社員が理解しているのか分からない時は、上司やトレーナーが話したことを新入社員に言い直してもらう、ということを行ってみてください。

例えば、「私が今伝えた内容を、〇〇さんが理解した内容で伝えてもらえる?」などと、新入社員から再度話してもらうと理解度を確認できます。

5、今の新入社員にとって、言葉で説明するだけじゃなく見本を見せないと教えてもらったことにはならないようで、教えてもらっていないからできませんでしたと言われた

余裕がある場合は、新入社員に依頼する仕事の見本やデモンストレーションを新入社員に見せて説明し、その場で新入社員にも手を動かしてもらうことが望ましいです。一度流れを見て実際にやってみることで、躓くポイントや理解しきれていない箇所を確認することができるためです。

しかし、余裕がない場合は、丁寧に説明することは難しいと思いますので、小まめに確認に来るように伝えると良いでしょう。例えば、「3時間後に一度現状を報告しに来てくれる?そこで分からないことがあったら質問して」などです。 こうすると、やり方が分からなかったから進められなかった、というようなことは防ぐことができます。

6、なんでもハラスメントと言われそうで、適切な距離感が難しい

新入社員との関係性が築けるまでは、言葉の言い回しなどには十分注意して接する必要があります。ハラスメントの扱いで難しいのは、言われた側の感覚値にもよる、というところです。

上司やトレーナーは全くそのつもりがなくても、受け手の新入社員が嫌な思いをして、そのための証拠が認められるとハラスメントという扱いになることです。そのため、冗談でも過度なことや、強く感じる言葉は避けるようにしましょう。例えば「こんなこともできないでダメだな」「使えないな」「何度言ったら分かるんだよ」などの言葉は、他の言葉に言い換えて伝えます。

【言い換えの言葉の例】
「こんなこともできないでダメだな」→「ここができていないみたいだったけど、わからない箇所を教えてもらえる?」
「使えないな」→「これをやって欲しいんだけど、お願いできますか。こういう手順でやるとできるから。」
「何度言ったら分かるんだよ」→「この前の説明でわかりづらいところあった?もう一度伝えるから、メモしてね。」

など

特に、新入社員との関係性が築けるまでは言葉に注意して接するようにしましょう。

3)新入社員との接し方次第で、結果にも繋がる

新入社員との接し方を意識することで、関係性が築きやすくなり、その結果、結果にも良い変化が影響していきます。関係性と結果は、影響し合っているためです。

これは、MIT組織学習センター共同創始者ダニエル・キム氏が「成功循環モデル」として提唱した考え方です。

「関係の質が高まれば、思考の質が高まり、行動の質が高まり、結果の質が高まる、そしてさらに関係の質が高まる」という好循環が生まれます。ただし、「関係の質が低くなれば、思考の質が低くなり、行動の質が低くなり、結果の質が低くなり、そしてさらに関係の質が低くなる」という悪循環も生まれるという内容です。

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※ 当社資料より一部抜粋

このように、新入社員との接し方によって関係性を築くことは、新入社員の結果を高めるためにも大切になります。

4)まとめ

今回は、新入社員との接し方で気をつけるべきことをお伝えしました。

新入社員との接し方で気をつけるべきことは大きく5つあります。

1、お互いの価値観が違うという前提で接する
2、新入社員など一括りでまとめて扱うのではなく、個々をみて接する
3、背景を伝えて接する
4、仕事でミスしたときは、どう改善していこうかという前向きな姿勢で接する
5、新入社員が仕事に何を求めているのかを理解した上で接する

理由は下のこの通りです。

1、お互いの価値観が違うという前提で接する

価値観が違うという前提で接しないと、良い関係性を気づくことができないため

2、新入社員など一括りでまとめて扱うのではなく、個々をみて接する

誰とでも同じように接したら関係性を高められるという方法はなく、関係性を高めるためには、個々の特徴や性格に合わせた接し方が必要になるため

3、背景を伝えて接する

背景がわからないと相手の考えがいつまで経っても理解できず、お互いがストレスを感じてしまうようになるため

4、仕事でミスしたときは、どう改善していこうかという前向きな姿勢で接する

ミスを責めるような指導をすると、怒られることが怖いという理由でミスをすることが怖くなり、行動できなくなる、ということが起こりかねないため

5、新入社員が仕事に何を求めているのかを理解した上で接する

新入社員は、個々によって仕事に求めていることが異なるため

この5つの新入社員との接し方で気をつけるべきことを意識することで、新入社員との関係性が良くなっていきます。

新入社員との接し方に関するQ&Aも参考にしていただき、新入社員と接するときに気をつけることを意識して接してみましょう。関係性が良くなることを実感するまでには少し時間がかかりますが、報連相の頻度が以前より増えたり、仕事がスムーズに進んでいく感覚は実感していただけると思います。

当社の部下・後輩育成OJTトレーナー研修では、最近の新入社員の特徴をお伝えしながら、新入社員とどのような接し方をすればいいかを、実践練習の機会を設けながらお伝えしています。

当社の部下・後輩育成OJTトレーナー研修について詳しく知りたい方はこちらからお気軽にお問合せください。

新入社員への接し方を意識することで、新入社員と良い関係性を築くことができ、良いチームとして仕事ができるようにしましょう。

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