コラム

社会人基礎力研修|能力要素に対応する研修内容・学び方・スケジュールを理解する

 新入社員 イラスト 

2022/12/27作成ー

「社会人基礎力の研修ってどうやれば良いのだろう…」
そのようなお悩みを持って、このコラムに辿り着いたのではないでしょうか。

実は、社会人基礎力というものを2006年に経済産業省が提唱していて、「考え抜く力」、「チームで働く力」、「前に踏み出す力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されています。

つまり、社会人基礎力研修を行いたい場合は、この3つの能力を磨くための研修を行う必要があるということです。

今回は、経済産業省が提示している社会人基礎力の3つの能力と12の能力要素を軸に、スキルを向上させるために必要な研修内容と学び方、そして社会人基礎力研修の年間スケジュール例をお伝えします。

このコラムを読むことで、社会人基礎力を理解した上で、必要なスキルを学ぶための研修を設計できるようになり、組織を前に進めることができます。

1)社会人基礎力の能力要素に対応する研修内容

経済産業省では、「考え抜く力」「チームで働く力」「前に踏み出す力」という社会人基礎力をさらに細分化し、下記のような能力要素として提示しています。

考え抜く力

・問題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力
・計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
・創造力:新しい価値を生み出す力

チームで働く力

・発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力
・傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
・柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
・情況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
・規律性:社会のルールや人との約束を守る力
・ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力

前に踏み出す力

・主体性:物事に進んで取り組む力
・働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力
・実行力:目的を設定し確実に行動する力

これらの力とそれを伸ばすためにどのようなスキルを研修で行えばよいのかを解説します。

社会人基礎力
3つの能力
能力要素 研修内容
考え抜く力 問題発見力
現状を分析し目的や課題を明らかにする力
Big Why、ヒアリングスキル
計画力
課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
スケジューリング、タスク分解
創造力
新しい価値を生み出す力
ロジカルシンキング、システム思考、デザイン思考
チームで働く力 発信力
自分の意見をわかりやすく伝える力
トーキングスキル、ドキュメンテーションスキル、ライティングスキル
傾聴力
相手の意見を丁寧に聴く力
ヒアリングスキル
柔軟性
意見の違いや立場の違いを理解する力
判断保留スキル
情況把握力
自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
メンタルモデルの理解
規律性
社会のルールや人との約束を守る力
モラルの理解
ストレスコントロール力
ストレスの発生源に対応する力
レジリエンススキル
前に踏み出す力 主体性
物事に進んで取り組む力
リーダーシップ
働きかけ力
他人に働きかけ巻き込む力
リーダーシップ
実行力
目的を設定し確実に行動する力
要件定義と、報連相

考え抜く力に関する研修内容

考え抜く力は、課題を解決するために必要です。なぜなら仕事の多くは、相手の困りごとを解決するものだからです。相手が何に困っているのかを考え抜くこと、そして、解決のための改善方法を考え抜くことで、相手に価値を提供することができます。

近年では、論理的に答えを出すこと以上に、自ら課題提起し、解決のためのシナリオを描く、自律的な思考力が求められています。

問題発見力を伸ばす研修内容

問題発見力とは、現状を分析し目的や課題を明らかにする力です。問題発見力を向上させるための研修内容として、Big Whyやヒアリングスキルが挙げられます。

Big Whyとは、課題の原因・背景を考え解決策を見出すことです。なぜBig Whyを取得すると問題発見力が向上するのかというと、本質的な問題にたどり着くことができるためです。Big Whyを用いらず、原因・背景を考えない解決策は、効果が短期的である場合が多くなります。

当社では、ワークの中でBig Whyを考え、Big Whyを考えて出した解決策と、考えない場合の解決策の質の違いを確認します。そうすることで、より本質的な問題発見力を身に付けることができます。

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※ 当社 ビジネススキル研修より一部抜粋

また、明確な課題を明らかにするためには、課題の根本や真因を探しに行く必要があります。課題の根本や真因にたどり着くためには、ヒアリングを繰り返し「それはなぜか」を深掘りしていく必要があるため、問題発見力を向上させるためには、ヒアリングスキルも必要になるのです。

 ヒアリングスキル
※当社 ソリューション提案力研修より一部抜粋

計画力を伸ばす研修内容

計画力とは、課題の解決に向けたプロセスを明らかにして準備する力です。計画力を向上させるための研修内容として、スケジューリングとタスク分解が挙げられます。

作業内容・プロセス・工数をタスク分解した上でスケジュールを立てて、ゴールまでのプロセスを明確にしていきます。タスク分解とスケジューリングを身に付けると、ゴールまでの時間とやることが視覚化されるため、認識のズレがなく、チームで共通の認識を持って進めることができます。

タスク分解は例えば、「新規のお客様6社受注」というゴールに向けて、どのような作業が必要か、そしてそのプロセスを洗い出していきます。このようにタスク分解することで、やることが明確化され、動きやすくなります。

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※ 当社 ビジネススキル研修より一部抜粋

このようなタスク分解が行われた後で、工数と実施日を算出し、ゴール達成に向けた計画を立てるスケジューリングを行います。

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※ 当社 ビジネススキル研修より一部抜粋

タスク分解をした上でスケジューリングを行わないと、作業内容に抜け漏れが出てくる可能性があるため、計画を立てる際は、タスク分解とスケジューリングを合わせて行うようにします。

創造力を伸ばす研修内容

創造力とは、新しい価値を生み出す力です。創造力を向上させるための研修内容として、ロジカルシンキング、システム思考、デザイン思考が挙げられます。ロジカルシンキングは、「状況→結論」または「結果→原因」の思考を、(可能な限り)シンプルに、そして誰が見ても(聞いても)納得いく形で展開していくことです。

例えば、現状をロジカルシンキングを活用し、マトリックスでまとめることで、どこをポイントに改善したらいいか、また何を大切にした新商品企画を考えたらよいかの軸が明確になります。軸が明確になっていないと、創造の範囲が広がりすぎて目的に適していないものを生み出しかねないため、相手にとって意味のある新たな価値を生み出すためにはロジカルシンキングが大切になるのです。

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※ 当社 ロジカルシンキング研修より一部抜粋

システム思考、デザイン思考も創造力のために、必要なスキルにはなりますが、新入社員や若手社員向けではないため、まずはロジカルシンキングを身に付けることを意識できると良いです。

【参考】
システム思考とは、環境や状況を静的にではなく動的に、断片的ではなく全体的に捉えて対応していく手法です。当社のシステム思考ワークショップでは、システム図を作成しながら、現場で活用するイメージを持てるようにします。

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デザイン思考とは、前例のない課題や未知の問題に対して最適な解決を図るための思考法です。「観察」、「発想」、「プロトタイピング」を行ったり来たりして考えます。
 デザインシンキング
【引用】セミナーレポート:変革に必要とされる『デザイン思考』とは?企業における導入事例;ideapoint

チームで働く力に関する研修内容

チームで働く力は、会社という組織の中で周囲と一緒に物事を進めていくために必要です。なぜなら、組織の中での仕事は、1人で行うよりチームで協力し合いながら進めることがほとんどだからです。チームで助け合うことによって、相手に価値を提供することができます。

チームの得意不得意を理解した上で協力し合うことや、役割分担を行って仕事を効率的に進めることで、成果のスピードと質を高めることに繋がります。近年では、チーム内の協調性だけに留まらず、多様な人々との繋がりや協働を生み出す力が求められています。

発信力を伸ばす研修内容

発信力とは、自分の意見をわかりやすく伝える力です。発信力を向上させるためのスキルとして、トーキングスキル、ドキュメンテーションスキル、ライティングスキルなどがあります。周囲に分かりやすく発信することができると、相手の理解もスムーズに行われ、チームでの仕事をやりやすくすることに繋がります。

例えば当社では、相手に伝えるための話し方の構成や可視化の方法などを、ワークを通しながらお伝えしています。

 ドキュメンテーション研修
 ドキュメンテーション研修
※ 当社 ドキュメンテーション研修のテキストから一部抜粋

これらを学ぶことで、チーム間の連携をスムーズに取れるようになり、チームで働く力も向上します。

傾聴力を伸ばす研修内容

傾聴力とは、相手の意見を丁寧に聴く力です。相手の話を否定せずに背景を考えながら聴くことが必要になります。傾聴力があると、相手からの指示に対してその背景を考えられるようになり、+αとしてできることがないかを考えて対応することが可能になります。そうすることで、チーム間の関係性も良くなり、結果チームで働く力が向上することになります。

当社の研修では、相手の意見を丁寧に聴く場合と、目も合わせず無反応で聴く場合の差を感じてもらうためのワークを行っています。実際に体験すると、話を聞く姿勢によって話にくくなったり、関係性を築きにくくなることを感じることができ、相手の話を丁寧に聴くようにする意識を持てるようになります。

 関係性構築力研修
※ 当社 関係性構築力研修より一部抜粋

柔軟性を伸ばす研修内容

柔軟性とは、意見の違いや相手の立場を理解する力です。特に多様性が求められる今の時代に求められています。柔軟性を向上するための研修内容として、判断保留のスキルが挙げられます。

判断保留とは、良い悪い・好き嫌いなどの判断を保留して、ありのままに受け止めて観ることです。判断を保留することで、判断の質が上がり、観察や関心、傾聴の質にも影響を与えていきます。

 判断保留
※ 当社 関係性構築力研修より一部抜粋

例えば、他の方からの意見をすぐに良い悪いで判断するのではなく、少し時間をおいて受け止めてみます。そうすると、相手の意見の背景まで考えることができ、「あの人は、〇〇という立場だから、このような意見を言っていたんだな」と理解することができます。一度、意見を受け止めることによって、意見の違いを理解しやすくなり、柔軟性の向上に繋がります。

情況把握力を伸ばす研修内容

情況把握力とは、自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力です。情況把握には、メンタルモデル(認知)が影響するため、自身が持っているメンタルモデルを認識することが必要になります。お互いの捉え方で、観えている世界は変わるためです。

※メンタルモデル(認知)とは、人間が無自覚のうちに持っている、思い込みや価値観のことです。
当社の研修では、自身が仕事の中でネガティブな感情になった場面に対して、自分はどう捉えていたのか、そして上司・トレーナーはどう捉えていたと思うかを考えてもらいます。

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※ 当社 関係性構築力研修より一部抜粋

このワークをやってみたの感想として、次のようなコメントがありました。

・人それぞれ感じ方が違うんだなと思った。優しすぎて怖いという人もいた。色んな人の意見を聞くことで、自分の見方とかが変わったので、現場に持ち帰って共有していきたいと思います。

・フィードバックでモヤモヤした感じが無かったので、もう少し疑問に思うことが出てきたらいいなと思う。

・トレーナーが優しくしてくれていて何でも言い合えるいい関係を築けていることを感じた。いい関係だからこそ、忙しいのに聞きすぎて迷惑してるのかなという思い込みがあった。

このように自身のメンタルモデルに気づき、他の人から見えている状況を創造できると、情況を把握できるようになり、チーム間の関係性が向上し、チーム力も高まります。

規律性を伸ばす研修内容

規律性とは、社会のルールや人との約束を守る力です。多様な人が集まっている組織では一定のルールを守ることで成り立っているため、ルールを乱すことがあるとチームの関係性やモチベーションにも影響が出てきますし、パフォーマンスの低下が起きます。

規律性を守ってもらうためには、規律を守る必要性とモラルを理解していることが大切です。規律を守る必要性について、例えば当社では、ビジネスマナーというものを客観的に見れるように、ビジネスマナーを学ぶ前に以下のような問いを受講生に投げて、考えてもらう時間を作っています。これにより、なぜビジネスマナーを身に付けた方がいいのかを受講生自身で見つけることができ、その後の学びが受け取りやすくなります。

 ビジネスマナー
※ 当社 ビジネスマナー研修より一部抜粋

モラルについては、次のようなワークを解きながら、理解を深められるようにしています。

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※ 当社 社会人の自覚研修より一部抜粋

このようにすることで、社会人は、お客様・会社・世の中に対して「責任感のある行動」が求められているということを自覚できるようにし、規律性を身に付けます。

ストレスコントロール力を伸ばす研修内容

ストレスコントロール力は、ストレスの発生源に対応する力です。仕事を行う中で、ストレスをゼロにすることは難しいため、自身でストレス発散の時間をつくったり、休息したりというバランスをとりながら、仕事に向き合うことが必要になります。

特に、最近のお客様のお話を聞いていると、ストレスによって体調を崩してしまう新入社員が増えている印象があります。学生時代までは、自分が好きなことを気の合う人と行うことが出来ましたが、社会人になるとそうはいかなくなるため、そこでのギャップでストレスを感じることが多いのかもしれません。

当社では、ビジネスで起きる苦境や逆境を乗り越えるためのレジリエンススキルを多くのワークを通して学び、自身でストレスに対して適切な対応を行えるようにしています。

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※ パートナー企業グローセンパートナーズのレジリエンスアップ研修より一部抜粋

前に踏み出す力に関する研修内容

前に踏み出す力は会社の目的を達成し、時代にあった商品やサービスを提供するために必要です。なぜなら現状維持のままでは、変化の速い今の時代に商品やサービスがついていかず、組織として価値を生むことができなくなってしまうためです。指示待ちにならず、一人称で物事を捉え、自ら行動できるようになることが求められています。

主体性を伸ばす研修内容

主体性は、物事に進んで取り組む力のことです。組織にいる一人一人が物事に進んで取り組むと、そのパワーが一つになったときに大きな前進に繋がります。しかし、組織の中で楽をしようとしていたり、言われたこと以外は進んで取り組まない人がいると、前に進もうとするエネルギーを妨げることなり、前に踏み出す力が弱くなってしまいます。

他にも、次のようなことが起こります。

・指示待ちになると、スピード感を持って対応できない。また「問題・課題があっても気付かない・気付いていても発信しない」という状況が起きる

・自分の役割のみに目がいくので、視野狭窄になり、保身に走った縄張り争いや、責任の押し付け合いなども生まれる

これでは、イノベーションを起こす新サービス・新規事業なども生まれませんし、時代に適応するスピード感・一体感を持った組織力も養っていけないため、主体性が必要になるのです。

当社では、研修で受講生の主体性を解放・発揮する体験をしてもらうために、次の6つのポイントを意識しています。

・ポイント1. コントロールにつながるオペレーションやメッセージは、極力控える
・ポイント2. 本音が話せる安心安全の場を創る
・ポイント3. 場の目的・目標を明確にする(もしくは、場の目的を参加者で創る)
・ポイント4. ワークを行う際など事細かい説明ではなく、考える余白を与える
・ポイント5. 選択する機会を多く創る
・ポイント6. ポジティブフィードバック・リフレクションを行う

これらのポイントについて、詳しく知りたい方は下記のコラムをご覧下さい。
社員の主体性を解放し発揮するためにできることとは? ~研修を起点とした主体性の扱い方を考える~

研修では、主体性を発揮できるための環境創りが大切になります。

働きかけ力を伸ばす研修内容

働きかけ力は、他人に働きかけ巻き込む力です。仕事は一人で進めるより、周りと協力して進める方がスピードもアウトプットの質も高まります。そのため、いかに周りと助け合いながら仕事を行えるかも大切になります。

当社では、自らが働きかけられるようになるために、新入社員研修の始めに、以下の内容を参考にして研修内で自身が発揮するリーダーシップ(周囲に与える影響力)を決めて、実行することを意識してもらっています。自身が発揮するリーダーシップを決める際に、パーソナリティベースリーダーシップというリーダーシップを用いています。

 リーダーシップ※ 当社 新入社員研修のテキストより一部抜粋

そうすることで、自身が決めたリーダーシップを実践するために自ら働きかけるということが起きやすくなります。

【参考】
パーソナリティ・ベース・リーダーシップという考え方があります。これは、個々が自身の強みをベースにリーダーシップを発揮するという考え方です。この考えだと、リーダーシップを発揮できないということは無くなります。そして、それぞれの個性や強みをリーダーシップとして捉え直すことで、チーム内の協働が促進されます。 パーソナリティ・ベース・リーダーシップ パーソナリティ・ベース・リーダーシップ

実行力を伸ばす研修内容

実行力は、目的を設定し確実に行動する力です。実施内容が決まっても実際に実行しなければ、何も変わっていかないため、仕事を前に進めるためには必要な力となります。現場で実行力を向上するための研修内容として、要件定義、報連相が挙げられます。

要件定義をして、最終的なアウトプットを把握できていると、やるべきことが明確になり、価値のある仕事ができるようになります。要件定義を行うためのポイントは次の3つです。

 5W2H
※ 当社 ビジネススキル研修より一部抜粋

そして、実行する中で、周囲と調整し合いながら進めていくことが求められるため、報連相のスキルも大切です。報連相は相手の状況を配慮すること、理解・納得できる内容であることを意識して行うと、スムーズな連携が取れるようになります。

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※ 当社 ビジネススキル研修より一部抜粋

このように、3つの力の中には12の能力要素があり、何を向上したいかによって研修内容が変わってきます。この内容を踏まえて、自組織に足りない社会人基礎力を検討し、そのスキルに適切な研修を実施できるようにしましょう。

2)社会人基礎力を研修で教える時のポイント

社会人基礎力の研修での学び方は、経済産業省によると、体験・実践をすること、リフレクションを行うこと、多様な能力を組み合わせることがポイントになると言われています。

社会人基礎力に関するスキルをインプットして理解することと実際に使えるようになることは全くの別物で、インプットしただけではスキルを身に付け使えるようにならないためです。また、自身の仕事を改善していくためにも自分の言動の振り返りを行うことが必要です。

体験・実践については、シミュレーションワークをお勧めします。当社では細かい設定を行い、受講生には設定の社員になりきってもらい、アウトプットを作成してもらいます。
例えば、当社のロジカルシンキング研修では、次のような設定で、CS向上のための企画を作成するシミュレーションワークを行います。

 ロジカルシンキング研修

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 受講生の様子
※ 当社 ロジカルシンキング研修より一部抜粋

上司役の講師に報告や相談をしながら進める必要があるため、報連相のスキルも必要になりますし、よいアウトプット資料を作成するために、ロジカルシンキングも必要になります。このように、リアルな会社を想定した体験とスキルの実践の機会を研修で作ることで、いつどのスキルを使うと仕事が上手くいきやすくなるのかも理解でき、社会人基礎力の学びを深めることができます。

研修の最後と現場でリフレクションの機会を設けて、研修で学んだことの言語化と、現場でどう活かすかを明確にすることで、研修だけでなく現場に戻ったときにも社会人基礎力を意識して使い続けることができるようになります。

当社では、研修の最後に振り返りを行うレポートと、現場に出てから振り返りを行うパルスサーベイを実施しています。
以下は当社で行っている振り返りレポートです。研修の最後に行うことで、学びを言語化します。

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以下が当社が行っているパルスサーベイGrowthです。パルスサーベイGrowthでは、毎月1回10の設問に回答して頂きます。これらの設問は、社会人にとって必要なスキルを具体的に落とし込んだ内容となっています。回答することで、一瞬でもリフレクションの機会を作ることができるのです。

▶パルスサーベイGrowthについて詳しく知りたい方は、コチラ
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多様な能力を組み合わせるということについては、段階的に学びを連動させることをお勧めします。当社では、次のように、社員のスキルや状態に合わせて、段階的にスキルを学んでもらえるようにしています。
 Growth
一度に全ての社会人基礎力を学ぶことは難しいため、社員が必要になるタイミングでスキルを渡せると、学びも深まり、また、現場ですぐに活かすことができるため、定着力も高まります。このように、社会人基礎力研修では、体験・実践をすること、リフレクションを行うこと、多様な能力を組み合わせることが学ぶためのポイントになります。

【参考】社会人基礎力を持って社会で活躍する
社員は自己実現や社会貢献に向けて、企業内外で主体的にキャリアを切り拓いていくことが必要です。

なぜなら、主体的でいると、環境要因など自身でコントロールできない影響に対して消極的になるのではなく、与えられた環境で自分のキャリアを築くためにどうすればいいかを考えられるようになるためです。この時に、社会人基礎力が身に付いていたら、どの仕事でも役に立つことが多く、ポータブルスキルとすることができます。

例えば、コロナの影響で航空業界で働いていた人は仕事が無くなり、他の業界に移らざるを得ない状況になりました。この時に、航空業界での仕事が一切使えないというとそうではありません。スケジュール通りに飛ぶために、分刻みで調整していた計画力を、プロジェクト管理の仕事に活かせたり、お客様の要望を丁寧に聴いていた傾聴職が、販売の仕事でも活かせたりなど、社会人基礎力を持っていると、どの仕事でも活用することができます。

ただ、この時に主体的にキャリアを切り拓いていくという意識は必要になります。自分のキャリアに対して主体的ではないと、自分が希望していた仕事で働けなくなったから意味がないとか、この業界で働くモチベーションがない、などと自分のキャリアを築くことに消極的になってしまいます。

しかし、主体的にキャリアを考えられると、今の業界で得られることを身につけて、航空業界に戻れたときにスキルアップできているようにしよう、と自分のキャリアを築くことができます。

このように、社会人基礎力を身に付けて主体的にキャリアを考えることで、今後どこでも活躍していけるような人材を育成できるようになることが、求められています。

3)社会人基礎力研修を実施する際の年間スケジュール例

新入社員向けに社会人基礎力研修を実施したい場合は、次のようなスケジュールで行うことをお勧めします。 

身に付ける能力要素 学ぶスキル
4月 ・規律性
・計画力
・ビジネスマナー
・スケジューリング
5月 働きかけ力 コミュニケーションスキル
6月 主体性 関係性構築力
7月 問題発見力 ロジカルシンキング
8月 発信力 ドキュメンテーションスキル
9月 ストレスコントロール力 レジリエンス
10月 傾聴力 コミュニケーション
11月 問題発見力 ソリューション提案力
12月 情況把握力 コミュニケーション
1月 実行力 成長力
2月 想像力 Big Why
3月 実行力 成長実感

なぜなら、新入社員が抱える課題や悩みとその時期が次のようになるためです。これは当社で行った調査です。この調査によると、組織や年齢によって少しの差はあるにしろ基本的にはこのようなタイミングで課題や不安を感じていることが分かりました。

社会人基礎力の成長を促すタイミングは、社員があるスキルに課題を感じ成長したいと思っているときが効果的です。

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なぜなら、社員自体も課題を感じていて解決したいと思っているため、研修で学ぶインプットが深まり、研修に積極的に参加してくれるようになるためです。

そのためにも、社員が今どんなことで悩んでいるのかを定期的にキャッチして対応していけるようにしましょう。当社では、社員の様子と定期的にキャッチアップする方法として、パルスサーベイをお勧めしています。数値やコメントを毎月確認することで、社員の変化が分かり、フォローしやすくなります。
 インプット スループット アウトプット Growth Meeting
パルスサーベイGrowthを実施して、新入社員をフォローした事例の参考資料を下記フォームよりダウンロード頂けます。

    下記フォームより必要事項をご入力の上、送信してください。
    ご入力いただいたメールにダウンロードURLが届きます。

    ※同業者からのお申し込みはお断りしております
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    社会人基礎力研修を実施したい方は、自組織の課題から一緒に探して企画を立てていくことも可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

    4)まとめ

    社会人基礎力研修を行いたい場合は、「考え抜く力」、「チームで働く力」、「前に踏み出す力」の3つの能力を磨くための研修を行う必要があります。

    「考え抜く力」「チームで働く力」「前に踏み出す力」は、さらに12の能力要素として分けることができ、それぞれの力を伸ばすためにどのような研修を行えばよいのかを解説しました。

    社会人基礎力
    3つの能力
    能力要素 研修内容
    考え抜く力 問題発見力
    現状を分析し目的や課題を明らかにする力
    Big Why、ヒアリングスキル
    計画力
    課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
    スケジューリング、タスク分解
    創造力
    新しい価値を生み出す力
    ロジカルシンキング、システム思考、デザイン思考
    チームで働く力 発信力
    自分の意見をわかりやすく伝える力
    トーキングスキル、ドキュメンテーションスキル、ライティングスキル
    傾聴力
    相手の意見を丁寧に聴く力
    ヒアリングスキル
    柔軟性
    意見の違いや立場の違いを理解する力
    判断保留スキル
    情況把握力
    自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
    メンタルモデルの理解
    規律性
    社会のルールや人との約束を守る力
    モラルの理解
    ストレスコントロール力
    ストレスの発生源に対応する力
    レジリエンススキル
    前に踏み出す力 主体性
    物事に進んで取り組む力
    リーダーシップ
    働きかけ力
    他人に働きかけ巻き込む力
    リーダーシップ
    実行力
    目的を設定し確実に行動する力
    要件定義と、報連相

    社会人基礎力を研修で教える時のポイントは、体験・実践をすること、リフレクションを行うこと、多様な能力を組み合わせることです。これらを意識して設計しましょう。また、新入社員向けの社会人基礎力研修を実施する際の年間スケジュール例もご紹介しました。

    研修での学びを深めるためにも、社員があるスキルに課題を感じ成長したいと思っているタイミングで、研修を行えるように、社員の様子をキャッチアップして検討して頂けたらと思います。社会人基礎力研修を実施して、社会人としての意識と周囲への貢献行動が高まるための育成を行っていただければと思います。そして、その結果、パフォーマンスが上がり、成果が出て、活躍できる人材になることでしょう。

    社会人基礎力の育成に関して、ご相談がある場合は、ぜひ当社までご連絡ください。

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