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【実例あり】新入社員研修成功の秘訣│目的・おすすめ内容・企画手順を徹底解説
- 2023/8/28更新ー2022/9/20作成ー 新入社員研修は、社会人としての土台を築き、活躍人材へと育成するための最初のステップです。その内容や実施期間、研修手法は、企業によって実に多岐に渡ります。だからこそ、実施目的を明確
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「新入社員の育成がうまくできていないけど、何を改善したらいいのかわからない…」
「新入社員が組織で活躍してくれるような育成を行いたい…!」
「新入社員の課題を解決できる育成方法について知りたい…!」
このようなお悩みを抱えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
新入社員は社会人としての意識や、スキルの点で足りない部分が多く、組織として育成することが必要になります。
しかし、新入社員の育成に課題を感じている組織の方は多いです。当社でも、多くの組織の方から、新入社員の育成に関する相談やお悩みをよく伺います。
そこで本記事では、今まで当社で受けてきたお悩みをもとに、新入社員育成における課題を5つにまとめ、それらの解決策を紹介します。
新入社員の育成課題の解決策を知ることで、今よりも良い新入社員育成ができそうだと思えるでしょう。新入社員育成の課題を解消して、活躍を期待できる新入社員を育成しましょう。
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新入社員育成における5つの課題とは以下の内容です。
順番に説明します。
新入社員育成の課題として「忙しくて時間がない」ことが挙げられます。育成者もそれぞれ自分の仕事を抱えているためです。どうしても自分の仕事の方が優先度が高くなり、新入社員の育成は後回しにされがちです。
例えば、育成者が自分が抱えているプロジェクトの締切が迫っていると、新入社員育成に時間を費やす余裕は無くなります。
また、現場で新入社員を育成するには、新入社員へ仕事を依頼し、その進捗管理やフィードバックをしていく必要もあります。新入社員は育成者より作業スピードも遅いことがほとんどですので、かえって自分の仕事を増やすだけと考える人もいるでしょう。
その結果、新入社員の育成機会を奪ってしまい、新入社員の育成を促せなくなってしまいます。
【参考コラム】
新入社員の放置はリスク大!起こる悪影響と対処法を詳しく解説
「育成側の育成スキル不足」も新入社員育成の課題の一つです。育成するには育成のためのスキルが必要になるためです。仕事のパフォーマンスが高い社員だからといって、人材育成もうまくいくわけではありません。
例えば、技術力の高い社員に新入社員に指導を依頼しても、新入社員に伝わるように指導することができないと、新入社員はスキルを高めることはできません。新入社員と育成者では持っている知識が異なるため、そのことを意識して伝えることが必要だからです。
他にも、新入社員のモチベーションを下げないフィードバックの仕方や、新入社員が1人で仕事を行えるようになるための力も育成者の育成スキルによって変わってきます。
「育成側の育成意欲不足」も新入社員育成の課題の一つです。育成者の意欲が、育成への熱量に直接的な影響を与えるためです。組織の文化や社風が育成活動を十分に支援せず、育成者自身の意欲が低い場合、新入社員の成長が制約されてしまう可能性があります。
例えば、組織の中で個別の目標達成が重視される文化が根付いている場合、育成活動に対する意欲が低下することがあります。また、育成が評価に反映されない場合も、育成の意欲が低下しやすいです。育成を行っても育成者にとってメリットがないと感じるためです。
新入社員育成の課題として「社内の育成指針が定まっていない」ことも挙げられます。新入社員の育成の方向性や、すべきことがわからない状態では効果的な育成を行うことはできません。効果的な育成を実現するためには、組織内に適切な育成計画が設計されていることが重要です。
例えば、「新入社員に1年後どんな状態になって欲しいか」が決まっていないと、そのためにどのような育成をすべきかを考えることはできません。OJTで育成トレーナーに新入社員の育成を依頼したとしても、育成トレーナーによって教える内容は異なり、1年後にはスキルや経験がバラバラな状態になっているでしょう。そうすると、2年目以降はより個別のスキルや経験にあった育成を行う必要があるため、難易度が増します。
【参考コラム】
OJTは意味がないと言われるのか?│うまくいかない企業が見落としているポイント
「新入社員育成の予算がない」ことも新入社員育成の課題の一つです。育成活動には適切な予算が必要になるためです。予算の制約により、新入社員の育成に必要なリソースやプログラムの提供が制限される場合があります。
例えば、外部研修に参加したり、eラーニングを受講できるようにしたいと思っても、予算がなくて許可が降りなければ実施することはできません。予算内で最大限に工夫することはできますが、本来は必要な内容の研修をやむをえずOJTでまかなうようにするなど、育成内容の質や量が低下し、育成の効果が制限される可能性があります。
1章で説明した新入社員育成の課題を解決するための解決策を以下の6つ紹介します。
新入社員育成も業務の一つとして時間を確保することが必要です。育成活動には育成者の時間とエネルギーが必要だからです。
新入社員の成長と発展を促進するためには、育成を優先し、時間を確保することが不可欠です。育成に割く時間がないと、新入社員の教育や指導が不十分になり、彼らの適応や成果に影響が出る可能性があります。
例えば、新入社員との朝礼や報連相の時間、育成の方向性を検討する時間などをスケジュールを設定し確保しておくという方法があります。
新入社員への業務説明やフォロー、仕事内容の確認を丁寧に行おうとすると、思っているより時間を使っていることがほとんどです。しかし、その時間を認識できていないと、今日中に終わらせようと思っていた仕事が終わらなくなってしまうということも起きてしまいます。そのため、新入社員の育成時間を考えたスケジュールを設定できるようにしましょう。
また、育成する内容や方法の一部をマニュアル化したり、ITツールを導入して効率化できるところは効率化していくことも一つの方法です。
他にも、育成者のみが育成するのではなく、組織全体で協力し合いながら育成に取り組む、という意識と仕組みが整うと、負担が分散され、忙しくて育成にかけられる時間がない、ということを防ぐこともできます。詳しくは、OJT研修の内容とは?|効果的に進めるための具体的なアプローチもお読みいただければと思います。
育成者が自分の仕事をコントロールし、忙しくて時間がないということが言い訳にならないようにするためにも、効率化を意識しながらも新入社員育成も業務の一つとして時間を確保することが必要です。
新入社員の成長を生み出すことができるような育成者を育てることも重要です。育成者のスキルや関わり方によって新入社員の成長を促すことができるためです。優れた育成者を育てることで、新入社員の成長を最大限に引き出すことができます。
育成者に必要なベーシックなスキルとして、育成計画、ティーチング、フィードバック、コーチングがあります。これらの知識とスキルがあれば、誰でも新入社員の成長を促す育成に近づくことができます。ただ、情報をインプットするだけでは、できるようにならないため、研修などの場で実践をしながら学ぶことをお勧めします。
当社の部下・後輩育成OJTトレーナー研修では、実務さながらに育成計画の立案、フィードバック、ティーチング、コーチングを実演してもらいます。その実演を参加者同士でフィードバックしあうことにより、普段見えていなかった視点からの気付きを多く得られます。
育成者のスキルがないために新入社員の成長を促すことができないのはとてももったいないです。育成スキルは、適切な知識とスキルを学び実践を重ねたら誰もがより良い育成ができるようになります。
育成者の育成意欲を醸成するような施策も必要です。育成者の意欲は、育成活動の質と効果に直結するためです。高い意欲を持つ育成者は、情熱と責任感をもって新入社員の成長を支援し、積極的な育成環境を提供することができます。
育成者のモチベーションを高めるためには、例えば、育成者に育成活動の重要性と意義を理解してもらう機会を作ることが必要かもしれません。
育成を行う意味について、理解しきれていない方も多くいるため当社の部下・後輩育成OJTトレーナー研修では、OJTは何のために行うのかについて纏め、学習の重要性を把握してもらうところから研修がスタートします。育成の目的が明確になると、育成者として何をすべきかも見えてくるため、育成がしやすくもなります。
また、当社の新入社員・トレーナーの合同研修を毎年継続的に実施していくことで、 トレーナー自身が新入社員育成を通じて成長実感を持てるようになったというお声をいただくことも多いです。育成者が今までの育成を振り返る機会を持つことで、育成者自身の成長を感じることができます。すると育成者の育成意欲が高まり、その熱が社員全体に伝播していき、育成文化の形成に繋がった、というお話も伺いました。
育成者も育成を通して何らかの成長をしているはずです。そのことに自覚的になることができると、意欲が高まりやすいです。
他にも、場合によっては、育成が評価につながるような制度を整えると、育成者が育成する意味を見出しやすくなり、育成意欲を保ちやすくなるかもしれません。
自組織の育成者がどのようなことを行うと育成に対して意欲を感じてもらえそうかについては、育成者へのヒアリングを行うとヒントが見えてきます。
育成者の意欲がないために新入社員の成長が促されないということが起きないように、育成者のフォローを組織として行いましょう。
【参考コラム】
新入社員の教育担当に必要なスキルとは?よくある悩みと対処法も紹介
育成指針を定めることも必要です。適切な育成計画が設計されていないと、新入社員が組織の成長を促すための人材に近づけておらず、活躍できない人材になってしまう可能性があるためです。
組織で活躍できないと、組織にとってもネガティブな影響がありますが、新入社員本人にとっても辛くて居心地の悪い環境になってしまいます。活躍できない状況が続くと、自分がこの組織にいる意味や価値を見出せなくなってしまうためです。
育成計画を設計するためには、以下の5ステップの流れで作成します。
1、新入社員に望む姿を設定する
組織の目標を達成するために、新入社員にどうなって欲しいかを考えることから始めます。
ゴールが定まらないと、そのためにどんなスキルが必要になるのかの判断ができず、自律自走する新入社員のための育成ができなくなるためです。
2、新入社員が望む姿になるために必要なスキルを洗い出す
新入社員に望む姿が明確になったら、そのために必要なスキルは何かを洗い出していきます。必要になるスキルを、どのような方法でいつ渡すのかを考えるために必要な作業になります。このときに、抜けもれやダブりがなく洗い出すことができているか、また、自律自走するためのスキルが含まれているかの確認が必要です。
3、必要なスキルの身につけるための方法とタイミングを考えてスケジューリングする
上で洗い出したスキルを、いつ、どのような方法で新入社員に渡していくかを考えるのがスケジューリングです。
スキルは一度にたくさん渡しても、新入社員のインプットが追いつかず、効果が薄くなってしまいます。新入社員が不安や課題感を感じているタイミングでスキルを渡すことができると学びの理解が深くなります。そのため自組織の新入社員は、いつどのような悩みや不安を抱えているのかを理解してスケジュールを決めていくことが大切です。
4、育成計画を 新入社員に渡し、成長イメージを持たせる
新入社員育成の育成計画が決定したら、新入社員と社員に展開します。新入社員には、自身で新入社員の目標を意識できるようにし、社員には育成計画を元にそれぞれが新入社員をフォローするように呼びかけましょう。
5、毎月の新入社員の成長度合いに合わせて都度修正する
作成した育成計画の通りに進めていく中で、新入社員の成長スピードとのズレが生じることがあります。ズレを感じた際は、そのまま放置せず、新入社員の成長スピードに合わせて育成計画を調整しましょう。
新入社員に必要なスキルや知識の優先度を明確にすることも必要です。優先度を明確にすることで、予算内で最大限の効果を発揮できるような計画を立てることができるためです。
例えば、新入社員によく必要とされるスキルは次のような内容になります。
・基本的な業務遂行スキル・思考力
・職種・業界に応じた専門知識・スキル
・良好な関係を築くコミュニケーションスキル
この内容を参考にしながら、自組織の新入社員に身につけてもらうと、特に効果が高いと考えられるスキルや知識の優先順位をつけてみましょう。その順位から順に予算をつけていくことで、予算内で最大の効果を発揮することができます。どのスキルや知識も新入社員に渡すことができたら、より成長を促すことはできますが、その中でも優先順位をつけることで、予算を効果的に活かすことができます。
【参考コラム】新入社員研修で必要な6つの内容と研修効果を高める5つの工夫とは?
研修効果を最大化するためにできる準備やフォローも重要です。新入社員に深い学びを促し、学びを仕事に活かしやすくできるようになるためです。
例えば、研修前であれば、新入社員に対して、研修目的や研修を通じてどのような期待をしているかをしっかりと伝え、参加意欲の醸成に繋げましょう。
また、研修後であれば、下記の取組みはおすすめです。
・新入社員の同期同士が集い、振り返り会を実施する
・バトンメール®を行う
バトンメール®とは、当社が開発した研修後のフォローツールです。受講生4~5名のグループになり、1週間に1回、「研修で学んだことをこんな風に現場で使ったよ」という内容を書いたメールを書いて、次の人に回していくというものです。これを行うと研修の学びが継続されていくことが期待できます。
本記事では、新入社員育成における5つの課題と6つの解決策についてご紹介しました。ぜひ、取り組めそうなものから取り入れていただければ幸いです。 また、当社では、本記事でお伝えした新入社員育成の課題を解決するための新入社員研修や部下・後輩育成OJTトレーナー研修を実施しています。
育成課題の解決に向けて、一緒に育成内容を検討させていただきます。新入社員の育成についてお悩みのある方は、ぜひ一度お問い合わせください。
新入社員育成の課題を解消して、活躍を期待できる新入社員を育成しましょう。