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[ コラム ]
なぜ女性管理職が必要?│組織と本人にもたらす大きなメリットとは
- 「女性管理職を登用することで、組織や女性管理職自身にどのようなメリットがあるのだろうか?」このような疑問をお持ちの方に、女性管理職を登用することで得られる具体的なメリットをご紹介します。女性管理職を登用する組織には、次の6つのメリットがあり
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責任増加から孤立感まで、女性管理職の悩みをどう解決する?
更新日:
「女性管理職になると、一気に責任が増えて大変そう。何か手助けできることがあれば知りたい…」
「同じ立場で相談できる人がおらず、女性管理職は大変そう。孤立化しているように見える…」
女性管理職は一般的に男性と比較して比率が少ないです。そのため、気軽に相談し合える関係性を築くことが難しく、1人で悩みや不安を抱え込んでしまいがちです。
しかし、そのような状態になってしまっては、仕事に支障が出てしまいます。
そこで本記事では、女性管理職がどのようなことに悩んでいるのかをお伝えし、その悩みを解決する方法を紹介します。
女性管理職へのフォローを行うことで、女性管理職の負担を軽くし、より大切な業務に集中できる環境を作れるようにしましょう。そうすることで、組織の発展も期待することができます。
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【参考】より深く知るための
『オススメ』コラム
目次
1)【オファー承諾前】女性管理職が抱える6つの悩み
パーソルキャリアの「女性管理職の意識調査」によると、女性が管理職のオファーを受ける前に以下のようなことに悩んでいるようです。
問い:管理職のオファーを承諾する前にどんなことに不安を抱き、悩んでいたか(n=95)
・対象者:20~50代の女性管理職
・回答人数:151名
・調査手法:インターネット調査
・調査期間:2022年3月18日~3月22日
本記事ではこの調査で30%以上の回答がある6つの内容について、詳しく解説します。
部下育成
女性管理職がオファー承諾前に最も多く感じていた悩みが、部下育成です。管理職となると、自身の業務に加えて、複数の部下を育成したり、チームをマネジメントするなどといった仕事の幅が広がっていきます。
部下育成においては、時には厳しく注意したり、叱る場面もあるでしょう。状況によっては、部下との関係性悪化につながる可能性もあります。しかし、適切に注意することができなければ、部下の成長はありませんし、自身の仕事を増やす一方にもなってしまいます。
部下を注意したり、叱ることはとてもエネルギーの要ることでもあります。そのような状態を懸念して、女性は管理職のオファーを受ける段階で部下育成について悩みを抱えています。
自身のストレスマネジメント
女性管理職は自身のストレスマネジメントについても悩みを抱えています。管理職に昇進すると、より多くの責任がかかり、ストレスが増加する可能性があるためです。
自分がストレスを抱えることで、仕事の成果が落ちることや、メンバーとの関係性が築けなかったり、自分がモチベーションを保つことができなくなることを恐れています。
今までの経験から、自分がストレスを抱えるとうまく仕事ができなくなることを理解しているからこそ、オファーを受ける段階で悩んでしまいます。
組織の運営体制
女性管理職は組織の運営体制についてもオファー前に悩みを抱えています。特に管理職の割合が男性が多いと、ジェンダーバイアスや不平等な扱いをされる不安があるためです。ジェンダーバイアスとは、性別の違いによって差別を行うことです。
自分が管理職になったところで、自分の意見を聞いてくれるのか、自分に仕事を任せてくれるのかが見えずに不安を抱えています。
このように、女性が管理職のオファーを受ける前には、もし管理職になって孤立してしまったらどうしようという悩みを抱えています。
責任増加のプレッシャー
女性管理職は責任増加のプレッシャーについてもオファー前に悩みを抱えています。今まで経験したことのない責任に自分が耐えられるかどうかがわからないためです。
特に女性管理職が始めてだったり珍しいと言われる場合は、自分の行動が目立つため、少しの失敗も許されないのではないかという恐怖を感じてしまいます。
そのような女性ならではのプレッシャーも加わり、管理職のオファーを受ける前に責任増加に対して悩んでいます。
業務量増加
女性管理職は仕事量増加についてもオファー前に悩みを抱えています。管理職になると業務量が増えることが目に見えているものの、自分に捌けるのか自信がないためです。
特に管理職になると関わるプロジェクトが増えることが多いため、1日が会議に終わることもあります。また、部下の育成やフォローの人数も増えると、しっかりと時間管理を行わなければ自分の仕事を行う時間がなくなってしまいます。
この状況がイメージできるからこそ、自分に対応できる業務量なのかが不安に感じ、悩みの種になっています。
仕事とプライベートの両立
女性管理職は仕事とプライベートの両立でも悩みを抱えています。管理職になると、新しい責任や業務が増加することが一般的なため、仕事に費やす時間が増え、家庭やプライベートの時間を確保することが難しくなることが予想できるためです。
特に家事や子育て、介護などを女性がメインで行っている家庭の場合、仕事の時間が増えることで他のことを調整できるのかが不安になります。
さらに、それらの活動について冷ややかな目を感じるような環境や、フォローの体制が整っていないと自分への引け目を感じてしまい、オファーを受ける段階で悩みを抱えることになります。
このように、女性は管理職のオファーを承諾する前からこのような悩みを抱えています。
2)【管理職登用後】女性管理職が抱える5つの悩み
管理職になった後も女性はさまざまな悩みを抱えています。アーティエンスが管理職研修を実施する中で、管理職の方からよく伺う悩みを紹介します。
(オファー承諾前と重なる内容は省いています。)
自分の判断
女性管理職は管理職になった後、自分の判断が正しかったかどうかについて悩みを抱えがちです。自分の判断によって多くの人が影響されるためです。
自分の判断が正しいと思えるまで情報を収集したり、誰かと議論できれば、この悩みを軽くできるでしょう。しかし、次から次へと仕事が入ってくる状態で一つのことに多くの時間を使うことはできません。また、女性管理職が男子管理職の中で孤立してしまい信頼できる仲間がいないと相談することもできません。
このように、管理職になった後は、自分の判断が正しかったのかどうかで、次々と悩み事が増えていってしまいます。
スキル不足
女性管理職は、自身のスキル不足に悩みます。今までの仕事とは異なる業務も多く発生するためです。
管理職が特に難しいと感じるのはマネジメントや育成、評価やリーダーシップなどです。特に新たな業務を行うにあたっての学びの場がないと自分なりのやり方を模索していくしかないため不安が多くなります。
このように、管理職になった後は自分のスキル不足をどうにかしなければと思いながらも、時間がなくて対処できないというモヤモヤと抱え続けることになります。
矛盾する意見の統合
女性管理職は管理職になった後に矛盾する意見の統合について悩んでいます。部下と上司からの希望が違ったり、各部署によって意見が異なることが多く発生するためです。
管理職として、両方の協力が必要な時に、異なる2つ以上の意見をうまく統合させることができないと、片方のモチベーションが下がってしまったり、結果の質が悪くなってしまうことがおきます。
そうすると自身の評価も悪くなってしまうため、異なる2つ以上の意見や考えをどのように統合すればいいかに悩むことが多くなります。
孤立感
女性管理職は孤立感があることについても悩みを感じやすいです。多くの組織で、管理職ポジションにおいて男性の比率が高いためです。少数派であることから孤立感が生じることがあります。
他にも、社会的なステレオタイプや性別に関する偏見は、女性管理職に対する期待や評価に影響を与えることがあります。これが孤立感を増加させる一因となることもあります。
女性の管理職が少ないことと、偏見によって管理職という立場に居辛さや孤立感を感じ、このポジションに就いたことに対して悩むことになります。
周囲の関係者との関係性の築き方
女性管理職はメンバーや周囲の関係者との関係性の築き方についても悩みを感じやすいです。性別と関係ない部分についてもジェンダーバイアスによって、「女性なのに〜」「女性だから〜できない」というような批判を受けやすいためです。
例えば「女性がリーダーだったからこの企画が失敗した」「女性を使って〇〇企業の案件をとってきた」などです。
このような性別による批判を受けると、そのことを意識して仕事を行わなくてはならず、気を使うことが増えて大変さが増すため悩みの種となります。
女性管理職はポジションに就いた後もこのような悩みを抱えています。
3)女性管理職の悩みの解消につなげる7つの施策
今までお伝えしたような女性管理職の悩みを解消するために組織ができる方法として、以下の7つの方法をお伝えします。
・スキルの提供
・組織の運営体制の見直し・オープン化
・責任の捉え方
・業務量の調整
・他社の女性管理職と対話する機会提供
・ジェンダーバイアスの排除
・相談相手の提供
スキルの提供
女性管理職の悩みの種になっているスキルを学ぶ機会を作ることが必要です。スキルを身につけることで、悩みを解消することができるためです。
管理職になって必要になるスキルとしては、主に以下のものが挙げられます。
・マネジメント
おすすめな研修:管理職基礎研修
・リーダーシップ
おすすめな研修:管理職のための全員発揮のリーダーシップ研修、成人発達理論に基づいたマネジメントリーダーシップ研修
・思考力
おすすめな研修:ロジカルシンキング研修、問題解決力研修、システムシンキング研修
・部下育成
おすすめな研修:育成担当者・OJTトレーナー研修
・コミュニケーション
おすすめな研修:管理職のための目標設定・管理研修、プレゼンテーション研修
・意見の統合方法
おすすめな研修:困難を乗り越えるリーダーシップ開発コース
・チームビルディング
おすすめな研修:困難を乗り越えるリーダーシップ開発コース、心理的安全性向上研修
・ストレスマネジメント
おすすめな研修:レジリエンスアップ研修
・ハラスメント
これらのスキルを学ぶ機会を与えられているか、今の組織の状況を見直し、必要に応じて機会を作るようにしましょう。
スキルは実践しながらでないと身につかないため、研修を行うことをお勧めしますが、予算や時間の都合がつかないときは、eラーニングや書籍の補助などできることから行いましょう。
スキルを学び身につけることができると、管理職というポジションに対する自信や成長を感じ、悩みが軽減されます。
【参考コラム】管理職の悩みとは?│解決するための有効な対処方法も説明
組織の運営体制の見直し・オープン化
組織の運営体制の見直しや情報のオープン化を意識しましょう。管理職というポジションの中で平等に仕事をすることができるようにするためです。
例えば、発言力の平等化です。〇〇さんの一声で全てやり直し、〇〇さんが言ったら誰も逆らえない、という組織には女性管理職を増やしても多様性は生まれません。また、人によって評価に差が生まれないようにするためにも、評価軸を公開し、その軸に沿って正しく評価されるようにすることも方法の一つです。
他にも、仕事とプライベートを両立できるようにする仕組みを整えることも必要です。そうでないと、家庭内の役割が多い人が不利に働きやすくなるためです。
このような組織の運営体制を見直し、性別に関係なく平等に働くことができ評価されることがわかると、悩みを抱かなくて済むようになります。
責任の捉え方
責任の捉え方について管理職に伝えておくことも必要です。責任を取ることを恐れすぎていると物事が進まなくなり、責任が軽すぎるとトラブルにあう可能性があるためです。
管理職になると、さまざまな場面で責任を問われることが増えます。そのことに対して悩みが大きすぎてしまうと、仕事にネガティブな影響があったり、管理職が潰れてしまいかねません。
組織はそうならないように、管理職の挑戦に対して組織で責任を負うことを約束したり、管理職が責任を負う範囲を定めておくことで、管理職が悩みを膨らませすぎずに仕事に取り組んでもらうことができます。
管理職が組織が求めている適切な範囲のみの責任を考えて、悩みを大きくしすぎないことで業務効率が上がることも期待できます。
業務量の調整
管理職の業務量を調整しましょう。業務量が多いと仕事の質が下がりやすくなります。また、家庭でもやることのある女性は仕事とプライベートの両立も難しいと感じるためです。
業務量の調整を検討する際は下記のプロセスで行いましょう。
1、現在管理職が行っている業務を確認
2、無駄なことを撤廃
3、他の人が行った方が効率が良い業務を移行
4、管理職が行うべき仕事の仕組み化
無駄なことを撤廃については、細かく見ていくと、slackを送るだけで良い会議や、テンプレのない報告書作成、関わっているから一様と呼ばれる打ち合わせなどが見つかります。
このプロセスで行うと、今より業務量を増やすことができます。
そして、新たな業務を行う際は、これらのことを確認した上でどうしても管理職が行うしかない、というものだけ追加するようにしましょう。
管理職の仕事の範囲は広く、基準を設けないと仕事が増えていく一方です。仕事量が多いことについて悩みを抱えることがわかっている以上、業務量を減らせる努力をしましょう。
他社の女性管理職と対話する機会提供
他社の女性管理職と対話する機会を設けましょう。自分と同じような悩みや不安を感じている人がいるというだけで人は安心できるためです。
アーティエンスの管理職研修は、公開講座型の内容も行っています。会社が違っていても、研修の中で出てくる不安や悩みは似ていることが多く、悩みの解決につながりそうな知識を得られたことはもちろん、共感してくれる人がいたことに嬉しさを感じている参加者の方も多いです。
自組織の管理職の割合を見て、女性の割合が少ない場合は、スキルを提供する際に公開講座を利用するというのも一つの方法です。
女性管理職が悩みを抱えている今の状態がおかしいことではないことを知ることで、悩みに対して焦りや不安を感じすぎずに順番に対処できるようになっていきます。
ジェンダーバイアスの排除
ジェンダーバイアスを排除することも必要です。バイアスがあることで、正しく物事が見れなくなるためです。
「女性は〇〇だから」「男性は〇〇だ」「育児中の女性に〇〇は無理だろう」というようなバイアスを持っていると、物事を正当に判断できなくなってしまいます。性別を理由にするのではなく、その人の価値観や背景を意識できるようにすることが必要です。
アーティエンスのアンコンシャス・バイアス研修では、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)についての理解を深め、組織運営でどのような影響を及ぼしているかを理解します。さらに、その負の影響を避けるために、具体的にどういった対策をとったらよいのか、個人のコミュニケーションと制度や仕組みの面から考えます。
自身がどのようなバイアスを持っているのかに気付けると献身的な対話ができるようになります。そして、「女性だから…」という理由によって女性を悩ますことをなくすことが必要です。
相談相手の提供
女性管理職が安心して相談できる人を提供しましょう。1人で抱え込むことは、解決に最も遠い行動だからです。
相談相手とする人は、女性管理職が信頼している上司や人事でも良いですし、外部の人にメンターとして入ってもらうこともおすすめです。身近にいる人には弱みを見せづらい部分もあるためです。また、第三者にはプライベートと重なる部分についても話しやすいと感じる人が多いです。
女性管理職が安心して相談できる相手がいることで、1人で悩むことが少なくなり、解決も早くなるでしょう。
女性管理職は状況に応じてさまざまな悩みを抱えています。自組織の状況を確認し、一つずつ実施していくことで、女性管理職が悩みすぎず、イキイキと働ける状態をつくりましょう。
4)まとめ〜アーティエンスは女性管理職の悩みを研修でサポート〜
本記事では、女性管理職がどのようなことに悩んでいるのかをお伝えし、その悩みを解決する方法を紹介しました。
【女性管理職が抱えるオファー承諾前の悩み】
・部下育成
・自身のストレスマネジメント
・組織の運営体制
・責任増加のプレッシャー
・業務量増加
・仕事とプライベートの両立
【管理職登用後の女性管理職の悩み】
・自分の判断
・スキル不足
・矛盾する意見の統合
・孤立感
・周囲の関係者との関係性の築き方
これらの悩みを解消する方法として、下記のような方法があります。
・スキルの提供
・組織の運営体制の見直し・オープン化
・責任の捉え方
・業務量の調整
・他社の女性管理職と対話する機会提供
・ジェンダーバイアスの排除
・相談相手の提供
女性管理職の悩みに対するフォローを行うことで、女性管理職の負担を軽くし、より大切な業務に集中できる環境を作れるようにしましょう。
なお、アーティエンスは女性管理職の悩みを管理職研修研修でサポートしています。
社内では解決しきれない課題がありましたら、ぜひ、お声がけください。
女性管理職が抱える悩みへの適切なフォローが進み、組織の発展につながることを願っております。
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