3年目社員研修は3つの目的から選ぼう!【成功事例】で詳しく解説

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「3年目社員により成長してもらうために、どんな研修をすればいいんだろう…」

3年目は多くの社員にとって重要な転換点です。仕事に慣れ、基本的な業務スキルを習得した一方で、次のステップを求められる時期でもあります。この段階で適切な成長機会を提供しないと、モチベーション低下や離職につながりやすいです。

実際、厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」のデータによると、入社3年目の社員は10%程度が離職するという数値が出ています。

3年目社員が自身の成長のためにも組織への貢献のためにも、ここで働きづつけたいと思えるように、研修の機会を作ることが必要です。

本コラムでは、3年目社員研修の目的を整理し、それに応じた具体的な研修例をご紹介します。また研修を導入したことで、離職率改善やエンゲージメント向上を実現した成功事例を3つ取り上げ、課題から解決策、そして得られた成果まで詳しく解説します。

3年目社員研修の重要性を理解し、3年目社員の成長と組織を活性化を促しましょう。

執筆者プロフィール
迫間 智彦
X:@tohaza_atc youtube:中小企業の人材育成・組織変革 専門チャンネル
大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。

専門性:ファシリテーター管理職組織開発・組織変革

1)3年目社員研修の3つの目的と研修例

3年目社員研修の目的は次の3つです。

・エンゲージメント向上
・パフォーマンス向上
・中堅社員への視座を上げる

具体的にどのような研修を実施すればいいのかは以下の通りです。

目的(効果) 抑えなければいけない
ポイント
3年目社員研修の内容例
エンゲージメント向上 自身のキャリアと組織の成長を統合する ・キャリア開発
フォロー研修(振り返り)
パフォーマンス向上 チームの成果へ影響を与える ロジカルシンキング研修
プレゼンテーション研修
問題解決力研修
・コミュニケーション研修
チームビルディング研修
・専門知識研修
中堅社員への視座を上げる 中堅社員へステージが変わることを理解し、チームや組織の成長に目が行く リーダーシップ研修
OJTトレーナー研修
・メンター研修

1つずつ説明していきます。

① エンゲージメント向上のために行う3年目社員研修

エンゲージメント向上を目的とした研修では、「自身のキャリア」と「組織の成長」を統合することがポイントです。
社員が「この会社で働くことで自分の成長やキャリアが築ける」と実感し、さらに「自分の成長が組織の成功につながっている」と感じることで、組織への帰属意識が高まります。

具体的には、キャリア開発やフォロー研修などが挙げられます。

アーティエンスの若手社員(3~6年目)フォロー研修では、以下のような内容が取り扱うことで、組織へのポジティブな影響を高められるようにしています。

3年間の振り返り

「世の中」「自組織」「自分自身」の3つの軸で、これまでのキャリアを丁寧に振り返ります。この振り返りを通して、今まで気づかなかった自身の成長に気付き、「この組織でこんなに成長できたのか」と実感することで、組織への感謝の思いが醸成され、今後のキャリアに対するモチベーションにつながります。

自身のキャリア探求ワーク

社員自身が「自分がどうありたいか」を深掘りし、そのビジョンを明確にするワークショップを実施します。自分の強みや価値観を理解し、ありたい姿を描くことで、次にすべきことを明確にします。
また、自身の適応課題(技術や他者のサポートがあっても、自分が変わらないと解決しない課題)を探求し、自身の求める姿のための対応方法を考えていきます。

ネクストアクションの検討

自身のありたい姿になるために、大切にしたい価値観や強み、弱みをどのように活かすかを具体的に検討します。その中で、自分のためにすることが組織の貢献にも繋がることを知り、自身のキャリアと組織の成長を統合を促します。

このような研修を実施することで、「自身のキャリア」と「組織の成長」が統合され、エンゲージメントの向上を促します

【参考】3年目社員のビジョンと組織が一致しない場合の対応

3年目社員が描いたありたい姿が自組織で用意できない場合はどうしたらいいかという質問をよくいただきます。対応のポイントは2つです。

1, 長期的な視点を持つ
「今どうありたいか」ではなく、10年後や20年後の理想像を設定します。長期的な視点を持って「その理想に近づくために、現在の組織で何ができるか」を探求すると、統合できるポイントが見えてきやすいです。

2, 適合しない場合は早期の気づきを促す
もし社員の理想と組織が大きく異なる場合、離脱の可能性は避けられません。延命処置をすると周りへの悪影響も出るため、3年目社員本人にとっても、組織にとっても、早い段階で気付くことが良いと考えています。

② パフォーマンス向上のために行う3年目社員研修

パフォーマンス向上を目的とした研修では、「チームの成果に影響を与えられる」内容であることがポイントです。

3年目社員には個人のパフォーマンスだけではなく、チームメンバーと協力してより成果を高めることで、リーダーや管理職というステージを見据えてもらう必要があるためです。
具体的には、以下のような研修が挙げられます。

ロジカルシンキング研修
プレゼンテーション研修
問題解決力研修
・コミュニケーション研修
チームビルディング研修
・専門知識研修

例えば、アーティエンスのロジカルシンキング研修では、個人としてロジックツリーやマトリックスを学ぶだけでなく、チームでどのように活用していくかという共創意識も育んでいます。

また、チームビルディング研修では、組織が独りではなく、チームで協力することには意味があることを伝えています。

 チームであるべき理由とは?※当社、チームビルディングワークショップのテキストより抜粋

3年目社員に対してパフォーマンス向上を目的とした研修を実施する際は、チームの成果に対して、影響力を持つことも学べるように、チームでパフォーマンスを上げることがラーニングポイントになっている研修を選ぶことをおすすめします。

③ 中堅社員への視座を上げるための3年目社員研修

中堅社員への視座を上げることを目的とした研修では、「若手社員から、中堅社員としてのステージが変わることを理解し、チームや組織の成長に目が行く」ことを促す必要があります。

プレイヤーとして一人で仕事を進める段階から、後輩の成果・成長にも目を向けることで、中堅社員として求められる視座に近づくことができます。

具体的には、以下のような研修が挙げられます。

リーダーシップ研修
OJTトレーナー研修
・メンター研修

3年目社員に対して中堅社員への視座を上げることを目的とした研修を実施する際は、自分の成長だけでなく、チームや組織の成長のことを考えられるようにするための研修かを判断軸にして検討しましょう。

2)3年目社員研修で変化した3つの成功事例

3年目社員研修によって変容が生まれた3つの事例をお伝えします。

社員のエンゲージメント低下を克服!3年目社員の離職ゼロと主体性向上を実現した研修事例
ロジカルシンキング習得でパフォーマンス向上!離職率改善を実現した3年目社員研修
離職率80%から5%未満へ!リーダーシップ開発研修で組織の雰囲気が改善

社員のエンゲージメント低下を克服!3年目社員の離職ゼロと主体性向上を実現した研修事例

項目 詳細
業種 マーケティングコンサルティング
企業規模 100名程度
実施時期・方法 8月・1月に2日間の公開講座形式で実施
目的 離職率の低下と、エンゲージメント向上
得られた効果 ・3年目社員10名のうち、1年間の退職者ゼロ
・仕事への主体性の向上

課題・背景

このマーケティングコンサルティング企業は、上場準備に伴い組織体制が大きく変化し、社員にとって望まない異動や業務の負担増加が発生しました。
その結果、特に3年目社員の間で「やりたい仕事ができない」「会社に振り回されて嫌だ」といった不満の声が上がり、転職を考える社員が出てくるなど、エンゲージメントの低下が深刻化していました。

実際に、研修前に実施した事前課題のアンケートでは、本企業の3年目社員(以下Aさん)は以下のように記載しており、エンゲージメントは低く、転職も考えていることが分かります。

実施内容

研修は年に2回、8月と1月に2日間の公開講座形式で実施されました。

1日目では、他社の3年目社員との対話を中心に行い、自身の状況を客観的に見つめ直す機会を提供しました。これにより、自社の環境が恵まれていることや、上司や会社からのサポートに気づき、感謝の気持ちを持つようになっていました。

研修終了後のアンケートでAさんは、下記のようなコメントをしていました。


半年後の2日目では、現場での疲弊感を抱えていたものの、他社社員との対話を通じて、改めて自分の仕事の価値や意義を見直しました。このプロセスを通じて、社員たちは将来の目標を明確化し、Aさんは「新サービスを創る!」といった具体的なアクションプランを立てるに至りました。

結果

研修の実施によって、3年目社員10名のうち1年間で退職者は1人も出ませんでした

中でも研修参加者のAさんは、研修を通じて前向きな姿勢を取り戻し活躍を見せました。Aさんは3年後に介護のため退職することになりましたが、本人にとっても会社にとっても惜しまれる形での退職となりました。

ロジカルシンキング習得でパフォーマンス向上!離職率改善を実現した3年目社員研修

項目 詳細
業種 大手精密機器メーカー
企業規模 5,000名程度
実施時期・方法 10月に2日間、派遣型研修で実施
目的 パフォーマンスの向上と、離職率低下
(人材能力要件として定義していたロジカルシンキングの習得ができていない)
得られた効果

・ロジカルシンキングを活用した業務パフォーマンスの向上
・顧客・チームとの共創意識の定着と自信の向上
・離職率が30%から20%程度へ改善

課題・背景

大手精密機器メーカーの3年目社員は、人材能力要件として定義されていた「ロジカルシンキングの習得」ができていないことが問題となっていました。
業務でのパフォーマンスが低下し、自己成長実感も得られず、離職率が年々高まっている傾向がありました。

実施内容

この課題に対処するため、10月に2日間の派遣型研修を実施しました。

研修内容は主に「ロジカルシンキング」と「プレゼンテーション」に焦点を当て、3年目社員が業務で活用できるように、ロジカルシンキングの重要性とその実践的な技法を学びました。また、研修を通じて、ロジカルシンキングを使った顧客やチームとの共創・協働の重要性も体感してもらいました。

結果

研修を受けた3年目社員は、ロジカルシンキングの必要性を理解し、業務に積極的に活用するようになりました。その結果、パフォーマンスが向上し、顧客やチームとの共創を意識した姿勢が見えるようになりました。

このポジティブな変化は自信にも繋がり、離職率も前年と比較して回復傾向に転じました。特に、3年間で30%だった離職率が20%程度に改善され、社員の定着率向上にも寄与しました。

離職率80%から5%未満へ!リーダーシップ開発研修で組織の雰囲気が改善

項目 詳細
業種 美容器具メーカー
企業規模 300名程度
実施時期・方法 8月・1月2日間。公開講座
目的 若手社員・中堅社員としてのリーダーシップ開発
得られた効果

・3年目~5年目社員の離職率が80%以上から5%未満に改善
・後輩社員へのポジティブな影響が広がり、組織の雰囲気が改善
・主体的な働きかけが活性化

課題・背景

美容器具メーカーでは、3年目から5年目社員の80%以上が退職してしまうという深刻な課題がありました。優秀な人材を採用できるものの、ヒット商品があるため、“それなりの活動”でもやっていける、ぬるま湯文化や情熱を欠いた上司・先輩社員の影響で、若手社員が「この組織では成長できない」と感じ、離職していく状況が続いていました。

現状を改善するために、システム思考という方法を用いて、「成長する機会の低下」と「孤独感」が負の連鎖を生み出すポイントだと考え、2年目・3年目社員を対象としたリーダーシップ開発研修が企画されました。

※システム思考を行うためのシステム図

実施内容

2年目・3年目社員を対象にリーダーシップ開発を目的とした公開講座形式の研修を、8月と1月に2日間実施しました。この研修では、リーダーシップを「周囲への影響力」と定義し、以下の内容に重点を置きました。

・自身が与えている影響
他社同期との交流を通じ、自身が周囲に与えるポジティブ・ネガティブな影響について深く考える機会を提供

・自己認識の向上
自身の行動が職場・後輩にどのような影響を与えるのかを具体的に把握

・キャリアへの再認識
仕事への情熱や想いを再確認し、リーダーシップを発揮するための意識を醸成

例えば、工場勤務のBさんは、研修を通じて自身の仕事態度が周囲に与える悪影響に気づき、変わる決意をしました。
また、営業職のCさんは、入社当初の想いを振り返り、仕事への情熱を再燃させました。

結果

研修を通じて、若手社員の意識と行動に次のようなポジティブな変化が見られました。

・離職率の大幅改善
3年目から5年目社員の離職率が80%以上から5%未満まで大幅に改善しました。

・主体的な行動の促進
Bさんは品質改善プロジェクトに自ら参加を表明し、Cさんは営業活動の中で新たな提案を行い、部門間での働きかけを成功させました。

・職場環境への良い影響
後輩社員へのポジティブな影響が広がり、組織全体の雰囲気が改善しました。

これらの結果から、社員が部門間を超えて主体的に働きかける文化が醸成され、組織全体の成長にもつながる成果が得られました。

3)まとめ・3年目研修はアーティエンスにおまかせ

本コラムでは、3年目社員研修に関して、お伝えしました。

3年目社員研修で実施すべき研修の目的と、目的別の具体的な研修内容例は以下の通りです。

目的(効果) 抑えなければいけない
ポイント
3年目社員研修の内容例
エンゲージメント向上 自身のキャリアと組織の成長を統合する ・キャリア開発
フォロー研修(振り返り)
パフォーマンス向上 チームの成果へ影響を与える ロジカルシンキング研修
プレゼンテーション研修
問題解決力研修
・コミュニケーション研修
チームビルディング研修
・専門知識研修
中堅社員への視座を上げる 中堅社員へステージが変わることを理解し、チームや組織の成長に目が行く リーダーシップ研修
OJTトレーナー研修
・メンター研修

3年目社員研修を行うことで、3年目社員の悩み・課題に対してのアプローチが可能になり、それが組織課題の解決にもつながっていきます。

リーダー候補としてチームに良い影響を与えていくためにも、3年社員の育成は重要です。中堅社員になる節目として、丁寧に扱わないと、一人前になっても離職してしまう可能性もありますし、ぶら下がり社員になる可能性もあります。

本コラムを通して、自組織に必要な3年目社員研修が見つかったのであれば、嬉しいです。組織として、3年目社員が素晴らしい中堅社員になっていくためにも、3年目社員研修を大切に扱っていただければと思います。

なお、アーティエンスでも若手社員(3~6年目)フォロー研修を実施しています。実際に話を聞いてみないとわからないことも多いかと思いますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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ぜひこの機会を活用し、3年目社員研修をより良いものにしていきましょう。

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