管理職研修は4種類!【種類別】目的とおすすめの研修内容12選をご紹介

更新日:

作成日:2023.8.19

スーツの男性がボードを指さしている様子

管理職研修は組織全体へ大きな影響を与える重要な研修です。一方で、管理職の課題はさまざまであり、どのような内容を実施べきなのか、悩みやすい研修でもあります。

そこで本コラムでは、管理職研修の種類や、種類別のおすすめ内容、そして、成功に導くための4ステップをお伝えしています。
管理職研修をご検討中の方は、ぜひご一読ください。

このコラムで分かること

  • 【種類別】管理職研修の目的
  • 【種類別】管理職研修におすすめの内容12選
  • 【事例で解説】管理職研修の効果を高める4つの手順
執筆者プロフィール
迫間 智彦
大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。

専門性:ファシリテーター管理職組織開発・組織変革

執筆者に直接相談する

目次


合計500社以上の導入実績を誇るアーティエンスでは「管理職がプレイヤーから抜け出せていない」「管理職が昔の気質のままで変われない」といった企業さまへ「研修成功事例集」を作成しました。
研修成功事例集をダウンロードする

1.管理職研修とは

管理職研修とは、組織内の管理職に対して実施する研修です。主に、チームの成果・成長を最大化するために必要な考え方やスキルを学びます。

2.【種類別】管理職研修の目的

管理職研修は、主に4種類あり、それぞれで目的が異なります。
目的を定めて研修を実施することが重要です。

種類 目的
1.新任管理職研修 新たな管理職としての活躍を促す
2.次世代リーダー育成(上級管理職)研修 次の経営者を育てる(次世代リーダー育成)
3.パフォーマンス向上研修 今抱えている課題を解決し、管理職のパフォーマンスを上げる
4.労務・コンプライアンス管理研修 リスクマネジメントを行う

それぞれ簡単に説明します。

①新任管理職研修|目的:新たな管理職としての活躍を促す

新任管理職研修は、管理職としての役割とスキルを伝え、活躍を促すことを目的としています。一般社員から管理職へと変わる大きな転換期を支える研修であり、その後の活躍を決める重要な研修です。

新任管理職研修について、以下のページで詳しく紹介しております。併せてお読みください。
新任管理職研修の成功に必要な3つのポイントとは?具体的な研修の実施方法も解説
【管理職候補者向け研修】3つの効果と注意点を詳しく解説

②次世代リーダー育成(上級管理職)研修|目的:次の経営者を育てる

次期経営者の育成(次世代リーダー育成)目的の研修です。研修により次世代リーダーを育成し、経営能力を落とさないために実施されます。
組織の将来を担う、重要な研修の一つです。

次世代管理職研修について、以下のページで詳しく紹介しております。併せてお読みください。
【企業事例あり】次世代リーダー育成研修|成功に導くポイントを徹底解説

③パフォーマンス向上研修|目的: 今抱えている課題を解決し、管理職のパフォーマンスを上げる

管理職が今抱えている課題や悩みに焦点をあて、研修での学びによって課題解決を促すことを目的としています。

課題解決のために、管理職個人のパフォーマンスを高める場合と、チーム全体のパフォーマンスを高める場合の二つがあります。

④労務・コンプライアンス管理研修|目的:リスクマネジメント

管理職のリスクマネジメントのために行います。今の時代にあった労務管理・コンプライアンスを学び、管理職自身や、組織全体・周囲の社員を守るために行います。

3.【種類別】管理職研修におすすめの内容12選

管理職研修12選
それぞれ詳しくお伝えします。

①【新任管理職研修】におすすめ|管理職としての役割理解

新しく管理職になった際には、役割の変化を理解する必要があります。役割認識を通して、個人からチーム視点への役割変化を伝えましょう。
また、昨今、求められる役割には大きな変化が生まれています。今の組織の現状やビジネス環境にあった内容を伝えていくことが大切です。

参考|管理職の9の役割と内容変化

今のビジネス環境とずれた昔の役割を伝えてしまうと、研修効果が出ないどころか、現場に悪影響を与えてしまいます。

新任管理職に役割を伝える際には、自社が伝えようとしている役割が今のビジネス環境や自社が描く組織像にあっているのか、今一度確認しましょう。

②【新任管理職研修】におすすめ|部下育成・指導

部下育成・指導も、管理職研修で取り入れたい内容です。リクルートマネジメントソリューションズ「マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査2022」によると、

・管理職層が認識する「管理職として重要な役割」の第1位 →「メンバーの育成」
・管理職層が「日々の業務で困っていること」の第2位→「メンバーの育成」

という調査結果も出ています。部下育成・指導は、管理職にとって「重要な役割」として認識しているものの、「日々の業務で困っている」ことでもあるのです。

部下育成・指導スキルの基本として、以下4点の習得を目指しましょう。

①育成計画の立案 ②ティーチング ③フィードバック ④コーチング

③【新任管理職研修】におすすめ|目標設定・管理

目標への納得感とコミットメントを高め、目標達成に向けたサポートを行うことも、管理職の重要な役割の一つです。
曖昧さや複雑性が増す昨今、目標設定・目標管理の難易度はより一層増しています。

・「期初に立てた目標が、ビジネス環境の変化で形骸化している」
・「テレワークで部下の働きぶりが見えず、目標管理しにくい」

といったお声もよくお聞きします。管理職研修を通じて、目標設定・管理について体系的に学んでいく必要があるでしょう。
例えば、アーティエンスの目標設定・管理研修では、目標の種類や、目標設定面談のプロセスを細分化し、各フェーズで押さえるべきポイントを伝えています。

④【次世代リーダー育成(上級管理職)研修】におすすめ|戦略思考

管理職は、組織経営の視点を持ち、どのように成果を出すかを考えることが求められます。
戦略思考をテーマにした管理職研修を通して

・長期的なビジョンや目標の設定
・戦略の策定
・実行計画の立案に関連する知識・スキル

等の習得機会を渡し、組織の成長に貢献していくことが期待されます。

⑤【次世代リーダー育成(上級管理職)研修】におすすめ|システム思考力

システム思考とは、「物事の全体像を捉え、構造を把握するための思考法」です。ますます複雑化する課題を解決するための手法として注目されています。

近年、VUCAと言われるように、世界情勢、ビジネス環境の複雑さが増し、未来が予測しづらくなっています。私たちが向き合う問題の難易度も高まっています。

この状況下では、部分ではなく問題の全体像を捉え、示唆を引き出す思考習慣を身に着けることが求められています。特に広い視野が必要とされる次世代リーダーには、必須とも言えるスキルです。
参考|システム思考を使ったシステム図の例

なお、アーティエンスのシステム思考研修では、組織でよくある事例を基にシステム図作成の基礎を学びます。その後、参加者同士が協力し合い、自分たちのチームや組織の状態をシステム図で作成します。システムシンキングの活用イメージが具体的になります。

⑥【パフォーマンス向上研修】におすすめ|管理職のリーダーシップ

管理職のリーダーシップもパフォーマンス向上に向けて、取り入れたい内容です。ただし、研修目的は「管理職がメンバーのリーダーシップを解放すること」を設定することを推奨します。
現代のビジネス環境下では、誰か一人が強いリーダーシップを持ち、全てを把握して判断することは不可能と言えます。特定の一人のリーダーシップに委ねると、見誤った判断をしたり、誤った判断後のリカバリーが遅れる可能性が高まります。

アーティエンスが推奨しているのは、「シェアド・リーダーシップ」という考え方です。「全員発揮のリーダーシップ」とも言われます。その場その場で、最適だと思われるメンバーがリーダーシップを発揮し、他メンバーはフォロワーシップを発揮するなど、リーダー・フォロワーが流動的になります。
まさにこれからの時代において、極めて機能するリーダーシップだと考えます。

⑦【パフォーマンス向上研修】におすすめ| 問題解決思考

組織課題・事業課題の解決をする役割を担う管理職にとって、問題解決思考の習得とても重要です。問題解決思考を扱った研修は、次の2つに分類することができます。

① 問題解決スキルの習得を目的とした研修
② 事業課題・組織課題の問題解決を目的とした研修

問題解決思考研修を検討する際は、上記のどちらの目的が適切かを判断し企画を進めることが大切です。

問題解決思考には様々な種類があります。「自組織内で想定もしていなかった問題が起き続けている」という状況であれば、【次世代リーダー育成研修】にて上述したシステム思考を学ぶ必要性があるかもしれません。

組織内で複雑に絡み合った課題を俯瞰して把握することができ、本質的な解決策を講じやすくなります。

≫詳しい内容は、問題解決力研修のプログラム内容・企画手順・事例をまとめたコラムをご覧ください。
問題解決研修のプログラム内容と事例を紹介!失敗しない効果的な研修の企画方法

⑧【パフォーマンス向上研修】におすすめ|チーム力の醸成

チーム全体の力を高めていくことで、チームとしてのパフォーマンスは最大化されていきます。チーム力醸成において良く取り扱われるのは以下二つです。

・心理的安全性創り
・アンラーニング

【心理的安全性創り】

心理的安全性が高い状態とは「メンバー同士が自然体で、恐れることなく意見を伝えあい、よりよくするための意識行動ができる状態」です。
研修で心理的安全性を扱う場合には「仲が良くなること」ではなく「挑戦や学習が行われること」をゴールにすることが大切です。

【アンラーニング】

チームが進化し続けていくために、管理職自身がアンラーニングしていくことも重要です。
アンラーニングとは「これまでの価値観・知識・スキルなどを一旦手放し、新たに学びを得ていくこと」を指します。管理職のアンラーニングは、変化の大きい今のビジネス環境に適応していくため、そして、管理職自身やチームの成長のために、必要不可欠です。

⑨【パフォーマンス向上研修】におすすめ|ファシリテーション

管理職は、自部署の会議だけでなく、部門間をまたぐ会議、時には経営会議にも参加します。そのような様々な会議の場で、管理職のファシリテーションスキルが高まれば、会議の品質も上がっていきます。
会議の品質が高まれば、次のような好影響を生み出します。

・「意味がない」「ムダ」と言われる会議が減り、社員の生産性や業務効率が改善する
・参加者が目的意識を持って議論に参加し、決定事項へのコミットメントが高まる
・部署や部門間を超えた協働・共創関係が強まり、課題に対応する

「会議」は、社内のさまざまな場面で開催されており、研修効果も感じやすいでしょう。

⑩【労務・コンプライアンス管理研修】におすすめ|メンタルヘルス

メンバーが心身共に健康な状態で働いていくために、メンタルヘルスは管理職研修で取り扱いたい内容です。ただし、メンタルヘルスは管理職が普段求められる役割や能力と大きく異なり、失敗しやすい研修でもあります。
研修後、管理職が以下3つのいずれかの状態になっている場合は、失敗している可能性が高いです。

「興味を持てない」
メンタル不調の当事者や関係者にならない限り身近な問題として捉えづらい。

「理解できない」
精神疾患の名前など初めて聞く内容が多く、またそういった症状に接したことがないと想像できず理解がしづらい。

「やれるように思えない」
自分には対応できない領域だと感じている。実際にメンタルヘルスの問題が起きても、適切に対応できると思えない。また、管理職の業務に加えてメンタルヘルス対応まで手が回らないように感じてしまう。

こうした状態にならないためにも、メンタルヘルス研修は、ぜひ、専門家と企画・実行していただくことを強く推奨します。

≫詳しい内容は、問題解決力研修のプログラム内容・企画手順・事例をまとめたコラムをご覧ください。
【管理職向け】メンタルヘルス研修で必ず押さえるべき内容と注意点

⑪【労務・コンプライアンス管理研修】におすすめ|労務管理

部下が業務に集中できる環境を構築するための労務管理も、管理職の役割の一つです。
労務管理は専門的な知識が多いため、研修によるインプットやケーススタディが効果的でしょう。

⑫ 【労務・コンプライアンス管理研修】におすすめ|コンプライアンス

コンプライアンスは、組織の長期的な持続可能性と信頼性に関連する重要な要素です。管理職がコンプライアンス教育とトレーニングを受けることは、組織の健全性と成長に寄与します。

また、管理職のコンプライアンス教育によって、組織全体の倫理観の高めるといった、組織文化の構築にもつながります。

▼ご紹介研修をまとめてダウンロードできます▼

4.【事例で解説】管理職研修の効果を高める4つの手順

管理職研修を成功に導く4つの手順を実例を交えて解説していきます。

参考|4つの手順

当社のお客様(コンテンツビジネス事業/マザーズ上場会社(当時)、社員数200名程度)が、管理職研修を実施して

・ストレスチェックの大幅改善
・新サービスの収益化

といった成果を出した事例を基に、説明します。

4-1. 企画 |組織の真の課題に目を向ける

企画段階では、「組織の真の課題」を把握していくことが重要です。
※すでに課題が明確な場合は、企画②|コンセプトと要件定義の決定 からご覧ください。

企画は、以下の3つのプロセスで進めるとよいでしょう。

企画のプロセス 内容
①真の課題の把握 【1. 課題を全て洗い出す】→【2. 課題の関連性を確認する】→【3. 真の課題を把握する】の順で進める
②コンセプトと、要件定義の決定 管理職研修で実現したいことをコンセプトにする
管理職研修の実施よって、管理職の意識・行動にどのような変化が起きているかを設定する
③研修内容の決定 コンセプトと要件定義を達成するための、研修内容を決める

企画 ①|組織の真の課題に目を向ける

【1. 課題を全て洗い出す】→【2. 課題の関連性を確認する】→【3. 真の課題を把握する】

の手順で進めます。

▼【1. 課題を全て洗い出す】
本事例では「ストレスチェックの結果が悪かったので、何か管理職研修を行いたい」というご相談から始まりました。いったん、今持っている課題を洗い出すと、次のような別の組織課題も明るみになってきました。

・新規サービスは立ち上がるが、マネタイズする気配がない
・新規サービスの失敗が多く、現場が疲弊している
・管理職はプレイヤーとして優秀だが、チームとして仕事ができていない

話すうちに、これらの課題それぞれが複雑に絡み合っている状況が見えてきました。

▼【2. 課題の関連性を確認する】
組織課題を紐解いていくために、システムシンキングという思考方法をもとに、対話しながら、組織の状況を可視化していきました。

▼【3. 真の課題を把握する】
システム図作成後、レバレッジポイント(小さい力で大きな効果を生むポイント)を明確にしながら、管理職研修で取り扱うテーマを選定していきました。
※システムは参考情報としてご覧ください
整理した結果、「個人での抱え込み」と「失敗の数」をテコ入れすべき点(レバレッジポイント)と捉え、

・「個人での抱え込み」の対策:「管理職同士の連携」
・「失敗の数」への対策:「チームとしての業務遂行」を軸に、メンバー個々人の業務の抱え込みや失敗の捉え方の意識変革を行う

をテーマに研修を行っていくことにしました。

企画 ②|コンセプトと要件定義の決定

真の課題が明確になったら、管理職研修のコンセプトと要件定義を創ります。コンセプトと要件定義は、以下の内容を定めます。

• 管理職研修を通して、何を成し遂げたいか?大切にしたいか?(コンセプト)
• 研修直前と直後でどのような変化を目指すか?(要件定義/研修要件))
• 研修受講前と後で、現場でどのような変化が起きていくか?(要件定義/効果要件))

本お客様は、下記の内容となりました。

研修コンセプト:

共創の場を創る管理職
ー素晴らしいサービスが生まれ続けるチーム作りー

要件定義:

企画 ③|研修内容の決定

コンセプトや要件定義の実現に向けて、全体設計と研修内容を決定します。
本お客様は、下記の全体設計を行いました。

監修者からの一言

管理職研修企画の段階で、経営者を巻き込むことも重要な観点の一つです。
早い段階で経営者を巻き込めると、経営者の考えや想いも入り、研修品質が上がります。さらに、経営者自身が管理職研修への関心を強く持ち、コミットも高まるでしょう。

執筆者に直接相談する

4-2. 準備  |研修受講への意識を高める

準備段階で大切なポイントは、【1. 研修実施の案内】と【2. 事前ワークの配布】の2点です。

準備のプロセス 内容
①研修実施の案内 管理職の参加意欲が高まるような内容を送る
②事前ワークの配布 管理職の受講意識が少しでも高まるもの・管理職の状況・状態が分かるものを実施

準備① | 研修実施の案内

少しでも、受講者(管理職)の参加意欲高まる工夫を行いましょう。
いつもとは違う工夫を行うだけでも、研修への関心度合いが変わります。関心度合いが上がれば、当事者意識が高まります。

例えば、本お客様では、研修案内に「経営者からのメッセージ」を添えました。

準備② |事前ワークの配布

事前ワークを通じて、管理職が抱えている課題意識や状況を把握することも重要です。事前ワークの内容があれば、講師・事務局ともに当日の準備の質を高めることができます。

本お客様は事前課題の設問に「特になし」という回答が多く散見されました。経営陣は、「当社の管理職は、こんなレベルか…」と、がっかりされていました。

当社からは、状況が分かってよかったことをお伝えした上で、管理職の本来のパフォーマンスをどのように引き出していくか、話を進めていきました。

監修者からの一言

研修の事前ワークは、可能な限り、受講生の負担が少ない内容を選定します。事前ワークの負担が大きすぎると、それだけで研修にネガティブな印象を持ってしまいます。

執筆者に直接相談する

4-3.運営|当事者意識の醸成・柔軟な対応を行う

管理職研修の運営は「あるべき論を押し付けるのではなく、研修現場の状況を踏まえ柔軟に進めること」が重要です。受講者の状況を加味せず、一方的にメッセージを伝えると、管理職はその場をやり過ごすか、もしくは反発感情が起こり学習効果が下がってしまいます。講師が説得モードに入っている場合は、要注意です。

また、研修目的を軸としつつも「研修の場で出てきたものも大切に扱う」ことが大切です。状況に応じて柔軟な対応ができるように準備しておきましょう。

本お客様も、研修をいったん中断し管理職全員で対話を深めていく場面もありました。

4-4.フォロー|内省とチーム学習で意識・行動変化を加速

定期的な内省と、対話によるチーム学習を通して、変化への気づきを促すことが重要です。人は忙しいと、自身や周囲の変化に気付けないことが多いです。だからこそ、自身が今どのように変化してきているのかを振り返りにより把握します。

フォローのプロセス 内容
①定期的な内省の機会 負担感の少ない管理職の定期的な内省(振り返り)の機会を創る
②内省を促す対話の場 研修後に一定期間を置いた後、管理職が自身の変化を実感できる対話の場を設けます

フォロー①| 定期的な内省の機会

研修後に、定期的に研修時の学びを振り返る機会を設けることが重要です。ここで大切なことは、管理職自身の負担になりすぎない内容とすることです。

弊社ではバトンメールをおすすめしています。参考までに、ぜひ、ご覧ください。

フォロー②|内省を促す対話の場

研修後、内省と対話の場を用意すると、研修後の変化を実感しやすくなります。業務に追われると、どうしても日々の変化に鈍感になります。そのため、自分たちが変わったと自覚する場を設けることが必要です。
管理職研修後は一定期間を置いて、フォロー研修を実施することを、強く推奨します。

本お客様も初回研修の数か月後にフォロー研修を実施しました。研修のオープニングでは、ネガティブなコメントが出てきました。

「研修をやったからと言っても、私は変われなかった」
「結局、学んだことを活かせていない」

しかし、そんな中で1名の方が「事前ワークで部下にインタビューした際、部下の変化からか自分自身の変化を感じた」と話されました。それを機に、管理職の皆さんが、一人ひとりの変化や周りの変化に気付き始めました。
他者との対話と内省を通じて、自身の認知はひろがっていきます。

【参考:フォロー研修の様子】

1年後のアフターストーリーとして、人事の方から下記のような変化があり、「株価も緩やかに上がっています」というお話を聞いています。

【研修後の変化】
・ストレスチェックの大幅改善
・新サービスの収益化
・管理職自身の意識の変化
 ーリーダーシップの発揮
 ー自身の成果よりもチームの成果を喜ぶ
 ー他部署の成果を喜ぶ
 ー部下の成長をよろこぶ

なお、上記の企画によってアーティエンスでは、効果の高い研修を実施しています。事例集は下記よりダウンロードいただければと思います。
▼研修成功事例集をダウンロードする

5.管理職研修 よくある質問

ここからは、管理職研修に関連してよくある質問に回答します。

Q. 管理職研修の企画中。何かいいネタはないだろうか…?

管理職研修の企画を行う上で、管理職研修のネタを探すのはとてもいいことです。なぜなら、企画の幅が広がり、自組織にとってどのような研修が最もマッチするかを考えることができるためです。ご参考として、以下に12のネタをピックアップします。

①講義・動画鑑賞
②ケーススタディ・シミュレーションワーク
③対話・議論
④講演
⑤ビジネスゲーム
⑥寸劇・インプロ
⑦アクションラーニング
⑧合宿
⑨ラーニングジャーニー
⑩スポーツ・アウトドアなどのアクティビティ
⑪モノづくり
⑫人材開発・組織開発のトレンド

それぞれの詳しい内容は、管理職研修のネタ12選!一般的な内容から“食品づくり”のネタまで幅広くご紹介にてご紹介しています。

Q.「管理職研修は意味がない、ムダ」と言われてしまう。どうすれば…?

管理職研修は意味がない、無駄」と言われてしまうのは、研修後に、管理職の認知変容や行動変容が起きないからです。そうなってしまう理由として、次の12パターンが考えられます。

・経営者の考えを、ただ押し付ける
・管理職研修のプログラム、もしくは講師からのアプローチが厳しい
・過去に行っていた研修内容を踏襲し、何も変えずに行う
・世の中の流行りやトレンドを追いかける
・昔の文脈に引きずられて、時代遅れ
・オンラインでの動画鑑賞や講演など、インプットのみを行う
・学びのポイントが多すぎる
・効果を確認しない、もしくは間違った効果測定を行う
・講師があるべき論を一方的に伝えたり説得する
・受講生の状況に合わない
・一回やって終わり
・適切な予算をかけない

それぞれのパターンの詳細は、意味がない。無駄!と言われる管理職研修12パターンとその回避策にて解説しています。また、「意味がない」と言われないための回避策もご紹介しています。

Q. 合宿型で管理職研修を実施したい。注意すべき点はあるか?

アーティエンスでは、合宿型で管理職研修を実施する際のチェックリストを公開しています。【チェックリスト付】管理職合宿研修で実施すべき内容とは|効果的で安全な開催方法も解説からリストの無料ダウンロードも可能です。ぜひご参考ください。

Q. 中小企業でも、大企業と同じ管理職研修を実施しても効果はある?

中小企業が、大企業と同じように管理職研修を実施しても、期待した効果は出にくいでしょう。中小企業が実施すべき管理職研修とは、「自組織の課題を解決する」研修です。

中小企業は、大企業よりも景気の影響を受けやすく、常に事業課題・組織課題がつきまといます。それら事業課題・組織課題を正しく全て把握した上で、最優先且つ効果が見込める課題解決のアプローチとして、管理職研修が期待できるようであれば、実施を検討していきましょう。

ただし、この時に、「事業課題・組織課題」を把握せず、「管理職の課題」にのみ焦点を当ててしまうケースが多くあります。そうすると、管理職研修が上手くいかない場合が多いです。

中小企業向けの管理職研修については、中小企業におすすめの管理職研修を徹底解説!失敗しない方法とは?にて、より詳しく解説しています。

Q. 管理職研修は、オンライン形式でも効果は見込める?

下記3つの観点を意識することで、オンライン形式でも研修効果を高めることが可能です。

・研修プログラムを、オンライン用の設計に変更する
・オンラインでの登壇経験が豊富な講師やスタッフをアサインする
・管理職の参加意欲を高め、受講環境を整える

上記3点は、【人事必見】管理職研修をオンラインで成功させるための3つの事前準備と進め方 にて詳しく解説しています。

Q. 厳しい管理職研修を実施したい。注意点は?

厳しい管理職研修とは、「管理職の大きな変化を求めて強い刺激を与える」研修のことです。
短期間で、管理職が今の状態から大きな変化を成し遂げるために、厳しい研修を検討する企業は少なくありません。ただし、それには一定のリスクも伴います。

「厳しい管理職研修が必要では?」と感じた際は、ぜひ、以下の3ステップで改めて、考えてみてください。

①「なぜ厳しい研修が必要だと思ったのか?」と目的を考える
②「変化させたいところはどこか?」と特定させる
③「どんな研修内容が良いのか?」と手段を考える

上記3ステップは、厳しい管理職研修とは「管理職の大きな変化を求めて強い刺激を与える」研修にて、より詳しく解説しています。

Q. 管理職研修の費用はどのように考えるべき?

管理職研修の費用は、研修のゴールと内容によって相場が変わってきます。
管理職研修のゴールは大きく3つに分類されます。それぞれの一般的な相場は下記の通りです。

研修のゴール1)知識のインプット
・動画形式で見放題:数千円(1人あたり)
・講師派遣型で2~4時間受講:5~15万円(1クラスあたり)

研修のゴール2)スキルの習得
・公開講座で2~8時間受講:1万円~5万円(1人あたり)
・講師派遣型で4~8時間受講:10~80万円程度 (1クラスあたり)

研修のゴール3)組織課題の解決
・1日あたり 数十万 ~ 100万円を超える場合もあり

【参考コラム】管理職研修の費用はどれくらい?│相場観を知り、予算を決めよう

Q. 管理職候補向けの管理職研修を行いたい。ポイントは?

管理職候補向けに研修を実施する目的は、「一般社員から、管理職になるための準備」です。

ひと昔前と比べ、管理職に求められる役割は複雑化し、責任も重くなっています。そのため、管理職昇格前の丁寧なフォローが、管理職になってからの活躍を支える重要なカギとも言えます。

昇格前に管理職の全てを伝えきることは難しいです。管理職に求められる役割の中から、自組織で最も重要な要素を切り出し、それらを遂行するために必要な意識やスキルを研修で伝えていくことが重要なポイントです。

管理職候補者向け研修で得られる3つの効果|内容選定時の注意点も解説!も参考にしながら、検討いただければと思います。

Q. 管理職研修のレポート作成で、気を付けるべき点は?

管理職研修で扱うレポートは、大きく2種類あります。
それぞれの目的と注意点を簡単にまとめます。

管理職が、人事・上司に提出するレポート

目的:研修で学んだことを、現場で実践し、定着化させていくため
注意点:「可能な限り、負担を無くす」「感想文にしない」「やりっぱなしにしない」

人事が、経営者に提出するレポート

目的:管理職研修を起点にし、組織変革を促進していくため
注意点:「管理職の評価にしない」「管理職研修の評価にしない」

レポートの具体例や記載内容については、【事例あり】管理職研修のレポート|目的と内容にてご紹介しています。

Q. 管理職研修の資料を作成したい!構成やポイントは?

管理職研修の資料は、「管理職の行動が変わるためのもの」です。

本コラムの第1章でもお伝えしましたが、管理職研修を通じて、管理職本人が「自分たちは変われる」と確認が持てることが重要であり、研修資料はそれを促進するものです。

そのための資料構成は、下記を参考に作成いただくとよいでしょう。

より詳しい資料の作成方法は、管理職研修の資料とは、管理職の行動が変わるためのものにてご紹介しています。

Q. 管理職研修の必要性を、経営者や管理職本人たちに理解してほしい…どうすれば?

管理職研修の必要性を理解してもらうには、それぞれどのような反対意見があるのか(なぜ必要性を感じないのか?)を洗い出し、検討していく必要があります。

例えば、経営者や事業責任者からすると、管理職研修への反対意見として以下が挙げられます。

・費用対効果はどの程度あるのか
・現場が忙しいから無理
・過去に同じようなことをやって意味がなかった
・過去に成功した事例はあるのか
・今、他に優先事項がある

上記は全て「やらない理由」を探しています。それらを払拭するためには、共創と対話を行うことで、管理職研修の実施に対して前向きになってもらうことがポイントです。

また、管理職自身としては、「忙しい中、研修なんて受けたくない」「研修は意味がない」といったネガティブ感情を抱いているケースが多いです。

こういったネガティブ感情とは、次のステップで向き合っていくことが重要です。

・管理職研修の企画の際に、想定されるネガティブな反応を洗い出す
・事前に管理職研修の目的を丁寧に伝える
・管理職研修の前に、経営者・事業責任者が挨拶を行う
・管理職研修と実業務との連動を体感する
・研修に対して前向きになった感情を、管理職自身に言語化してもらう

より詳しい内容は、管理職研修の必要性を経営者・管理職に理解してもらうためのアプローチにて解説していますので、ご参考ください。

Q. 管理職研修の事前課題や事後課題はやった方がいいの?内容は?

管理職研修の効果を高めるためにも、事前課題と事後課題感は実施を推奨します。しかし、「忙しい管理職に、過度な負担を掛けるわけにもいかない…」という葛藤もあるでしょう。

事前課題・事後課題を最小限の負担で、最大限の効果を生み出すために意識いただきたいポイントとしては、普段行っているマネジメント業務と研修で学ぶ内容をブリッジさせるという点です。

より詳しい内容は、管理職研修の成果を高める事前課題・事後課題とは?具体例やメリット・デメリットも解説にて、具体的な課題例を提示しながらご紹介しています。ぜひご参考ください。

6.まとめ|効果の高い管理職研修なら、アーティエンスにおまかせ!

本コラムでは、管理職研修の種類やおすすめの内容、企画の手順を具体的な事例と共にご紹介してまいりました。
私たちは、効果の高い管理職研修とは「自分たちは変わる」と確信を持て、現場が変わっていく管理職研修であると考えています。それは、研修前後の企画やフォローを丁寧にデザインし実行していくことで実現が可能です。

研修を通じた管理職の意識・行動変容によって、職場環境やメンバーも変わりはじめ、組織全体も変化していくでしょう。

アーティエンスでは、管理職研修の企画段階からご一緒しております。管理職研修を検討されている方はぜひご連絡をいただければ嬉しく思います。

研修でお悩みの方へ

研修は、内容次第で成果が大きく変わります。もしも現在、自社の課題を解決できる最適な研修を探しているのであれば、アーティエンスまでご相談ください。

新入社員研修から管理職研修、組織開発まで、お客様の課題解決にこだわり、多くの実績を生み出してきたプロフェッショナルが、貴社の課題にあわせた最適なプランをご提案させていただきます。

アーティエンスに相談する