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意味がない。無駄!と言われる管理職研修12パターンとその回避策

管理職候補者研修

2023/8/1 更新ー2023/7/11 作成ー

「管理職研修は意味がない。やっても無駄」
「管理職研修の効果を感じない。意味のない管理職研修は避けてくれ」
「管理職の育成は急務だ。ただし、費用対効果を見て無駄をなくしてほしい」

管理職本人・経営者・株主からこのようなコメントがあり、本コラムにたどり着いたのではないでしょうか。
弊社に管理職研修の相談をされる人事の方から、このようなコメントを聞いた・言われたというお話は多くあります。
本コラムでは、

・意味のない無駄な管理職研修とは、何なのか?
・意味のない無駄な管理職研修、具体的な12パターン
・意味のない無駄な管理職研修を避けるために押さえるべきポイント

をお伝えします。

本コラムを最後までお読みいただくと、意味のない無駄な管理職研修を避けることができます。

執筆者プロフィール

迫間 智彦

大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。

1. 意味のない無駄な管理職研修とは認知変容・行動変容が起きない研修

意味がなく無駄と言われる管理職研修は、管理職の認知変容・行動変容が起きない研修です。
管理職研修を行う目的は組織によって異なりますが、何かしらの課題や想いがあり、その上で管理職研修を行っているはずです。その課題を解決したり、想いを達成するには、参加者である管理職の認知変容・行動変容が起こすことが必要です。管理職の認知変容・行動変容が起きないものは、管理職研修の目的が達成できないので、意味がありません。

例えば、よくある意味のない無駄な管理職研修は下記のようなものです。

・著名な講師の講演で素晴らしい話を聞いて満足するが、行動は何も変わらない
・研修現場では管理職は真剣に受けているが、現場と乖離があり実践されず、何も変わらない
・厳しい管理職研修によって一瞬変わったが、すぐに元の管理職に戻ってしまった

などです。

このように「意味がない。無駄!」と言われてしまう管理職研修とは、管理職の認知変容・行動変容が起きないものです。

次の章では”意味がなく無駄”と言われてしまう管理職研修の内容をお伝えしていきます。

2. 意味のない無駄な管理職研修、12パターン

意味のない無駄な管理職研修は、下記の12パターンあります。

・経営者の考えを、ただ押し付ける
・管理職研修のプログラム、もしくは講師からのアプローチが厳しい
・過去に行っていた研修内容を踏襲し、何も変えずに行う
・世の中の流行りやトレンドを追いかける
・昔の文脈に引きずられて時代遅れ
・オンラインでの動画鑑賞や講演など、インプットのみを行う
・学びのポイントが多すぎる
・効果を確認しない、もしくは間違った効果測定を行う<
・講師があるべき論を一方的に伝えたり説得する
・受講生の状況に合わない
・一回やって終わり
・適切な予算をかけない

それぞれ説明していきます。

    • 2-1. 経営者の考えを、ただ押し付ける

    • 経営者の考えをただ押し付けるものは、意味がなく無駄になるケースが多いです。理由は、2つあります。
      一つ目は、時代背景です。価値観の多様化やそれを承認する流れが、今の時代はあります。今どき、一つの価値観を押し付けても管理職が拒否感・違和感を抱くケースは多くあります。
      二つ目は、管理職の当事者意識と主体性を抑えつけてしまいます。当事者意識や主体性がおさえつけられた状態では、認知変容・行動変容を起こすことはできません

    • 【よくあるパターン】

    • 経営者が自分の言いたいことをただ伝えても、管理職はその場では話を聞いている態度を取りますが、実際は何も変わりません。話は聞くものの、

自身とは無関係の話として捉える管理職

    • も多いでしょう。研修講師に言わせたとしても、結果同じです。管理職は何も変わらないか、もしくはエンゲージメントの低下が起きてしまうこともあります。
※参考「経営者の考えを、ただ押し付ける」をなくすために
管理職研修内で、経営者の考えを紐解く対話を設けるといいでしょう。対話を設けることで、管理職自身が内省し、自身の仕事と結び付けていくことができます。可能な限り経営者と管理職が対話できるようにし、双方向のコミュニケーションを取れるようにするといいでしょう。
    • 2-2. 管理職研修のプログラム、もしくは講師からのアプローチが厳しい

    • 管理職研修のプログラム、もしくは講師からのアプローチが厳しいだけのものは、意味がなく無駄になるケースが多いです。厳しい管理職研修には下記の3つのリスクがあると言われています。
      ・研修内で反発が起き、研修が進まない
      ・自己効力感が無くなり、前向きに受講しない
      ・特別な状況で生まれる効果であり、現場に戻ると研修で学んだことが反映されない

      【よくあるパターン】
      合宿研修などで厳しい管理職研修を行ったとします。何とか受講生の反発を乗り越えて、最後には自己効力感が上がるような仕組みがあったとします。しかし、研修後に戻った現場は以前と何も変わっていません。そのうちに、管理職自身も以前の状況に戻っていくでしょう。
      管理職自身は変化があったように感じていても、それは特殊な環境があるからこそ生まれる変化です。実は厳しい研修の多くは、洗脳の手法を用いた内容であることも多くあります。洗脳状態が溶けると、ネガティブな感情や無気力な状況が生まれ、管理職の心は組織から離れてしまうでしょう。

      詳細を知りたい方は、下記コラムをぜひご覧ください。
      厳しい管理職研修─本当に必要か否か|リスクと必要な3つのステップ

    • ※参考「管理職研修のプログラム、もしくは講師からのアプローチが厳しい」をなくすために
      管理職に対して強い変化を起こすために、厳しいアプローチを取りたいと思っているはずです。強い変化を起こす手法は「厳しさ」だけではありません。また「強い変化」は短期効果で終わる場合が多くあります。管理職に対してどのような変化を望み、その変化を生むためにはどうしたらいいかを企画段階から再度考えることが重要です。
    • 2-3. 過去に行っていた研修内容を踏襲し、何も変えずに行う

    • 過去に行っていた研修内容を踏襲し、何も変えずに行う場合は意味がなく無駄になるケースが多いです。組織の状況はどんどん変わってきています。”今”の組織、管理職にあわせて、毎年アップデートしていくことが必要です。


      【よくあるパターン】

      新任管理職研修を毎年同じ内容で行う例があげられます。長ければ、5年以上同じ内容が行われている場合もあります。5年あれば、戦略・方針は大きく変わっているはずです。せっかくの管理職研修で戦略・方針との齟齬が出てくると、管理職は意味がない研修であったと感じてしまうでしょう。また、現場の混乱を引き起こすこともあります。

    • ※参考「過去行っていたものを踏襲したものを、何も変えずに行う」をなくすために
      管理職研修を実施する際に、本当に信頼できる研修会社や講師を探すことから始めるといいでしょう。残念な研修会社・講師は、前年度を踏襲するパターンが多いです。なぜなら、研修会社・講師の負担が減り、工数が抑えられるためです。もちろん、本当にクライアントのためになるのであれば、同じ内容でも問題ありません。しかし、時代の変化の流れから考えると、数年に渡りまったく同じではうまくいかないケースの方が圧倒的に多いです。
    • 2-4. 世の中の流行りやトレンドを追いかける

    • 世の中の流行りやトレンドを追いかける研修も、意味がなく無駄になるケースが多いです。もちろん世の中の流れなどを把握することは重要です。しかし前提として、自組織にマッチしている内容であることが必要不可欠です。

    • 【よくあるパターン】

      「DXが重要と言われているからDXの研修を行おう」などです。組織としてDXをどのように扱うかが決まっていなければ、研修を行っても意味がありません。また経営者同士の紹介によって流行りの管理職研修を受講させる例もあります。他社が良かったからといって、自組織に良いとは限りません。自組織に合わない研修を行えば、何も効果がなかったり、悪影響が大きくなります。
    • ※参考「世の中の流行りやトレンドを追いかける」をなくすために
      管理職研修の企画の際に、世の中で流行っている内容やトレンドが、本当に自組織にマッチしているかを考えることが必要です。本当に必要かどうか考えれば、このケースはは避けることができます。
    • 2-5. 昔の文脈に引きずられて、時代遅れ

    • 昔の文脈に引きずられて、時代遅れの内容を行うと、意味がなく無駄になるケースが多いです。この数年で、世の中は大きく変わりました。コロナ禍や、生成AIの発達などです。このような時代の流れが速いにもかからず、昔の文脈に囚われた内容を行うのは、NGです。

      【よくあるパターン】
      例えば管理職の役割の一つである「チーム・部署における業務遂行」に関して、PDCAの重要性のみを伝える場合です。PDCAはとても重要ではあります。しかし、変化の速い時代はアジャイル的な動きも必要になります。じっくり計画を立て実践していてはスピード感が遅くなってしまうからです。今、現実的に求められる仕事の進め方と乖離が発生してしないように、PDCAとアジャイルの使い方、両方を学ぶ必要があります。

    • ※参考「昔の文脈に引きずられて、時代遅れ」をなくすために
      研修会社や講師などに、管理職研修の内容をどのようにアップデートしているか聞くといいでしょう。アップデート箇所を回答できるかどうかで、信頼できる
      研修会社や講師かの判断も可能になるでしょう。
    • ※参考「アジャイル」とは
      アジャイルとは『すばやい』『俊敏な』という意味で、反復 (イテレーション) と呼ばれる短い開発期間単位を採用することで、リスクを最小化しようとするソフトウエア開発手法の一つです。
      今の時代にあったソフトウェア開発の手法として成功を収めてきており、それがさまざまな分野で使われるようになりました。人材開発・組織開発においても、アジャイルで進めるケースはとても増えてきています。
    • 2-6. オンラインでの動画鑑賞や講演など、インプットのみを行う

    • オンラインでの動画鑑賞や講演など、インプットのみを行っても意味がなく無駄になるケースが多いです。学んだ内容が、行動変容につながるような働きかけをしないと、「見て・聞いて終わり」になってしまうケースがほとんどです。

    • 【よくあるパターン】
      オンライン動画による学び放題のサービス導入で失敗するケースです。強制的に見せるような仕組みを取ったとしても、自分事化されずに行動変容に繋がらない場合が多いです。レポートを書くなどの導線を作っている組織もありますが、ただの感想文では意味がありませんし、やらされ感が強くなってしまいます。
    • ※参考「オンラインでの動画鑑賞や講演など、インプットのみを行う」をなくすために
      管理職研修を企画する際に、オンラインでの動画鑑賞や、講演などを、どのような位置付けにするかを決めるといいでしょう。例えば、研修受講前に
      オンラインでの動画鑑賞することで、管理職研修自体の時間を短くするなども可能です。また講演を聴いた後に、管理職同士を集めて、対話・議論を行い、自分たちの仕事にどのようにつなげるかを考えるフォローセッションを設けてもいいでしょう。

2-7. 学びのポイントが多すぎる

学びのポイントが多くなると何が重要か分からなくなり、意味がなく無駄になるケースが多いです。学びのポイントが多すぎる研修を、”研修の幕の内弁当化”という表現を取ることがあります。結局何が一番重要なのか、何を意識したらいいかが分からなくなってしまいます

【よくあるパターン】
「社員のモチベーション向上のために、管理職に部下のモチベーションが上がる研修をしよう。モチベーション管理、部下育成、チームビルディング、評価、1on1を実施しよう」などです。一度に複数の学びを伝えると、学びの内容はとても薄くなりますし、現場で実践する難易度は高まります。

  • ※参考「学びのポイントが多すぎる」をなくすために
    企画段階で、学びのポイントを絞ります。絞り切れない場合は、半年から数年間を通して、管理職を育成するプログラムにするといいでしょう。半年間や数年の育成は研修実施しながら、プログラムの学びのポイントの変更や内容変更も考えていくことが必要です。
  • 2-8. 効果を確認しない、もしくは間違った効果測定を行う

  • 管理職研修の効果測定をしなかったり、間違った効果測定を行うと、意味がなく無駄になるケースが多いです。効果測定を行わないと、「管理職研修によって管理職本人の認知変容・行動変容を促せたのか?組織にポジティブな影響を与えたことができたか」が分かりません。また、間違った効果測定を行うと悪影響が起きてしまいます。

    【よくあるパターン】
    2つパターンがあります。
    一つ目は研修後のアンケート内容を、研修を評価するアンケートにすることです。
    ・研修プログラムの満足度
    ・講師の満足度
    などが上げられます。研修内で研修の評価を目的としたアンケートを行うと「これから自身や組織を進化させる存在」という立場から「研修イベントの評価者」になってしまうと言われています。研修後の評価アンケートは意味がないことは学術的に立証済みです。研修内容次第ではありますが、アンケートの目的は「研修の学びを促進し、現場へつなげること」等を意識すると良いでしょう。

    二つ目はサーベイの結果で、研修効果を判断する場合です。サーベイはあくまでも対象者の認知によって付けられた点数です。そのため、成績表のように扱うのはNGです。なお、サーベイは「ぬるま湯文化」の場合は高くなりがちになる傾向があり、研修によって危機感を持つと、サーベイ結果がとても下がるとも言われています。あくまで認知なので、いい悪いを評価するのではなく、背景に何があるかを紐解いていくことが重要です。
  • ※参考「効果を確認しない、もしくは間違った効果測定を行う」をなくすために
    企画段階で、管理職研修のゴール設定を行い、どのように効果測定をするかを決めておくことが必要です。具体的には、管理職研修が終わった後に、現場でどのように変化しているかを、管理職自身が内省する場を設けたり、企画側が管理職の変化を観察することも必要です。

2-9. 講師があるべき論を一方的に伝えたり説得する

講師があるべき論を一方的に伝えたり説得する管理職研修は、意味がなく無駄になるケースが多いです。受講生が受け身になったり、講師からのメッセージが現場の状況と異なる場合は、納得度合いが低くなり、実践への意識が薄くなるためです。

【よくあるパターン】
講師から「部下育成はとても重要なので、丁寧に行うべきです」と言われても、現場の管理職からすれば「そんなことは分かっている。管理職が忙しすぎて、そこまで育成に時間をかけられない状況がある。すぐ辞めるしケースも多いし、育てる気も起らない」という考えを持っているケースもあります。研修現場では講師のメッセージに対して、反論しなければ管理職の納得度合いは低いまま研修が進んできます。また反論が出た場合に、講師が押さえつけるてしまうと、管理職は講師の話を聞かなくなり、研修の効果はなくなっていくと言っていいでしょう。

  • ※参考「講師があるべき論を一方的に伝えたり説得する」をなくすために
    研修前に、企画側が講師との顔合わせ行っておくことをお勧めします。
    「講師があるべき論を一方的に伝えたり説得する」という状況を生んでしまう講師は、昔のやり方や自己流から脱却できていない講師や、経験が浅い講師です。講師顔合わせの際に、研修現場で最も大変だったケースを聴き、どのように対応したかなど聞いてみるといいかもしません。経験が豊富でパフォーマンスが高い講師であれば、対話を行うなどの具体的な方法を伝えてくれるはずです。

2-10. 受講生の状況に合わない

受講生の状況に合わない管理職研修には意味がなく無駄になるケースが多いです。受講生が研修内容に対して共感が持てないため前向きになれず、意味がないと感じてしまうためです。

【よくあるパターン】
管理職が現場で目標達成に追われているにもかかわらず、現場ですぐに活用できず即効性がない「心理的安全性」の研修を行っても、管理職からすれば理解はできるが、今、時間を取って学ぶ内容ではないと思うでしょう。

  • ※参考「受講生の状況に合わない」という状況をなくすために
    企画段階で、受講生の状況を踏まえた研修のゴール設定を行うといいでしょう。「2-10. 受講生の状況に合わない」の例においては、管理職が目標設定に追われているのであれば、目標設定・管理を学びながらも、心理的安全性につながっていくチーム力を創っていくにはどうしたらいいかを企画するといいでしょう。

2-11. 一回やって終わり

管理職研修を一回やって終わりでは、意味がなく無駄になるケースが多いです。現場の実情に合わせた、継続的な認知・行動変容を促すことが難しくなるためです。

【よくあるパターン】
管理職研修で1on1を扱ったとします。始めは管理職研修で学んだ内容を活用しても、現場ですべてがうまくいくわけではありません。そうすると、研修で学んだことは使えないという認知になり、活用を止めてしまう場合があります。

  • ※参考「一回やって終わり」をなくすために
    管理職研修を通して、何を実現したいかという目的・ゴールを設定することで、フォローの重要性を理解します。研修は一日だとしても、どのように管理職の認知変容・行動変容につながるかを考えていく必要があります。

2-12. 適切な予算をかけない

管理職研修に対して、適切な予算をかけなければ、意味がなく無駄になるケースが多いです。コスト削減に目が行き過ぎると「安かろう悪かろう」になる場合があります。また、予算を多くかけたとしても自組織に合わなければ悪影響も起きます。

【よくあるパターン】
低価格でよくあるケースは、管理職研修を最終的に金額で選ぶケースです。人事担当者が複数の研修会社・講師と企画を進めていると、それぞれの場で出てきたアイディアがつながっていくので、提案内容が似たようなものになってくるケースは多くあります。似たようなものになると、最も安い金額で契約を結ぶという判断になるでしょう。ただ一見提案内容が同じようであっても、その研修会社や講師が持っているナレッジや力量は異なります。営業力はあるが、プログラム・講師が弱いというケースは多くあります。
また高価格でよくあるケースは、経営者仲間からの紹介で、高額の管理職研修を導入したが、上手くいかなかったというものです。他社で上手くいった例が、自組織でうまくいくかというとそういうわけではありません。適切に見極めることが大切です。

  • ※参考「適切な予算をかけない」をなくすために
    予算が少ない場合は、今ある予算でどこまでできるかを考えて、管理職研修を実施しましょう。予算が潤沢にある場合においても、無駄に使うのではなく、あくまで管理職研修を通して、何を実現するのかを考えて、予算を消化するといいでしょう。余った予算は、他の研修や研修後のフォローなどに使うのも一つの方法です。
  • ここまで12のパターンをお伝えしました。
    意味がない無駄な管理職研修になっていないか、下記チェック表を使って、見直していただくといいでしょう。
意味がない無駄な管理職研修 チェック欄
経営者の考えを、ただ押し付ける
管理職研修のプログラム、もしくは講師からのアプローチが厳しい
過去行っていたものを踏襲したものを、何も変えずに行う
世の中の流行りだったり、トレンドを追いかける
昔の文脈に引きずられて、時代遅れ
オンラインでの動画鑑賞や、講演などのインプットのみを行う
学びのポイントが、多すぎる
効果を確認しない、もしくは間違った効果測定を行う
講師があるべき論を、一方的伝えたり、説得する
受講生の状況に合わない
一回やって終わり
適切な予算をかけない

3. 意味がない無駄な管理職研修を避けるには、企画をしっかり行うこと

意味がない無駄な管理職研修を避けるためには、研修企画をしっかりと行うことです。当たり前に感じるかもしれませんが、研修の企画は大切に行うことで、意味がない無駄な研修を避けることができます。

具体的には、下記を考えるといいでしょう。

1. 管理職研修の目的・実現したいゴールの設定
2. 具体的な管理職研修の内容

それぞれ説明していきます。

3-1. 管理職研修の目的・実現したいゴールの設定

管理職研修の目的や実現したいゴール設定を、しっかりと言語化することが重要です。しっかりと言語化できないと、管理職研修の実施を行ってよかったかどうかの効果測定もできませんし、費用対効果が高い管理職研修の実施も難しいです。

管理職研修の目的は、具体的には下記2つのどちらかに分かれます。

1)管理職の役割認識・遂行を目的とした研修
→自社が掲げる「管理職として求める姿」に近づけるための研修
2)目の前の課題(管理職本人・組織・事業)の解決を目的とした研修
→「自組織で起こっている課題」を起点として、その課題を解決するために実施する研修

より詳しく知りたい方は、下記コラムをお読みいただくといいでしょう。
【事例有り】意義ある管理職研修に導く目的設定ガイド|目的明確化までのポイント解説
目的を明確にしたら、研修後に管理職がどうなってほしいかを設定する必要があります。
下記は、ある会社の管理職研修のゴール設定になります。

ここまで決めることができたら、具体的な研修内容を決めていくといいでしょう。

3-2. 具体的な管理職研修の内容

管理職研修は、4種類あります。

下記の中から、管理職研修の内容を選ぶといいでしょう。

目的(効果) 管理職研修の種類 研修内容例 効果がない研修の
特徴
① 管理職の意識醸成 新任管理職研修 ・マインド醸成
・役割の理解
・儀式的に行われ受講者の課題にフォーカスされていない
② 次の経営者の育成 次世代リーダー育成研修 ・戦略思考、事業開発、マーケティング
・財務、会計
・問題解決(クリティカルシンキング、システムシンキング)
・一般論が主となり自社戦略に活用できない
・現在の役割と乖離があり、すぐに活用できない
③ チームパフォーマンス・エンゲージメントの向上 管理職のパフォーマンス向上研修 ・部下育成(OJT、1on1、コーチングなど)
・目標管理・評価面談
・チームとしての業務遂行
・管理職同士のチームビルディング
・リーダーシップ
・内容と現場の状況に乖離がある
④ 労務管理・コンプライアンスのリスクマネジメント 労務管理・コンプライアンス研修 ・人事労務管理
・メンタルヘルス
・コンプライアンス
・研修で終わりになっており、現場の管理がされていない

この時に研修だけ決めるだけではなく、研修後のフォローまで考えられるといいでしょう。
より詳しく知りたい方は、下記コラムをお読みいただければと思います。

【管理職研修】事例を通して効果的な内容と失敗しないポイントを徹底解説!
管理職研修を4種類に分けて解説!種類ごとの内容を知り、最適な研修を見つけよう

二つのポイントを抑え、”意味のない無駄”な管理職研修を避けて頂ければと思います。

1. 管理職研修の目的や、実現したいゴール設定
2. 具体的な管理職研修の内容

4.まとめ

本コラムでは、「意味のない無駄な管理職研修」に関してお伝えしました。

具体的には、
・意味のない無駄な管理職研修とは、何なのか?
・意味のない無駄な管理職研修、具体的な12パターン
・意味のない無駄な管理職研修を避けるために押さえるべきポイント
をお伝えしました。

本コラムを通して、意味のない無駄な管理職研修を避けるためのポイントが理解いただけたのではないでしょうか。

意味のない管理職研修を避けるために、管理職研修の企画をしっかり作りこみ実施したいというご相談があれば、ぜひ当社までご連絡いただければと思います。