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2023年4月7日 ビジネススキル研修ー公開講座研修レポート
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社会人基礎力を鍛える!研修で実践できる12の力の伸ばし方
更新日:
2006年に経済産業省が提唱した社会人基礎力とは、
「考え抜く力」「チームで働く力」「前に踏み出す力」の3つの能力から構成されています。
【引用】経済産業省 社会人基礎力について
これらの力を備えることで、「自律的に動ける人材」として成長し、個人、チーム、そして組織全体の成長に貢献できます。
本コラムでは、社会人基礎力の3つの能力とそれを支える12の能力要素を解説し、それらを伸ばすための研修内容や学びを深めるポイントを紹介します。また、社員の成長を加速させるための社会人基礎力研修の年間スケジュールの例もご提案します。
社会人基礎力研修を実施することで、社員一人ひとりの社会人としての意識や周囲への貢献行動を向上させ、最終的には組織全体のパフォーマンスの向上に繋げていきましょう。
▼社会人基礎力も高められるアーティエンスの新入社員研修

大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。
目次
1)社会人基礎力 3つの能力と12の能力要素
経済産業省は、社会人に求められる基礎力を3つの力に分類し、さらに12の能力要素に細分化しています。
考え抜く力
考え抜く力とは、物事を論理的に整理し、課題を発見・解決するための思考力のことです。
以下の3つの要素に細分化できます。
・問題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力
・計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
・創造力:新しい価値を生み出す力
チームで働く力
チームで働く力とは、者と協力し、チームとして成果を出すための対人スキルのことです。
以下の6つの要素に細分化できます。
・発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力
・傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
・柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
・情況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
・規律性:社会のルールや人との約束を守る力
・ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力
前に踏み出す力
前に踏み出す力とは、自ら考え、行動を起こすための積極性と実行力のことです。
以下の3つの要素に細分化できます。
・主体性:物事に進んで取り組む力
・働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力
・実行力:目的を設定し確実に行動する力
これらの力を持つことで、「自律的に動ける人材」となり、個人・チーム・組織の成長につながります。
2)社会人基礎力の3つの能力と12の能力要素を伸ばす研修内容
社会人基礎力の3つの能力と12の能力要素を伸ばすために、具体的にどのようスキルを伸ばせばよいのかを解説します。
社会人基礎力 3つの能力 | 能力要素 | 研修内容 |
---|---|---|
考え抜く力 | ①問題発見力 現状を分析し目的や課題を明らかにする力 | ビジネススキル研修 (Big Why、ヒアリングスキル) |
②計画力 課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力 | ビジネススキル研修 (スケジューリング、タスク分解) | |
③創造力 新しい価値を生み出す力 | ロジカルシンキング研修 | |
チームで働く力 | ④発信力 自分の意見をわかりやすく伝える力 | プレゼンテーション研修 (トーキングスキル、ドキュメンテーションスキル、ライティングスキル) |
⑤傾聴力 相手の意見を丁寧に聴く力 | 関係性構築力研修 (ヒアリングスキル) | |
⑥柔軟性 意見の違いや立場の違いを理解する力 | 関係性構築力研修 (判断保留スキル) | |
⑦情況把握力 自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力 | 関係性構築力研修 (メンタルモデルの理解) | |
⑧規律性 社会のルールや人との約束を守る力 | 社会人の自覚研修、ビジネスマナー研修 (モラルの理解) | |
⑨ストレスコントロール力 ストレスの発生源に対応する力 | レジリエンススキル | |
前に踏み出す力 | ⑩主体性 物事に進んで取り組む力 | リーダーシップ |
⑪働きかけ力 他人に働きかけ巻き込む力 | リーダーシップ | |
⑫実行力 目的を設定し確実に行動する力 | ビジネススキル研修 (要件定義と、報連相) |
【考え抜く力】を伸ばす研修内容
考え抜く力を伸ばす研修内容は以下の通りです。
社会人基礎力の3つの能力と12の能力要素を伸ばすために、具体的にどのような研修でスキルを伸ばせばよいのかを解説します。
能力要素 | 研修内容 |
---|---|
①問題発見力 現状を分析し目的や課題を明らかにする力 | ビジネススキル研修 (Big Why、ヒアリングスキル) |
②計画力 課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力 | ビジネススキル研修 (スケジューリング、タスク分解) |
③創造力 新しい価値を生み出す力 | ロジカルシンキング研修 |
①問題発見力を伸ばす研修内容
問題発見力とは、現状を分析し目的や課題を明らかにする力です。
問題発見力を向上させるための研修内容として、当社のビジネススキル研修では、Big Whyやヒアリングスキルを活用しています。
Big Whyとは、 課題の原因や背景を深く考え、本質的な解決策を導き出す考え方です。Big Whyを身につけると、本質的な問題にたどり着き、 持続的な解決策を見出せるようになります。
当社の研修では、Big Whyを使った解決策と、使わなかった場合の解決策を比較します。この違いを体感することで、 より本質的な問題発見力の重要性を理解できる ようになります。
参考【BIG WHYの解説スライド】
※ 当社 ビジネススキル研修より一部抜粋
また、課題の根本原因(真因)を見つけるには、「それはなぜか?」 を繰り返し問いながら、深掘りすることが大切で、そのためには、ヒアリングスキルを磨くことが欠かせません。
当社の問題解決力研修では、実践的なシナリオを使いながら、上司へのヒアリングを通じて課題の根本原因を探るトレーニング を行います。設定された世界観の中で、何をどう聞けば本質に迫れるのかを体験しながら学ぶことができます。
②計画力を伸ばす研修内容
計画力とは、課題の解決に向けたプロセスを明確にし、準備する力です。
計画力を向上させるための研修内容として、アーティエンスのビジネススキル研修ではスケジューリングとタスク分解を学びます。
作業内容・プロセス・工数をタスク分解した上でスケジュールを立てて、ゴールまでのプロセスを明確にしていきます。
タスク分解とスケジューリングを身に付けると、ゴールまでの時間とやることが視覚化されるため、認識のズレがなく、チームで共通の認識を持って進めることができます。
アーティエンスのビジネススキル研修でタスク分解を教える際は、ショートワークとして「新規のお客様6社受注」というゴールに向けて、必要な作業を具体的に洗い出してもらいます。
タスク分解することで、やるべきことが明確になり、ゴールまでの時間とプロセスが可視化できるため、チーム内で共通認識を持ち、スムーズに進めることができます。
※ 当社 ビジネススキル研修より一部抜粋
タスク分解が行われた後で、工数と実施日を算出し、ゴール達成に向けた計画を立てるスケジューリングを行います。
※ 当社 ビジネススキル研修より一部抜粋
タスク分解を行っただけでは、作業内容に抜け漏れが生じる可能性があります。計画を立てる際には、タスク分解とスケジューリングを同時に行うことで、漏れなく作業を進めることができます。
③創造力を伸ばす研修内容
創造力とは、新しい価値を生み出す力です。
創造力を向上させるための研修内容として、ロジカルシンキング、システム思考、デザイン思考が挙げられます。
ロジカルシンキングは、「状況→結論」や「結果→原因」といった思考をシンプルに展開し、誰が見ても納得できる形で整理する方法です。これを活用し、マトリックスでまとめることで、改善すべきポイントや大切にすべき軸が明確になります。そのため、ロジカルシンキングは創造力のベースと言えます。
※ 当社 ロジカルシンキング研修より一部抜粋
ロジカルシンキング意外に、システム思考やデザイン思考も創造力には役立ちますが、新入社員や若手社員には少し抽象的で、すぐに実践するのが難しいかもしれません。まずはロジカルシンキングをしっかり身に付けることを意識することが重要です。
システム思考については、「システム思考とは|「本当の問題」を見抜く!課題解決を加速」、
デザイン思考については「セミナーレポート:変革に必要とされる『デザイン思考』とは?企業における導入事例;ideapoint」で詳しく解説しています。
【チームで働く力】を高める研修内容
チームで働く力を伸ばす研修内容は以下の通りです。
能力要素 | 研修内容 |
---|---|
④発信力 自分の意見をわかりやすく伝える力 | プレゼンテーション研修 (トーキングスキル、ドキュメンテーションスキル、ライティングスキル) |
⑤傾聴力 相手の意見を丁寧に聴く力 | 関係性構築力研修 (ヒアリングスキル) |
⑥柔軟性 意見の違いや立場の違いを理解する力 | 関係性構築力研修 (判断保留スキル) |
⑦情況把握力 自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力 | 関係性構築力研修 (メンタルモデルの理解) |
⑧規律性 社会のルールや人との約束を守る力 | 社会人の自覚研修、ビジネスマナー研修 (モラルの理解) |
⑨ストレスコントロール力 ストレスの発生源に対応する力 | レジリエンススキル |
④発信力を伸ばす研修内容
発信力とは、自分の意見をわかりやすく伝える力です。
発信力を向上させるためのスキルとして、トーキングスキル、ドキュメンテーションスキル、ライティングスキルなどがあります。
周囲に分かりやすく発信できると、相手の理解がスムーズになり、チームでの仕事がやりやすくなります。
例えば当社のプレゼンテーション研修では、相手に伝えるための話し方の構成や可視化の方法などを、ワークを通しながらお伝えしています。
※ 当社 プレゼンテーション研修のテキストから一部抜粋
これらを習得することで、チーム間の連携がスムーズになり、チームで働く力も向上します。
⑤傾聴力を伸ばす研修内容
傾聴力とは、相手の意見を丁寧に聴く力です。
相手の話を否定せずに背景を考えながら聴く傾聴力が必要になります。
傾聴力があると、相手の指示に対してその背景を理解でき、さらに+αでできることを考えて対応することができます。これにより、チーム内の関係性が良好になり、結果的にチームで働く力が向上します。
当社の関係性構築力研修では、相手の意見を丁寧に聴く場合と、無反応で聴く場合の違いを体験するワークを行います。この体験を通じて、話を聴く姿勢が関係性に与える影響を感じ、相手の話を丁寧に聴く意識を持つことができます。
※ 当社 関係性構築力研修より一部抜粋
⑥柔軟性を伸ばす研修内容
柔軟性とは、意見の違いや相手の立場を理解する力です。特に多様性が求められる今の時代に求められています。
柔軟性を向上するための研修内容として、判断保留のスキルが挙げられます。
判断保留とは、良し悪しや好き嫌いをすぐに決めず、ありのままに受け入れることです。判断を保留することで、物事をより深く観察し、関心や傾聴の質が向上します。
※ 当社 関係性構築力研修より一部抜粋
例えば、他の方からの意見をすぐに良い悪いで判断するのではなく、少し時間をおいて受け止めてみます。すると、相手の意見の背景まで考えることができ、「あの人は、〇〇という立場だから、このような意見を言っていたんだな」と理解することができます。
一度、意見を受け止めることによって、意見の違いを理解しやすくなり、柔軟性の向上に繋がります。
⑦情況把握力を伸ばす研修内容
情況把握力とは、自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力です。
情況把握には、メンタルモデル(認知)が影響を与えるため、まずは自分が持っているメンタルモデルを認識することが大切です。人それぞれの捉え方によって、見える世界が異なるためです。
※メンタルモデル(認知)とは、人間が無自覚のうちに持っている思い込みや価値観のことです。
当社の関係性構築力研修では、自身が仕事の中でネガティブな感情になった場面に対して、自分はどう捉えていたのか、そして上司・トレーナーはどう捉えていたと思うかを考えてもらうワークを行います。
※ 当社 関係性構築力研修より一部抜粋
このワークを通じて、参加者から「人それぞれの感じ方の違いに気づき、自分の見方が変わった」という感想や、「トレーナーとの良い関係に気づき、思い込みを改善できた」といった声がありました。
このように自身のメンタルモデルに気づき、他の人から見えている状況を創造できると、情況を把握できるようになり、チーム間の関係性が向上し、チーム力も高まります。
⑧規律性を伸ばす研修内容
規律性とは、社会のルールや人との約束を守る力です。
多様な人々が集まる組織では、一定のルールを守ることが必要です。ルールを乱すことがあると、チームの関係性やモチベーションに悪影響を与え、パフォーマンスの低下を引き起こすことになります。
規律性を守るためには、規律を守る必要性とモラルを理解していることが大切です。
例えば当社のビジネスマナー研修では、ビジネスマナーを学ぶ前に、受講生に「社会人にとって、組織人にとって、素晴らしいマナーとはなんだろう?」と問いを投げかけ、考える時間を設けています。このプロセスを通じて、なぜビジネスマナーが重要なのかを受講生自身が理解し、その後の学びをより受け入れやすくします。
モラルについては、次のようなワークを通じて理解を深める機会を提供しています。
※ 当社 社会人の自覚研修より一部抜粋
社会人はお客様、会社、そして社会に対して「責任感のある行動」が求められていることを自覚できるようになり、規律性を身につけることができます。
⑨ストレスコントロール力を伸ばす研修内容
ストレスコントロール力は、ストレスの発生源に対応する力です。仕事では、必ずしも順調に進むわけではなく、失敗や困難、辛い状況がつきものです。
そのため、ビジネスで起きる苦境や逆境を乗り越えるためのレジリエンススキルを身につけることが大切です。
このスキルを身につけることで、困難に直面しても、冷静に対応し、成長の機会として捉えることができます。
さらに、仕事で完全にストレスをゼロにするのは難しいため、ストレスを軽減するために意識的にストレス発散の時間を取ることや、適度に休息をとることも重要です。バランスを取ることで、心身の健康を保ちながら、仕事に集中できるようになります。
【前に踏み出す力】を高める研修内容
前に踏み出す力を伸ばす研修内容は以下の通りです。
能力要素 | 研修内容 |
---|---|
⑩主体性 物事に進んで取り組む力 | リーダーシップ |
⑪働きかけ力 他人に働きかけ巻き込む力 | リーダーシップ |
⑫実行力 目的を設定し確実に行動する力 | ビジネススキル研修 (要件定義と、報連相) |
⑩主体性を伸ばす研修内容
主体性は、物事に進んで取り組む力のことです。
組織にいる一人一人が物事に進んで取り組むと、そのパワーが一つになったときに大きな前進に繋がります。
当社の研修では、受講生の主体性を解放・発揮する体験をしてもらうために、次の6つのポイントを意識しています。
・ポイント1. コントロールにつながるオペレーションやメッセージは、極力控える
・ポイント2. 本音が話せる安心安全の場を創る
・ポイント3. 場の目的・目標を明確にする(もしくは、場の目的を参加者で創る)
・ポイント4. ワークを行う際など事細かい説明ではなく、考える余白を与える
・ポイント5. 選択する機会を多く創る
・ポイント6. ポジティブフィードバック・リフレクションを行う
これらのポイントについて、詳しく知りたい方は下記のコラムをご覧下さい。
新入社員研修の担当者向け|研修設計の基本や効果を高めるポイントを解説
研修では、主体性を発揮できるための環境創りが大切です。
⑪働きかけ力を伸ばす研修内容
働きかけ力は、他人に働きかけ巻き込む力です。仕事は一人で進めるより、周りと協力して進める方がスピードもアウトプットの質も高まります。
そのため、周囲と助け合いながら仕事を進めることが非常に大切になります。
当社の新入社員研修では、研修の初めに、以下の内容を参考にして受講生に今日の自分のリーダーシップスタイルを決めてもらい、それを実行することを意識してもらうようにしています。
※ 当社新入社員研修のテキストより一部抜粋
自分が決めたリーダーシップを実践することで、自ら周囲に働きかける意識が高まり、積極的に巻き込む力が養われるようになります。
⑫実行力を伸ばす研修内容
実行力は、目的を設定し確実に行動する力です。
実施内容が決まっても、実行しなければ何も変わりません。仕事を前に進めるためには、実行力が不可欠です。
現場で実行力を向上するための研修内容として、要件定義、報連相が挙げられます。
要件定義を行うことで、最終的なアウトプットを把握でき、やるべきことが明確になります。これにより、価値のある仕事をするための道筋が見えてきます。要件定義を行う際のポイントは、次の3つです。
※ 当社 ビジネススキル研修より一部抜粋
また、実行の過程で周囲と調整しながら進めることが求められるため、報連相も大切なスキルです。報連相を行う際は、相手の状況を配慮し、理解・納得できる内容で伝えることを意識すると、スムーズな連携が取れるようになります。
※ 当社 ビジネススキル研修より一部抜粋
以上、3つの能力と12の能力要素に対応する研修内容を紹介しました。
この内容を踏まえて、自組織に足りない社会人基礎力を検討し、そのスキルに適切な研修を実施できるようにしましょう。
3)研修で社会人基礎力の学びを深めるポイント
経済産業省によると、研修で社会人基礎力の学びを深めるポイントとして、以下のことが挙げられています。
・体験・実践をすること
・リフレクションを行うこと
・多様な能力を組み合わせること
アーティエンスの研修で、どのように取り入れているかを紹介します。
体験・実践をすること
体験・実践の方法としては、シミュレーションワークをおすすめします。
リアルな会社を想定した体験とスキルの実践の機会を研修で作ることで、いつどのスキルを使うと仕事が上手くいきやすくなるのかも理解でき、社会人基礎力の学びを深めることができます。
当社のシミュレーションワークは細かい世界観や状況設定を行い、受講生には設定の社員になりきってもらい、アウトプットを作成してもらいます。
例えば、当社のロジカルシンキング研修では、次のような設定で、CS向上のための企画を作成するシミュレーションワークを行います。
※ 当社 ロジカルシンキング研修より一部抜粋
社会人基礎力に関するスキルをインプットして理解することと実際に使えるようになることは全くの別物です。使えるスキルにするためにも、体験・実践が必要です。
リフレクションを行うこと
リフレクションについては、経験学習をベースに進めることをおすすめします。
経験学習とは、自分の体験を振り返り、その経験から学びを得て次に活かすプロセスです。リフレクションを行うことで、自己認識が高まり、行動の改善点を見つけることができます。
当社の研修では、経験学習の重要性を伝えると共に、研修内で実際に振り返り方を伝えています。また、研修の最後に振り返りの時間を設けて、次のアクションに転用する流れを組み込むようにしています。
研修での学びを整理し、実務につなげていくために、リフレクションを行うことも重要なポイントです。
多様な能力を組み合わせること
研修では、メインで鍛えたい能力だけでなく、多様な能力が必要になる研修を実施すると良いでしょう。
複数の能力を組み合わせることで、複雑な問題に柔軟かつ効率的に対応できる力を養えます。
当社の研修は、多様な能力が必要になるワークを豊富に用意しています。
例えば、プレゼンテーション研修では、シミュレーションワークを通じて、プレゼンテーションスキルだけでなく、ビジネススキルや巻き込み力も同時に鍛えます。
複数の能力を相互に活用できる力を養うことで、実践的で役立つスキルを身につけられます。
このように、社会人基礎力研修では、体験・実践をすること、リフレクションを行うこと、多様な能力を組み合わせることが学びを深めるためのポイントとなります。
4)社会人基礎力研修を促すおすすめ年間スケジュール
新入社員向けに社会人基礎力研修を実施したい場合は、次のようなスケジュールで行うことをおすすめします。
身に付ける能力要素 | 学ぶスキル | |
---|---|---|
4月 | 規律性 計画力 | ビジネスマナー スケジューリング |
5月 | 働きかけ力 | コミュニケーションスキル |
6月 | 主体性 | 関係性構築力 |
7月 | 問題発見力 | ロジカルシンキング |
8月 | 発信力 | ドキュメンテーションスキル |
9月 | ストレスコントロール力 | レジリエンス |
10月 | 傾聴力 | コミュニケーション |
11月 | 問題発見力 | ソリューション提案力 |
12月 | 情況把握力 | コミュニケーション |
1月 | 実行力 | 成長力 |
2月 | 想像力 | Big Why |
3月 | 実行力 | 成長実感 |
これは、身につける能力要素に関して、社員が課題を感じ、克服したいと思うようになるタイミングを考えて作成しています。
組織や対象者に多少の差はありますが、アーティエンスの調査で、基本的にはこのようなタイミングで社員が課題や不安を感じていることが分かっています。
自分のスキルに課題を感じ、それを克服したいと思っているタイミングで、適切な研修を実施すると、社員が意欲を持って積極的に参加し、学びが深まるため、効果的に成長を促進することができます。
5)まとめ
社会人基礎力研修を行いたい場合は、「考え抜く力」、「チームで働く力」、「前に踏み出す力」の3つの能力と12の能力要素を磨くための研修を行う必要があります。
それぞれの力を伸ばすためにどのような研修を行えばよいのかを解説しました。
社会人基礎力 3つの能力 | 能力要素 | 研修内容 |
---|---|---|
考え抜く力 | ①問題発見力 現状を分析し目的や課題を明らかにする力 | ビジネススキル研修 (Big Why、ヒアリングスキル) |
②計画力 課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力 | ビジネススキル研修 (スケジューリング、タスク分解) | |
③創造力 新しい価値を生み出す力 | ロジカルシンキング | |
チームで働く力 | ④発信力 自分の意見をわかりやすく伝える力 | プレゼンテーション研修 (トーキングスキル、ドキュメンテーションスキル、ライティングスキル) |
⑤傾聴力 相手の意見を丁寧に聴く力 | 関係性構築力研修 (ヒアリングスキル) | |
⑥柔軟性 意見の違いや立場の違いを理解する力 | 関係性構築力研修 (判断保留スキル) | |
⑦情況把握力 自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力 | 関係性構築力研修 (メンタルモデルの理解) | |
⑧規律性 社会のルールや人との約束を守る力 | 社会人の自覚研修、ビジネスマナー研修 (モラルの理解) | |
⑨ストレスコントロール力 ストレスの発生源に対応する力 | レジリエンススキル | |
前に踏み出す力 | ⑩主体性 物事に進んで取り組む力 | リーダーシップ |
⑪働きかけ力 他人に働きかけ巻き込む力 | リーダーシップ | |
⑫実行力 目的を設定し確実に行動する力 | ビジネススキル研修 (要件定義と、報連相) |
研修で社会人基礎力の学びを深める際には、体験・実践を通じて学び、経験学習をベースにリフレクションを行い、さらに多様な能力を組み合わせることも意識するとより学びが深まります。
なお、アーティエンスでは社会人基礎力を高められる新入社員研修を実施しています。
「研修内容をもっと充実させたい」「社員の成長をサポートしたい」とお考えであれば、ぜひ一度ご相談ください。お客様のニーズに合わせたカスタマイズもご提案いたします。
社会人基礎力研修を通じて、社員の社会人としての意識や周囲への貢献行動を高め、パフォーマンス向上に繋げていきましょう。