管理職に求められるコミュニケーションと、高めるべきコミュケーションスキルとは?

更新日:

作成日:2022.11.8

会議をしている4人の男女

管理職は、現場社員や他部門の管理職、経営者、社外の関係者など、さまざまな立場の人とのコミュニケーションが求められ、その影響力も大きなものです。
その一方で「管理職と現場社員のコミュニケーションが上手くいっていない」「管理職同士が上手く連携が取れていない」といったお悩みを抱える企業も少なくありません。

本コラムでは、管理職に求められるコミュニケーションと、絶対に行ってはいけないコミュニケーションについて詳しく解説していきます。

合計500社以上の導入実績を誇るアーティエンスでは「管理職がプレイヤーから抜け出せていない」「管理職が昔の気質のままで変われない」といった企業さまへ「研修成功事例集」を作成しました。
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このコラムで分かること

  • 管理職に求められる4つのコミュニケーション
  • 管理職が行ってはいけない3つのコミュニケーション
  • 管理職のコミュニケーション力を高める方法
執筆者プロフィール
迫間 智彦
X:@tohaza_atc youtube:中小企業の人材育成・組織変革 専門チャンネル
大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。

専門性:ファシリテーター管理職組織開発・組織変革


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1)管理職に求められる4つのコミュニケーション

管理職に求められるコミュニケーションとは、「上下左右+社外」のコミュニケーションです。
具体的には、下記のコミュニケーションです。

①上司・経営陣とのコミュニケーション
②部下・チーム内のコミュニケーション
③部門間のコミュニケーション
④社外(顧客・外部パートナー)とのコミュニケーション

それぞれ説明していきます。

①上司・経営陣とのコミュニケーション

管理職に求められるコミュニケーションとして、上司・経営陣とのコミュニケーションがあります。
※ ここでの上司とは、事業責任者レベルを指します。

一言で言うと、下記のコミュニケーションになります。

・会社の戦略や方針を経営者の考えや想いなども理解した上で、必要に応じて現場の状況報告・提言をしていくコミュニケーション

例えば、当社のお客様であるベンチャー企業の事例をお伝えいたします。
コロナ禍になり、SNSを利用したマーケティング活動を行うことを会社の方針にしていくという判断をしました。ただし、SNSの担当者がいるわけでもなく、現場のリソースはない状態です。

その時に、ある管理職が、SNSマーケティングのインパクトの大きさも理解していることを伝えながらも、その前提でリスクなどに関しては、どう考えているかについて質問をしていきました。

その管理職の問いを中心に、

・自身の仕事で手いっぱいで、コミットできるメンバーがいない
・Webコンサルティング会社とコミュニケーションを取れるだけのメンバーもいない
・一度始めたら、撤退は難しい
・本当に品質が高いものが提供できるのか?リスクが大きいのではないか

という話が出てきました。

その内容を受け、経営者はSNSマーケティングを一旦延期し、今より必要なことに対してリソースを割く判断をしたそうです。

現場の状況とあまりにかけ離れていた場合は、上司・経営者に提言することも必要になってきます。現場の正確な情報を伝えなければ、経営者は状況に適応した戦略や方針を立てることができません。そのため、上司・経営者に嫌な顔をされたとしても、耳が痛いことを伝える必要があります。

この時に忘れてはいけないことは、「経営者の考えや想いなども理解した上」で提言するということです。

②部下・チーム内のコミュニケーション

管理職に求められるコミュニケーションとして、部下・チーム内のコミュニケーションがあります。一言で言うと、下記のコミュニケーションになります。

・会社の戦略や方針を咀嚼した上で伝え、現場のメンバーの目標達成へのコミットの醸成と目標達成のための支援を行い、さらにチームが成長するためのコミュニケーション

例えば筆者の前職の話ですが、素晴らしいなと思った管理職の同僚は、会社の戦略や方針と自チームの目標がどのようにつながり、この目標を達成すると、未来に何が起きるのかまで伝えていました。さらに、メンバーへ支援をしながらも、メンバーの結果と行動を会議で必ず振り返り、チームのナレッジとして積み上げていた方がいました。

ただ戦略や方針を伝えるだけでは、メンバーのコミット力を高めることはできません。さらに伝えるだけではなく、目標達成のための支援(短期成果)とメンバーとチームの成長(中長期成長)にアプローチするコミュニケーションを取っていく必要があります。

(参考コラム)管理職が部下育成で押さえるべき5ポイント|対象社員別の取り組みが鍵!

③部門間のコミュニケーション

管理職に求められるコミュニケーションとして、部門間のコミュニケーションがあります。一言で言うと、下記のコミュニケーションになります。

・会社の全体最適を考えた上で、各部門の部分最適を統合し、win-winの状況を創るコミュニケーション

「部下・チーム内のコミュニケーション」で例に挙げた管理職の同僚の話になりますが、彼は部門間のコミュニケーションも素晴らしかったです。

開発部に所属していた彼は、営業部から無理難題な納期で開発依頼などがありました。
もちろん顧客に迷惑をかけるようなものは断っていましたが、営業部のマネージャーと話をして、今まであった開発部の依頼のルールをアップデートし、さらに営業会議に対して開発メンバーの参加や、営業同行なども積極的に行っていくようにしました。

営業から無理な依頼が無くなり、また開発のメンバーと営業メンバーの敵対関係も無くなり、協力関係になっていきました。

このように、「会社として何を達成することが重要なのか?」を第一優先に考えます。
ただし部門間の対立関係が起きたときに、お互いの利害を把握し、統合していくコミュニケーションが必要になります。

④社外(顧客・外部パートナー)とのコミュニケーション

管理職に求められるコミュニケーションとして、社外(顧客・外部パートナー)とのコミュニケーションがあります。一言で言うと、下記のコミュニケーションになります。

・共にビジョン・目的・目標を達成する仲間として、協力体制を最大化するコミュニケーション

今回の事例も、「部下・チーム内のコミュニケーション」と先ほどの管理職の同僚の話ですが、顧客に対しても、外部パートナーに対しても誠実でフラットな方でした。

顧客2名、外部パートナー2名、自身とメンバー2名の7名の会議があったときの話です。
ミーティングでは、いつもであれば顧客側は担当者一人ですが、突然責任者である上司も出席し、要件定義から外れるオーダーをしました。正直、外部パートナーと自組織にとって、とても困るリクエストです。

この時に、「何とか受けようとする」や、「ただ断る」という選択はせず、リクエストをされた上司を中心に、背景などを聴いていきました。そして、最終的には「目的・目標」を達成するためにはどうしたらいいかという話になり、大きな要件定義の変更もなく、お互いの協力体制が強くなったということがありました。

このように、中の人や外の人と、区別するのではなく、共にビジョン・目的・目標を達成する仲間であり、そのために自分たちの力を最大限発揮するためには、どうしたら素晴らしい協力体制が取れるかを考えて取るコミュニケーションが必要です。

それでは、このようなコミュニケーションを取るためには、どのようなコミュニケーション力を高めるべきかを、2章で説明していきたいと思います。

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2)管理職が高めるべきコミュニケーションスキルは「対話力」

管理職が高めるべきコミュニケーションスキルとは、対話力です。

管理職に求められる「上下左右+社外」のコミュニケーションですが、どうしても対立関係や衝突が生まれます。この時に議論だけに頼ると、勝者・敗者ができ遺恨を残したり、部分最適になることも多くあります。また表面的な会話だけで終わらせようとすると、当たり障りのない意思決定や、時には力のある人が一方的に決める意思決定になるでしょう。

アパルトヘイトを解放に導いた一人である世界的に著名なファシリテーターのアダムカヘン氏は、4つの会話があると説いています。
下記の図は、当社がアダムカヘン氏の提唱する考えをもとに、表現方法などを変えて分かりやすくした図です。  アダムカヘン氏  ※ 当社、組織変革ファシリテーター育成コースより抜粋

会議などで多いのは、礼儀的な会話や論争です。ここを乗り越えるためのコミュニケーション力として、管理職には対話力が求められます。対話力を向上させれば、管理職が求められるコミュニケーションへの対応は可能になるでしょう。対話力は、普段のコミュニケーションから、会議、1on1、商談などさまざまな場面で活用が可能です。

【参考】対話力を上げるためには
一つの方法として、ファシリテーションスキルを身に付けていくとよいでしょう。
下記コラムは、具体的に会議体でどのように管理職がファシリテーションを扱うかを書いている記事になるので、ぜひ参考にしてください。

会議の質を上げるには、管理職のファシリテーション力が肝! ~会議を起点に、組織変革を進める~

3)管理職が絶対に行ってはいけないコミュニケーション3選

管理職が絶対に行ってはいけないコミュニケーションには、下記3つがあります。

①上司・経営者の正解を探す
②自身の認知の正しさを証明する
③自部門のメリットに拘る

それぞれ説明していきます。

①上司・経営者の正解を探す

上司・経営者の正解を探してはいけない理由は、2点あります。

1点目は、上司・経営者が必ずしも正しい答えを持っていないということです。
特に、VUCAと言われる世界では、今日の正解が明日の不正解になっている可能性があります。

例えば、当社のお客様であるメーカー様の事例ですが、経営者の判断で数億円もする大型な機械を入れることになりました。最近のトレンドで必要だという判断で行いましたが、使い道などは不透明での導入でした。新しいビジネスで使えるだろうという程度での導入です。誰も経営者を止めることをせず、その機械をどう使ったらいいか、現場の管理職が今も考えているそうです。信じられないような事例ですが、経営陣の判断のみに頼ると、このようなことも起きるのです。

2点目は、上司や経営者の正解以上の結果が出ないということです。
そして多くの場合は、期待未満になることが多いです。

例えば、当社のお客様であるWebコンテンツを作っている企業様の事例ですが、管理職が想いを持って創った新サービスの企画案に対して、何度もダメ出しをしました。1回目の提案では、自身が考えるフォーマットに落として作り直しを依頼し、2回目になって新しい要件を伝えて、3回目になってさらに新しい要件を伝えて、最終的によくわからない企画になりました。もちろん、まったく結果も出なかったそうです。

管理職は、事業・組織の発展のために、経営者と現場をつなぐ存在です。
経営者の正解を探すのではなく、上司・経営者・現場と共に、時代に適応する正解を創っていく必要があります。そのため、上司や経営者の正解を探すのは止めたほうがいいのです。
アダムカヘン氏の言う「礼儀的会話」が、これに当てはまります。

②自身の認知の正しさを証明する

「自身の認知の正しさを証明する」に関しては、自身の正しさを証明したところで、素晴らしい結果が出ないことが多いためです。

例えば、「1)管理職にとって、求められるコミュニケーションとは?」の「①上司・経営陣とのコミュニケーション」のSNSのマーケティングで、管理職の方が、SNSマーケティングが良くないことを強く力説すると、経営者はむきになって施策を実行したかもしれませんし、遺恨も残ったかもしれません。

このように自分の認知をもとに、正論で言い負かしたとしても、何もいい結果は出ません。相手との関係性やコミット力が下がるケースが多いです。またそれが正しいとは限らないため、誤った判断になるかもしれません。
アダムカヘン氏の言う「論争」が、これに当てはまります。

③自部門のメリットに拘る

「自部門のメリットに拘る」に関しては、部分最適に陥ってしまい、自組織の発展のブレーキになってしまいます。

例えば、「1)管理職にとって、求められるコミュニケーションとは?」の「③部門間のコミュニケーション」の営業と開発との関係ですが、ここで開発部のマネージャーが、ルールに沿った案件しか受けないとなった場合は、営業の活動に制限がかかり、売上にも影響が出てくるでしょう。

自身や自チームのことばかり考えると、組織としての成長も発展性もありません。
アダムカヘン氏の言う「論争」が、これに当てはまります。

4)管理職のコミュニケーション力を高める研修内容

管理職のコミュニケーション力を高めるには、対話力を強化することが必要です。
主に、2つのアプローチがあります。

・対話力を身に着けるためのアプローチ
・関係の質を理解し行動するためのアプローチ

管理職本人の課題や、組織が抱えている課題を踏まえて、どちらに重きを置くかを考えて、研修を実施するといいでしょう。

例えば、「表面的に仲はいいけど、建設的な衝突が起きない」というのであれば、ファシリテーション研修を実施し、正しい議論や対話を学ぶのもよいでしょう。

本研修の詳しい内容や資料請求は、下記ページをご覧ください。
アーティエンスのファシリテーション研修

逆に、管理職から厳しいフィードバックがあり目標達成もできているが、離職率が高く助け合い贖い職場であるなら、心理的安全性の研修を行ってもいいかもしれません。

本研修の詳しい内容や資料請求は、下記ページをご覧ください。
アーティエンスの心理的安全性向上研修

どちらに重きを置くかを考えて、管理職のコミュニケーションを上げるため研修を実施するといいでしょう。

5)まとめ

管理職に求められるコミュニケーションとは、「上下左右+社外」のコミュニケーションです。

①上司・経営陣とのコミュニケーション
②部下・チーム内のコミュニケーション
③部門間のコミュニケーション
④社外(顧客・外部パートナー)とのコミュニケーション

これらの管理職に求められるコミュニケーションを高めていくには、対話力の向上が必須です。対話力を高めるとともに、管理職が絶対に行ってはいけないコミュニケーションとして、下記3点があげられます。

①上司・経営者の正解を探す
②自身の認知の正しさを証明する
③自部門のメリットに拘る

最後に蛇足ですが、途中でご紹介した前職の管理職の同僚は、次世代リーダー候補として、抜擢されているそうです。もちろん他にも管理職としての役割を全うし、能力もある方ですが、管理職に求められるコミュニケーションを大切に扱っており、対話をとても大切にしていました。

管理職が、管理職のコミュニケーションに悩んでいたり、困っていた際に、本コラムが少しでもお役に立てればとても嬉しく思います。

経営者・人事の方で、管理職のコミュニケーションスキルにお困りの場合は、ぜひ当社までお問い合わせいただければ幸いです。

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