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[ コラム ]
やらされ感をなくす!管理職の目標設定で納得と行動を生む5ステップ【ダウンロード資料あり】
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新任管理職をプレイヤーからマネージャーへ転換!6つの心構えと7つのスキル
「新任管理職として任命したものの、具体的に何を求めればいいのか明確にできていない」
「プレイヤーとしては優秀だったのに、チームパフォーマンスが上がらず、マネジメントが機能していない気がする…」
人事や経営層から、こうした声を伺うことは少なくありません。
これは、プレイヤーからマネジメントへの転換ができていないことが原因です。
管理職としての心構えやスキルが不足したまま任せてしまうと、本人だけでなくチーム全体に混乱を生むこともあります。
そこで本コラムでは、新任管理職が役割を果たし、早期にチームを軌道に乗せるために必要な「6つの心構え」と「7つのスキル」を整理してご紹介します。
この記事を読むことで、
・新任管理職に何を求めるべきか
・どのように育成を設計すべきか
・どこに失敗リスクが潜んでいるのか が明確になります。
本コラムの内容を参考に、新任管理職が管理職として素晴らしいスタートダッシュを切り、経営層からも期待される状態を作っていきましょう。
新任管理職への研修をご検討中の方は、下記のコラムもご覧ください。
新任管理職研修で差をつける!これだけは押さえたい3つの秘訣
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大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。
目次
1)新任管理職が最初に身につけたい6つの「心構え」
新任管理職に伝えたい、管理職としての心構えを6つに整理して紹介します。

① 新任管理職として「組織の成長」を見据える
新任管理職にまず持ってほしいのは、「組織全体の成長」を見据えて行動する視点です。
組織の方向性と一貫した仕事ができているほど、持続的な成功につながるためです。
組織のニーズに合わせて戦略を検討し、市場の変化に柔軟に対応することで、組織の成長を後押しできます。また、その過程で社員育成の重要性や自身のリーダーシップの役割にも気づけます。
一方で、この視点が欠けている管理職は、組織の競争力を損ないやすくなります。
例えば、自部署の業務だけに集中し、全社戦略やビジョンを無視すると、部門間の連携や情報共有が滞ります。その結果、業務効率が下がり、新たなビジネスチャンスも生まれにくくなります。
また、戦略的な計画や改善活動を怠り、業界のトレンドを把握しないまま旧来の方法に固執すると、新しいビジネスモデルやテクノロジーの導入が遅れ、競争力を失うリスクも高まります。
このように、組織の成長と競争力を維持するため、新任管理職には組織全体の長期的な発展を見据えた戦略的な視点が求められます。
② 部下やチームの成長にコミットする
新任管理職に必ず持ってほしいのが、部下やチームの成長にコミットする姿勢です。
部下の成長が促されるほど、モチベーションが高まり、能力が最大限に発揮され、結果として組織全体のパフォーマンス向上につながるためです。
一方で、この視点を欠いた管理職は、チームのモチベーション低下や成果の悪化を招きやすくなります。
例えば、業務遂行だけを重視し、部下の成長機会を提供しない状態が続くと、部下はスキルアップやキャリア形成の実感を得られず、仕事への意欲が低下します。その結果、業務の質・量の両面でパフォーマンスが下がってしまいます。
さらに、成長の機会が乏しい環境では、優秀な人材ほど離職を考えやすくなります。キャリア成長を感じられない場合、人材はより成長できる職場を求めて転職を検討するためです。
これが続くと、人材の定着率が下がり、組織の安定性や中長期的な成長にも悪影響が及びます。
このように、部下やチームの成長に目を向けることは、組織全体の成長を後押しするために欠かせない管理職の心構えです。
部下と共に学び続ける
新任管理職に欠かせない心構えのひとつが、部下と共に学び続ける姿勢です。
現代のビジネス環境は変化のスピードが速く、新しい知識やスキルを学び続けることが、チームとして成果を出し続けるために不可欠だからです。
チームとして何ができるのかをメンバーと一緒に考え、共に学びながら前進していくことで、チームの関係性も成果の質も大きく高まります。
一方で、管理職が学びを止めてしまうと、組織やチームには次のような悪影響が生じます。
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【知識の陳腐化】 【チームのモチベーション低下】 【競争力の喪失】 【イノベーションの欠如】 |
このような状態が続くと、チームの成長が止まるだけでなく、組織の存続にも関わる深刻な問題につながります。
そのため、新任管理職には部下と共に学び続ける姿勢が不可欠です。学ぶ姿勢こそが、チームの結束と成果を生み出す土台になります。
④ 責任を背負い、自分で判断する
新任管理職に欠かせない心構えが、責任を背負い、自分で判断する姿勢です。
自ら判断できない状態では仕事のスピードが落ち、変化の早い時代に対応できなくなるためです。
もし管理職が責任を避け、何かあるたびに上司へ確認し続けてしまうと、仕事は前に進みません。
また、責任を取らずに「上司がこう言ったから」「メンバーがこうしたから」と他責にしてしまうと、メンバーからの信頼は失われ、新しい挑戦も生まれにくくなります。失敗したときに叱責されると感じれば、誰も前向きに行動できなくなるためです。
さらに、責任を引き受ける姿勢がない管理職は、自分で考えずに経営からの指示をそのまま受け入れ、無理のある方針をメンバーに押し付けてしまう恐れもあります。
そして、問題が起これば「メンバーが〜だったから」と経営に報告するような状況になり、チームの信頼関係は崩れてしまいます。
このような状態が続けば、組織の成長は確実に妨げられます。だからこそ、新任管理職には「責任を背負い、自分で判断する覚悟」が必要なのです。
⑤ 自分のリーダーシップを客観視する
新任管理職に欠かせない心構えのひとつが、自分のリーダーシップを客観視し、自己認知を深めることです。
自己認知が高いほど、自分の強みや成長すべき点を正しく把握でき、効果的なリーダーシップを発揮できるためです。
一方で、自己認知が不足していると、「自分ではうまくリーダーシップを発揮しているつもり」でも、実際にはメンバーとのコミュニケーションが噛み合わない、という状況に陥りやすくなります。
また、自身のスタイルや強み・弱みを理解していないと、適切な役割分担ができず、結果としてアウトプットの質が落ち、メンバーも生き生きと働けません。
このような状態を避けるためにも、自分のリーダーシップスタイルを理解し、定期的に見直すことが重要です。
自己認知が深まるほど、メンバーとのコミュニケーションが円滑になり、チーム運営の質も高まっていきます。
【参考コラム】メンバーの力を引き出す!管理職研修でリーダーシップを磨く方法
⑥ ストレスを自分でコントロールする
新任管理職にぜひ身につけてもらいたいのが、ストレスを自分でコントロールする力です。
管理職は多忙さやプレッシャーにさらされる場面が増えるため、ストレスを適切に扱えるかどうかが、健全な判断力やリーダーシップの質を左右するためです。
一方で、ストレスコントロールができていない管理職は、イライラや不安をそのまま表に出してしまいがちです。
その影響はチームにも広がり、コミュニケーションがぎくしゃくしたり、メンバーが緊張やストレスを抱えて働きにくくなったりと、職場環境の悪化につながります。
さらに、強いストレスを抱えたまま業務を続けると、判断力・集中力の低下から仕事の品質が落ちるだけでなく、心身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
このように、管理職がストレスを適切にコントロールできることは、本人の健康だけでなく、チーム全体の仕事の質にも直結する重要な心構えです。
組織の成長に繋げるためにも、このような6つの心構えを新任管理職に持ってもらうことが必要です。
【関連コラム】管理職研修の必要性を見極める軸と、実施を妨げる要因への対策を紹介
2)新任管理職の心構えを“実践”に変えるための7つのスキル
新任管理職が管理職の心構えを仕事に落とし込む際に必要なスキルを7つ紹介します。

① 心構えを形にする「目標設定・管理力」
新任管理職には、メンバーが前向きに目標へ取り組める状態をつくるために、目標設定・管理のスキルが不可欠です。
適切に設定された目標は、メンバーの納得感やモチベーションを高め、主体的な行動を促す土台となるためです。
そのためには、目標の意義やレベル感の揃え方、進捗管理の考え方など、メンバーが動きやすくなる“目標づくりの基本”を理解する必要があります。
例えばアーティエンスの管理職のための目標設定・管理研修では、目標設定のプロセスや、目標達成へメンバーを動機づける仕組みづくりをワーク形式で学びます。
このようなスキルを身につけることで、メンバーは目標の意義を理解しやすくなり、主体性と当事者意識を持って仕事に取り組めるようになります。その結果、目標達成へのコミットメントが高まり、チーム全体のパフォーマンス向上にもつながります。
心構えを行動に変えるためにも、新任管理職には目標設定・管理力を身につけ、メンバーが自ら動きたくなる環境を整えることが重要です。
② 成長を支える「評価・育成スキル」
新任管理職は、メンバーの成長を促すために、評価と育成のスキルが不可欠です。
適切な評価と育成は、メンバーの成長を促し、その成長がチームや組織全体の成果につながっていくためです。
そのためには、評価の目的を理解し、育成につながるフィードバックや指導の考え方を押さえたうえで、メンバーが成長しやすい関わり方を実践できるようになる必要があります。
アーティエンスでは、評価を次のように理解しています。
この考えのもと、例えば、アーティエンスの管理職基礎研修では、評価の基本的な考え方を学び、評価を育成につなげるための関わり方をワーク形式で習得します。
【参考:管理職基礎研修のテキストの一部】

また、育成の場面では、ティーチング、フィードバック、コーチングといった手法を使い分けながら、メンバーの成長を支援する方法を学びます。
● ティーチング
知識・技術・考え方を伝え、部下の行動を強化する手法です。大切なのは「伝えたか」ではなく「伝わり、行動が変わったか」。一方的に話すのではなく、相手の理解に合わせて伝え方を工夫する必要があります。
ティーチングについて詳しく知りたい方は、具体例でわかる!ティーチングとコーチングの効果的な使い方【DL資料あり】をご覧ください。
● フィードバック
日々の出来事を成長につなげるために、強化点・改善点を伝える手法です。
特に大切なのは、
1)課題を明確に把握したうえで、フィードバックができたか
2)部下の行動を(是正し)強化する為の指導方針を取れているか
3)部下がフィードバック内容を納得し、行動するように伝えられるか
の3点です。
若手の中には「フィードバック=否定」と受け取る人も多いため、適切な伝え方を理解しておくことが重要です。
フィードバックについて詳しく知りたい方は、【例文付き】新入社員育成に必須!フィードバックのポイント解説をご覧ください。
● コーチング
双方向の対話を通じて、部下の中にある答えを引き出し、自律性や自走力を育む手法です。「正解を与える」のではなく、「問いかけによって気づきを促す」ことがポイントです。
コーチングについて詳しく知りたい方は、具体例でわかる!ティーチングとコーチングの効果的な使い方【DL資料あり】をご覧ください。
このようなスキルを身につけることで、メンバーの特性や強み・弱みに合わせた指導や評価ができるようになり、チーム全体の成果や業務品質を安定して高めることができます。
心構えを行動に変えるためにも、新任管理職には評価・育成スキルを習得し、メンバーの成長を日常的に支援できる状態をつくることが重要です。
③ チームを機能させる「チームビルディング」
新任管理職には、チームが円滑に機能するためのチームビルディングやモチベーション管理のスキルが必要です。
適切にチームが機能し、メンバーのモチベーションが高い状態であるほど、質の高いアウトプットが生まれるためです。
そのためには、メンバー一人ひとりがリーダーシップを発揮できる状態をつくり、チーム全体で協力しながら成果を出すための土台を整える必要があります。
例えば、アーティエンスの管理職のための全員発揮のリーダーシップ研修では、シェアド・リーダーシップの考え方を学び、管理職としてどのように取り入れ、メンバーへ働きかけていけばよいのかをワーク形式で学習します。
シェアド・リーダーシップとは、その場に最もふさわしいメンバーがリーダーシップを発揮し、他のメンバーがフォロワーとして支えることで、役割が流動的に入れ替わりながら成果を出すリーダーシップのあり方です。
こうした関わり方を取り入れることで、メンバーは互いの強みや可能性を活かし合い、チームとして助け合いながら成果を出せる状態が生まれます。
心構えを行動に変えるためにも、新任管理職にはチームビルディングのスキルを身につけ、メンバー全員が力を発揮できるチームの土台をつくることが重要です。
④ 意図を伝え巻き込む「情報理解・伝達・共有」の力
新任管理職には、必要な情報を正しく理解し、適切に伝達・共有する力が欠かせません。
なぜなら、情報が円滑に共有されないと、チーム内で認識のズレや業務の遅延が生まれ、トラブルにつながる可能性が高まるためです。
そのためには、上位方針をそのまま伝えるのではなく、メンバーが前向きに取り組めるように“意図を理解したうえで言葉を翻訳して伝える”ことが必要になります。また、管理職が情報を伝えたあとには、チーム全体で対話(ダイアログ)を行い、方針の背景や目的への理解を深める場をつくることも重要です。
例えば、経営層から「今年中に売上5,000万円を達成してほしい」と言われたとしても、それをそのままメンバーに伝えるだけではモチベーションにつながりません。
管理職として意図を咀嚼し、「この取り組みがチームにどんな価値を生むのか」「なぜ今これが重要なのか」を言語化して伝える必要があります。
アーティエンスの管理職基礎研修では、対話(ダイアログ)とディスカッションの違いを理解し、実践的に体験する場を設けています。効率を重視する管理職ほど対話は“遠回り”に見えがちですが、実際にはチームの一体感や動機づけを生むために不可欠なプロセスです。
新任管理職は、情報の伝え方・共有の仕方を工夫し、チームを一つにまとめるコミュニケーションを意識することが重要です。
⑤ 権限を活かした「意思決定・決裁」のスキル
新任管理職には、自身に与えられた権限を活かし、意思決定や決裁を行うスキルが欠かせません。
なぜなら、管理職が自分の責任で判断できないと、仕事が前に進まず、チーム全体の生産性が停滞してしまうためです。
そのためには、まず自分に与えられた権限の範囲を正確に理解し、その権限を適切に使って判断できるようになる必要があります。組織によって異なりますが、管理職が担う代表的な権限には以下のようなものがあります。
・部(チーム)の事業計画や予算の決定
・メンバーの業務内容の決定・承認
・部内の会議での意思決定や方針策定
・勤怠(有給・残業など)の承認
・契約・外部発注の承認や決裁 ※ 最終決裁を上位職が担うケースもあります。
さらに、自分の判断に自信を持つためには、複雑な状況を整理し、より良い選択を導く思考力が必要です。
具体的には、システムシンキングで課題の構造をとらえ、問題解決力で真因を探り、ロジカルシンキングで思考を整理して結論を導くといったスキルが求められます。
新任管理職は、これまでよりも重い判断を求められる場面が確実に増えます。
だからこそ、思考を整理し、自信を持って意思決定できるようになることが重要です。権限を的確に活かした判断ができれば、チームはスムーズに前へ進み、成果を生み出せるようになります。
⑥ 過去のやり方を手放す「アンラーニング」のスキル
新任管理職は、これまでの成功体験や固定観念を一度手放し、新しい考え方を受け入れる「アンラーニング」のスキルが欠かせません。
なぜなら、メンバーそれぞれの進め方や発想を受け入れられないと、チームの成長や挑戦の幅を狭めてしまうためです。
アンラーニングとは、過去に培ってきた価値観・知識・スキルを一旦リセットし、今の環境に合った新たな学びを取り入れる姿勢を指します。ビジネス環境の変化が激しい現在、管理職が過去のやり方を手放す姿勢を持てるかどうかは、チームの成長スピードに大きく影響します。
例えばアーティエンスのアンラーニング力向上研修では、深い内省を通じて、自分自身の思い込みや成功体験がどのようにチームへ影響しているかを可視化します。無意識のうちに与えている“よい影響”だけでなく、“成長を阻む影響”にも気づくことで、管理職としての行動をアップデートするきっかけになります。
管理職が過去のやり方に固執せず、チームに合った新しい関わり方へとアップデートできれば、メンバーの挑戦が促され、チーム全体の成長が加速します。
その結果、組織としても継続的な成長が期待できる状態がつくられていきます。アンラーニングは、管理職が時代に合わせて“進化し続ける”ための重要なスキルです。
⑦ メンバーを守る「労務管理・健康管理」のスキル
新任管理職には、メンバーが安心して業務に集中できる状態をつくるための労務管理・健康管理のスキルが欠かせません。
なぜなら、メンバーが心身ともに健全な状態で働けないと、成果だけでなくモチベーションや定着にも大きな影響が出てしまうためです。
そのためには、労務・健康に関する基本的な管理業務を正しく理解し、適切に運用できることが必要です。具体的には以下のような内容が含まれます。
・労働時間や勤務時間の管理
・メンバーの配置・異動の判断と運用
・給与・福利厚生に関する実務(多くは人事と連携)
・安全衛生管理
・ライフイベントに伴う諸手続きのサポート
こうした実務に加えて重要なのは、「メンバーが正直に申請・相談できる関係性」を築くことです。
例えば、過去には「怒られるのが怖い」という理由で、実際より短い労働時間を申請してしまうケースもありました。こうした状態ではメンバーの負荷に気づけず、必要なケアや調整が行えません。
管理職が果たすべき役割は、メンバーが安心して状況を共有できる心理的な安全性を整え、そのうえで適切な労務・健康管理を行うことです。
このスキルが身につくことで、メンバーは安心して働けるようになり、チーム全体のパフォーマンスが向上します。
もし新任管理職に不足していると感じる部分がある場合は、組織として学ぶ機会を提供することも効果的です。社内で難しい場合には、外部研修の活用も検討するとよいでしょう。
下記フォームより、ご紹介した研修の資料を確認することができます。
3)心構えとスキルが不足した新任管理職が陥りがちな5つの失敗
心構えやスキルが不足していると、次のような失敗が起こりやすくなります。
よくあるつまずきパターンを理解し、どこに対策が必要なのかを把握しておきましょう。

「自分の成長・成果」だけを追い求めてしまう
新任管理職が陥りやすい代表的な失敗のひとつが、「自分の成果」に意識が向きすぎてしまうことです。
新任管理職の多くはプレイヤーとして優秀であり、昇進後もその感覚が抜けず、つい「自分が成果を出す」ことに意識が向いてしまうためです。
実際に、チームとして成績1位を目指すあまり、メンバーの理解を得ないまま無理な仕事を依頼したり、管理職であるにもかかわらず自分がプレイヤーとして前線に立ち続けるケースもあります。
しかしこの状態では、メンバーは「任せてもらえない」「フォローしてもらえない」と感じ、管理職への信頼が低下します。その結果、距離ができてチーム運営が難しくなり、マネジメントそのものが機能しなくなってしまいます。
こうした失敗を避けるためにも重要なのは、「自分が活躍する」から「チーム全体が成果を出せる状態をつくる」へと視点を切り替えることです。
メンバーのモチベーションを保ち、成長を促すことができれば、結果として組織全体としてより大きな成果が生まれます。
【参考コラム】管理職が能力不足に陥る2つのパターンと解決策
上からの指示を“そのまま伝えるだけ”の役割になる
新任管理職が陥りがちな失敗の一つが、経営層や部下からの言葉を「そのまま伝えるだけ」のメッセンジャーになってしまうことです。
管理職として求められる本来の役割──背景を理解し、相手の立場に合わせて情報を編集し、伝えること──を十分に認識できていないためです。
例えば、経営層から「今年中に売上5,000万円を達成してほしい」と言われた内容をそのままメンバーへ伝えると、「急に仕事量が増えるのでは?」「背景がわからず不安」といった感情が先に立ち、メンバーのモチベーションは低下してしまいます。
管理職に求められるのは、「言われた内容」をそのまま流すことではなく、メンバーが理解し、前向きに受け取れる形に翻訳して伝えることです。
例えば次のような伝え方です。
「今年中に売上5,000万円を達成することを求められています。
すでに2,000万円は見通しがあるので、残りの3,000万円をどう積み上げるか、一緒に案を出したいと思っています。
みんなの意見を聞かせてもらえますか?」
このように背景を補足し、メンバーを巻き込む伝え方をすることで、受け手の納得感が高まり、主体的な行動につながります。
管理職の役割は、単なる“伝言係”ではなく、チームが前向きに動けるように情報を編集し、伝える存在です。この視点を持つことで、チームの一体感や生産性が大きく変わっていきます。
自分のやり方だけが正解だと思い込む
新任管理職が陥りやすい失敗のひとつが、「自分が成功してきた方法だけが正しい」と思い込んでしまうことです。
成功体験が強いほど、自分のやり方を基準に物事を判断しがちになり、メンバーそれぞれの進め方や強みを受け入れにくくなるためです。
例えば、「営業は対面で会えば契約につながる」という経験を持つ管理職が、部下のオンライン商談に否定的なフィードバックをしてしまうケースがあります。しかし実際には、オンラインでも成果が変わらない場合もあり、数字を見ればむしろ効率が上がることもあります。
このように、自分のやり方だけを正解と捉えてしまうと、
・部下の成長の機会を奪う
・新しい手法やツールの導入を妨げる
・組織としてのアップデートが遅れる
といった問題を生んでしまいます。
だからこそ管理職に必要なのは、自分のやり方を押しつけるのではなく、部下とともに学び続け、柔軟に対応する姿勢です。
メンバーの多様なやり方を受け入れ、環境や時代に合わせて手法をアップデートできる管理職こそが、チームの成長を後押しできます。
仕事を部下に任せきれない
新任管理職が陥りがちな失敗のひとつが、「部下にはまだ任せられない」と考え、仕事を抱え込んでしまうことです。
「自分がやったほうが早い」「フォローが大変そう」「ミスされたら困る」といった不安から、つい自分で作業を引き取ってしまうためです。
しかし、仕事を任せない状態が続くと、
・管理職自身の業務量が減らない
・部下の成長機会が奪われる
・チーム全体の負荷が偏る
といった問題が生じます。
特に、管理職がプレイヤー時代と同じ量の仕事を抱え続けるのは現実的ではなく、やがてパンクしてしまいます。
また、部下の立場からすると、「自分は頼りにされていない」「成長のチャンスを与えられていない」と感じ、モチベーションの低下や不信感につながることもあります。
だからこそ管理職は、小さな業務から少しずつ任せる練習をしながら、責任を持って見守る姿勢が重要です。任せる範囲を段階的に調整し、部下の成長・自分の負荷・チーム全体の成果が釣り合うポイントを見極めていく必要があります。
仕事を任せることは、管理職の負担を減らすだけでなく、部下の成長を促し、組織全体のパフォーマンスを引き上げる最も重要なマネジメント行為の一つです。
メンバーとの関係性を築けない
新任管理職が陥りやすい大きな失敗のひとつが、メンバーとの関係性を十分につくれないことです。
忙しさやストレスから余裕がなくなったり、自己認知が低いままだと、自分の言動がメンバーに与える影響に気づけなくなるためです。
関係性が弱い状態では、チームとして成果を出すことは難しくなります。
例えば、急な仕事をメンバーに頼んだとき、関係性ができていれば「いつも助けてもらっているので任せてください!」という前向きな反応が返ってきます。
一方、関係性が築けていないと、「上司に言われたから断れない…仕方なくやるか…」という消極的な感情で仕事に取り組むことになります。この状態ではパフォーマンスも下がり、良い成果は望めません。
本来チームとは、互いに助け合い、一人では達成できないことを成し遂げるための存在です。
しかし、管理職とメンバーの関係性が弱いと、協力し合うどころか、気を遣い合い、足を引っ張り合うような状態になることすらあります。
だからこそ新任管理職には、
・自己認知を深める
・ストレスを適切にコントロールする
・日頃からメンバーと対話し、信頼を積み重ねる
といった姿勢が不可欠です。
関係性が整えば、仕事の依頼がスムーズになり、チームの一体感や成果にも直結します。
こうした失敗を防ぐためにも、組織として新任管理職が関係構築を学び、実践できる仕組みを整えることが求められます。
新任管理職が陥りがちな失敗を防ぐ鍵は、「自分主体の働き方」から「チームの成果と関係性をつくる働き方」へと視点と行動を転換することです。
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4)まとめ|新任管理職の心構えと成長を、管理職研修で後押しする
本記事では、新任管理職が役割を果たすうえで欠かせない「6つの心構え」と「7つのスキル」、そして心構え・スキルが不足した際に起こりやすい失敗について整理してお伝えしました。
まず大切なのは、6つの心構えです。
これは管理職としての判断基準や行動の質を決める“土台”となるものであり、組織の成長へ貢献するために欠かせません。
続いて、心構えを仕事に落とし込むためには、7つのスキルを身につけることが重要です。
これらのスキルが整うことで、チームのパフォーマンスが高まり、組織全体の成果へとつながっていきます。
一方で、心構えやスキルが不足すると、本記事の第3章で紹介したような失敗を招きやすくなります。
だからこそ、企業として“不足している部分を学べる環境を整えること”が、新任管理職の成長を支え、チームの活性化にも直結します。
アーティエンスでは、新任管理職が「心構え」を理解し、それを「スキル」として実践できるよう、管理職研修を通じて支援しています。
短期的な成果だけでなく、中長期的に“自走するチーム”をつくることを目的に設計された研修です。
管理職育成に不安や課題があれば、まずはお気軽にご相談ください。新任管理職が自信を持ってスタートできるよう、全力でサポートいたします。
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