4月冒頭に実施した25年度新入社員研修を5日間受講された、株式会社主婦と生活社の新入社員3名(Aさん、Bさん、Cさん)にお話を聞きました。
▼インタビューにご協力いただいた、3名のみなさん▼インタビュアー
迫間智彦 X:@tohaza_atc youtube:中小企業の人材育成・組織変革 専門チャンネル
大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。
迫間)
まず初めにどうして出版業界、特に主婦と生活社様に入りたいと思ったのか教えていただけますか。
Aさん)
私は高校からずっと雑誌が大好きでした。今は出版業界が右肩下がりだと思いますが、「僕が大好きなコンテンツを守っていきたい」という思いから出版業界を目指しました。
そのなかで、伝統的な会社であり、いろいろなブランドを持っている主婦と生活社で編集者になりたいと思って選びました。
Bさん)
就活時にはテレビ・出版・映画に絞って進めていました。というのも、自分が落ち込んだ時に引き上げてくれるのがエンタメだったんです。今まで助けられた分、社会人になったら、自分が作ったものを提供して、落ち込んでいる人たちを引き上げたいと感じました。
出版を最終的に選んだのは、何でもできるという理由でした。出版であれば映画化もあるので映像もできるし出版物ももちろんできます。多方面でエンタメとかかわれるなと感じました。
また、私はアイドル好きなのですが、自分が最初に買った写真集が主婦と生活社から出ており、さらに運命を感じました!笑
Cさん)
私は元々本が好きで、出版社に入りたいなって漠然と思っていました。
また、大学でずっと社会史を研究していたことも関係しています。一般民衆が小さなコミュニティでどういう生活をしていたかを研究をしていました。その延長線として、社会人になっても、人々の暮らしや庶民の動き、人の心の動きを突き詰めていきたいなと思っていました。
その答えの一つとして、人々の日常に近い存在である「週刊誌」を出している主婦と生活社に決めました。
迫間)
次に入社を迎える前にワクワクしていたことを教えていただけると嬉しいです。
Aさん)
入社前から、雑誌をつくる編集業務に憧れがありました。就活期にも編集業務に関する本を読んでいて、楽しみが大きくありました。
また、出版社に入る方は個性的で面白い考えを持つ方がいっぱいいるのだろうなと思っていて、「早く会ってお話ししてみたい!」とワクワクしていました。
Bさん)
ミーハーなところで言うと、出版業界に入ると写真集や雑誌・書籍で「芸能人に会えるかも」という浅はかなワクワクが正直ありました!笑
また、出版は斜陽産業と言われつつも、主婦と生活社はまだまだブランド力のある企業だと思っています。そういうブランド力を味方に、可能性のある大きなことを成し遂げ、読者の皆さんに感動を届けられるエンタメを作れる未来が楽しみだなと思っていました。
Cさん)
ちょうど就活が終わる頃、「週刊紙が社会の認識を変える」という場面に出会うことが多くありました。
女性が表には言えなかったことが、週刊誌によって世間に認知され、人々の考え方が変わっていく等です。「一般の人々の認識を1本の記事で変えられる」その影響力を目の当たりにして、改めてすごく楽しみだなって思いました。
迫間)
社会人になることや組織に入ることへの不安があれば教えてもらえますか?「私はワクワクしかなかった!」等、不安が無かったでも構いません。
Aさん)
楽しみが勝っていて、大きな不安はなかったです。
ただ、出版社の働き方は何となく理解していて、1人1人にかかるウェイトの大きさや業務時間の長さに対する不安はありました。
あとは、私自身が期待していた「面白い人に出会えるか、ちゃんとコミュニケーションが取れるか」という不安はありました。
Bさん)
学生のうちは、ミスしても教授や親が何とかしてくれる場合もありました。しかし、社会人になったら主婦と生活社の社員として、会社の名を背負う責任の重さがあり、そこに不安を感じていました。
また、エンタメ系の人は個性的な方が多くて、自分が埋もれそうだなという不安もありました。どう個性を出して、どう覚えてもらおうかなと不安に感じていました。
Cさん)
ワクワクの方が大きかったのですが、入社前の社内研修で「大変だよ」という話を聞き「できるかな? やる気だけあって才能がなかったらどうしよう」と不安に思っていました。
学術的な成果と社会的な成果は違っていて、まだ経験のない環境で成果を出せるのかという点ですごく不安がありました。それでもやはり、楽しみの方が大きかったです!
迫間)
私たちアーティエンスの新入社員研修では、どんなことを学び、身につけたいと思っていたのか、教えてもらえますか?
Aさん)
社会人になる前に一番不安だったのは社会人としてきちんとマナーがあるか、社会人として当たり前のことができているのかという部分でした。
正直自信がなかったので、外部の研修で身につけたいなと思っていました。
また他社の新入社員と共に学ぶ公開講座は、社会人になってから社外の人と関わる初めてのタイミングでした。そのため「コミュニケーションをうまくとれるかな?」と思っていました。
Bさん)
「社会人になると大きな責任が伴ってくる」という実感はありました。
ただ、3月31日までは友達と遊んで飲んでいて、急に4月1日になって「はい、社会人です、責任感あります」とマインドを切り替えることは難しいなと感じていました。
なので、5日間の研修で考えをシフトしていけたらと思っていました。
Cさん)
私もお二人と近くて、マインド的なところとスキル的なところ、両方を5日間で学びたいなと思っていました。
名刺や挨拶も、分かっていればパッとできます。ただ、分からないと萎縮して逆に嫌な印象を与えそうで、不安に感じていました。そうした、スキル的なところを身につけたいと思っていました。
また、社会人と大学生の区切りは分かっていても、自分では作れないので、みっちり教え込んでもらえる機会があれば、自然と切り替えられるかなと期待していました。
迫間)
大きな声を強制される研修もあると思います。そうした研修への不安はありましたか?
Aさん)
さすがに声を出せとか、熱狂的に何かを強いられる研修があるとは思っていませんでした。ただ、どれだけ怒られるのか、どれだけ厳しいだろうなという不安はありました。
Bさん)
新入社員研修が5日間という日程表を配られて、最初は結構萎縮しました。
何を教え込まれて、どんなにしごかれるんだろうと思いながら挑んだ節はありました笑
Cさん)
自分たちには、そういう理不尽に厳しい研修はないだろうと思っていました。
ただ、アーティエンスさんではありませんが、事前に「厳しい研修エピソード」をYouTubeで見たことがあり、それは嫌だなと思っていました。
もしかして、怒られる時間が組み込まれていたりするのかな、と思っていました笑
迫間)
実際に新入社員研修を受けてみて、どんな印象をもちましたか?
Aさん)
何でもかんでも怒るわけではなく、課題や足りない部分について、しっかりと指摘してくださったなと思います。
1日目の社会人の自覚研修の最後のワークで納期に間に合わず、厳しい指摘を受けたのですが、自分自身の意識が締まるフィードバックだったなと思います。
どんなにいいものを作っても、時間に間に合わなければ意味がないのだなと実感しました。
▼参考:社会人の自覚研修の最終ワークの様子
Bさん)
受講前は、大学の講義みたいに一方的に「スキルはこれで、マインドはこうしなさい」と教え込まれるのかなと思っていました。
蓋を開けてみたら一方的に教え込まれる時間は少なく、同期の人たちと話す機会が7割以上で、驚きました。基本的に「自分たちはこう思っているから、こうしていこう」というディスカッションが多めで、受動的ではなく能動的に研修を経験できた印象が強いです。
Cさん)
少しBさんに似ている部分がありますが、直前まで大学生だったので反骨心もあり、教え込まれると「いや別に、そんな…」って思うかなと感じていました。
ただ、アーティエンスさんの新入社員研修で「自分たちが考えて出した答えがビジネスにおいて、大事なスキルになる」という考え方にしてもらえたと感じています。
一方的に「ビジネスに必要なこんなマインドを持ちなさい!」ではなく「みんなはどう思う?」と言ってもらい、自分自身から出た答えを「そのマインドって社会で大事だよね」とつなげてくれて、反発することなく受け入れられました。心から大事だなと本当に思えました。
迫間)
新入社員研修を5日間受けて特に大きな気付きとなったことを教えてください。ワークや講師からのメッセージ、他の新入社員の発言などなんでも構いません。印象に残った理由・背景もお願いします。
Aさん)
いい意味で、社会人の“型”への先入観が覆されたなと思っています。
特に印象的だったのは、2日目のマナー研修での「自分らしさを持つためにも、社会人として必要なマナーを得よう」という言葉でした。
私はそもそも社会人のマナーに良いイメージがなく、得意でもなかったです。マナーのせいで先輩とあまり仲良くなれない経験もありました。
ただ「自分の個性や自分らしさ」と「社会人としてのマナー」は反するものではなく、どちらも生かす、いわば「両立するもの」だという点が大きな気づきでした。
また、他社の同期の方と沢山話せたことも大きな気付きでした。話すのが得意な人、穏やかに話を聞いてくれる人、それぞれの個性があり、良い部分を吸収できる学びがありました。
Bさん)
2点あります。意識によって行動は大きく変えられるという実体験を積めたことが、一点目の気付きでした。
Aさんも話していましたが、1日目の社会人の自覚研修の最終ワークで「この時間までに仕上げて下さい」と言われていたにもかかわらず、時間までに形に持っていけず指導を受けました。その時に「納期って本当に大事なんだな」と痛感しました。
その上で、2日目のビジネスマナー研修の取引先へのお礼メール作成のワークでは、グループメンバー全員が「納期を守る」という前日の反省を活かす意識をもって取り組みました。
「納期は○○だから、××までにこう進めよう。」や「自分たちで考えても分からないことは、報連相してみよう!」というように、各自が納期意識をもって研修に取り組み、無事に納期までに完成させることができました。
改めて、1日だけで、人はこれほど変わるんだと驚きました。言われたことを実践する重要性を学べた経験でした。
2点目は、出版社以外の別業界の同期と多く話す中で、全員の目指すゴールや志、考え方が違うと知れたことです。これまで出版という狭い世界しか見ていなかった自分には新鮮な気づきでした。また、同業界の方も多くおり、近しいテーマを深く話せたことも、とても学びになりました。
Cさん)
最も印象に残っているワークは、4日目のビジネススキル研修で実施した「解決策の講じ方」のBIG WHYです。
▼参考:BIG WHY研修スライド
学生時代は、課題に対して短絡的に考えていました。「自信がない。じゃあ、自信をつけよう!」といった短絡的な考えで、無限ループに陥って落ち込むことが多くありました。
しかし研修で「課題の分解方法と解決策の講じ方」を具体的に教えてもらい、考え方を変える方法を学べました。「解決策を考える時は、自分自身が変えられる守備範囲に着目して考える」というポイントも、大きな気付きでした。
▼参考:解決策の講じ方 研修スライド
私の課題である「自分が和を重んじすぎて、間違っていると指摘できない」についてグループメンバーに相談した時に、初めは「和を乱さない指摘方法」を考える等、小手先の解決策となっていました。ただ、分解を進めるうちに
という「認識を変える」アドバイスをもらえました。認識を変えるという解決策は、とても大きな気付きになりました。
早速翌日のワークでは、「間違っていると感じたら、質問してみる」といった形に、行動を変えることができました。
迫間)
アーティエンスの研修受講を終え、日常業務や社内研修を進める中で、変わったと感じることがあれば教えてください。
Aさん)
メール作成や名刺交換、商談での立ち回りが上手くできるようになりました。
アーティエンスさんの研修を受けていなかったらボロボロだったと思います。研修の学びが研修後の日常につながっていると感じます。
また、研修中にコミュニケーション面での気づきが多くあり、その気づきを先輩社員との関わりに活かすことができています。うまくできるようになったと感じています。
Bさん)
5日間の研修において、継続的に報連相の重要性を教えていただきました。その気づきを活かし、実際に上司・先輩に話をするときには「今お時間いいですか?」といった切り出し方を行うなど、スキル面の気づきを活かせています。
さらに、研修内で他社の同期の方と話す中で「リスペクトを込めつつ親しみを持って接する」といった、社会人同士でのコミュニケーションスタイルの大切さを知ることができました。そのスタイルは、社内の先輩方との会話で実践できています。
Cさん)
私は、研修時に納期意識の弱さで怒られたことが、研修後もずっと頭に残っていました。
アーティエンスさんの研修の後、社内研修で5分ほどの軽いプレゼン機会があったのですが、正直、クリエイティブ要素もあり時間内に終えるのは難しいなと感じました。
ただ「納期は絶対に守らなきゃ!あと何分だから、クリエイティブ要素も重要だけど、間に合わせることを優先させよう!」とチームで進めました。
結果、社内研修では講師の方(主婦と生活社の先輩社員)から「納期意識を持ち、時間内に完了させたこと、とても素晴らしかった」と褒められました。
納期の重要性を再認識しましたし、「ああ、アーティエンスさんの研修で怒られておいて良かったな」と実感しました。
迫間)
ここまでの振り返りをふまえて、改めて、自分の中でできるようになったと感じることや、意識が変わったと思う点があれば教えてください。
Aさん)
目標達成・コスト意識研修の中で「コスト」の考え方を知り、仕事への捉え方が変わりました。
出版業界に入る時は「楽しいものを作れば売れる」という甘い考えがありましたが、楽しいだけではだめだということを知りました。「利益を得て、会社を存続させる」という意識を持てたのは、研修を通して得られた変化です。
▼参考:研修スライド
Bさん)
私は、もともと完璧主義で負けず嫌い、プライドが高い性格でした。分からないことがあっても分かったふりをしたり、聞き逃そうとしたりする時もありました。
しかし研修で「聞かないと置いていかれるし、いいものも作れない」と実感しました。そこからは、積極的に「今、わからなかったんですが」と言えるようになりました。
また、相手に否定される怖さから、違うと思っても指摘できない一面もありました。
このことについて、個人的に講師に相談した時に
とアドバイスをもらい、意識が変わりました。
結果、ゴールから逸れたと感じた時に「違うんじゃないか」と言えるようになった点は、研修で得られた大きな収穫であり、変化です。
完璧主義も大事ですが、自分を俯瞰し質問や意見を言うことも大事だと改めて学びました。
Cさん)
講師から「良いチームをつくる過程では恥ずかしいことがあって当たり前」と教えていただきました。私は、これまで自分の発言を後から反省することが多くありました。また、発言前にも「間違ったことを言うと恥ずかしいな」と感じ、戸惑うことも多かったです。
しかし、講師の方の一言を聞いてから「一時的に恥ずかしいとしても、その経験が良いチーム創りのきっかけになるなら、必要なこと」だと思えるようになり、行動が起こしやすくなりました。
迫間)
では、これから社会人として取り組んでみたいことを教えてください。
Aさん)
今はまだ、他の社員の方や関係者の方々と強い関係性を築けていません。なので、たくさん話を聞きコミュニケーションを取りたいと思います。
同時に、自分がどんな人間かも伝えていきたいです。7月頃から配属されるので、配属後に、円滑に仕事が進むよう関係構築を頑張りたいと思っています!
Bさん)
目標達成・コスト意識研修で学んだように、ビジネスを行う上では、信頼関係が非常に大事だと感じています。例えばクライアントとの取引の際、良い関係があれば難しい案件でもうまくいくことがあると思います。
なので、小さなチャレンジとして今後も関係構築を大切にしたいです。 …大きなチャレンジも、伝えて良いですか?
迫間)
どうぞ!
Bさん)
目標達成・コスト意識研修での、会社経営のゲームで私たちのチームは半年間赤字続きでした。ただ、コツコツと人材育成を行った結果、最終的に黒字に戻せました。最初に投資して失敗しても、それが糧になり、後に良い結果につながることもあるのだと感じました。
これは出版業界にも活かせると思っています。まだまだ具体性はないのですが、大きなチャレンジとして、初めは実績が出なくても長期的に成功するビジネスを築きたいです!
迫間)
Aさんは大きなチャレンジはいかがですか?
Aさん)
そうですね、編集長をめざせるように、1年目からできることをしていきたいと思います!
迫間)
素敵ですね。Cさん、最後にお願いします。
Cさん)
私は、社員のみなさんが誰かに頼ることが必要な場面で「まずはCさんに声をかけてみよう!」と思ってもらえる存在になりたいです。
そのために、私自身を素直に何でも吸収する後輩像として、植え付けたいと思っています。新人のうちにその下地を築くことが大事ですし、むしろ今はそれしかできないと思っています。
そのためにも、小さなこと、例えばおすすめしてもらった作品の感想を翌日に伝える、大きな声で挨拶するといったことから始めていきたいです。
迫間)
最後に、今後、新入社員研修を受ける方々に一言メッセージをお願いします。
Aさん)
5日間の研修は楽なことばかりではなくきついこともありました。ただ、最終日の5日目に「きつかったけど、絶対やってよかった!」と周囲の全員が言っていました。
達成感もあり、頑張ってよかったと素直に思える研修です。叱られる場面や、社会人一年目で慣れないこともあるかもしれません。
ただ、自分の糧になるので、全力で取り組めば必ず良い時間になると思います。
Bさん)
スキル的な学びはもちろん多いのですが、他の方とコミュニケーションを取る機会が非常に多い研修だと思っています。
なので、話すことが得意でない人は不安を感じるかもしれません。ですが、研修を受講して感じたのは「話す量よりも、しっかり考えた上で伝えることが大切」という点です。
話すことに囚われすぎず、まずは自分でしっかりと考え、言葉が少なくても良いので伝えることを意識して、受講してもらえたらと思います。
Cさん)
ビジネスに必要なスキル・意識のなかには、すぐに受け入れられないものもあると思います。
もしも、受け入れられなくても、その感情はいったん脇に置いて素直に聞き、行動を起こすことが大切だと思います。行動してみることで、自分の考えもアップデートされます。
それでも納得できないことがあれば、納得できない理由を考え、チームのメンバーや講師に相談すると良いと思います。他の方に話すことで、視点が変わり、徐々に受け入れられるようになると思います!
迫間)
ありがとうございました。皆さん、改めて優秀だなと感じました。私が1年目の頃より圧倒的に優秀だなって感じています。主婦と生活社様は、毎年、本当に素晴らしい方々ばかりで、これからが本当に楽しみです。本日はありがとうございました!
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