管理職研修の種類がわかる!4種類の目的別・おすすめ研修12選

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「管理職研修、うちもそろそろ必要だと思うけど…結局どんな種類があるの?」
「どの管理職研修が自社に合っていて、何から始めればいいのか分からない…」

そんな悩みを抱える人事の方は、実は少なくありません。

数多くある管理職研修の中から、自社に本当に必要なものを選ぶには、「目的に応じて、必要なテーマや学びの順番を明確にすること」が大切です。
この視点を持つだけで、研修選びの精度と納得感が大きく変わります。

本コラムでは、管理職研修の代表的な種類を目的別に整理しながら、各テーマがどんな課題に効果があるのか、そしてどのように設計すれば現場で活きる研修になるのかを、具体例を交えてご紹介します。

管理職の意識と行動に変化を促し、メンバーやチーム、組織全体にも良い変化を波及させていきましょう。

執筆者プロフィール
迫間 智彦
X:@tohaza_atc youtube:中小企業の人材育成・組織変革 専門チャンネル
大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。

専門性:ファシリテーター管理職組織開発・組織変革

目次

1.目的ごとに異なる管理職研修4種類

管理職に求められる役割や課題は、キャリアの段階や組織の状況によって大きく異なります。
そのため、研修も一律ではなく、目的に応じた管理職研修を使い分けることが効果的です。

ここでは、次の4つの目的に対応した代表的な管理職研修の種類と、それぞれの特徴・導入タイミングをご紹介します。

研修目的 管理職研修の種類
新任管理職としての役割とスキルを伝え活躍を促す 新任管理職研修
次の経営者層を育てる 次世代リーダー育成(上級管理職)研修
管理職が今抱えている課題の解決を促し、パフォーマンスを上げる パフォーマンス向上研修
リスクマネジメントを高める 労務・コンプライアンス管理研修

※ 各研修の具体的な内容は「2.【種類別】失敗しない研修選び|管理職研修の種類別おすすめ内容12選」でご紹介します。

①新たな管理職としての活躍を促す「新任管理職研修」

管理職としての第一歩を確実に踏み出すために、新任管理職研修は欠かせません。
新任管理職研修は、プレイヤーからマネージャーへと役割が大きく変化するタイミングで、「何を期待されているのか」「何をすべきか」を明確にし、早期に活躍できる状態をつくることを目的としています。

なぜこの研修が必要なのかというと、多くの新任管理職が「何をどう進めたらよいかわからない」という不安を抱えながらスタートを切るためです。
プレイヤーとしては優秀だった人材でも、マネジメントには別のスキルや視点が求められます。適切な支援がないまま任せてしまうと、本人が孤立したり、部下育成が進まなかったりといった問題が起こりやすくなります

新任管理職研修では、以下のような内容を通じて、マネジメントの土台を築きます。

・管理職としての役割理解(何を期待されているのか)
・部下育成・指導の基本(ティーチング/コーチング)
・チームの目標設定と進捗管理(成果を出す仕組みづくり)

この研修は、「昇格直後」または「新たにマネジメントを任されるタイミング」での実施が効果的です。
早い段階で正しい視点とスキルを身につけることで、その後のマネジメント行動に迷いがなくなり、チームとしても良いスタートを切ることができます。

なお新任管理職研修をより効果的にするためのポイントや具体的な設計方法については、「新任管理職研修の成功に必要な3つのポイントや具体的な研修の実施方法」で解説しています。ぜひ、ご覧ください。

②次の経営者を育てる「次世代リーダー育成(上級管理職)研修」

組織の未来を託せるリーダーを育てることは、経営の安定と成長を支える要です。
次世代リーダー育成研修は、経営層候補となる上級管理職に対し、戦略的視点と意思決定力を養うことを目的とした研修です。単なる管理職ではなく、“経営を担う視点”を持った人材への進化を支援します。

なぜこの研修が必要なのかというと、プレイヤーやマネージャーとして優秀であっても、経営に必要な視座・思考・スキルは自然には身につかないためです。
経営層が代わるタイミングで組織が混乱する企業も多く、次を担う人材の計画的な育成は、事業継続性の観点からも極めて重要です。

この研修では、以下のような上級管理職として必要な経営的スキルを体系的に学びます。

・戦略思考、事業開発、マーケティングの実践研修
・財務・会計リテラシーの向上(経営数字を使いこなす力)
・複雑な課題への対応力を養う問題解決研修(クリティカル/システムシンキング)

実施のタイミングとしては、「部長層以上」や「経営幹部候補としての打診を受けた段階」での導入が効果的です。
本人の覚悟と組織の意図をすり合わせながら、役割移行に伴う視座の転換と成長を加速させることができます。

なお、次世代リーダー育成研修の企業事例や、成功に導く具体的な設計ポイントは「一皮むける!次世代リーダー育成研修│必ず成功させるために」記事にて詳しく紹介しています。併せてご覧ください。

③管理職のパフォーマンスを上げる「パフォーマンス向上研修」

パフォーマンス向上研修は、管理職が今抱えている課題に向き合い、現場の成果につながる行動を引き出すことを目的とした研修です。プレイヤーではなく、マネージャーとして成果を生み出すために必要な視点やスキルを再構築します。

なぜこの研修が必要なのかというと、管理職の“関わり方”が、チームの動きやプロジェクトの成果に大きく影響するためです。
たとえば、「部下が思うように動かない」「チームがバラバラで足並みが揃わない」「会議では決まるのに、現場が動かない」といった状況は、管理職の関わり方ひとつで好転させることができます。
管理職として、メンバーにチーム意識を持たせ、協働を促す関わりや、メンバーのスキルをどう活かすかといった視点や知識がなければ、チームの力を引き出すことはできません。だからこそ、実践的な学びを通じて「現場が動く関わり方」を体得することが大切です。

研修内容は、管理職個人とチーム全体、両面のパフォーマンス向上を支援する設計がおすすめです。

・部下育成(OJT/1on1/コーチング)のスキル習得
・信頼関係と協働を促すチーム力向上研修
・影響力を高めるリーダーシップ研修
・会議や対話を効果的に導くファシリテーション研修

この研修は、「マネジメントがうまく機能していないと感じる時」「育成や関係性に課題を感じている時」「現場の成果が伸び悩んでいる時」に効果を発揮します。
管理職一人ひとりの変化が、チーム全体の動きや職場の空気感を大きく変えていきます。

④リスクマネジメント力を高める「労務・コンプライアンス管理研修」

管理職に求められるのは、成果を出す力だけではありません。組織と人を“守る”力も、いま強く問われています。
労務・コンプライアンス管理研修は、現代のマネジメントに不可欠なリスク対応力を育む研修です。法令順守の基本だけでなく、管理職自身や部下、組織全体を守るための“判断力”と“対応力”を養います。

なぜこの研修が必要なのかというと、ハラスメントや労務トラブル、情報管理ミスなど、日々のちょっとした言動や対応が、大きな組織リスクにつながりかねない時代だからです。
実際に、管理職が無自覚なまま不適切な対応をしてしまい、組織の信頼を損ねるケースも少なくありません。

この研修では、以下のような実務に即したテーマを扱いながら、リスクを未然に防ぐ力を高めます。

・メンタルヘルスへの理解と対応(部下の変化への気づき方、適切な声かけや対応方法など)
・労務管理の基本知識(働き方改革、長時間労働の防止、休暇管理など)
・コンプライアンス意識の醸成と実践(ハラスメント防止、個人情報保護、グレーゾーン対応など)

この研修は、「新任管理職の基礎習得」としての導入はもちろん、リスクの芽を事前に摘む“予防策”としても効果的です。
また、職場で小さな違和感や不満が表面化しはじめた段階でも、適切に対応できる力を備えるきっかけになります。
管理職が“守る力”を持つことで、組織全体の安心と信頼を築いていくことができます。


今回紹介したように、組織の課題や育成のねらいに合わせて、どの研修が“今”自社に必要な研修を見極めることで、管理職の成長とともに、組織全体の成果や風土改善につながっていきます。

次の章では、それぞれの研修における具体的なプログラム内容や設計ポイントをご紹介します。

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2.失敗しない研修選び|管理職研修の種類別おすすめ内容12選

特にアーティエンスがおすすめする管理職研修を、詳しくお伝えします。

管理職研修の種類 おすすめの研修内容
新任管理職研修 ① 管理職としての役割理解
② 部下育成・指導
③ 目標設定・管理
次世代リーダー育成(上級管理職)研修 ④ 戦略思考
⑤ システム思考力
パフォーマンス向上研修 ⑥ 管理職のリーダーシップ
⑦ 問題解決思考
⑧ チーム力の醸成
⑨ ファシリテーション
労務・コンプライアンス管理研修 ⑩ メンタルヘルス
⑪ 労務管理
⑫ コンプライアンス

①【新任管理職研修】におすすめ|管理職としての役割理解

新任管理職はまず、管理職としての役割を理解してもらうことが大切です。
自分に求められる役割を正しく認識できていないと、行動も成果もついてこないためです。

管理職は、「個人で成果を出す力」から「チームで成果を出させる力」への転換が求められます。
特に昨今のビジネス環境では、管理職に求められる役割も年々変化しており、従来型のトップダウンスタイルや単なる管理業務では、チームをうまく導けません。

管理職としての役割理解を促す研修では以下の2つのアプローチを行うことで、管理職としての“今”の役割に対する理解と納得を促すことができます。

・「プレイヤーとマネージャーの違い」を整理し、求められる役割の転換を明示する

・9つの役割モデルや自社で定義されたマネージャー像を使って、管理職の役割について共通認識を形成する

参考|管理職の9の役割と内容変化

この研修で重要なのは、「何をやるか」よりも、「自分がどんな存在として期待されているのか」を深く理解することです。

自社がどんな管理職像を求めているのかを具体的に伝えることで、新任管理職は役割への納得感を持ち、自信を持ってマネジメントの第一歩を踏み出せるようになります

▶この見出しに関連するサービスページ:管理職基礎研修

②【新任管理職研修】におすすめ|部下育成・指導

管理職は、部下育成・指導を行えるスキルが欠かせません。
管理職の育成力がチームの成長スピードや成果に直結するためです。

部下が自律的に動けるようになるかどうかは、管理職の関わりによるところが大きいです。育成スキルがなければ、業務は属人化し、管理職自身が抱え込む状況に陥りやすくなります。

しかし、育成の必要性は理解していても、実際には「どう関わればよいかわからない」と悩む管理職も少なくありません。

実際、リクルートマネジメントソリューションズの「マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査2022」によると、
・管理職層が認識する「管理職として重要な役割」第1位は「メンバーの育成」
・同時に、「日々の業務で困っていること」第2位も「メンバーの育成」
という結果が出ており、育成は「重要だが難しい」と感じられているテーマであることがわかります。

管理職向け部下育成・指導研修では以下のような育成の基礎的スキルの習得を目指すと効果的です。

① 育成計画の立案
 部下の状態に合わせた成長プランを描く力

② ティーチング
 業務の基本や型をわかりやすく伝える技術

③ フィードバック
 良い点・改善点を具体的に伝え、行動を促す方法

④ コーチング
 問いかけによって、自ら考え行動できる部下を育てる関わり

アーティエンスの育成担当者・OJTトレーナー研修では、実際の現場を想定したリアルな場面設定の中で、これらのスキルを体感的に学ぶことができます。

この研修で重要なのは、部下を「管理する対象」ではなく、「成長を支援する存在」として捉え直すことです。

育成の型と意図を理解することで、管理職は安心して育成に向き合えるようになり、組織全体の底上げにもつながります

▶この見出しに関連するサービスページ:育成担当者・OJTトレーナー研修

③【新任管理職研修】におすすめ|目標設定・管理

目標への納得感とコミットメントを高め、チームの方向性を一致させることは、管理職にとって重要な役割の一つです。
しかし、曖昧さや変化の多い今のビジネス環境では、「ただ目標を立てるだけ」では、その役割を果たすことが難しくなっています。

だからこそ、目標の内容や設定プロセスそのものに意味づけをし、メンバーと共有・調整していく力が求められています。

管理職向けの目標設定・管理研修では、以下のようなテーマを扱い、管理職としての実践的なスキルを育てます。

・目標の種類の整理(成果目標・行動目標・意義目標など)
 → 複眼的な目標設定で、メンバーの納得感と動機づけを高める

・目標設定面談のプロセス設計
 → 期初面談・中間フォロー・振り返りといったフェーズごとに押さえるべきポイントを明確にする

・目標管理の実務スキル
 → 進捗の可視化、フィードバック、支援の仕方などを習得する

アーティエンスの目標設定・管理研修では、目標の種類や、目標設定面談のプロセスを細分化し、各フェーズで押さえるべきポイントを伝えています。

この研修で重要なのは、「目標を与える」のではなく、「目標を共につくり、実現を支援する」姿勢を育てることです。

正しいプロセスを身につけることで、管理職として目標を“推進力”に変えることができるようになります

▶この見出しに関連するサービスページ:管理職のための目標設定・管理研修

④【次世代リーダー育成(上級管理職)研修】におすすめ|戦略思考

上級管理職には、組織経営の視点を持ち、戦略的に成果を生み出す力が求められます。
そのためには、現場視点にとどまらず、未来から逆算して行動を設計する「戦略思考」の習得が欠かせません

なぜなら、経営環境が複雑化・変化し続ける今、目の前の課題に対応するだけでは、組織の持続的な成長を実現できないためです。
中長期的な視座で「どこを目指すのか」「どう勝ち筋を描くのか」「限られたリソースをどう配分するか」を考える力こそが、次世代リーダーに必要とされています。

管理職の戦略思考を育てる研修では、以下のようなテーマを扱い、戦略的思考力と実行力をバランスよく育成すると良いでしょう。

・長期的なビジョンや目標の設定スキル
 → 自部署・自社のありたい姿から逆算する思考法

戦略の策定フレームの習得
 → 3C分析/SWOT/バリュープロポジションなどの活用

・戦略を実行に落とし込む計画立案
 → 戦略を「語る」から「動かす」フェーズへつなげる設計

なお、戦略思考の研修は、組織の戦略や課題に合わせて設計することで、学びの実践性と納得感が高まります。そのためパッケージ型ではなく、自社に最適化された内容が、現場での実行力や経営視点を育てるうえで効果的です。

この研修で重要なのは、「戦略を知ること」ではなく「自ら描き、動かす力」を育てることです。

上級管理職として、経営と現場をつなぐ意思決定ができる人材を育てていくうえで、戦略思考は必須の基盤となります。

▶この見出しに関連する参考コラム:【成功事例あり】次世代リーダー育成研修|おすすめの内容と効果を上げるプロセス解説

⑤【次世代リーダー育成(上級管理職)研修】におすすめ|システム思考力

次世代リーダーには、物事の全体像を捉え、構造を把握するための思考法としてのシステム思考力が欠かせません

変化の激しい時代において、表面的な対応だけでは根本的な課題解決に至らないためです。

VUCA(不安定・不確実・複雑・曖昧)な環境下では、問題の背景や構造を捉え、関係性の中から示唆を引き出す力が求められます。
特に上級管理職は、短期的な成果だけでなく、持続可能な組織づくりの観点からも、全体を俯瞰する視点が必要です。

システム思考をテーマにした研修では、以下のようなアプローチを通じて、構造的に物事を見るスキルを習得します。

・システム図作成の基本理解
 組織内の事象を「構造・因果・ループ」で捉え、見える化する

・チームや自組織の状態を図式化する演習
 実在する課題を素材に、関係性や力学を共有・対話を通じて可視化する

・複雑な課題に対する仮説構築力・洞察力の養成
 表層に現れた問題の裏にある「構造的な原因」を探り、打ち手の質を高める

アーティエンスのシステム思考研修では、組織でよくある事例を基にシステム図作成の基礎を学び、システムで捉える感覚を体得します。参加者同士でシステム図を描きながら、組織の構造を“見える化”し、気づきや打ち手を引き出します。

この研修で大切なのは、「部分的な解決」ではなく、「全体構造に働きかける視点」を持つことです。

次世代リーダーにとって、システム思考は、複雑な状況下でも本質的な判断を下すための土台となります。

この見出しに関連するサービスページ:システムシンキング研修

⑥【パフォーマンス向上研修】におすすめ|管理職のリーダーシップ

管理職にとって、自らのリーダーシップを磨くことは、チームのパフォーマンスを引き出すうえで欠かせません。
特に重要なのは、「自分が引っ張る」のではなく、「メンバー一人ひとりのリーダーシップを引き出すこと」です。

なぜなら、現代のビジネス環境は、変化が激しく、複雑さを増しており、一人の強いリーダーがすべてを把握し、判断するスタイルには限界があるためです。そのような属人的なリーダーシップには、判断の偏りや意思決定ミス、リカバリーの遅れといったリスクが伴います。

こうした背景から注目されているのが、「シェアド・リーダーシップ(共有型リーダーシップ)」という考え方です。

これは、状況に応じて最も適したメンバーがリーダーシップを発揮し、他のメンバーはフォロワーとして支えるというスタイルです。役割を柔軟に切り替えながら、チーム全体で成果を生み出していきます。

リーダーシップ研修では、以下のようなテーマを扱い、管理職が「メンバーの力を引き出すリーダー」へと進化する支援を行います。

・シェアド・リーダーシップの基本理解
 リーダーとフォロワーの関係を固定せず、チーム全体で成果を生み出す意識を育む

・メンバーの特性に応じた巻き込みスキル
 自律性やリーダーシップを引き出す問いかけ・承認・任せ方を体得する

・チームとしてのリーダーシップ発揮力の強化
 心理的安全性や相互信頼を基盤に、役割分担と補完関係を築く

アーティエンスの管理職のための全員発揮のリーダーシップ研修では、さまざまなワークを通して、管理職が自分自身のリーダーシップタイプを認識し、メンバー一人ひとりの強みや可能性を活かす関わり方を学びます。

また、それぞれの力が発揮されるチームづくりのために、管理職としてどのような働きかけや仕組みづくりが必要かも、実践的に習得していきます。

この研修で重要なのは、「自分がどうリードするか」だけでなく、「メンバーの中に眠るリーダーシップをどう引き出すか」に焦点を当てることです。

管理職がリーダーシップを“個人の力”から“チームの力”へと再定義することで、組織は変化対応力と実行力の高いチームへと進化していきます

▶この見出しに関連するサービスページ:管理職のための全員発揮のリーダーシップ研修

⑦【パフォーマンス向上研修】におすすめ| 問題解決思考

課題解決を担う管理職にとって、「問題解決思考」の習得は不可欠です。
日々の業務やプロジェクトで直面する課題に対応し、組織の成果を高めていくには、論理的かつ柔軟な思考力が求められるためです。

問題解決思考をテーマにした管理職研修は、大きく次の2つの目的に分けて設計することが効果的です。

① 問題解決スキルの習得を目的とした研修
 → フレームワークや論理的思考法を学び、課題を整理・分析・解決する力を養う

② 実際の事業・組織課題の解決を目的とした研修
 → 自社が抱えるリアルなテーマを題材に、実践的な解決プロセスを体験

研修を企画する際は、どちらの目的が自社のフェーズや課題に合っているかを見極めることが重要です。

なお、課題が複雑に絡み合い、原因が見えにくい場合は、システム思考のような、全体構造を捉える視点が有効です。
特に「問題が次々に起こる」「解決してもまた別の問題が…」という状況では、本質的な要因にアプローチするために、視座を引き上げる必要があります。

このような視点を取り入れることで、組織課題の根本解決や再発防止にもつながります。

より詳しい内容は、【事例あり】問題解決研修で押さえるべき内容と実践例をご覧ください。

⑧【パフォーマンス向上研修】におすすめ|チーム力の醸成

管理職にとって、チーム全体の力を高めていくことは、パフォーマンス最大化の鍵となります。
なぜなら、成果は個々の力だけでなく、チームとしての連携や相互作用によって大きく左右されるためです。

そのため、管理職研修では「チーム力の醸成」に焦点を当てたプログラムが有効です。特に注目されているのが以下の2つのテーマです。

・心理的安全性の創出
「自然体で意見を伝え合い、挑戦や学習が促進される」状態を目指します。仲の良さではなく、“よりよくするための行動”が生まれる土壌づくりがポイントです。

【関連記事】【事例あり】心理的安全性研修で学びと挑戦を実現!必要な流れを徹底解説

・アンラーニング

チームの力を最大限に引き出すには、個人へのアプローチだけでなく、「チームそのものを育てる視点」が不可欠です。
管理職研修では、関係性と風土づくりの両面からチームの可能性を広げる支援が求められます。

▶この見出しに関連するサービスページ:心理的安全性向上研修管理職のためのアンラーニング力向上研修

⑨【パフォーマンス向上研修】におすすめ|ファシリテーション

管理職にとって、会議のファシリテーション力を高めることは、チームや組織全体の生産性を底上げするうえで欠かせません。

なぜなら、管理職は自部署だけでなく、部門をまたぐ会議や経営層との打ち合わせなど、多様な場面で議論をまとめる役割を担っているためです。
ファシリテーションスキルを磨くことで、こうした会議の「質」を大きく向上させることができます。

たとえば、以下のような効果が期待されます。

・「意味がない」「ムダ」と言われがちな会議が減り、社員の業務効率が改善される
・参加者の目的意識や主体性が高まり、決定事項へのコミットメントが強まる
・部署や部門間を超えた協働・共創が促進され、複雑な課題への対応力が高まる

管理職向けのファシリテーション研修では、具体的に下記のような内容を扱います。

・会議を設計する力
 目的に応じた会議の構成・流れを考える力を身につけます。

・論点を明確にし、対話を促進するスキル
 話し合いの中で論点を見極め、意見を引き出す方法を学びます。

・結論とアクションにつなげるファシリテーション
 話し合いを「決める場」に変え、現場で実行できる形に落とし込むスキルを高めます。

・多様な立場・意見を扱う技術
 合意形成が難しい場でのコンフリクトマネジメントや、多様な視点の整理方法を学びます。

アーティエンスのファシリテーション研修では、上記のスキルを、演習やケーススタディを交えながら実践的に学びます。
現場でそのまま活かせる“実務直結型”のファシリテーション力を、段階的に身につけていく構成です。

会議はあらゆる組織で日常的に行われているため、ファシリテーション研修の効果も実感されやすい分野です。

特に「話し合っているのに決まらない」「合意形成ができない」といった課題を感じている企業には、優先的に導入をおすすめします。

▶この見出しに関連するサービスページ:ファシリテーション研修

⑩【労務・コンプライアンス管理研修】におすすめ|メンタルヘルス

管理職がメンバーの健康を守り、安心して働ける職場をつくることは、組織の生産性や定着率にも直結する重要な役割です。そのためには、メンタルヘルスへの理解と対応力が欠かせません

心の不調は目に見えにくく、放置すれば深刻な状態に陥ることもあります。本人のパフォーマンス低下だけでなく、チーム全体の士気や雰囲気にも影響を及ぼすことがあるため、早期に対応し、サポートすることが必要です。

管理職向けのメンタルヘルス研修では、具体的に下記のような内容を扱います。

・メンタル不調のサインに気づく観察力
 日常のちょっとした変化(言動・表情・報連相の頻度など)に注意を向ける視点を学びます。

・声のかけ方・対話の仕方(傾聴・共感)
 「何をどう聞けばよいか」「どんな言葉をかければよいか」を演習を通して体得します。

・実際の対応手順と社内外のサポート活用
 医療機関や人事部門との連携、記録の取り方、対応の範囲と線引きなどを整理します。

・ケーススタディによる実践練習
 よくある職場の事例をもとに、対応の流れを実践的にシミュレーションします。

ただし、専門的な内容を含むため、他のマネジメント研修と同じ感覚で進めると、管理職の関心を得られず、実務に活かせない状態になってしまいかねません。

そのため、メンタルヘルス研修では以下のような工夫が重要です。

管理職の“関心”を引き出す設計
身近な事例や「実際に起こりうる状況」を取り上げ、研修の必要性を実感できるようにします。たとえば、部下のパフォーマンス低下や無断欠勤など、“よくあるけれど対応が難しいケース”を題材にすると効果的です。

「知識」だけでなく「対応スキル」の習得
精神疾患の名称や症状だけで終わらせず、「どのタイミングで声をかけるか」「何を言わない方がよいか」といった実務に即した関わり方を演習やロールプレイを通じて体得します。

専門家との連携
管理職だけで抱え込まないために、社内外の相談先(産業医・人事・外部支援機関など)との連携方法を伝え、対応の負担を軽減する安心感を持ってもらいます。

これらの視点を押さえることで、管理職は現場での対応に自信を持てるようになります。

アーティエンスのメンタルヘルスに関する研修では、これらの工夫を意識し、管理職への当事者意識を促して現場で活用できるスキルをお渡ししています。

管理職が「正しく関わる自信」を持てる状態を目指し、知識を詰め込むのではなく、「自分にもできそう」と感じてもらうことを重視しましょう。

詳しい内容は、【専門家が徹底解説】管理職へのメンタルヘルス研修の正しい内容をご覧ください。

⑪【労務・コンプライアンス管理研修】におすすめ|労務管理

部下が安心して業務に集中できる職場環境を整えることは、管理職に求められる大切な役割です。その基盤となるのが「労務管理」です。

労務管理には、勤怠や残業、休職・復職対応、有給休暇の取得状況など、法令や就業規則に基づいた幅広い対応が求められます。管理職が正しい知識を持たずに対応してしまうと、トラブルや労使紛争に発展しかねません。

特に、以下のような場面で、管理職の適切な対応が必要です。

・長時間労働や体調不良など、働き方に無理が出ていないかの見極め
・ハラスメントや労務トラブルの初期対応
・部下のライフイベント(育児・介護・私傷病等)への理解と配慮

これらは現場で頻繁に起きるにもかかわらず、「何となくの対応」で済ませてしまいがちです。

管理職が正しく対応するためには、基本的な労働法規や社内ルールの理解に加え、「実際にどう判断し、行動するか」を学ぶことが不可欠です

管理職向け労務管理研修では、以下のような内容を扱うことをおすすめします。

・労働時間・休暇・休職等の基礎知識
 勤務時間や休暇制度、休職対応など、管理職として押さえておくべき法令の基本を学ぶ

・よくある労務トラブルのケーススタディ
 現場で起こりやすいトラブルを題材に、対応の流れを実践的に学ぶ

・管理職と人事・産業医・外部機関との連携方法
 「自分だけで抱え込まない」ための社内外リソースの使い方

・トラブル予防のための日常マネジメント
 声かけ、記録、勤務状況の把握など、未然に防ぐ関わり方

実務に即した内容を「知識」「判断」「行動」の観点から整理することで、管理職自身が「自分の役割を果たせる」自信を持てることが、研修設計のポイントです。

⑫ 【労務・コンプライアンス管理研修】におすすめ|コンプライアンス

コンプライアンス(法令遵守)は、組織の信頼性・健全性を支える重要な土台です。
特に管理職は、部下の行動をマネジメントする立場であるからこそ、自身の言動が組織全体に与える影響も大きく、正しい知識と判断力が求められます

法令違反やハラスメント、情報漏洩などのリスクは、意図せずとも日常の業務の中に潜んでいます。万が一、管理職自身が「知らなかった」「悪気はなかった」状態で問題を起こせば、組織全体の信用失墜や損害賠償につながる可能性もあります。

そのため、管理職向けのコンプライアンス研修では、知識のインプットに加え、実際の業務でよくある“グレーな判断”をどう扱うか、倫理的な判断軸や対話の仕方も学ぶことが大切です。

研修内容例は以下の通りです。

・法令遵守の基礎知識
労働法や個人情報保護法、パワハラ・セクハラ防止法など、管理職として最低限知っておくべきポイントを学ぶ

・ハラスメントの理解と対応
グレーゾーンも含めたハラスメントの定義、予防・指摘・報告への対応の仕方をケーススタディで体得する

・倫理的判断力の養成
組織や社会から求められる倫理観を理解し、迷ったときの判断の軸を持つ

・コンプライアンス風土づくりの実践
「見て見ぬふりをしない」チームづくりや、部下と安心して対話できる関係構築の方法を学ぶ

このような研修を通して、管理職自身が「正しく判断し、周囲にも適切に働きかけられる」状態を目指していきます
結果として、組織全体のコンプライアンス意識が高まり、持続可能な成長につながっていきます。

▼ご紹介研修をまとめてダウンロードできます▼

3. まとめ|アーティエンスでは目的に応じた多くの種類の管理職研修を提供

本コラムでは、管理職研修の目的に合わせた種類や、各テーマに応じたおすすめの研修内容についてご紹介してきました。

私たちは、効果の高い管理職研修とは「自分たちは変わる」と確信を持て、現場が変わっていく管理職研修であると考えています。そのためには、研修単体の設計にとどまらず、事前の企画段階から実施後のフォローアップまでを一貫して丁寧に設計・運営していくことが重要です。

アーティエンスでは、これまで多くの企業様とともに、現場が変わる管理職研修を共創してまいりました
目的や課題に応じた多様なプログラムをご用意しており、個別のご状況に合わせたカスタマイズも可能です。

  「自社に合った管理職研修を考えたい」「実務に活きる内容を一緒に設計してほしい」
――そんなお考えをお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください

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