研修・セミナーレポート

2023年5月11日 巻き込み力研修ー公開講座研修レポート

作成日:

アーティエンス株式会社 【公開講座】巻き込み力研修

2023/5/18作成ー

本内容は、2023年5月11日に開催した「巻き込み力研修」の公開講座研修レポートです。
受講内容や、受講前と後の変化などをレポートとしてまとめていますので、ぜひご覧ください。
(参加企業数:4社、参加人数:18名、集合型1クラス)

1)研修の概要・目的・学びのポイント

「周囲を巻き込み、成果を出す」楽しさを実感し、自身の強みの活かし方、課題との向き合い方を学んでいきました。
【公開講座】巻き込み力研修
※当社、新入社員研修ご案内資料より抜粋

当日のアジェンダ

1.イントロダクション
2.商談シミュレーション
3.相互フィードバック
4.​振り返り

2)受講者の研修の始めと終わりでの変化

研修の始めと終わりに、「今日の研修で期待すること」や、「気づき・感想」などを話す時間を設けています。研修の初めと終わりの中で出てきたコメントから、変化を感じることができます。

研修初めのコメント

・他人を巻き込むときに遠慮してしまうことが課題になるのではないかと思う。
遠慮と気遣いのバランスが難しい

・まだ、いまいち巻き込み力のイメージがあまりできていない

・学生時代、部活で部長などをしていたので、巻き込み力はあると思う

・まだ仕事をしているわけではないから巻き込み力の問題意識と言われてもあまりピンとくることがないが、自分は頼ることが苦手なのでそこが問題になるかもしれないなと思う

・自分と他の人と意見が違ったときに、どう折衷案を出すかが難しそうだなと思う

受講生の様子
※ 研修でのグループワークの様子

研修終了時のコメント

・巻き込み力とは、まずは相手の利益のことを考えないといけないと思った

・共創を大切にすることで、巻き込み力は養われていくことを知った

・ただの伝書鳩は、巻き込み力でも何でもないし、やりがいもない。自分の意見を持ちながらも、相手のことを考えて、仕事を行っていきたい

・自分に自惚れていたなと感じた

・自分たちが知りたいという理由でした質問が、相手にとって負担になる時もあることを知った

シミュレーションワークを進める中で、様々な意見を出し合い、仕事を進めようとしている様子が見られました。人を巻き込んで仕事をするとは、どういうことかを体感することができているようでした。

3)研修内容

イントロダクション

周りを巻き込むために必要な共創についてお伝えしました。当社が考える共創の定義は以下の内容です。
共創とは
共創を強めていくためには、自分本位の枠に止まるのではなく、枠組みを広げていく意識が必要になります。
共創とは
※当社、巻き込み力研修テキストより抜粋

商談シミュレーション​​

チームで新サービスの提案書を作成し、顧客から受注を勝ち取る商談シミュレーションを行いました。
上司役の講師と、お客様役の講師の2名体制で実施し、顧客への訪問と上司への報連相を何度も行います。上司・お客様ともに、期待を超えて満足、そして感動レベルまでを目指します。
共創とは
※当社、巻き込み力研修テキストより抜粋

ワークを始める前にチームの「スローガン」を創りました。
受講生の様子
※ 研修でのグループワークの様子

Aチーム

「上司・顧客とのコミュニケーションをとって顧客感動を得る」

相手との共通認識を得るためにコミュニケーションをとりながら進めていきたいと考えた。

(講師コメント)
顧客満足の上に顧客感動があります。顧客に感動してもらえるレベルになるとファン化し、簡単に関係性が崩れるということがなくなります。

Bチーム

「One Team」

自分たちのチームメンバーと上司を含めてお客さんも一緒にチームとなって進めていきたいという思いを込めた。

(講師コメント)
自分たちだけでなく、上司やお客さんとチームになるということが良いなと思いました。まさに共創ですね。

Cチーム

「安心感のあるチームワーク」

お客さんからしたら初めての人とのやり取りとなるので安心感が大切だと思う。あとは、上司から見て自分たちが安心できる存在になりたい。安心感があることで一緒に仕事をしたいと思ってもらいたい。

(講師コメント)
心理的安全性という言葉があります。心理的安全性とは、「メンバー同士が自然体で、恐れることなく意見を伝えあい、よりよくするための意識行動ができる状態」です。心理的安全性があると、安心感を持って仕事を行うことができます。

Dチーム

「主体性と創意工夫でお客様の期待を超える」

一人一人が主体的に動ける場所を作れるように仕事をしたい。そしてお客様の期待を越えられるような仕事をしたい。

(講師コメント)
主体性がないと良いアウトプットになっていかないので、主体性というところをポイントにしたのが良いなと思いました。

Eチーム

「きょうそう(競争と共創)」

他グループに勝って受注するぞ!という競い合いの競争と、一緒に進めるという共創を両立したいと思ってつけた。

(講師コメント)
競争と共創が両方ないと市場で生き残っていけません。ただ、共創が主、競争が従のバランスにしないと焼け野原になってしまうので注意が必要です。

Fチーム

「顧客上司メンバーとコミュニケーションをとり、それぞれが主体的に動く」

コミュニケーションをとることでお客様が何を求めているのかを理解して提案することが必要だと感じたため、この内容にした。

(講師コメント)
顧客上司メンバーとコミュニケーションという表現が、チームとして当事者意識を含めた内容になっていることが良いなと思いました。

(参考)当事者意識と主体性の関係
当事者意識
当事者意識
※当社、人事向け勉強会の資料より抜粋

より良い提案をするために、チームメンバーと上司を巻き込んで、進めていきます。
受講生の様子
※左:上司への報告の様子、右:クライアントへの提案の様子
受講生の様子
※ 研修でのグループワークの様子

午前の状態をみると、上司への報連相を積極的に行い、上司の力を借りながら提案をするための情報収集やクライアントへの提案の仕方を改善できていました。ただし、行動力が足りていないということがありました。クライアントへの提案機会が少なかったため、上司役の講師より、午後のはじめに行動力についてフィードバックを行い、シミュレーションワークを再開しました。

行動力についてのフィードバックを受けて、全チームが、午前以上に上司やクライアントとコミュニケーションをとる機会を作れていました。

最終的なアウトプットは以下のようになりました。
クライアントが選ぶ優勝はCチーム、上司が部下にしたいチームはDチームとなりました。

Aチーム

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(クライアントからのコメント)

良かった点

・訪問した時に目的と内容を伝えてから本題に入ってくれたので、準備ができてありがたかった
・紙に書いてプランを提示してくれたので、スムーズに理解ができた

改善点

・初回の訪問の時に何も質問がなく、自社商品のアピールのみで押し売りされているように感じ、残念だった
・仕事を前に進めるために、訪問で何をしたらいいのかを考えて行動できるとよかった

(上司からのコメント)
・報連相に来てくれても一問一答になってしまっていて、一緒に作っている感じがしなかった
・上司やお客様と一緒に作っていくことを意識してほしい

Bチーム

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(クライアントからのコメント)

良かった点

・クライアントのターゲットについて、仮説を持ってきてくれた上で一緒に考えてくれたことで、一緒に考えていきたいと前向きな姿勢になれた

改善点

・質問が多くて一方的に質問ばかりされるなという印象があり、クライアントとして負担感があった
・インタラクティブに会話ができるとよかった

(上司からのコメント)
・一緒に考えてくれた感覚があった
・マーケティングのSTPについても考えてくれてすごいなと思った
・最後の5分まで訪問に行って、より良くしたいという思いを感じた
・1人の方がチームの外に出ている印象があったので、3人で進めてくれると良かった

Cチーム

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(クライアントからのコメント)

良かった点

・2回目の訪問が早く、課題に対してレスポンスが早かったので安心できた
・質問の意図を伝えてくれたことで、何を考えてくれていることが、わかってよかった
・要件定義のフレームワークを用いてすり合わせてくれて、わかりやすかった
・率直にどう思いますか、とクライアントの意見を汲み取ってくれた
・インタラクティブな会話ができた

改善点

・Whyをもっと深掘りしてもらえると、よりクライアントが納得できる提案ができたのではないかと思う

(上司からのコメント)
・アウトプットをよりよくしていく姿勢があり、上司と共創で来ていた
・(さらに良くするために)上司の意見を素直に受け入れていたが、もっと上司に踏み込んだディスカッションをしてもいい

Dチーム

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(クライアントからのコメント)

良かった点

・クライアントからの宿題を明確に握って次に活かしてくれた
・未来を考えたメリットを持ってきてくれたので、提案の内容に対してやってみてもいいかもと思った
・クライアントのターゲットをより広げていく提案が嬉しかった

改善点

・細かい数値を質問してくれたのはありがたかったが、ストレスに感じてしまった
・思いを交えて質問してくれたら話しやすかったと思う

(上司からのコメント)
・3人が一緒の方向性を向けていて、かつ上司とも一緒に仕事を進められていると感じた
・自分の意見を持って、上司と意見を戦わせる、ということをしてくれたのもよかった。ただ、上司との関係性が作られていないと問題になるため、関係性をつくった上で自分の意見を伝えられるようにしてほしい

Eチーム

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(クライアントからのコメント)

良かった点

・実績を上司に確認して初回の訪問で提示してくれた

改善点

・訪問に着てくれた時に一問一答になっていて、共創が少なく距離を感じたので、インタラクティブに話し合いができるとよかった
・値下げの話を主張するのではなく、効果のところに注力して欲しかった

(上司からのコメント)
・あまり報連相に来てくれなかったので、上司として疎外感を感じた
・上司を使い倒すくらい報連相にきてくれると嬉しい

Fチーム

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(クライアントからのコメント)

良かった点

・最初から深い内容を話せた。決済者の思いも確認してくれたのがすごいと思う
・インタラクティブに話ができた

改善点

・前提が抜けてクライアントに話しているところがあって、齟齬が生まれてしまっていたところがあった
・認識があっているかの確認を行えるとよかった

(上司からのコメント)
・4月の研修で学んだことを活かせていた
・メンバー間での共創ができていなかったのが残念

仕事の満足度は、期待レベル<満足レベル<感動レベルにレベル分けすることができます。
上司やクライアントにとって、CチームとDチームは感動レベルになっていたと思います。

ただし、例年に比べると訪問数が少なかったです。そのため、巻き込む力を大切にして共創を大切にしていただきたい、というメッセージをお伝えしました。

相互フィードバック​

各個人がチームメンバーの良かった点・改善点を考え、フィードバックしあいました。
受講生の様子
※ 研修でのグループワークの様子

当社が考えるフィードバックの定義は、以下の通りです。
フィードバックの定義
お互いに自分の持っていないところをリスペクトし、愛情のある改善ポイントを伝えていました。受け取った付箋を「いいプレゼントをもらった」と仰っていた方がいたのが印象的でした。

4)受講生のアンケートのコメント

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5)講師・アテンド所感

今回は、「周囲を巻き込み、成果を出す」楽しさを実感し、自身の強みの活かし方、課題との向き合い方を学ぶことを目的に実施しました。

この研修は、商談シミュレーションのワークを約5時間行います。巻き込み力は頭で理解するのではなく、実際に体感することが必要になるためです。リアルな業務を想定したワークを進める中で、どのように周囲を巻き込み、クライアントに満足してもらえる仕事を行うのかを学びます。

中には、うまく周りの人を巻き込むことができずに、チーム内だけで解決しようとしていたチームもありました。しかし、フィードバックで、共創している感じが弱かった、という言葉を受けて、共創の大切さと、共創することでアウトプットの質もよくなることを体感していただけていました。

上司やクライアントを巻き込むとどんなことが起きるのか、巻き込むときにどんなことを意識すればいいのかを、体感することで深く理解できていたように感じます。

新入社員の皆さんには、自利から利他に意識を向けられるようにして、共創の考えを大切にしてほしいです。今日学んだことを意識して仕事をすることで、お客様にとって良い支援ができるようになります。そして、やがてそれが自分に帰ってくることになります。大変なことも多いと思いますが、1年目は失敗する期間なので、学んだことを活かして頑張ってほしいです。

※本研修の内容及び23年度新入社員研修のご案内資料は、下記よりダウンロードいただけます。 研修の詳細について詳しく説明しておりますので、ぜひダウンロードください。5月以降も、新入社員がその時期によって持つ悩みに即した研修を提供していますので、よければご利用くださいませ。

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