研修・セミナーレポート

2022年8月26日 若手社員フォロー研修
ー公開講座研修レポート

更新日:

作成日:2022.9.2

 スーツ姿の男性2人が手を合わせている

2022/9/2作成ー

本内容は、2022年8月26日に開催した「若手社員フォロー研修」公開講座研修レポートです。
受講内容や、受講前と後の変化などをレポートとしてまとめていますので、ぜひご覧ください。
(参加受講者 : 若手社員(3~6年目社員)、参加企業数:5社、参加人数:47名、11グループ、オンライン1クラス)

 

1)研修概要

■ 研修目的・学びのポイント

若手社員の方が後輩に成長の魅力を伝え、後輩の成長を支援していくことができるよう、会社のVisionと自らのVisionを統合し、ストーリーで語れるようにしていきます。

 

押しつけのキャリア研修をするのではなく、自身がこれからどのように周囲に対してのポジティブなインパクトを与えるのか、そして会社と向き合っていくのか(会社と自身のビジョンの統合・癒合)を言語化する研修です。

 

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※ 当社研修資料より抜粋

 

忙しい仕事の中で、あまり自身の成長を実感したり、キャリアについて考える時間を持てていない人が多くいます。しかし、自分はどうなるために、今仕事をしているのかを理解できていないと、仕事に対するモチベーションは下がってしまいます。
成長実感がないと、成長予感も育まれず、離職につながるという調査結果も出ています。

 

今回の研修は、今までの仕事を振り返り、これから自身にとって何を求められるかを考え、具体的な現場でのアクションプランを立てて会社にどのように貢献するかを明確にしています。

 

これから先、自身がどのように成長していくかを見出していく大切な時間です。

 

■ 当日のアジェンダ

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2)受講者の研修の始めと終わりでの変化

研修前と研修最後に受講者が今思っていることをありのままに話していただきました。
そこから、受講者の変化を見てみます。

 

■ チェックイン

・仕事のレポート作業に追われていて、そわそわしながら研修に参加しています

・久しぶりに研修に参加するので緊張もありますが、なかなか無い機会なので皆さんとお話し出来ればと思います

・今日の時間が自分にとっていい時間になればいいなと思います

 受講生の様子  受講生の様子 ※ オンラインでのグループワークの様子

 

■ チェックアウト

・会社への貢献に関して話し合いましたが、貢献を実感するには自分自身の評価以外に他人からの評価や感謝の気持ちなのではないかと思いました。感謝は連鎖していくので自分から発信していきたいです。

・3年目ということもあり仕事面では大変なことも多いですが、自分を見つめなおすこういう機会の大切さを改めて感じました。

・自分だけではなく周りをみながら仕事をしていきたいです。

・自分の取った行動や学んだことが今後のキャリアにどう響いてくるかを考えて行動します。

・各個人の入社からのストーリーを共有する中で、皆さん色々な壁にぶち当たったり、きつい思いをしながらも一生懸命業務に邁進していることがわかりました。「自分だけが大変」という風に感じることもありましたが、そんなことはないということを実感しました。

始めは普段の仕事ができないという焦りやもどかしさがあり、研修に集中しきれていない方もいましたが、ワークを進めていくうちに、内省を深め、自分の将来について考える時間になっていました。
仕事が忙しくなると内省する余裕もなくなるため、今回の研修が自身の成長の振り返りやこれからの仕事について考えるきっかけとなると嬉しく思います。

 

3)研修での内容・受講生の動き

■ インタビューのシェア

研修に入る前に、事前課題として実施して頂いたインタビューのシェアをして頂きました。

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※ 事前課題 インタビューワークシートの例

 

全体シェアの中では次のようなコメントがありました。

・周りの人から褒められると、本当に自分はできているのだろうかと疑ってしまうという意見が出ました。

 

・やりたい仕事を口に出すことで、社内が協力してくれることがあると思いました。実際に、海外系の案件をやりたいと口にしていたら、そういう仕事が来るかもしれないので、準備だけはしといてね。と上司に言われたという方もいました。

 

・インタビューの時間で先輩と話すことができて、自分の存在や貢献感を再確認できました。

 

・先輩から自分が気付かないところを褒めてもらえたことが嬉しかったです。

 

なお、シェアは行いませんでしたが、もう一つ事前課題として研修に参加することに対する想いを聞かせて頂いています。

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※ 事前課題 プレ探求シートの受講生アウトプット

 

このように事前課題を実施することで、研修への参加意識を強め、また、先輩にも協力してもらうことで会社全体として育成を支援しているというメッセージを感じて頂いています。

 

■ 素晴らしい3年目社員/そうでない3年目社員の考察

素晴らしい3年目社員/そうでない3年目社員ってどんな感じなんだろう、ということを想像しながら書き出して頂きました。

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※ 受講生のアウトプット

 

素晴らしい3年目社員/そうでない3年目社員についての対話の中で、次のようなコメントがありました。

・自分の失敗談とかを話してくれるような先輩でありたいな

 

・話しやすい雰囲気づくりって大事だよね

 

・納期を守らない人は尊敬できない

 

・自分の仕事に責任を持って行動できない人にはなりたくない

皆さんの対話を聞いていると、仕事の成果よりも関係性に関する内容が多く、関係性を重視していることが伺えました。

■ 3年間の振り返り

自らの強み・可能性を探求するために、入社してから最も大きい壁を乗り越えた瞬間を思い出しながら振り返りシートに記載しました。

シートを作成後、自分の物語をグループにシェアし、個々へのフィードバックをしました。
若手社員研修での物語※ 物語のグループシェアの様子 若手フォロー研修 グループワークの様子 ※ オンラインでのグループワークの様子

 

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※ フィードバックシートの受講生アウトプット

 

物語の共有は穏やかな雰囲気の中行われ、それぞれのグループで、相づちを打って共感している様子が多く見られました。
笑いながら共有されている方もいれば、大変だった時期を思い出して暗い表情になった方もいましたが、その後のグループメンバーからのフィードバックを受けて、照れながらも嬉しそうにしていました。
自分の成長を振り返る良い機会になったのではないかと思います。

 

■ アクションプランの作成

自身と組織に対して持っている課題意識を個人で考えた後、似ているメンバーとグループを作り、課題を解決するためのアクションプランを考えました。

 

研修の中で作成されたアクションプランをご紹介します。

 

テーマ:巻き込み力を発揮するには?

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まずは、巻き込み力って何だろうというところから考え、その後に、巻き込み力を発揮するために必要な人間力って何だろうということを考えました。その中で、自己肯定感が高い、包容力があるなどの意見が出てきました。
出てきた意見をみると、常にポジティブな姿勢でいた方が一緒に仕事をしたいと思えるのではないかと思い、巻き込むために熱意を伝えたいと考えました。

【講師からのコメント】
ポジティブ7:ネガティブ3の割合になると、人の幸福度が上がると言われています。
ギブをたくさん与えることは大事ですが、与えるだけの残念なギバーにはならないで欲しいなと思いました。
判断保留といって、一旦相手の意見を受け止めて保留する、ということも大切になってくるかなと思います。

 

テーマ:先輩・上司との関係性

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先輩として、後輩をどう育成するかを考えるために、それぞれが後輩を育成するために抱えている要素をフリーに出していくことから始めました。その中で、10歳差の後輩が入ってきたという方がいて、年齢のギャップを感じるという話になり、どのように関係性をつくればいいのかを考えていきました。

【講師からのコメント】
相互作用といって、相手と影響し合うという考え方があります。
良い影響をお互い与え合えると、良い関係性になっていくのではないかと思います。
年齢のギャップを感じるときには、問いを大切にしていくと良いです。問いは、AIでも補えないスキルになります。

 

テーマ:スキルアップのためにこれから身に付けるもの

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現状やっていること、やってみたいことについて意見を出していきました。
外で営業しているけど、今後は内勤営業をしたい、という意見や、やりたいことを続けられそうにないときは誰かと一緒にやれると頑張れると思うという意見が出てきました。

【講師からのコメント】
なぜ、やりたいのか?ということを考えると、その奥には漠然と将来に不安があるからということが出てくるのではないでしょうか。そのようなときは、ライフプランを立てて逆算していくと良いです。いくつかパターンを持つと考えやすくなるかもしれません。

 

また、自分でキャリアを広げるためにも、上司や先輩などに関わっていくと良いです。視野が広がり、自身のキャリアの広がりや、人生が豊かになることに繋がります。あるべき姿ではなくて、ありたい姿を大切にして周囲の人を巻き込みながら一緒に行動できると良いと思います。

 

テーマ:人生の目標について

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仕事の軸も私生活の軸も大事という話になりました。私生活の目標を達成するためには、仕事も大事だからそれぞれの軸で目標を持って頑張っていく必要があるなと思います。

【講師からのコメント】
20代の経験や仕事の結果が、30代以降の仕事に大きく関わってきます。20代の仕事を貯金という表現をする方もいます。20代に経験したことが複利として効いてきます。30代までに自分が誇れる仕事を3つ持てると、その後のキャリア形成が出来上がります。
またワークライフバランスよりも、ワークライフインテグレーションという考え方の方が、人生の幸福度は上がるようです。

 

テーマ:どうしたら満たされた状態になるか

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まずは、満たされる状態を挙げていき、満たされていない状態との比較をしていきました。
そうすると、満たされない状態だと、他責思考になってしまうということに気が付きました。そのため、満たされた状態であるには、自分なりの幸せを見つけて、それを達成すればやりがいを感じることができるのではないかと考えました。

【講師からのコメント】
メタ思考を持って、抽象と具体の行き来をすると、見える世界が広がります。見える世界が広がると、自身の課題か、そうでないか、もしくはすぐに解決できる技術課題か、適応課題かも分かります。適応課題であれば、それと向き合えば精神的成長を促すことができるようになります。

※ 技術的問題・適応課題 

課題 特徴

技術的問題

技術があれば解決できること

 

例:財務分析、評価制度の策定
外部の専門家に課題解決を委ねることができる

適応課題

技術や他社からのサポートがあったにせよ、自分が変わらないとその課題を解決することができないこと

 

例:人間関係、人事評価において納得感を高める

専門家からの支援は得られるが、課題解決を委ねることはできない

 

また、目標を立てるということについては、SMARTの法則で考えると良い目標を設定できると思います。

 

※ SMARTの法則   SMARTの法則

 

テーマ:人生の目標

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まず、今の会社に入社した理由、会社で何をしたいかを挙げていきました。
そうすると、今ある会社に貢献することが自分の人生を豊かにするのではないかと考えることができると思いました。目の前の小さな目標を見つけて、こなして、評価されることで、最終的に人生が豊かになっていくと思います。

【講師からのコメント】
計画的偶発性理論・キャリアドリフトという、8割は自分が想定していないキャリアを辿っていくという考え方があります。そのため、今の状況の中で、目の前の目標を見つけていくのは、素晴らしいなと思います。小さなことからでいいので、プロットタイプ(スモールスタート)してみることが大事です。

 

テーマ:自分の仕事が社会に対してどのような形で貢献できているか

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貢献をどう確かめるかということから考えていき、生の声が仕事のモチベーションにつながるという意見が出てきたため、自分から周りを幸せにするような行動を始めるといいのではないかという話になりました。自分から、感謝の気持ちを伝えていくことで、巡り巡ってありがとう、という連鎖を作り出すことができ、自分の仕事自体への感謝の気持ちも湧いてくるのかなと思いました。

【講師からのコメント】
自利利他の範囲を自分から家族・友人から会社・顧客から世の中そして未来へと広げていけると良いですね。
クレーマーの話もありましたが、クレームを言われたことに対して落ち込み過ぎるのではなく、その言葉や機会を大切にしてみてください。そして本当に聞いたほうが良い声か、あまりにも理不尽な声か判断し、適切に対応したほうが良いか考えて対応できるといいですね。

※ 自利利他について 自利利他の構図

 

テーマ:企画力・創造力を養うには

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企画職と研究職で話し合いました。情報と行動について話し合ったところ、一人でできることはやっていたが、相互のやり取りが必要だという結論に至りました。

【講師からのコメント】
違う部署同士でお互いの困りごと・課題を探し、解決していくと、他部署ならではの新しい発想が出てくることがあります。もちろん意見がぶつかることもあると思いますが、お互いの部署からフィードバックをもらい、連携して良いものをつくっていってください。部門間を超えていく役割を、みなさんはそろそろ求められます。

■ 振り返り~今後に向けて~

研修の感想や学んだことを現場に繋げてもらうための振り返りシートを記載し、グループでシェアして頂いて終了となりました。

 

ブリッジシートを一部ご紹介します。

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4)講師・アテンド所感

今回参加して頂いた若手社員の皆さんは、真剣に研修に参加して頂いているものの、発言数が少ない場面も見られ、疲れているように見えました。

 

業務をたくさん抱えている方が多かったようで、始めのうちは仕事を気にしている方も多くいらっしゃいました。しかし、ワークを行ううちに少しずつ研修に頭が向くようになり、ワークに真剣に取り組んでいただいて良かったです。

 

本研修は、若手社員の方向けのフォロー研修になり、転職のことを考えている方もいました。「コロナ禍で先が少し見えるようになったら、転職したい」、「自分の人生を見直したい」、「ある程度結果を出したから、次のステージに行ってもいいのではないか」などです。
すべての若手の転職を止めることはできませんし、強く止めすぎることは健全ではありません。ただしそうはいっても、人事としては、「やっとパフォーマンスが出せるようになったのに」や、「まだ早いし、自組織でできることは多い」というケースもあるでしょう。

 

今回のような研修を通して、「自組織でまだできることがあり、チャレンジしたい」や「自身の未熟さを知り、もっと感謝したい」などの言葉が出てきて、転職を踏みとどまったケースもあります。

 

若手社員と自組織にとって、よりよい未来と今を考えていくきっかけになると嬉しく思います。

 

本研修の内容及び若手社員フォロー研修のご案内資料は、下記よりダウンロードいただけます。
ご興味をお持ちの方は、ぜひダウンロードください。

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