- [ コラム ]
【管理職が潰れない組織へ】管理職のメンタルヘルス対策
- 2023/10/13更新ー2022/8/29作成ー「管理職が潰れないためにも、対応をしないと…」と考えている人事・経営者の方や、「もう無理だ。限界、このままだと潰れる…」と感じている管理職の方が、本コラムにたどり着いたのではないでしょうか
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管理職の新しい役割とは│管理職不遇の時代を切り拓く
2023/9/5更新ー2022/9/12作成ー
「管理職役割が多い。業務量も多くなり、責任も重い。管理職は疲れている」
多くの企業が、このような状況に陥っているかもしれません。
この状況を分かっているのにもかかわらず、管理職にはアドオンで新しい仕事が振られていきます。管理職が本来のパフォーマンスを発揮できないだけではなく、将来管理職になるメンバーからは「管理職になりたくない」という声も出てしまうかもしれません。
そして結果が悪ければ、管理職の責任になりかねません。
結果や状況が出ないような環境にも関わらずです。
管理職不遇の時代と言ってもいいかもしれません。
これは時代が変わっているにも拘らず、管理職の役割が昔のままだからではないでしょうか。
この状況を脱却するには、新しい管理職の役割を定義していく必要があります。
新しい管理職の役割の定義の前提としては、次の2点を押さえる必要があります。
・時代の流れ
・自組織のあり方(パーパスやミッション・ビジョン・バリューや、組織としての成熟度)と戦略
本コラムでは、上記2点を押さえた新しい管理職の役割をお伝えします。最後までお読みいただくことで、自組織の管理職の強み・弱みを理解し、その上で自組織の管理職のパフォーマンスを高めて、組織変革を進めていくかを考えることができるでしょう。
具体的には、人事制度の際に管理職の人材要件の定義から、管理職の採用・育成などにつなげることが可能です。
1)時代の流れと共に変化する管理職の9つの役割
管理職の主な役割は以下の9つです。
・チーム・部署における業務遂行
・職務権限に基づく意思決定・決裁
・情報の伝達と共有
・メンバーの育成・評価
・チームビルディング・モチベーション管理
・労務管理・健康管理
・コンプライアンス管理
・プレイヤー業務との両立
・リーダーシップの発揮
これら管理職の役割は、コロナ禍以降、大きく変わりました。
※ 管理職基礎研修 テキストより一部抜粋
上記の内容を、それぞれ詳しく各項目で具体的にお伝えしていきます。
1. チーム・部署における業務遂行
管理職の役割である「チーム・部署における業務遂行」は、コロナ禍に以下のように変化しています。
コロナ前 | 自身が所属する部(チーム)が担う業務の遂行状況全般を管理・運営します。 業務は「計画」─「遂行」─「振り返り(改善)」という一連のサイクルをたどり、行っていきます。 多くの組織においては、管理職は事業部の年間計画を行い、都度振り返り(改善)を行いながら、業務品質を維持・向上していきます。 そのほか、新規事業、新企画サービスの立案・進行の責任者として業務を担うケースもあります。 |
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コロナ禍以降 | 緻密な計画よりも柔軟・実験的な業務遂行へ 昨今のコロナ禍、そしてVUCAといわれる変化の激しい現代においては、「今日の正解が明日は不正解になっている」という状況もありえるでしょう。 未来予測が不可能なため、緻密な計画よりも、アジャイル(素早く実行、早く失敗し(軌道修正を取り)、早く学習し、早く成長していく)という考えのもと、スピード感を持ちながら柔軟に業務遂行していくことが、これからの管理職には必要とされていくでしょう。 |
2. 職務権限に基づく意思決定・決裁
管理職の役割である「職務権限に基づく意思決定・決裁」は、コロナ禍以降以下のように変化しています。
コロナ前 | マネジャーは職務権限を持ち、それら権限に基づく意思決定や決裁を求められます。 権限の範囲は組織や部(チーム)によって異なりますが、例えば以下のようなものがあります。 ・部(チーム)の事業計画および予算の決定 |
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コロナ禍以降 | 急激な変化にも対応できる意思決定スピードを 管理職は、日々の業務で多くの意思決定を求められます。 従来のマネジメントであれば、特に重要な決定を行う際は、情報を収集し、緻密に計画を立て、必要に応じ上層部に報告・じっくり議論、そして実行に移す、というフローで意思決定を行っていました。 ただ、変化の激しい現代では、従来のフローでは決定が現場に降りてくる頃にはもうすでに状況が変わっていて、変化に対応できなくなっているでしょう。そのため、前項目でもお伝えしたアジャイルという考え方が、管理職の意思決定においても求められていると言えます。 |
3. 情報の伝達と共有
管理職の役割である「情報の伝達と共有」は、コロナ禍以降以下のように変化しています。
コロナ前 | 部(チーム)が円滑に業務遂行を行えるために必要な情報を入手、伝達、共有していくことも管理職の役割のひとつです。管理職が担う情報としては、例として以下のようなものがあります。 ・経営トップのメッセージ(ビジョン・ミッション等)を理解・咀嚼し、現場に浸透 ・社内外の情報収集および周辺状況の分析 |
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コロナ禍以降 | 戦略的なコミュニケーション機会と環境創りを 対面コミュニケーションが激減した今、より戦略的にコミュニケーションの機会を創出し、情報共有のスピード、質や量を高めていく仕組み創りが、管理職には期待されています。コミュニケーションツールに頼らなくても、以下観点を継続的に取り組むだけでも、情報共有への意識が変わってくるかもしれません。 ・自部署の情報をできる限りオープンにし、それぞれの持つ情報量をそろえていくこと |
4. メンバーの育成・評価
管理職の役割である「メンバーの育成・評価」は、コロナ禍以降以下のように変化しています。
コロナ前 | 部(チーム)内のメンバーの育成や評価を担うことも、管理職の重要な役割です。(育成・評価業務を一部またはすべて人事部に任せる組織のケースもあります) 部下一人ひとりに当人たちの特性や性格、長所・短所を踏まえた、指導・育成・評価を行っていき、ときに役割や配置の調整を行いながら、部(チーム)全体の業務品質を向上・安定させていくことが求められます。 |
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コロナ禍以降 | 対話を通じて共に学び続け、共に成長していく コロナ禍以降、今までの育成方法やスキルだけでは通用せず、その難易度は急激に増しています。過去の成功体験やノウハウ共有だけでは変化に対応できなくなった今、管理職自身も、メンバーと共に学び続け、育成を行っていく必要があると考えます。 評価にしても、対話によるフィードバック(会話の中などでも)を多く行い、部下の意識行動の強化・軌道修正を行います。そのことによりwitnコロナにあわせた目標管理も可能になるでしょう。 |
5.チームビルディング・モチベーション管理
管理職の役割である「チームビルディング・モチベーション管理」は、コロナ禍以降以下のように変化しています。
コロナ前 | 部(チーム)が円滑に機能していくうえでのチームビルディング、モチベーション管理も管理職の重要な役割です。 そもそも、人が集団としてチームとして活動していくためには、 1) 共通の目的・目標があること の3つが必要不可欠と言えます。 それら三点を活性していく働きかけもまた、管理職に求められます。 |
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コロナ禍以降 | 心理的安全性を高め、メンバーのセルフマネジメントの促進 テレワーク環境では、チーム内のコミュニケーションの量・質がどうしても低下してしまいます。そのため、より意識的にチームビルディングを行っていく必要があります。 メンバーの目標への意識を高め、達成のために自然発生的に情報共有や助け合いが行われるような心理的安全性の高いチーム創りを、管理職起点で行っていくことが重要です。 |
6.労務管理・健康管理
管理職の役割である「労務管理・健康管理」は、コロナ禍以降以下のように変化しています。
コロナ前 | 部(チーム)内のメンバーが業務に集中できる環境を目指すうえでの、労務管理・健康管理も管理職が担います。(人事部や労務部に役割を一部委任(または全任)する組織のケースもあります) 主な業務内容としては、以下が挙げられます。 ・メンバーの労働時間や勤務時間の管理 |
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コロナ禍以降 | テレワーク時代の信じる労務管理 テレワークや時差出勤など働き方が多様となり、すぐ隣の席で仕事に取り組むメンバーの姿を見る機会が減った今、「うちの社員、サボっているんじゃないか…」と不安に感じる管理職も多いのではないでしょうか?その反動から、メンバーに対してマイクロマネジメントを強化していく管理職もいらっしゃると思います。 しかしながら、必要以上に進捗状況を監視・指示され、逐一の報告を求められながらの仕事では、メンバーは楽しさや喜びを感じることは難しいでしょう。また、管理職自身も自ら業務を増やすこととなります。そして、メンバーとの関係性も悪化し、双方が疲弊してしまいます。メンバーを信じることが重要です。 |
7.コンプライアンス管理
管理職の役割である「コンプライアンス管理」は、コロナ禍以降以下のように変化しています。
コロナ前 | 部(チーム)のコンプライアンス(法令やルールを順守すること)管理もまた、管理職の重要な役割のひとつです。(総務部、労務部、人事部がこれら役割を担う組織のケースもあります) 具体的には、以下のような業務が挙げられます。 ※一部「労務管理業務」と重複します。 ・個人情報の適切な管理 |
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コロナ禍以降 | 新入社員・若手社員のコンプライアンス意識低下への対応 特にコロナ禍においては、入社式からテレワーク勤務という新入社員も少なくないでしょう。 パソコンを閉じれば自宅という環境の中で「学生から社会人への意識変革」が起きにくく、「社会人としてのコンプライアンス意識」も高まりにくい状況です。 管理職として、日々の業務の中でもコンプライアンスの重要性をより一層強く伝えていくことが必要不可欠と言えます。 |
8. プレイヤー業務との両立
管理職の役割である「プレイヤー業務との両立」は、コロナ禍以降以下のように変化しています。
コロナ前 | 管理業務と現場業務(プレイヤー業務)を並行して行う「プレイングマネジャー」が、企業規模を問わず、現在の日本においては管理職のスタイルとして主流になってきています。 プレイングマネジャーという概念が日本のビジネスの世界に登場したのは、バブル崩壊後です。経営状況悪化による人件費削減、管理職ポストの激減により、実務とマネジメントを兼任できるような人材が求められ始めました。 |
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コロナ禍以降 | メンバーの自己組織化の促進で、プレイヤー業務との両立を図る 昨今のコロナ禍で、業務の複雑性や難易度が増し、管理職自身が率先してプレイヤー業務を担う場面も多くなっています。管理職のプレイヤー要素が強くなり、マネジメント業務やメンバーとのコミュニケーションに充てる時間が少なくなっています。 管理職からの指示や命令によって受け身で動くのではなく、メンバー一人ひとりが主体的・自律的に行動していくこと。そして、その相互作用によりチーム力を高め、生産性を上げていくことが必要不可欠です。 |
9.管理職としてのリーダーシップ発揮
管理職の役割である「管理職としてのリーダーシップの発揮」は、コロナ禍以降以下のように変化しています。
コロナ前 | マネジメント業務だけではなく、リーダーとしての働きかけも必要になります。 マネジメントの概念は「決められたことを正しい方法でやること」、リーダーの概念は「革新的なことに対して、挑戦していくこと」と言われます。 両方は対立関係になり、この二つの対立関係に対して、リーダーは扱っていく必要があります。 その際、自らまずはリーダーシップ(周りへの影響力)を発揮していくことが求められます。 |
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コロナ禍以降 | メンバーのリーダーシップ発揮を解放する コロナ禍以降、明日の正解が分からない時代となり、強いリーダーだけでは、立ち行かなくなると言われています。 全員が当事者意識を持って、主体的に対応しなければ、変化のスピードについていけないと考えられるからです。 だからこそ、管理職は、メンバーがリーダーシップ(周りへの影響力)を発揮できる機会を創っていく必要があります。 |
2)自社が強化していく管理職の役割を見極める方法〜自組織の課題を解決する〜
前章の内容を通じて、管理職の強み・弱みを捉えて、自組織の課題を解決していきましょう。
1. 管理職の強みと、弱みを捉える
「管理職の強みと、弱みを捉える」際に、「2) 時代にあった管理職の役割とは?~コロナ禍によって、何が変わったか~」を通して、自組織の管理職の役割定義を行っていくことが必要です。
自組織にあった役割定義を行うことで、自組織の管理職の強みと弱みが浮き彫りになります。
何を重要視して、beforeコロナとafterコロナの濃淡をどうしていくかということです。
例えば当社が管理職育成をご支援しているお客様では、経営陣と一部の管理職が入った対話の中で、下記のような状況が見られました。
・メンバーの育成・評価
対話を通して、メンバーと学びあう風土がある
・チームビルディング・モチベーション管理
エンゲージメント調査でも、管理職とメンバーの関係性は良いと出ている
・コンプライアンス管理
コンプライアンスに対して、厳しいルールがあるため、問題は起きにくい
弱み
・職務権限に基づく意思決定・決裁
経営陣の顔色伺い、忖度した意思決定をする
・情報の理解と伝達・共有
部分最適になることが多かったり、メンバーに情報が落ちていないことがある
・リーダーシップの発揮
管理職中心のチーム創りになっていて、管理職への依存度が高い
このように強み・弱みを明確にしていくことがまずは重要です。
組織の状況によっては、コロナ前の、従来の管理職の役割が求めれられる可能性もあります。ただし、この時に必要な考え方は、”今”はそうだということです。時代の流れには逆らえませんので、短期視点だけではなく中長期視点を持ちながら、濃淡をどうするかを考えていくことが必要です。
2. 管理職が注力するポイントを明確にし、組織変革を促す
管理職の役割の中で、強み・弱みが明確になったら、どこを注力して、どのように組織を変えていきたいかを考えていきます。
そのことにより優先度・重要度が明確になり、どのような施策を打つといいかを考えることができます。具体的には、人事制度の構築から、管理職の採用、管理職の育成まで対応が可能になります。 「1. 管理職の強みと、弱みを捉える」のお客様では、「管理職が部分最適ではなく全体最適を持ってほしい。未来の経営者になっていくためにも、腹をくくって意思決定をしてほしい」という経営者の想いから、優先度・重要度を考えていきました。 下記のプロセスで進めていきますが、本お客様の事例を通して、イメージしていただければと思います。
・管理職が注力するポイントを明確にする
・組織変革を促す
管理職が注力するポイントを明確にする
強みとして、「メンバーの育成・評価 : 対話を通して、メンバーと学びあう風土がある」と「チームビルディング・モチベーション管理 : エンゲージメント調査でも、管理職とメンバーの関係性は良いと出ている」から、管理職同士・チーム内の関係性はよい状態であり、管理職同士・チーム内でしっかり議論・対話ができる状態にあることは分かりました。
そのため、管理職同士・チーム内で議論をして、意思決定をしたり、経営陣に相談してほしいということになりました。議論・対話をするには、情報の理解と伝達・共有は必要になります。
そのため、下記二つの役割を強化していくことになりました。
・職務権限に基づく意思決定・決裁
・情報の理解と伝達・共有
※ リーダーシップの発揮は、次回の強化ポイントしていくことになりました。今回は、管理職が中心になって、物事を進めてほしいと考えていたためです。
組織変革を促す
この二つを解決するために、管理職会議を通して、管理職育成を行っていくことになりました。研修で一過性のものにするのではなく、普段の仕事を通して、役割強化を図っていきました。 下記のように管理職の会議をデザインしていきました。
目的 : 次世代リーダーの育成
目標 : 会議によって異なる
会議のルールとして、下記を考えていきました。
・会議の中で、意思決定する(必要に応じて、経営者の判断を仰ぐ)
・ファシリテーターを持ち回りで行い、全体最適を常に促す
なお始めは、会議を進めるのは難しいため、当社のファシリテーターが会議に入り、ファシリテーションし、徐々に管理職の方で回せるようにしていきます。
※ 本お客様の管理職の方々は、当社の社内ファシリテーター育成コースも受講されています。
このように、管理職の役割と強み・弱みを明確にすると、組織変革にどのようにつなげていくといいかを考えることが可能です。
3)自社が強化していく管理職の役割を見極める際の注意点
管理職の役割を定義する際に、4つの注意点があります。
その注意点を理解すると、管理職の定義がより効果的に扱うことが可能です。それぞれ説明していきます。
1. 管理職の影響力を高めるために、スキルとあり方の両方にフォーカスする
管理職は、組織への影響力が高いため、マネジメントスキルを学ぶ必要もありますし、また人としても成熟度を高めていく必要があります。
どんなにスキルがあっても、人として尊敬できなければ、部下はついていきませんし、経営者や他部署の管理職も信用・信頼できません。
逆にどんなに人格者であっても、マネージャーとしてのスキルを持っていなければ、頼り無くなってしまい、マネージャーとして機能しません。
例えば、業務遂行力があっても部下に対して会社の不平不満を言う管理職は信用できませんし、人はいいけど何も決めれらない管理職は管理職として機能していません。片手落ちになるのではなく、両方を求める役割が必要です。
2. 仕組化により、成果と成長を両立させる
管理職は、短期的成果と、中長期的成長という対立関係を乗り越えることを求められます。この対立関係を解決するには、仕組化が必要になってきます。
仕組み化は、一般的に「いつ、どこで、誰がやっても成果(アウトプット)が出る状態」と定義にされることが多いですが、ここでいう仕組化は成果だけではなく「成果を出しながら成長することができるをフローを作ること」です。
この時、注意が必要なのは、一回作って終わりではなく、アップデートし続ける仕組化です。時代は変わり続けるので、常に時代や状況に適応していくことが重要です。
例えば、withコロナになり、今までの営業方法が通用しない場面においては、新しい営業方法を作り、仕組化する必要があります。その際は、「短期的な売上をどう上げていくか」という観点と、「チームとしてナレッジや経験がたまり、メンバーの成長を促すにはどうしたらいいか」を考えていく必要があるでしょう。
「成果なのか?成長なのか?」ではなく、成果と成長を統合するために仕組みを考えて、アップデートし続けることを、役割定義に入れ、促していくことが必要です。
3. メタ認知を起点として、「経営者の視点と現場の視点、他部署の視点」を促す
管理職は、メタ認知能力が必要です。自分が、自身の取り巻く環境をどのように捉えているかを踏まえ、その上で経営者・現場・他部署がどのように認知しているかを考えます。
例えば、「経営者からの指示に対して、無理難題を押し付けるし、他部署は非協力的、部下が疲弊してしまうなどから怒りが出ているとき」には、自身が怒っていることや、なぜ怒っているかを認知することがスタートです。その怒りには様々な理由があると思いますが、今回は「誰も私のことを助けてくれない」ということにします。そこに気付いたのであれば、「本当に誰も助けてくれないのか?」、「この状況を、経営者・現場・他部署はどう捉えているのか?またそれぞれどのような状況なのか?」を考えることができれば、打開できる策が出てくるかもしれません。
「無理!できない!ダメだ!」ではなく、一旦メタ認知をして、自身の取り巻く環境を冷静に見ることを、管理職の役割に求めていくことが必要です。
4. 管理職のパフォーマンスを最大化するために、管理職の業務量を調整する
管理職は、業務量も多く、また役割も多いです。そのため、管理職の業務量の調整を、管理職の上司である事業責任者(時には経営者)と、また管理職本人が行うことが必要です。
管理職に新しい役割をアサインする場合は、慎重に行う必要があります。管理職自身の負担という問題だけではなく、管理職の仕事の質が低下する場合もあります。
またはじめに管理職不遇の時代という言い方をしましたが、管理職の役割自体が変わっているとも言えるかもしれません。管理職が一人で仕事を抱え込むのではなく、今まで以上にチームで行うことを意識する必要があります。部下との共創・協働をどのように行っていくかを考えていく必要があります。
例えば、管理職に新しいプロジェクトマネージャーを任せるのであれば、今アサインしている業務を他の管理職に分散するか、一部上長が引き取るなども時には必要でしょう。もしくは、「今までやっていたから」という仕事を見直して、無くしていくことも必要かもしれません。
また管理職自身も、次の管理職育成を兼ねて、自身の仕事の一部を部下に任せていくことも必要です。もちろん任せる場合は、フォローは前提です。一人の部下に任せる場合もあれば、複数の部下に任せてもいいかもしれません。
管理職が役割を全うするためにも、今組織にとって、管理職に何を求めるかを考えて、業務量を調整していく必要があります。
4) まとめ
時代にあった管理職の役割を理解し、自組織にあった管理職の役割を定義することで、組織変革が進みます。
具体的には、人事制度の見直しや、今必要な管理職の採用、管理職の育成などから、管理職のパフォーマンスは上がると考えます。そうすることで、経営者は現在の事業に不安を抱えることなく、新規事業開発やM&A、上場準備など他の施策に対して集中できるでしょう。
そして管理職自身も、自身の役割を認識することで、迷いも少なくなりますし、彼・彼女たちの成長にもつながっていきます。経営陣からの信用・信頼だけではなく、部下や他部署からの尊敬の念も持たれるでしょう。
自組織にあった管理職の役割をまずは定義して、今何をするべきか考えてみてください。
外部の力も必要な場合もあると思いますが、その時は新しい管理職の役割を理解している外部パートナーを選ぶのがオススメです。
管理職の役割を定義しながら、組織変革を進めたいということでしたら、ぜひ当社にお問い合わせいただければと思います。