1on1ミーティング研修導入ガイド:目的設定から事後フォローまで解説

更新日:

作成日:2023.6.8

1on1ミーティング研修導入ガイド

「1on1ミーティング研修って何をすればいい?」
「1on1ミーティング研修にはどのような効果があるのか?」
「1on1ミーティング研修対象者はどのように選べばいいのか?」
「おすすめの1on1ミーティング研修とは?」

など、1on1ミーティングの研修を行うにあたり、お悩みの方も多くいらっしゃるのではないかと思います。

1on1ミーティングがうまくいくようになると「メンバーとの関係性が良くなる」「メンバーが成長や挑戦に前向きになり、パフォーマンスやエンゲージメントが高まる」「メンバーのキャリア開発をサポートできるようになる」などの変化が起こります。

では、本当に良い1on1ミーティングを行うための研修はどのように企画していくべきか?

本コラムでは、1on1ミーティング研修を検討する際のポイントや1on1ミーティング研修の具体的な内容についてご紹介します。この記事を読んで、1on1ミーティング研修の検討に役立ててみてください。

>1on1ミーティング研修に関するお問い合わせ・資料請求は、こちらからお願いいたします。

監修者プロフィール

菊地 大翼

組織人事コンサルタント。業界歴15年以上。研修会社に入社し、法人営業で売上トップを達成後、新規商品の開発に従事。現在は人事制度構築支援、成人発達理論に基づいた人材・組織開発のコンサルティングを行っている。

1)1on1ミーティング研修で必ず押さえたい3つのポイント

1on1ミーティング研修では以下の3つを押さえることが大切です。

1on1ミーティング研修の3つのポイント

1.自分のコミュニケーションを振り返る

良かれと思ってやっていることでも相手にとってはネガティブな影響を与えていることもあります。自分の視点だけでなく、他者の視点も交えて、自分のコミュニケーションが本当に適切かを確認する必要があります。

たとえば、部下の話に耳を傾けようと思うがあまり、あいづちをとっていたものの、実は部下からすればわざとらしく感じた、ということもあるかもしれません。一般的に話を聞く際にはあいづちをとるべきだと言われますが、どの程度が適切なのかは、コミュニケーションの受け手が決めます。

このように、一般的には正しいと思われることも、それだけを鵜呑みにすると、実は相手からはネガティブに捉えられることもあり得ます。

上司・部下の関係では、ちょっと気になることも、関係性の悪化を恐れて口にしないこともあります。だからこそ、利害関係なく学べる研修の場で、自分の視点と相手の視点の違いに気づく機会を積極的に設けることが大切です。

2.自己認識をアップデートする

例えば、「自分はよく話を聴く人だ」と認識していても、実際に1on1ミーティングでは部下の話を予測しながら話を聞いて、部下がすべてを言い終わる前にさえぎって話をし始めるといった行動を取っている場合は多くあります。

誤った自己認識のままでいると、いつまで経っても適切にコミュニケーションをとることができなくなります

自分のコミュニケーションを振り返るためには、コミュニケーションのポイントについてインプットして学ぶ、他者からフィードバックをもらう、などが有効です。

自己認識のアップデートのためには、他者からのフィードバックや、コミュニケーションの癖を把握するためのアセスメントを受けるなどが有効です。

3.対話スキルをアップデートする

対話スキルは1on1の根幹となるスキルです。1on1はただ日常会話をする場ではなく、学んだことを振り返って言語化し、成長につなげる、未来を探求し、キャリアについての理解や考えを深めるなどの目的で行うものです。

よって、単なる会話ができていればよいというわけではなく、自分を見つめて深く振り返ることを促したり、未来についてイメージを描くことをサポートする対話スキルが必要とされます。

具体的には、次の3つのスキルです。

安心して素直に話せるようにするための場にするための雰囲気創り・心理的安全性を高めるスキル

問いかけを通じて、相手が捉え方の枠を広げて、内省を深められるようにする問いかけのスキル

相手の頭の中と気持ちを整理をサポートして、スムーズに行動に移せるようにするためのサポートスキル

対話スキルの向上には、インプットでポイントを理解したのち、1on1ミーティングのロールプレイングを行い「わかる」に加えて実際にスキルが「できる」ようになっているかを確認し、不足があれば練習を重ねることが大切です。

2)1on1ミーティング研修が必要とされる理由

1on1ミーティング研修が必要とされる理由は、他者とのコミュニケーションのズレを理解し、そのズレを乗り越えるための対話スキルを習得するためです。

他者とのコミュニケーションのズレは、どんなに親しい関係であっても必ず起こりえます。
よって、「ズレが起きないこと」自体を目標とすることは、適切な目標設定とは言えません。それよりも、コミュニケーションのズレが起きることを前提に、どのようにリカバリーするか、どのようにズレを少なくするかを知る方が効果的と言えます。

コミュニケーションのズレを乗り越えるためには、対話スキルを習得する必要があります。

お互いがお互いの主張を述べあうだけでは、ズレは埋まらずに広がり続けます。お互いに意見を交わし合うと共に、どの点は一致しているのか、どの点は見解が異なるのかなどを、丁寧に確認し、捉え方を変えていく対話スキルが重要と言えます。

他者とのコミュニケーションのズレに気づくためには、【自分の意図や認識】と【相手の意図や認識】をすり合わせて確認する必要があります。

例えば、「自分としては考えていたので黙っていた」という認識が、相手にとっては「黙り込んで怒っているように見えた」ということがあるかもしれません。

そのような際には、お互いの認識を言葉にして伝え、どこでズレが生じたのか、どんな要素がズレを生んでいたのか?(今回の例で言えば「沈黙」をどう捉えていたのか?にズレが生じていたと言えそうです)を確認します。

そして、ズレが生じたときの対話スキルの具体例としては

・起きていた事実と解釈を区別し相手の話を聴いて確認するスキル
・自分の意図が相手に伝わるように話すスキル
・互いの捉え方を交換しながら認知をアップデートしていくスキル

などが挙げられます。決して、一方的に相手を責めたり、自己否定してはいけません。

お互いの会話の中では、大小さまざまなコミュニケーションのズレがどうしても生じてしまいます。特に上司とメンバー間など、立場や経験が異なる場合は、ズレが起きる可能性やズレの幅は大きくなってしまいがちです。

上司とメンバー間で行う1on1ミーティングも、ズレに気づかないまま進んでしまっては、得られる成果も少なくなってしまいます。限られた時間で、意味のある1on1ミーティングを行うためにも、研修で1on1ミーティングのポイントやスキルを確実に身につける必要があります。

3)質の高い1on1ミーティング研修を行うための7ステップ

1.1on1ミーティング研修を実施する目的とゴールを決定する

最初に行うべきは1on1ミーティング研修の目的とゴールの設定です。
ここで最も重要なのは、「1on1ミーティングの実践」ではなく「仕事における成果の向上」に焦点を当てて、研修目的とゴール設定を行うことです。なぜなら、1on1ミーティングには必ず目的や意図があるからです。1on1ミーティングは手段であり、目的や意図を実現するために行うものです。以下に、具体例を挙げます。

●1on1ミーティングの目的:メンバーの迷いや悩みを聴いて、気兼ねなく仕事に取り組めるようにする
→迷い・悩みに耳を傾ける傾聴スキルが研修の重要なポイントとなる。

●1on1ミーティングの目的:最近取り組んだ仕事からの学びや気づきを引き出す
→内省を促すための問いかけや、気づきを言語化してもらうための投げかけのスキルなどが研修の重要なポイントとなる。

このように、何を目的とするかによって、研修の方向性が大きく変わってきます。
目的の設定が曖昧だと、ポイントが複数含まれるわかりにくい研修になり、効果が落ちてしまいます。効果的な研修を行うためにも、研修目的とゴールの設定を行いましょう。

【参考コラム】【企画書の実例あり】研修企画の創り方:ゴールからスケジュールまで

2.対象層を決める

目的とゴールが設定できたら、対象層を決めます。多くの場合は、1on1ミーティングを既に実践している人か、これから1on1ミーティングの実践が期待される人が対象者になるはずです。

さらに具体的には、管理職クラスが1on1ミーティングの対象層となることが多いでしょう。

ここで重要なことは、1on1ミーティングを行う人だけではなく、1on1ミーティングを受ける人に対しても研修を行うことです。なぜなら、1on1ミーティングの主役は、上司ではなく、メンバーだからです。

メンバーに対して、1on1ミーティングの主役は自分であり、何を話したいか、どのような時間にしたいか、を自分から発信する必要があることに気づく必要があります。メンバーの1on1ミーティングに対する意識づけができていないと、どれだけ上司が1on1ミーティングのスキルを高めても、効果は限定的です。

以上のことから、1on1ミーティング研修は、上司だけでなくメンバーも対象者に含むことが望ましいです。上司には1on1ミーティングを行うための研修を、メンバーに対しては1on1の受け方を学ぶ研修をそれぞれ実施します。

ただ、これから1on1ミーティングを導入する際には、すぐに両者に向けて研修を実施するのは難しいかもしれません。その際には、まず上司に1on1ミーティングの研修を実施し、その後メンバーに1on1ミーティングの受け方研修を行うと良いでしょう。

自社の1on1ミーティングの目的や、状況に応じて、適切に対象層を選びましょう。

3.手法を決める

続いて、手法を決めます。1on1ミーティング研修における手法は大きく分けて以下の4つです。

手法1:講義・レクチャー

1on1ミーティングを行う上でのポイントについて座学で学びます

手法2:演習・ワーク

実際に1on1ミーティングを行います。1on1ミーティングスキルの向上や、どの程度ポイントが実践できているかを理解することが目的です。

手法3:アセスメント

自分でも無意識になっているコミュニケーションの癖を把握するために、タイプ診断などを通して、自己理解を深めます。

手法4:対話・ダイアログ

1on1ミーティングについて、普段は思っているけれど口にしないことを共有して、1on1ミーティングに対する不安や悩み、モヤモヤを和らげるために行います。

1on1ミーティング研修では、学習効果を高めるために上記手法を組み合わせて実施します。
例えば、講義・レクチャーだけだと、ポイントは理解できてもすぐに実践できるようになりません。どれだけメンバーの話に耳を傾けることが重要だと理解しても、実際の1on1ミーティングでは、ついメンバーの発言に被せて話してしまう、メンバーが話しているときに、どうやって返答しようか頭の中で考えてしまう、などはよく起こることです。これらの点に自ら気づくには、演習・ワークを通して理解することが必要です。
逆に、演習やワークだけでは、何をして良いかが分からず、結局自己流のまま、ということがよくあります。

このように、一つの手法だけでなく、複数の手法を組み合わせて、参加者の理解やモチベーションの変化、行動の変化を生みやすくする工夫をすることが大切です。

プロの研修会社は、多くの1on1ミーティングの実施実績を元に、クオリティの高い研修プログラムを持っています。もし自社でプログラムを開発することが難しい場合には、プロのアドバイスを受けることも有効です。

【参考コラム】効果的な研修手法とは?3つの研修手法の事例とポイントを徹底解説

4.実施形態を決める

次に実施形態を決めます。ここでの実施形態とは、対面型かオンライン型かを指します。

1on1ミーティングは、対面とオンラインの両方で行われていることもあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

対面型

【メリット】
・表情の変化や感情などの非言語的コミュニケーションを感じ取るスキルを高めやすい
・講師がきめ細かいフィードバックを行える
・他者の1on1ミーティングの演習の様子を見て、学びや気づきを得られやすい

【デメリット】
・同じ時間に同じ場所に集まる必要があるので、オンライン型と比較するとコストが高くなる
・コストなどの観点から半日~1日などまとまった時間が必要とされることが多く、単発でやりっぱなしになりやすい
・欠席者へのフォローアップがやりにくい
・オンラインでの1on1ミーティングのコツが習得できない

オンライン型

【メリット】
・場所を問わずに研修が実施できるので、低コストで研修が実施できる
・短時間で繰り返し研修を実施することへのハードルが低く、スキルの定着が行いやすい
・録画などが手軽にでき、欠席者へのフォローアップも行いやすい
・オンラインでの1on1ミーティングのコツが習得しやすい

【デメリット】
・表情の変化、ちょっとした空気の変化や感情の変化などを感じ取るスキルが高めにくい
・講師のきめ細かなフィードバックは対面に比べると劣る可能性がある
・他の参加者の演習の様子などは見えにくい

一番のおすすめは、対面型とオンライン型の併用です。

具体的には、複数回の研修を設計し、初回は対面で、2回目以降はオンラインで行うと良いです。コストを抑えつつ時間などの負荷をできる限り軽減した上で、複数回研修を行えるので、あまり研修予算がなかったり、現場の協力を得られにくい場合でも、スキル定着が図れるようになります。

特に1on1ミーティングをこれからスタートする、あまり慣れていないなどの場合は、いきなりオンライン型にすると難易度が高いと感じられることも多く、初回は対面で実施することをおすすめしています。

研修会社に依頼する場合には、その会社や講師が両方の形式に対応できるかを確認した上で依頼をすると良いでしょう。現在では少なくなりましたが、オンライン型の研修を苦手とする研修会社や講師もいるからです。

5.期間を決める

続いて、期間を決めます。おすすめは、3か月程度の期間で行うことです。

上記でも紹介したように、初回は対面で、その後は2週間~1か月おきにオンラインで2回~3回程度実施できると良いでしょう。1on1ミーティングにスキルは、インプットしただけではスムーズに実践することは難しいです。職場での実践を通して、意識やスキルが変わっていきます。

よって、単発の研修で終わりにするのではなく

「研修でインプット」→「職場で実践」→「再度研修で、気づきを振り返る」

のサイクルを重ねると良いでしょう。複数回研修を行うことが難しい場合でも、

①知識とスキルのインプットと、実践練習を行う研修
②60分程度でも良いので、職場での実践を振り返るフォローアップ研修

の最低2回は、研修を行うことをおすすめしています。

6.効果測定の方法を決める

1on1ミーティング研修は、効果測定も重要な点です。1on1ミーティングは密室で行われることが多く、その効果や変化が見えにくいものでもあるからです。効果測定の手段は5つあります。

手段1:アンケート

研修参加者や、1on1を受けるメンバーに対して、行います。研修前と後で、どのような変化があったかを確認します。気軽に行うことができ、数値で変化を把握もできます。一方で丁寧に設計しないと、効果があったかどうかの検証や、今後の改善点が見出しにくくなる点には注意が必要です。

手段2:インタビュー

感覚や捉え方の変化など、文字や数値では把握することの難しい部分について、本音を聞くこともできます。少し手間は掛かりますが、多面的な角度で効果測定を行う際には、実施したい手段です。

手段3:個別アセスメント

実際に1on1ミーティングをやっている様子や録画を観察して、1on1ミーティングのポイントがどの程度実践できているかを判定して、フィードバックするものです。時間と手間は要しますが、きめ細かなフィードバックが可能です。もし可能な場合はぜひ実施してみてください。

手段4:多面診断

360度フィードバックとも言われるものです。あくまで主観になるので、正確な効果測定ではありませんが、「どのような変化があったのか?」を把握する材料にはなります。ただし、360度フィードバックを受ける人にはプレッシャーにもなりますので、意図や目的を設計したうえで、丁寧にコミュニケーションを行う必要があります。

手段5:各種サーベイ

エンゲージメントサーベイやパルスサーベイと言われるものです。こちらも変化が観察しやすいことと、種類によっては業務や成果への影響度合いも見ることができます。

※ 手段4と5については、数値の良し悪しで判断するのではなく、その背景を紐解く対話が必須です。

ただし、サーベイ上での変化は、一定期間(目安としては3か月程度)必要なこと、また、単発の研修だけでは数値上の変化は起きにくいことを理解しておく必要があります。何のために、どんな意図で行うのか?を設計したうえで行うことが大切です。

なお、アーティエンスでも、パルスサーベイを行っています。サーベイの実施だけでなく、その結果をどのように解釈すればいいか、次のアクションにどのように繋げていけばよいか、までご支援をしています。詳しい内容・資料請求は下記ページをご覧ください。

アーティエンスのパルスサーベイの考え方

若手社員向け Gorwth 管理職向け Oar

7.現場でのフォローアップを決める

フォローアップも盛り込んだ企画とすることが1on1ミーティング研修で高い成果を出すためには大切です。なぜなら、1on1ミーティングは、ポイントを理解しただけでは上手にできるようにはならず、実践を通して上達していくからです。

具体的には以下のようなフォローアップを行うと良いでしょう。

① 事後課題として、1on1ミーティングを実際に行ってもらう(研修後1か月以内)
② 1on1ミーティングを実施しての気づきや学び、やってみて難しかったこと、疑問を言語化してもらう
③ ②のレポートをシェアするフォローアップミーティングを実施する(オンラインで60分~90分程度)

事後課題にすることで、1on1ミーティングの実践を自然な形で促すことができます。そして、重要なのは気づきや不安・疑問を言語化して共有することです。
1on1ミーティングは、クローズドな環境で行われることが多く、他の人がどのように1on1ミーティングを行っているのをなかなか知ることができません。

そこで「実際にどんな風に1on1ミーティングを行っているのか?」「どんな工夫をしているのか?」を共有する場を設けることで、ナレッジの共有がスムーズに進むと共に、上司の不安が和らぎます。

もし余裕があれば、フォローアップミーティングの場で出た1on1ミーティングのコツや、不安への対処法などをまとめた資料を作成・展開し、自社独自の1on1のポイントを言語化してみると良いでしょう。

4)1on1ミーティング研修の事例

1on1ミーティング研修の事例をお伝えします。

項目 内容
業種 WEBサービス
企業
規模
150名程度
対象・実施月 マネージャー・1月
目的 管理職のリーダーシップ開発の一つとして実施
効果 1on1の質が変わり、上司とメンバーとの間で共創を意識した目標設定になった(成長促進や、ライフイベントに応じた目標)。その結果、以前は押し付け感が強く発生していた目標設定において、両者間で合意形成が取りやすくなった

本企業はM&Aを行ったタイミングから、以前に増して部門間の壁はより大きくなり、縄張り争いも多い状態でした。上司部下の関係性もよくないという課題意識がありました。

そのような中、強い組織にしていくキーパーソンはマネージャーだと経営陣が判断し、2年間にわたる管理職のリーダーシップ開発を実施しました。その中の一つのセッションとして、1on1ミーティングを実施しました。

1on1ミーティングの研修終了後の管理職のレポートでは、下記コメントがでていました。

「1on1は業務支援だけではなく、精神的な支援や内省的な支援も必要」
「目的・目標を明確にして、対話を行わないといけない」

企画側である人事には「1on1の質が変わり、目標面談が今までよりも上手いっている」という声が管理職から届いているとのことでした。

【ストーリーで学ぶ企業事例】
M&A後、部門間の壁は多くなり、吸収した側・吸収された側の意識も強く、社内の関係性が良いという状況ではありませんでした。上司・部下の関係も、ギスギスしている部分がありました。
このような状況を見て、経営陣からは、キーパーソンは、マネージャーだからという話があり、マネージャーのリーダーシップ開発を行うことになります。マネージャーのリーダーシップ開発の一部として、1on1ミーティングの研修を行いました。1on1ミーティングをデザインしロールプレイングするという体験を通して、自身のGood Point・Needimprove Pointを明確にしていきました。
研修中には「業務の指示をしているだけで、部下に対してまったく寄り添っていなかった」や「対話ではなく、自分の落としどころに落とす方法になっていた」などの発言がありました。
研修終了後の管理職のレポートでは認知変容・行動変容が生まれて、対話という言葉が社内での共通言語になっていったそうです。

【参考】 当社、1on1ミーティング研修のテキストを一部抜粋

5)1on1ミーティング研修に関するよくある質問

Q1:1on1ミーティング研修を行う際に重視すべきポイントは何ですか?

A:コミュニケーションにおける自己認識を振り返る要素が含まれているかどうかです。

1on1ミーティングでは、下記のような現象がよく起こります。

・「好きなことを話してね」と上司は言いつつ、職場の問題点について話すと、嫌な顔をされる
・メンバーは悩みを聞いてほしいだけなのに、上司から一方的に解決策をアドバイスされる
・上司に本当に言いたいことがあるけれど、言える雰囲気ではなく差し障りのない会話に終始してしまう

多くの場合、上司はこのようなコミュニケーションのズレが生じていることに無自覚です。ズレが起こっている中で、どれだけ質問のスキルを駆使しても、意味のある対話にはなりません。
よって、1on1ミーティング研修の中に、コミュニケーションのズレに気づける要素が含まれているかを確認しましょう。

具体的には、下記が有効です。

・1on1ミーティングを行っている動画を見て上司とメンバーでの捉え方を挙げる演習を行う
・1on1ミーティングのロープレで自分の意図と相手の意図のズレを指摘し合い、話し合う

Q2:1on1ミーティングの研修講師はどのように選ぶと良いですか?

A:可能であれば、企業内で1on1ミーティングを行ったことのある講師に依頼するのが望ましいです。

なぜなら、1on1ミーティングはパーソナルコーチングとは異なり、利害関係のある上司・メンバー間で行われること、中長期的なキャリアの話をするときもあれば、業務の話をする場面もあるなど、企業内での特有の難しさがあるからです。

そのため、講師を選定する際には「企業内で1on1を実践した経験はありますか?」と確認すると良いでしょう。

ただし、状況によっては、企業内で1on1ミーティングを行ったことのある講師に依頼できないこともあるかと思います。その際には、コーチングの資格を有している講師、企業内で管理職を務めていた経験があり、実績のある講師に依頼すると良いでしょう。

Q3:1on1ミーティング研修の効果はどのように測定すれば良いですか?

A:効果測定の手段は5つあります。

①アンケート
②インタビュー
③個別アセスメント
④多面診断
⑤各種サーベイ

詳しくは本コラム7つのステップの3章:6.効果測定の方法を決めるにて解説をしています。初めて効果測定を行う場合には、アンケートからスタートするのが良いでしょう。低リスク・低コストで始められるからです。

アンケートでよくあるのは満足度を聞くことですが、実は満足度は行動変容との関係が薄いです。行動変容に関連のある項目としては、

①研修内容が理解できたか?
②研修での学びを実践する方法が分かるか?
③研修での学びを実践する方法が分かるか?
④職場で実際に行動に移しているか?
⑤実践を通じて成功体験があったか?

です。これらの項目を継続的に確認することで、どの程度の効果があったのか?さらに効果を高めるために必要なアクションが何か?が明確になります。アンケートでも掴み切れなかった効果を把握したいとなった時に、その他の手段を検討しましょう。

Q4:リモートワークの1on1ミーティングへの対応はどのように考えればよいですか?

A:リモートワークでも、対面であっても1on1ミーティングの基本的な原則は変わりません。

ただし、以下の2点に留意すると良いでしょう。

1:(特に話題がなくとも)話す時間は定期的に設ける

リモートワークでは、意図的にコミュニケーションの機会を設けないと、コミュニケーションが途切れがちになります。また、上司は仕事が順調に進んでいると思っていても、実は誰にも相談できずに精神的に疲弊していることがあります。
これに気づくためには、表面的には何もなくとも、コミュニケーションを取る時間を定期的、かつこまめに設けることが有効です。必ずしも毎回30分や1時間取る必要はありません。
10分や15分でも良いので、頻度高くコミュニケーションを行うことが有効です。

2:チームメンバーや他の部署の人とも1on1ミーティングを行う機会を設ける

リモートワークは孤独感を感じやすく、上司・メンバーだけのコミュニケーションだと実は言いたいことが言えていないことがあります。よって、時には同僚や他部署との1on1ミーティングを行うことが孤独感を和らげることにも寄与します。

Q5:1on1ミーティングの研修を行ってから、どの程度で研修効果がでますか?

A:研修効果は早くて1か月、通常であれば3か月程度を見込んでおくのが良いでしょう。

すぐに研修の成果が出るものではなく、学んだことを何回か実践するうちに、やり方が馴染み、効果が感じられるようになるためです。

例えば、

①最初の1か月は学んだことを見よう見まねでやってみる
②2か月目は前月うまくいかなかったところを修正して改善を試みる
③3か月目に自分なりのやり方が馴染んでくる

というようなステップで変化していきます。

よって、3か月程度は継続的なフォローアップを行うことを前提とした企画とすると、研修の成果を出しやすくなります。

6)まとめ~1on1ミーティング研修を実施するならアーティエンスにお任せ!~

本コラムで、1on1ミーティング研修を行う際の重要なポイントをお伝えしました。

具体的には、

1on1ミーティング研修で大切なのは自分のコミュニケーションを振り返り、自己認識と対話スキルをアップデートすること

1on1ミーティングの研修が必要な理由はメンバーとのコミュニケーションのズレが起こるポイントを理解し、乗り越えるための対話スキルを習得するため

質の高い1on1コミュニケーション研修を行うための7つのステップ

です。

1on1ミーティングは、上司とメンバーの関係性、メンバーのエンゲージメントなどにも直接的に関与できる数少ない手段です。

一方で知らず知らずのうちに自己流のコミュニケーションになってしまいがちです。結果、1on1の品質にばらつきが出てきます。自己流を見直し、正しい知識を得て実践する。そして、1on1ミーティングの効果を高めるためにも、研修を行うことは有意義です。

このコラムでは1on1ミーティング研修を企画・実施する際のポイントをわかりやすくまとめました。本コラムを読んで、1on1ミーティング研修を企画・実施に活用していただければ幸いです。

自社に合う1on1ミーティング研修って何だろう?など、お困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。