【経営者向け研修】事例から学ぶ2つの目的と5つの内容をご紹介

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作成日:2023.8.9

経営者向け研修

「経営者向けの研修は、何をしたらいいのだろう?」

代表自ら、もしくはコーポレート部門の管掌役員のどちらかが、本問題意識を持って、このコラムにたどり着いたのではないでしょうか。

経営者は管理職や現場の社員に研修受講を促しますが、経営者自身が研修を進んで受けることは珍しい場合が多いです。

そのような中、まずは経営者自身から成長していこうという考えはとても素晴らしいです。経営者が成長することで、組織は成長しますし、また社員もそれを見て成長します。

経営者自身や組織の成長につながる経営者研修を実施するためにも、本コラムをぜひお読みいただきたいと思います。

本コラムでは、下記内容をお伝えします。

・経営者向け研修の2つの目的
・経営者向け研修の5つの内容
・経営者向け研修の事例

本コラムを最後まで読んでいただくと、自組織でどのよう経営者向け研修を行えばよいか分かるでしょう。

監修者プロフィール

迫間 智彦

大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。

1. 経営者向け研修の2つの目的

経営者研修の目的は、下記2つです。

・経営理念・戦略などの実現のため
・経営課題の解決のため

それぞれ説明していきます。

1-1. 経営理念・戦略の実現のため

経営者研修は、経営理念・戦略の実現のために行います。経営理念・戦略は、組織の存在意義や方向性です。その会社の存在意義や方向性を決めるときは、経営陣全員が強いコミットを持つ必要があります。強いコミットを引き出すために、経営者向けの研修を行うのは一つの方法です。

例えば、ワンマンの社長の場合は、社長がどんなに意見を求めても、他の経営幹部はYESという傾向が強くなります。その際に、経営者向けの研修で、他社の事例を知ることで社長が考えを見直し、さらにその様子を見ると経営幹部は発言しやすくなったりします。

経営者研修は、経営理念・戦略に対して、経営陣が強いコミットを持つために行ったほうがいいでしょう

1-2. 経営課題の解決のため

経営者研修は、経営課題解決のために行います。経営課題を、経営陣のみで解決しようとすると、どうしても知識不足に陥り、今までのやり方で何とかしようとする傾向が強くなります。
その時に研修で知識を得たり、ファシリテーターの問いかけで経営陣の認知が広がることで、経営課題に対して、自分たちが想像していなかった解決策を見つけることができます。

例えば、「ある事業のシェア率が下がってきたため、どのような対策を打てるか」となったときに、昔の文脈のみでは「広告宣伝費を増やして、プレゼンテーションを強化する」という戦略を立ててしまうかもしれません。ただし、研修で現在の市場の変化を知ったり、ファシリテーターから「ビジネスモデルを変えることはできないのか?」などの問いかけがあれば、経営者の認知は変わります。そうすれば、考えられる施策も変わってくるでしょう。

経営者研修は、経営課題に対してよりよい解決策を見つけるために行ったほうがいいでしょう。

2. 経営者向け研修の具体的な5つの内容

経営者研修の内容は、下記5つです。

・経営理念の策定(再策定)
・経営者同士のチームビルディング
・戦略の考察や、戦略達成に必要な知識・スキルの習得
・経営課題解決のための知識・スキル習得
・経営者としての器を高める

それぞれ説明していきます。

2-1. 経営理念の策定(再策定)

経営者向け研修として、経営理念の策定(再策定)があります。ファシリテーターが入ることで、内省やチーム学習が深くなり、より強い言葉が出てくることで、経営陣のコミットが高まります

例えば自組織だけで行うと、ただきれいな言葉でまとめてしまうケースがよく見られます。ファシリテーターが入ることで、それが本当に「心から思っている言葉なのか?」、「本当にコミットできるのか?」ということなどまで確認していきます。

2-2. 経営者同士のチームビルディング

経営者向け研修として、経営者同士のチームビルディングがあります。どんなに良い戦略を立てていても、経営者に一体感がなければ、戦略は力強く進んでいきません

例えばファシリテーターが入ることで、「部分最適に陥らず、全体最適を踏まえて、経営者同士の連携をどうするか?」や、「ワンマン社長がどのように自身の考えや立場を手放し、他の経営者に役割を任せていくか」などを決めていくことが可能になります。

2-3. 戦略の考察や、戦略達成に必要な知識・スキルの習得

経営者向け研修として、戦略の考察や、戦略達成に必要なスキルの習得があります。VUCAと言われる時代になり戦略の考察が自分たちだけでは難しかったり、新しいスキルを習得する必要がある場合に経営者向けの研修を行います。

例えば、”1-2. 経営課題の解決のため”でお伝えした事例として、「ある事業のシェア率が下がってきたため、どのような対策を打てるか」などの場合は、昔の文脈で「広告宣伝費を増やして、プレゼンテーションを強化する」という戦略を立てたとします。ただし、研修で現在の市場の変化を知ったり、ファシリテーターから「ビジネスモデルを変えることはできないのか?」などの問いかけがあれば、経営者の認知は変わります。この時に、ビジネスモデルに関して、Webマーケティングに力を入れるという意思決定をしたとします。その時は、最低限のWebマーケティングの知識やスキルは知っておいたほうがいいでしょう。

2-4. 経営課題解決のための知識・スキル習得

経営者向け研修として、経営課題解決のための知識・スキルの習得があります。今までの知識やスキルだけでは、解決できないことも多くあります。すべての知識・スキルを学ぶことはできませんし、経営者であれば現場に任せていくことが必要です。ただし、現場責任者とディスカッションや対話を行うためにも、最低限の知識・スキルは学ぶといいでしょう。

例えば、”2-3. 戦略の考察や、戦略達成に必要な知識・スキルの習得”の事例の続きですが、Webマーケティングの中でも、特にコンテンツマーケティング(※)に力を入れる意思決定をしたとします。この時に、「コンテンツマーケティングとは何か?」ということや、「コンテンツマーケティングには、どんな種類があり、効果があるのか」、「コンテンツマーケティングの基礎的な手法」くらいは知っておいたほうがいいでしょう。

(参考)コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、「有益なコンテンツ」を公開することで、ユーザーに価値を提供し、最終的には購買行動や長期的な顧客関係の構築を目指すマーケティング手法(コンテンツマーケティングとは?|広告費ゼロで10倍の売上を達成した手法より抜粋)

2-5. 経営者としての器を高める

経営者向け研修として、経営者の器を高めるためのものがあります。組織の成長は、経営者の器に影響されます。知識・スキルだけを学び習得するのではなく、経営者としてのあり方(Be)や態度が求められます。経営者の器が高まれば、世の中や未来、顧客に対して、どれだけポジティブな影響を与えられるか、また社員が自組織で働くことへの誇りに思うようになります。

例えば、成人発達理論(※)の研修を通してを、経営者自身がどのように自身と向き合うかを行っていくのも一つの方法です。

(※) 成人発達理論とは
成人発達理論とは、「私たちの知性や能力が一生をかけて成長を遂げていく」という考えのもと、人の発達プロセスや発達メカニズムを解明する学問

3. 経営者研修の事例

「2. 経営者向け研修の具体的な内容」をもとに、下記内容の事例をそれぞれ説明していきます。

・経営理念の策定(再策定)と、経営者同士のチームビルディング
・戦略の考察と、経営課題の解決
・戦略達成や経営課題の解決のために必要な知識・スキルの習得を通して経営者としての器を高める

3-1. 経営理念の策定(再策定)と、経営者同士のチームビルディング

本事例では、下記のような課題がありました。

・次世代リーダーが育っていない
・ヒット商品の売上が鈍化し、新しい商品が生まれない
・新しいヒット商品を創る気概を、事業部長・管理職からは感じない
・株価も下がり始めている
・部門間を超えたコミュニケーションが、会議以外見られず、雑談もない
・目の前の仕事が忙しくて、新しい商品の企画が全く上がってこない

次世代リーダーの育成を目的としていましたが、課題を洗い出してみると、次世代リーダーが育っていないというだけではなく、さまざまな問題が複雑に絡み合っている状況でした。まずはじめに、「経営者と次世代リーダー、および次世代リーダー同士の関係の質を高めること」と、「共有ビジョンの策定することで、自組織がどこに向かうかを明確にして幹部社員の意思統一」を行いました。

アプリシエティブインクワイアリ(※)という手法を用いて、「経営者と次世代リーダー、および次世代リーダー同士の関係の質を高めること」と、「共有ビジョンの策定することで、自組織がどこに向かうかを明確にして幹部社員の意思統一」の2つにアプローチしていきました。

研修後には、下記のような効果見られました。

・部次長らによる合同合宿
・合宿後の、メンバーも巻き込んだボーリング大会
・部門間の活性化
・新サービスの企画立案の増加

(参考) アプリシエイティブ・インクワイアリー とは
ケース・ウエスタン・リザーブ大学のデービッド・クーパーライダー教授、タオス・インスティチュートのダイアナ・ホイットニー氏により、1987年に提唱された「組織の真価を肯定的な質問によって発見し、可能性を拡張させるプロセス」。

(参考) 研修風景

3-2. 戦略の考察と、経営課題の解決

本事例では、下記のような課題がありました。

・多くの施策が走っており、選択と集中ができていない
・現場が疲弊し、エンゲージメントが下がっている(若手社員の離職率も高まってきている)
・新商品が生まれない

来期の戦略を立てながら、上記の経営課題の解決も行っていきました。

コロナ禍をどう乗り越えていったかということを振り返ることで、自組織の強みや可能性を探求し、その上で今を取り巻く経営課題と向き合っていきました。

研修後には、下記のような効果見られました。

・来期の戦略を決定し、経営陣の役割分担も計画にしました。

(参考)研修の資料と、アウトプット

3-3. 戦略達成や経営課題の解決のために必要な知識・スキルの習得を通して経営者としての器を高める

本事例では、下記のような課題がありました。

・コロナ禍になり、どのように戦略を扱ったらいいかわからない
コロナ禍になり、想定していなかった経営課題が出てきている
・コロナ禍であっても、組織も経営陣・幹部社員もなかなか変われない

「学習する組織入門」を通して、勉強会を行い、上記課題や経営陣・幹部社員の人として成長を促していきました。

その結果、組織はコロナ禍という状況に適応していく重要性や、「経営陣・幹部社員である自分たちがまずは成長していかないといけない。変わらないといけない」という認知になっていきました。

(参考)研修の資料

まとめ

本コラムでは、経営者向けの研修に関してお伝えしました。

具体的には、

・経営者向け研修の2つの目的
・経営者向け研修の5つの内容
・経営者向け研修の事例

です。

本コラムを通して、自組織でどのような管理職研修を行えばいいかをご理解いただけたはずです。

経営者研修は、とても難易度が高いものでもあるため、企画からしっかり行ったほうがいいでしょう。経営者研修に関して、ご相談がある場合は、お気軽にアーティエンスまでご相談いただければ幸いです。