コラム

報連相を改善・強化したい時に行う研修とは?

 報連相の様子 

2022/12/20作成ー

報連相スキルを習得・強化できる研修を探して、このコラムにたどり着いたのではないでしょうか。

・若手社員の報連相スキルがなく、クレームなどトラブルが発生する
・管理職がいつもイライラしており、報連相を受ける方に問題があるのではないか
・部門間の報連相(情報共有)が上手くいっておらず、仕事の進みが悪い

報連相は、組織にとっての大切な情報を扱うものになるため、社員全員が必ず身に付けなければならないスキルです。そして、良質な報連相は、組織の人間関係を創っていくものでもあります。組織にとって、報連相は、仕事の質を上げるために最も重要なスキルの一つと言っても過言ではないでしょう。
しかし、コロナ禍になり、「報連相がしづらくなったという人が63%」という結果も出ています。

テレワークを導入している企業も多くなり、報連相の難易度は高まっていくことも分かります。ただし、報連相の重要度は全く変わらないため、組織課題として、報連相は丁寧に扱う必要があります。状況によっては品質の高い報連相を習得・強化する研修を行っていく必要も出てきます。

本コラムでは、報連相で抱えている課題別に必要な報連相を習得・強化する研修をお伝えしていきます。最後まで読んでいただくと、自組織に必要な報連相研修が理解できます。

1)【課題別】報連相研修一覧

報連相に課題がある際に実施する研修では具体的にどのような内容を取り扱うべきなのか、課題別に具体的な研修内容例と抑えなければいけないポイントを下記表にまとめました。

課題 報連相を強化するための
研修の内容例
抑えなければいけないポイント
部下が報連相を行うスキルが身に付いていない ビジネススキル
ロジカルシンキング
ドキュメンテーション
意思発信
受講対象者のレベルに応じて伝えるスキルと、情報を整理するスキルが必要
上司が報連相を受けるスキルがない 部下育成 報連相の仕方を教えるスキルと、部下の話を傾聴のスキル、フィードバックするスキルが必要
部下が上司に報連相をすることに苦手意識がある 上司との協働体感
巻き込み力
関係性構築
報連相への苦手意識を払拭し、報連相を受ける姿勢・態度を見直すことが必要
上司が部下から報連相を受ける際の態度に問題がある 心理的安全 報連相を阻害している自身の態度・姿勢を改めることが必要
(参考)部門間の報連相(情報共有)がスムーズではない ・部門間の関係性構築
意思発信
・情報共有の仕組化
縄張り意識を払拭し、仕組やルールに落としていくことが必要

上記表の内容を、一つずつ説明していきます。

① 部下が報連相を行うスキルが身に付いていない

部下が報連相を行うスキルが身に付いていない場合は、受講対象者の報連相のスキル習得レベルに合わせて、研修を実施していく必要があります。報連相習得レベルの判断は、受講対象者が知らないことや明らかに習得ができていないことにフォーカスするといいでしょう。

例えば、中堅層に報連相の基礎を行うとレベルが低いと感じてしまいますし、研修効果も上がりません。下記のようにスキル習得を行うといいでしょう。

研修内容 対象層 身に付けるスキル
ビジネススキル 新入社員
若手社員
報連相のベーシックなスキルを身に付けます。
報連相の仕方を知らないため、丁寧に報連相の方法を教えます。
具体的には、「『結論・理由』の順番で話す」や、「事実と意見を分ける」などです。
ロジカルシンキング 新入社員
(フォロー)
若手社員
中堅社員
報連相の際に必要な思考スキルを身に付けます。
報連相の基礎的な知識を知っていても、上司や顧客からの想定外のフィードバックなどがあると、対応ができなくなるために、思考方法を学んでいきます。
具体的には、「上司や顧客の話をまとめて、その内容をもとに報連相を行う」や「報連相の際に、上司・顧客のフィードバックをその場で要点をまとめて、手戻りがないようにする」などです。
ドキュメンテーション 新入社員
(フォロー)
若手社員
中堅社員
報連相の際に必要な可視化するスキルを身に付けます。
報連相の情報量が多くなった際に、話が複雑になるため、分かりやすくするために可視化して伝えるスキルを学んでいきます。
具体的には、「報連相の内容をマトリックスやBeofre・Afterなどに可視化し、すぐに上司や顧客が判断できる」や「報連相の際に、業務プロセスやスケジュールを可視化することで、業務遂行のイメージをしやすくする」などです。
意思発信 若手社員
中堅社員
報連相の際に、自身の意思を発信するスキルを身に付けます。
報連相がただの情報共有や上司の判断をうかがうものではなく、自身の意思を伝えることで、仕事をよりよくすることの意識・行動を高め、そして仕事へのコミットを高めます。
具体的には、「自分の意思を持った上で、それが本当に良い提案(報連相)かを考えるクリティカルシンキング」や「報連相の際に、上司・顧客・チームとの共創・協働を可能にするファシリテーション」などを学びます。

このように報連相のスキルの習得度合いによって、研修を実施していく必要があります。

② 上司が報連相を受けるスキルがない

上司が報連相を受けるスキルがない場合は、部下育成を学ぶ必要があります。部下育成を学ぶことで、報連相の際の「聴くスキル・教えるスキル・フィードバックするスキル」を網羅的に学ぶことができるためです。具体的には、下記になります。

報連相を受けるスキル 使用場面
傾聴力
(コーチング)
部下の報連相を聴くとき
教えるスキル
(ティーチング)
部下に報連相の仕方を教えるとき
フィードバック 部下の報連相にフィードバックするとき

このように、上司が報連相を受けるスキルがない場合は、部下育成を学ぶ必要があります。

③ 部下が上司に報連相をすることに苦手意識がある

部下が上司に報連相をすることに苦手意識がある場合は、報連相への苦手意識を払拭し、報連相を受ける姿勢・態度を見直すことが必要です。

「上司に嫌な顔をされるから、報連相に抵抗がある」や、「上司に叱られるから、報連相をしない」など報連相をすること自体に苦手意識がある場合は、スキルの習得ではなく、報連相をするマインド醸成が必要です。報連相をすることの大切さや、報連相を受ける方法、そして上司との関係性の改善のための研修を受ける必要があります。部下の課題感にあわせて、研修を実施するのが良いでしょう。具体的には、下記のようにまとめることができます。

課題 研修テーマ 身に付ける知識・スキル
上司からのフィードバックの受け方が分からない場合 上司との協働体感 上司からフィードバックを受けるためのスキルを習得していく必要があります。
コロナ禍になり、アルバイト経験などが少ない新入社員は、年長者からのフィードバックが以前より少なくなっており、フィードバック慣れしていないためです。
フィーバックの知識から、受ける姿勢と活かし方を身に付けていくことが必要です。
上司とのコミュニケーションが苦手な場合 巻き込み力 上司を巻き込むことによって、仕事をすることで成果物がより良くなる体験をすることが必要です。
言われたことをただやるでは、仕事は面白くありませんし、報連相も面倒になります。
上司を巻き込むために、上司との共創・協働への意識・行動を高めていくことが必要です。
上司との価値観が合わず、関係性が良くない場合 関係性構築 上司との関係性を高めていくことで、報連相を行いやすくします。
報連相のスキルを習得しても、上司に対して苦手意識や拒絶観がある場合は、法蓮の頻度も質も下がります。
上司との関係性を高めるために、「関係性構築の重要性」や、「多様な価値観があるという前提」を理解し、「関係性構築を行う」スキルを身に付ける必要があります。

このように、部下が上司に報連相をすることに苦手意識がある場合は、報連相への苦手意識を払拭し、報連相を受ける姿勢・態度を見直すことが必要です。

④ 上司が部下から報連相を受ける際の態度に問題がある

上司が部下から報連相を受ける際の態度に問題がある場合は、報連相を阻害している自身の態度・姿勢を改めることが必要です。

上司の報連相を受けるスキルの問題ではなく、「自身がイライラしている」や、「部下を詰めてしまう」などの報連相を受ける際の態度に問題がある場合は、スキルの習得ではなく、報連相を受ける側のマインド醸成が必要です。
上司の態度や姿勢が、部下に与える影響がどれだけ大きいかを知り、部下が安心して報連相できる環境を創る必要があるためです。

具体的には、心理的安全の創り方を学ぶ必要があります。
この時に、心理的安全性はチームで創るものになるため、管理職としては心理的安全性への知識・創り方を学ぶことは当然ですが、心理的安全性に影響力の高い心理的柔軟性という個人の能力を高めていく必要があります。

【参考】心理的安全性と心理的柔軟性の違い
※ 当社心理的安全性の高い場を創るワークショップのテキストより抜粋

定義 概念
心理的安全性 メンバー同士が自然体で、恐れることなく意見を伝え合い、より良くするための意識行動ができる状態 チームの状態を表すもの
心理的柔軟性 自身の大切な価値基準に基づいて、今できることに対して、最大限の注意を払い、行動を取ること 個人の能力を表すもの

このように、上司が部下から報連相を受ける際の態度に問題がある場合は、報連相を阻害している自身の態度・姿勢を改めるための機会を創ることが必要です。

⑤ (参考)部門間の報連相(情報共有)がスムーズではないに関して

部門間の報連相(情報共有)がスムーズではない場合は、縄張り意識を払拭し、仕組やルールに落としていくことが必要です。

組織が縦割りで、縄張り意識が強い場合は、部門間・部署間の情報共有が弱くなります。会議体での情報共有のみになる傾向があり、日頃のコミュニケーションである報連相が活発化されません。部門間の壁を取り除き、仕組み・ルールに落としていく必要があります。
研修というより、部門間の関係性を良くするワークショップや、情報共有・報連相のルールや仕組みを創っていくとよいでしょう。一章では、課題別の報連相研修に関して、説明していきました。

課題 報連相を強化するための
研修の内容例
抑えなければいけないポイント
部下が報連相を行うスキルが身に付いていない ビジネススキル
ロジカルシンキング
ドキュメンテーション
意思発信
受講対象者のレベルに応じて伝えるスキルと、情報を整理するスキルが必要
上司が報連相を受けるスキルがない 部下育成 報連相の仕方を教えるスキルと、部下の話を傾聴のスキル、フィードバックするスキルが必要
部下が上司に報連相をすることに苦手意識がある 上司との協働体感
巻き込み力
関係性構築
報連相への苦手意識を払拭し、報連相を受ける姿勢・態度を見直すことが必要
上司が部下から報連相を受ける際の態度に問題がある 心理的安全 報連相を阻害している自身の態度・姿勢を改めることが必要
(参考)部門間の報連相(情報共有)がスムーズではない ・部門間の関係性構築
意思発信
・情報共有の仕組化
縄張り意識を払拭し、仕組やルールに落としていくことが必要

二章では、具体的な研修のイメージを持っていただくために、報連相を強化するための研修事例をお伝えしていきます。自組織にとって、課題と捉えた研修内容の事例を見ていただくといいでしょう。

2)【課題別】報連相研修の事例

報連相を強化するための研修事例として、下記内容をお伝えしていきます。

研修内容 研修 事例内容
部下が報連相を行うスキルが身に付いていない ビジネススキル 新入社員導入研修として、実施。公開講座
ロジカルシンキング 3年目社員フォロー研修として、実施。派遣型研修(IT保守運用 : 1,500名規模)
ドキュメンテーション 3年目社員フォロー研修として、実施。派遣型研修(IT保守運用 : 1,500名規模)
意思発信 若手社員フォロー研修として、実施。派遣型(乳幼児用品メーカー : 300名規模)
上司が報連相を受けるスキルがない 部下育成 管理職・トレーナーに、実施。派遣型(不動産 : 100名規模)
部下が上司に報連相をすることに苦手意識がある 上司との協働体感 新入社員導入研修として、実施。派遣型(地方銀行 : 2,500名規模)
巻き込み力 新入社員配属前研修として、実施。派遣型(IT保守運用 : 2,500名規模)
関係性構築 新入社員フォロー研修として、実施。公開講座
上司が部下から報連相を受ける際の態度に問題がある 心理的安全 管理職研修として、実施。派遣型(Webサービス : 150名規模)
(参考)部門間の報連相(情報共有)がスムーズではない 部門間の関係性構築 全社員研修として、実施。派遣型(プロスポーツ運営 : 150名程度)
情報共有の仕組化 コンサルティングとして、実施。派遣型(食品メーカー : 150名程度)

事例1:部下が報連相を行うスキルが身に付いていない

項目 詳細
実施方法 公開講座
規模 1クラス平均5~8社程度の企業が参加
対象・実施時期 新入社員・4月
目的 新入社員導入研修として、報連相の基礎を学ぶ
研修内容 ビジネススキル研修
得られた効果 報連相の考え方や、スキルを習得する

新入社員の導入研修として、導入するクライアントが多いです。
ベーシックなビジネススキルとして、報連相を学びます。当社の公開講座を利用されるお客様においては、「例年ビジネスマナーのみ研修しか行っていなかったが、コロナ禍になり始めにしっかりビジネススキルも学ばせたい」という声もあります。

派遣型では、新入社員研修の中盤で学ぶことが多いです。専門スキルの合間に入れて、研修内容の飽きがこないように設計しているクライアントも多いです。コロナ禍で変わったこともそうですが、コロナ禍に関わらず必要な報連相スキルを学ぶ必要があります。

【参考】当社ビジネススキル研修の報連相のパートのテキストを一部抜粋

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項目 詳細
業種 IT保守運用サービス
企業規模 1,500名程度
対象・実施時期 2年目社員・10月
目的 顧客への提案力向上のため、報連相時・商談時のコミュニケーション力の向上
研修内容 ロジカルシンキング、ドキュメンテーション
得られた効果 社内レポートにおいて、顧客への提案内容が増えた

本事例では課題意識として、「言われたことは一生懸命行うが、+αができない」という状況でした。2年目社員研修としてロジカルシンキング研修・ドキュメンテーション研修を2日間実施しました。結果として、「社内レポートにおいて、顧客への提案が増えた」という変化がありました。今までは、社内レポートにおいて、顧客への提案は全くなかった状況だったので、大きな変化でした。顧客への提案機会を通して、上司への報連相も増えたそうです。

【ストーリー】
「言われたことは一生懸命行うが、+αができない。もう一皮むけてほしい」というご相談から始まります。毎年、20名前後の新入社員を採用するが、職種がエンジニアのため、大人しい社員が多いとのことでした。

さらにお話を聴くと、「真面目だし、大きな問題も起こさない。ただ本当に言われたことしかしない。仕事が楽しそうには見えない」ということであったため、下記のポイントを大切にしていきました。

・真面目さ、一生懸命さは、長所として扱う
・顧客や上司と一緒に仕事をする楽しさを知る
・顧客や上司と一緒に仕事をするためのスキルを学ぶ

上記の内容をもとに、実践的な研修を行う「ロジカルシンキング研修ドキュメンテーション研修」を、2日間の研修を通して、学んでいきます。

【参考】ロジカルシンキング研修ドキュメンテーション研修の上司役の講師への報連相風景
 上司への報連相

【参考】ロジカルシンキング研修ドキュメンテーション研修のワーク内容を一部抜粋

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項目 詳細
業種 乳幼児用品メーカー
企業規模 300名程度
対象・実施時期 若手社員・2月
目的 上司や顧客とのコミュニケーションにおいて、一つ上のレベルを目指す
研修内容 意思発信
得られた効果 幹部社員へのプレゼンテーションの内容が高評価

「中堅社員になっていくためにも、自分の意思をもっと周りに発信してほしい」というご要望がありました。

本事例では、半年間における若手社員の育成プログラムの一つの研修として、意思発信力を養う研修を行いました。若手社員の育成プログラムの最後に、経営陣への自組織の課題を解決するためのプレゼンテーションを行います。研修終了後に経営陣から人事メンバーに対して、「今年の新入社員は、自身の想いをちゃんと伝えてくれた。また上司をはじめ、現場ともしっかりコミュニケーションが取れていて素晴らしい」との話だったそうです。

本研修の最終プレゼンテーションの準備段階においても、上司や現場のメンバーに対して、しっかりとした報連相を行っていただいていたようです。

【ストーリー】
数年に一度若手社員研修を行うが、経営陣から英語などのスキル習得は真面目だが、自分の意思を出さないという話があり、当社へご相談がありました。さらにお話を聴くと、「最後プレゼンテーションに対して、毎回物足りなさを感じている」ということでした。ただ、企画時に経営陣のプレゼンテーションでの発表における物足りなさを解消するのは表面的だと考えました。

若手社員が現場で自身の意思を発信して、会社をより良くしていく内容の企画を支援するための研修を企画しました。本研修を通して、若手社員の意思発信の醸成と、いかに現場を巻き込むかということを考えていきました。「意思発信研修」を実施し、現場での上司や仲間とのコミュケーションを活性化させる内容になりました。

若手社員の育成プログラムの実施の際には、当社が開発したバトンメール🄬を活用して、研修での学びを継続し、現場での課題解決を行い、経営陣へのプレゼンテーションに備えました。

【参考】 バトンメール🄬とは

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アフターストーリーとして、経営者へのプレゼンテーションの終了後、経営者からの評価がとても高かったとのことでした。この若手社員研修のプロジェクトを通して、若手社員が自分たちの想いや考えを周りに伝えていいという成功体験をしたというお話でした。

【参考】意思発信ワークショップのテキストを一部抜粋

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事例2:上司が報連相を受けるスキルがない

項目 詳細
業種 不動産
企業規模 100名程度
対象・実施時期 管理職、トレーナー・5月と、7月にフォロー
目的 上司や顧客とのコミュニケーションにおいて、一つ上のレベルを目指す
研修内容 部下育成研修、新入社員・OJTトレーナー合同フォロー研修
得られた効果 配属後4カ月後の状況として、新入社員が前年比5倍の受注

現場の上司や先輩社員が、新入社員を放置し、新入社員の育成に課題を感じて、ご相談がありました。OJTトレーナー研修を実施したところ、新入社員へのフォローが充実し、配属後4カ月後の状況として、新入社員が前年比5倍の受注しました。そして、日ごろから上司・トレーナーのフォローが多くなったという話でした。

【ストーリー】
毎年、新入社員を放置してしまい、育成ができていないという課題がありました。育成ができていないために、新入社員のパフォーマンスが向上せず、受注が低いため改善しなくてはという状態でした。

この企業様は、そもそも新入社員の成長を促すための育成方法の知識がなかったため、上司やトレーナーにOJTトレーナー研修を受講して頂き、基礎的なOJTスキルを学んだ後に、フォローアップ研修では、新入社員との合同研修を行い、お互いの仕事での関わり方を振り返りました。

前年7月の時点では新入社員全体の受注が1社のみでしたが、OJT研修を受講した年は同じく7月時点で5社も受注があったそうです。人事責任者の方も経営陣の方も、新入社員のスキルはすぐに伸びるものではなく、上司やトレーナーのフォローが必要で、日ごろのコミュケーションや報連相を丁寧に扱うことの重要性を理解いただきました。また、育成文化を創る重要性も理解いただき、毎月勉強会が行われるようになったそうです。

【参考】当社OJTトレーナー研修のテキストを一部抜粋

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事例3:部下が上司に報連相をすることに苦手意識がある

項目 詳細
業種 地方銀行
企業規模 2,500名程度
対象・実施時期 新入社員・4月(配属前研修)
目的 上司との関りを通して、自身の成長を体感しながら、成果を出し続ける方法を学ぶ
研修内容 上司との協働体感研修
得られた効果 積極的に上司や先輩社員に働きかけている

本研修の企画時には、「ビジネススキルをただ身に付けるだけではなく、上司やチームとのかかわりを通して、成果を出してほしい」という想いがありました。その想いを形にして、新入社員の立ち上がりを速めるために、上司との協働体感研修を行いました。配属後、新入社員から上司や先輩社員に働きかけるという現場の声があるそうです。

【ストーリー】
「ビジネススキルをただ学ぶだけではなく、より実践的に学んでほしい」、「上司とのかかわりを通して、自身が成長すること、そして成果が高まること」を体感してほしいというお話でした。
実際、研修後の新入社員の声としては、「報連相は簡単なものだと思っていたが、とても難しいものであり、配属前に経験できたことは、本当に良かった」との話もありました。配属後は、積極的に上司・先輩に関わっているというお話が、新入社員本人や現場からもあったそうです。

【参考】当社上司との協働体感研修のテキストを一部抜粋

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項目 詳細
業種 IT保守運用
企業規模 5,000名程度
対象・実施時期 新入社員・6月(配属前研修)
目的 現場の厳しさを乗り越える体験を通して、上司との共創・協働による仕事の仕方を学んでほしい
研修内容 巻き込み力研修
得られた効果 管理職研修内で、今年の新入社員は、積極性があるという発言があり、多くの管理職が同意見だった

本事例では、「想いを持って入社した新入社員が、現場では暗い顔をしていることが多い」ということと、「他のグループ会社と比較しても、離職率が高いという課題もある」という課題意識がありました。そのため、上司との共創・協働を高めるために巻き込み力研修を通して、報連相の力を養いました。

巻き込み力研修を行ったことで、同年の管理職研修では、多くの管理職から、「今年の新入社員は、とても積極性がある」という発言があったそうです。

【ストーリー】
「配属前のキラキラした想いを持った新入社員が、新入社員フォロー研修では、暗い顔をしていることが多い」と、新入社員研修の企画の際に、人材開発チームのみなさんは話されていました。また、「他のグループ会社と比較しても、離職率が高いという課題もある」という話でした。

そして、「以前、現場の厳しさを教える研修を配属前に実施したが、逆に新入社員が萎縮したり、研修への不満が出てしまう。確かに理不尽な研修だったが、現場の厳しさも知ってほしい。どうしたら解決できるのか?」という話があり、当社にご相談がありました。

ご一緒に企画をしていくと、人材開発チームの想いとして、「新入社員は、課題や現場と向き合いながらも、自分を信じて、仕事を楽しんでほしい」とが言語化されました。「課題や現場と向き合いながらも、自分を信じて、仕事を楽しんでいる」という状態になることを願い、配属前に巻き込み力研修を実施しました。そして当初持っていた課題意識へのアプローチの一つの方法として実施されました。

新入社員は、上司役や顧客役の講師に対して、戸惑いを持ちながら、シミュレーションワークを進めていましたが、良い仕事をすることへの意識を持った段階で、研修のワークではなく仕事として捉えて没頭していきました。

二日目には、一日目の成功体験・失敗体験を振り返りを行い、現場でどのように活かすかを考えていきました。新入社員からは、「配属前の今の気持ちは、心配が3割、楽しみが7割」というような声もあり、前向きな発言で溢れていました。人材開発チームからも、「ただキラキラしているのではなく、健全な不安もあり、あとは現場で頑張ってほしい」ということでした。

アフターストーリーとして、管理職研修での部下育成の対話があったそうです。
「管理職研修内で、今年の新入社員は、積極性がある」という発言があり、他の管理職からも、「確かに、率先して先輩社員の手伝いをしている」や、「お客様からサンクスメールをもらった新入社員もいる」という話でした。

【参考】 当社巻き込み力研修のテキストを一部抜粋

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項目 詳細
実施方法 公開講座
規模 1クラス平均5~8社程度の企業が参加
対象・実施時期 新入社員、若手社員・6月
目的 自身のあり方を見つめ、関係者とのコミュニケーションをより円滑にする方法を学びます
研修内容 関係性構築
得られた効果 (参加企業から)上司の話を聴く態度が変わった

新入社員・若手社員のフォロー研修として、導入するクライアントが多いです。
周囲との関係性の重要性を学び、上司や周りとのコミュニケーションに課題を感じるケースに受講されるお客様が多いです。当社の公開講座を利用されたお客様からは、「新入社員Aは、上司に対して、強い苦手意識を持っていた報連相がとても少なかった。研修終了後に、人事との1on1でさまざまな価値観の人がいるので、無理だではなく、上司のことを少しでも理解しようと思う」という発言があったとのことでした。報連相も以前よりは増え始めたとのことでした。

【参考】 派遣型の導入に関して
派遣型では、報連相への問題意識より、「多様性という言葉を権利に使うのではなく、まず自身を見つめて、周りにどのように働きかけるか」などで活用されるケースも多くなっています。

【参考】 当社関係性構築力研修のテキストを一部抜粋

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事例4:上司が部下から報連相を受ける際の態度に問題がある

項目 詳細
業種 Webサービス
企業規模 150名程度
対象・実施時期 マネージャー・9月
目的 管理職のリーダーシップ開発の一つとして、実施
研修内容 心理的安全性
得られた効果 「1on1の質が変わった」や、「スラックが活性化した」などの変化が見られた

M&A後、部門間の壁はより大きくなり、縄張り争いも多い状態でした。ギスギスした状況が生まれ、上司部下の関係性もよくないという課題意識がありました。そのような中、強い組織にしていくキーパーソンは、マネージャーだと経営陣が判断し、2年間にわたる管理職のリーダーシップ開発を実施しました。その中の一つのセッションとして、心理的安全性を扱っていきます。

心理的安全性の研修終了後の管理職のレポートでは、報連相や1on1、会議の際に心理的安全を大切にするように心がけているというコメントや、チームのスラックで積極的に話しかけているなどのコメントがあったそうです。企画側である人事からも、「1on1の質が変わった」という話を聴くとのことでした。

【ストーリー】
M&A後、部門間の壁は多くなり、吸収した側・吸収された側の意識も強く、社内の関係性が良いという状況ではありませんでした。「マネージャー同士、連携して仕事をしてほしいのですが、最低限の仕事をして活かせていない」という話もありました。情報共有がされないことによって、ミスやクレームなども発生し、余計な仕事も増えていき、全社員が忙しく、ギスギスした雰囲気になります。上司部下の関係に対しても、悪影響が出ていました。

このような状況を見て、経営陣からは、キーパーソンは、マネージャーだからという話があり、マネージャーのリーダーシップ開発を行うことになります。マネージャーのリーダーシップ開発の一部として、マネージャー同士の関係の質を高めて、心理的安全の場を創り、体感してもらいました。その後、どのように心理的安全性を自チームで創っていくかを学びました。

研修中には、「自身の価値観や考えに囚われ、指示命令が多く、部下の話を聞かない」や「対話という概念がなく、会議でも普段のコミュニケーションでも、議論ばかりになっていた。詰めることも多かった」などの発言がありました。

研修終了後の管理職のレポートでは、認知変容・行動変容が生まれて、心理的安全性、対話という言葉が、社内での共通言語になっていったそうです。

【参考】 当社心理的安全性の高い場を創るワークショップのテキストを一部抜粋

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事例5:(参考)部門間の報連相(情報共有)がスムーズではない

項目 詳細
業種 プロスポーツ運営
企業規模 150名程度
実施時期 3月
目的 部門間の連携と、上司への報連相
研修内容 部門間の関係性構築
得られた効果 横の連携が強化され、ミスが少なくなった。企画の質も上がった

「上司への報連相や、部門間の連携不足で、多くのミスが発生している。自組織のブランドに関わることや、対外的に信用にかかわるようなことも出てきているので、何とかしたい」という相談がありました。

社内での報連相への意識が弱いため、報連相を起点によりよい組織にしていくかを考えるワークショップを行いました。

フォローセッションでは、「公式戦の前の忙しい時期だったけど、忙しい時期だからこそやったほうが良かった」、「他部門と連携を強化すると、こんなにアウトプットの質が変わるのかと体感できた。報連相は侮れない」などの声がありました。

【ストーリー】
報連相のスキルを学ぶ研修をしたところで、ビジネスパーソンしての経験も高いことから、スキル系の研修ではなく、報連相がないことへの危機意識と、報連相を起点にして、組織をよりよくするにはどうしたらいいかを考えていきました。

下記のようなトラブルがあったとのことでしたので、ワークショップ内で社員全体に共有していきました。

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上記以外にも事例などを通して、さまざま報連相ミスによる損害を学び、その後自組織において、素晴らしい報連相は何だろうかと探求し、報連相によって組織がどのように良くなるのかを対話しました。

他部署、上司部下の関係も良くなり、報連相を起点として共有が良くなったとのことでした。今まで起こっていた大きなミスはなくなり、全社員のパフォーマンスも高まり、研修を実施した年は、最下位から優勝争いをするまでになったという話を聞いています。

項目 詳細
業種 食品メーカー
企業規模 200名程度
実施時期 1年間契約(継続中)
目的 レポートライン・ガイドラインの構築
研修内容 組織変革コンサルティング
得られた効果 レポートライン・ガイドラインが策定され、運用中

「経営者や幹部社員の横やりがあり、現場が混乱している」という状況でした。管理職が言っていることと、経営陣が言っていることが違うなども起きていました。レポートライン・ガイドラインを見直し、組織にあった内容にアップデート中です。

【ストーリー】
上意下達の風土で、自身より上の役職者の言うことは絶対という社風です。部下は、上司の正解を探す状況です。経営陣や幹部社員は、自身と向き合い、変わろうとしていますが、社風はなかなか変わらないため、レポートライン・ガイドラインを変更することで、組織を大きく変えることになりました。

現在、スモールスタートで一部門で導入を行い、それをもとにアップデートする予定です。良い傾向として、経営陣・幹部社員・管理職の意識が強く変わり、役割範囲と責任を明確にしたことで、横やりの介入などがなくなって生きているそうです。

10の事例をお伝えしていきましたが、報連相を起点に社員の意識改革も行動変容も行えます。そして組織変革も進んでいきます。上記事例を詳しく知りたい場合は、お気軽にお問い合わせくださいませ。

3)まとめ

本コラムでは、報連相を強化するための研修に関して、お伝えしました。
はじめに、報連相研修では具体的にどのような内容を取り扱うべきなのか、課題別に具体的な研修内容例と抑えなければいけないポイントを説明しました。

課題 報連相を強化するための
研修の内容例
抑えなければいけないポイント
部下が報連相を行うスキルが身に付いていない ビジネススキル
ロジカルシンキング
ドキュメンテーション
意思発信
受講対象者のレベルに応じて伝えるスキルと、情報を整理するスキルが必要
上司が報連相を受けるスキルがない 部下育成 報連相の仕方を教えるスキルと、部下の話を傾聴のスキル、フィードバックするスキルが必要
部下が上司に報連相をすることに苦手意識がある 上司との協働体感
巻き込み力
関係性構築
報連相への苦手意識を払拭し、報連相を受ける姿勢・態度を見直すことが必要
上司が部下から報連相を受ける際の態度に問題がある 心理的安全 報連相を阻害している自身の態度・姿勢を改めることが必要
(参考)部門間の報連相(情報共有)がスムーズではない ・部門間の関係性構築
意思発信
・情報共有の仕組化
縄張り意識を払拭し、仕組やルールに落としていくことが必要

その後に、各課題に沿った事例をお伝えしました。

研修内容 研修 事例内容
部下が報連相を行うスキルが身に付いていない ビジネススキル 新入社員導入研修として、実施。公開講座
ロジカルシンキング 3年目社員フォロー研修として、実施。派遣型研修(IT保守運用 : 1,500名規模)
ドキュメンテーション 3年目社員フォロー研修として、実施。派遣型研修(IT保守運用 : 1,500名規模)
意思発信 若手社員フォロー研修として、実施。派遣型(乳幼児用品メーカー : 300名規模)
上司が報連相を受けるスキルがない 部下育成 管理職・トレーナーに、実施。派遣型(不動産 : 100名規模)
部下が上司に報連相をすることに苦手意識がある 上司との協働体感 新入社員導入研修として、実施。派遣型(地方銀行 : 2,500名規模)
巻き込み力 新入社員配属前研修として、実施。派遣型(IT保守運用 : 2,500名規模)
関係性構築 新入社員フォロー研修として、実施。公開講座
上司が部下から報連相を受ける際の態度に問題がある 心理的安全 管理職研修として、実施。派遣型(Webサービス : 150名規模)
(参考)部門間の報連相(情報共有)がスムーズではない 部門間の関係性構築 全社員研修として、実施。派遣型(プロスポーツ運営 : 150名程度)
情報共有の仕組化 コンサルティングとして、実施。派遣型(食品メーカー : 150名程度)

報連相研修を行うことで、報連相の課題に対してのアプローチが可能になり、それが組織課題の解決にもつながっていきます。報連相研修と言っても、さまざまなアプローチがあるため、組織課題に沿った内容を行うことが必要です。本コラムを通して、自組織に必要な報連相研修が見つかったのであれば、嬉しいです。

組織として、報連相を通して、「素晴らしい情報共有が行われて、成果が上がること」、そして「良好な人間関係が傷けること」を願っています。

報連相研修の企画や実施でご相談があれば、ぜひ当社アーティエンスまでご連絡ください。

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