- [ コラム ]
【巻き込み力研修】若手・新入社員が受け身姿勢から脱却し、成果を最大化するために
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新入社員のコミュニケーション力を研修で高めたい!|目的と効果的な方法
更新日: ー
作成日:2023.1.5
「最近の新入社員は、こちらから聞けば報告してくれるけど、自分からは伝えに来ない」
「指示したことはしっかりやってくれるけど、新入社員からの意見や提案が無い」
新入社員に対して、このようなコミュニケーションのお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
この「コミュニケーション」ですが、新入社員を育成する側だけでなく、新入社員自身も課題を感じていたり、今後より強化していきたい力であると考えています。
リクルートマネジメントソリューションズ社の調査データによると、新入社員の6割以上が「これから身に付けたい・伸ばしたい力」として「コミュニケーション力」を挙げています。
Q:あなたがこれから身につけたい・伸ばしたいと思っている力は何ですか?
(最大3つまでの複数選択/pt=ポイント)
【引用】【調査発表】新入社員意識調査2022|プレスリリース|リクルートマネジメントソリューションズ
コミュニケーションは、仕事に欠かせないスキルです。
コミュニケーション力を身につけることによって他者との認識のズレをなくし、仕事のパフォーマンスとモチベーションにポジティブな影響を与えることができます。
そこで、今回は、新入社員向けのコミュニケーション研修の目的や効果、研修内容についてお伝えします。本コラムを最後までお読みいただくと、自組織の新入社員にとってどのようなコミュニケーション研修を実施したらよいのか理解いただけます。
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目次
1)新入社員に対するコミュニケーション研修の効果とは
新入社員に対するコミュニケーション研修の効果は、他者(コミュニケーションを取っている相手や、関わっている人)との認識のズレをなくし、仕事のパフォーマンスとモチベーションにポジティブな影響を与えることができます。
仕事の全てはコミュニケーションによって成り立っています。コミュニケーション力が高まれば、仕事に関わる社内外の人達との意思疎通がスムーズになります。その結果、仕事のパフォーマンスが上がり、より前向きに業務に取り組めたり、エンゲージメントも高まります。
例えば、会議の議事録作成一つをとっても、「この資料は誰に共有されるのか?」を事前に確認するだけでも、補足情報を書き加えることができるかもしれません。コミュニケーションによって、求められていることを確認し、プラスアルファの提案を行うことが出来たら、周囲にポジティブな影響を与えることになります。
一方、コミュニケーション力が低いと、言われたままをするだけに留まり、ポジティブな影響を周囲に与えることが難しくなります。仕事は期待を超えることを求められているため、このような状態では周囲から評価されることが少なく、新入社員自身の仕事に対するモチベーションにも影響しかねません。
2)新入社員に対するコミュニケーション研修の種類とは
コミュニケーション研修の種類は、大きく2つに分けられます。
・関係性構築を目的としたコミュニケーション研修
・問題解決を目的としたコミュニケーション研修
関係性構築を目的としたコミュニケーション研修
関係性構築を目的としたコミュニケーション研修では、関係性構築の根幹とも言える「自身のあり方」をまずは見つめ、その上で、周囲とのコミュニケーションをより円滑にする方法を学べるとよいでしょう。研修の流れとしては、次のようなイメージです。
② 他者理解:同じ出来事であっても、自分と相手とでは捉え方や認知が異なることを理解し、相手への関心を高める。
③コミュニケーションの技法の習得:相手の立場を尊重しつつも、「聞く」「伝える」の基本スキルを習得する。
単に、③コミュニケーションの技法だけ学んでも、表面的な関係構築に留まってしまいます。自身のあり方や態度を振り返り、自分が大切にしている価値観や考えを把握したり、相手への関心を高めることが、良好な関係構築の第一歩になります。
例えば、当社の関係性構築力研修では、②の他者理解において「判断保留」というワークを行います。判断保留とは、良い悪い・好き嫌いなどの判断を保留して、ありのままに受け止めて観ることです。直観的に決めつけずに、まずはよく周囲を観察したり、傾聴することで、相手への関心が高まります。
※ 当社 関係性構築力研修の一部抜粋
具体的には、他者からの意見をすぐに良い・悪いで判断するのではなく、少し時間をおいて受け止めてみます。そうすると、相手の意見の背景まで考えることができ、「あの人は、〇〇という立場だから、このような意見を言っていたんだな」と理解することができます。一度意見を受け止めることによって、意見の違いを理解しやすくなり、相互理解に繋がります。
その流れで、「アサーティブ」と言われるコミュニケーション技法などの実践的な内容を学んだり、現在感じている周囲とのコミュニケーション上の課題に対する行動指針を策定するワークを実施しています。行動指針では、次のようなアウトプットが出てきます。
問題解決を目的としたコミュニケーション
問題解決を目的としたコミュニケーション研修では、ニーズの把握や要件定義を行い、「相手にわかりやすく伝える」ために必要な考え方と手法を学ぶと良いでしょう。
研修では、相手のニーズの把握や要件定義を認識のズレなく行う手法、そして相手の想い・考えを意識した共感レベルを前提とした伝える能力を高ることが必要になります。分かりやすく伝えることで、相手に肯定的感情を与えることを理解した上で、相手への伝え方として、話す構成と情報を可視化するスキルを学びます。
【問題解決を目的としたコミュニケーション研修で目指す効果】
・ヒアリングスキル、トーキングスキル、アウトプットの手法を知り、実践できる状態になる
・ニーズを深掘りして行動・成果の質を高めようとしている
・周囲とのコミュニケーションを通じて共創を目指す意識を持てている
他社との認識のズレを無くすためのコミュニケーションとしては、次のようなヒアリングスキル・トーキングスキルについて伝えています。
※ 当社 ソリューション提案力研修より一部抜粋
また、わかりやすく「伝える」ことに関しては、なぜ分かりやすく伝えることが大切かを考えて、その後「分かりやすい説明」を意識していく上で大切なことを伝えています。
※ 当社 ソリューション提案力研修より一部抜粋
このように、ニーズの把握や要件定義を行い、「相手にわかりやすく伝える」ために必要な考え方と手法を学ぶことで仕事のパフォーマンスとモチベーションにポジティブな影響を与えることができます。
新入社員に対するコミュニケーション研修については、仕事のパフォーマンスとモチベーションにポジティブな影響を与えるために、関係性構築を目的としたコミュニケーション研修と、問題解決を目的としたコミュニケーション研修を組み入れて設計をすることをお勧めします。
3)新入社員に対するコミュニケーション研修 実施例
当社がお勧めする、新入社員を対象としたコミュニケーション研修の内容と推奨時期をお伝えします。(研修名をクリックいただくと、研修詳細ページがご覧いただけます)
研修目的 | 研修内容 | 当社で対応している研修と推奨時期 |
---|---|---|
上司との協働体験を通して、仕事の品質が上がることを知り、チームで仕事をする当事者意識・主体性を持つことの重要性を学ぶ | ・上司との協働体験し、成功体験を積み重ねる ・自身の当事者意識や主体性を強化する ・経験に対して深く内省を行えるようになる | 上司との協働体感研修 (4月) |
「周囲を巻き込み、成果を出す」楽しさを実感し、自身の強みの活かし方、課題との向き合い方を学ぶ | ・周囲との相互作用によって、自身の成長・成果に繋がることを理解する ・メンタルモデルを広げる ・巻き込み力を強めるネクストアクションを考える | 巻き込み力研修 (5月) |
自身のあり方を見つめ、関係者とのコミュニケーションをより円滑にする方法を学ぶ | ・職場でのコミュニケーションは伝達の手段だけでなく、「関係性」を育む有効な手段であることを認識する ・多様性を受け入れる ・関係性を高めていくためのコミュニケーション手法を学び、体験し、活用できるようにする | 関係性構築力研修 (6月) |
新入社員とトレーナーが、お互いの関係性や成長を通して、育成風土を醸成する一歩を踏み出す | ・振り返りによって成長を実感する ・新入社員とトレーナーの対話を通じて、お互いの理解を深める ・今後の成長について考える | 新入社員・OJTトレーナー合同研修 (9月) |
相手の期待に応えるために“仲間と共にロジックを創る方法”を繰り返し学ぶ | ・ロジカルシンキングの考え方とメリットを理解する ・ロジカルシンキングの型(ロジックツリーとマトリックス)を学び、体験し、活用できるようにする | ロジカルシンキング研修(7月) |
「相手にわかりやすく伝える」ために必要な考え方と手法(可視化すること)を学ぶ | ・分かりやすく伝えることで、相手に肯定的感情を与えることを理解する ・相手に伝える(説明する)際の構成パターンと、方法について学び、体験し、活用できるようにする ・情報を可視化するスキルについて学び、体験し、活用できるようにする | プレゼンテーション研修 (8月) |
顧客・社内の課題を正確に把握し、課題を解決していくために必要なヒアリング・トーキングスキルを実践的に学ぶ | ・ニーズ・課題の深堀りの重要さを理解する ・ヒアリングスキル、トーキングスキルの手法を学び、体験し、活用できるようにする | 問題解決力研修 (11月) |
組織によって状況や課題はそれぞれあるため、一概に今からお伝えする内容がベストとは言えないのですが、参考にはしていただけるかと思います。
研修ごとの実施タイミングは、新入社員や組織の悩みに対応できる時期になっています。当社で実施した調査によると、組織によって配属時期が異なるため、多少のズレはありますが、基本的には以下のようなタイミングで課題や不安を感じていることが分かりました。
このような不安や悩みが起きるタイミングで、研修を実施すると、新入社員が主体的に学ぼうとする姿勢を強められるためお勧めです。上記の内容を参考に、自組織ではどのようなタイミングで、どのようなコミュニケーションに関する課題が起きているのかを明確にすることで、実施時期と内容を決めていくことができます。
4)コミュニケーション研修で新入社員へ伝えた方が良いこと
今の新入社員にコミュニケーション研修で必ず伝えるべきことは、コミュニケーションを向上させることのメリットです。なぜなら、最近の新入社員は何に対しても意味を求めますし、実利主義の傾向が強いためです。コミュニケーションについても、なぜコミュニケーションを取る必要があるのかという意味を求めます。自分にもメリットがあることが分かると、コミュニケーションを取るように行動できるようになります。
最近の新入社員は、今まで育ってきた環境によって、自分が関わりたい人としか関わらないようにすることができていました。そのため、自分と合わない人、関わりたくない人とコミュニケーションを取る機会が少ないまま社会人になっていることが多く、そのような人たちとコミュニケーションを取ることにストレスを抱えることがあります。そのため、特にコミュニケーションを取る必要性を理解してもらう必要があるのです。
コミュニケーションを向上させることのメリットとしては、社内やクライアントとの関係性を築くことで、パフォーマンスの向上に繋がることがあります。そのことを新入社員に知ってもらうために、例えば、関係性が築けている営業Aさんと関係性が築けていない営業Bさんのどちらから商品を買いたいと思うか考えてもらうなどすると、理解してもらいやすくなります。
最近の新入社員は、自分が好きな人(芸能人やYouTuber)が紹介している商品を買いたくなる、ということを経験していると思うので、そのようなことを例にして伝えるとコミュニケーションの大切さが理解できるかと思います。
◆「~べき」など決めつけでコミュニケーションを取らない
多様性や個性を認め合う環境で育ってきた新入社員は、決めつけられることを嫌います。
Z世代で一括りにされて話されることも、個人として見てもらえていないような感じがして嫌だと感じる人もいます。価値観を押し付けるのではなく、お互いの価値観の違いを受け入れたうえでどうしていくかを考えるようにしましょう。
◆プライベートを無理やり話してもらおうとしない
プライベートと仕事は分けたいと考えている新入社員も多く、ズケズケとプライベートのことに踏み込まれると嫌気がする人もいます。
プライベートの話をどれだけ行うのかは、関係性や個々の価値観によるもののため、プライベートのことを話したがらない場合は、そういう人なんだなと受け入れましょう。
◆フィードバックを行う時はポジティブフィードバックを意識する特に最近の新入社員は、コロナ禍でアルバイト活動の減少に伴い、他者からの指摘・叱られる機会が減少していたため、アドバイスのつもりで伝えたフィードバックを重く受け止めすぎてしまう傾向が見られます。
イメージとしては「ポジティブ:ネガティブ=5:1」の割合が良いです。これは、夫婦の離婚率予測で有名なジョン・ゴットマン博士(Dr. John Gottman)が、この割合で互いに関わることが良好な夫婦関係の維持においては非常に重要である、という研究結果を導き出したからです。博士はこの研究結果を基に、リーダーシップやフィードバックの分野においても大きな影響を与えています。無理やり良いことをでっちあげて褒めるのではなく、日々のちょっとしたやり取りをポジティブに行うという意識を持つことがポイントです。
フィードバックについて詳しく知りたい方は、下記のコラムもご覧ください。
新入社員が育つフィードバックとは?基本となる考え方や方法を詳しく解説5)まとめ
今回は、新入社員に向けたコミュニケーション研修の目的や効果、研修内容についてお伝えしました。コミュニケーションは仕事に欠かせないスキルです。コミュニケーション力を身につけることによって他者との認識のズレをなくし、仕事のパフォーマンスとモチベーションにポジティブな影響を与えることができます。
皆さんの新入社員がコミュニケーション研修によってコミュニケーションスキルを与え、仕事のパフォーマンスとモチベーションにポジティブな影響を与えることを願っています。
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