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[ コラム ]
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新入社員へのコミュニケーション研修で早期戦力化!内容と時期を解説
更新日:
「新入社員のコミュニケーション不足が、現場の生産性や人間関係に影響している」
――そんな声を多く伺います。
「報連相がスムーズにできない」「チームに溶け込めず孤立してしまう」「顧客対応に不安がある」など、人事や現場から寄せられる悩みは少なくありません。
実際、リクルートマネジメントソリューションズ社の調査によると、新入社員の6割以上が「これから身に付けたい・伸ばしたい力」として『コミュニケーション力』を挙げていることが分かっています。

【引用】【調査発表】新入社員意識調査2022|プレスリリース|リクルートマネジメントソリューションズ
新入社員自身もコミュニケーションの課題を自覚し、必要性を感じているということです。
新入社員が不安を解消し、組織の一員として活躍するためには、新入社員に向けたコミュニケーション研修が欠かせません。単なる会話術を超えて「関係性を築く力」や「問題解決につながる力」を体系的に学ぶことで、早期から現場で成果を出し、組織に貢献できる人材へと成長していきます。
本コラムでは、新入社員に必要なコミュニケーション研修の重要性、具体的な内容、実施の最適なタイミング、そして効果を高める工夫について解説します。
「自社の新入社員にはどんな研修が必要か」「どのタイミングで取り入れるべきか」とお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
新入社員一人ひとりが自信を持って成長できるよう、適切な育成を行い、組織として明るい未来を切り拓いていきましょう。
目次
1)新入社員へのコミュニケーション研修の重要性
新入社員にとってコミュニケーション研修は仕事の成果を高めるだけでなく、良好な関係性を築き、問題解決力を磨くためにも欠かせません。
社会人経験のない新入社員は、言葉遣いや簡潔に伝える力、相手の話を正しく理解する姿勢が十分でない場合が多く、そのままでは意思疎通のズレや人間関係のトラブルにつながる恐れがあるためです。
また、業務はチームや顧客とのやり取りを通じて進むため、円滑な関係性の構築ができないと、期待以上の成果を出すことが難しくなります。
反対に、コミュニケーション力が高まれば、相手の意図を汲み取りながら問題解決の糸口を見つけ、プラスアルファの提案を行うことが可能になります。
例えば、会議の議事録作成を任された場合でも、「この資料は誰に共有されますか?」と一言確認できれば、必要な補足情報を追加して相手にとって価値の高い資料に仕上げることができます。
こうした姿勢は、周囲からの信頼や評価につながり、新入社員自身のモチベーションやエンゲージメントを高めます。
逆に、指示された内容をそのまま行うだけでは、関係性が深まらず、問題解決にもつながらないため、成長の機会を逃してしまいます。
新入社員にとってのコミュニケーション研修は、基礎スキルを身につけるだけではなく、「関係性構築」と「問題解決」を支える力を養う場です。
これによって、成果・信頼・やりがいのすべてを高めることができます。
2)新入社員へのコミュニケーション研修の種類と具体的な研修内容
新入社員向けのコミュニケーション研修には、大きく2つの種類があります。
・関係性構築を目的としたコミュニケーション研修
・問題解決を目的としたコミュニケーション研修
それぞれの研修が担う役割は異なりますが、両方を組み合わせることで、新入社員が円滑に人間関係を築きながら成果を上げられるようになります。
具体的な研修内容を含めてそれぞれ説明します。
関係性構築を目的としたコミュニケーション研修
関係性構築を目的としたコミュニケーション研修では、まず「自身のあり方」を振り返り、その上で周囲との関わりを円滑にする方法を学びます。
単に「聞く・伝える」といった技法だけを学んでも表面的な関係にとどまりがちです。だからこそ、自分の価値観や態度を振り返り、相手への関心を高めることが、良好な関係づくりの第一歩になります。
そのため研修では、①自己理解 → ②他者理解 → ③コミュニケーション技法習得という流れを設け、深い相互理解と信頼関係の構築を目指します。
研修の流れとしては、次のようなイメージです。
①自己理解
自分の価値観や考えを理解し、自身の態度・行動が周囲に与える影響を把握する。
②他者理解
同じ出来事でも捉え方が人によって異なることを理解し、相手への関心を高める。
③技法習得
「聞く」「伝える」の基本を学び、相手の立場を尊重した関わり方を身につける。
例えば、アーティエンスの関係性構築力研修では、②他者理解において「判断保留」というワークを行います。
判断保留とは、良い悪い・好き嫌いといった評価をすぐに下さず、まずはありのままを受け止めて観ることです。
相手の意見を一度受け止めることで、「その人はこの立場だからこう考えたのかもしれない」と背景を想像する余白が生まれ、相互理解が深まります。
※ 当社 関係性構築力研修の一部抜粋
さらに、「アサーティブ」と呼ばれる実践的なコミュニケーション技法を学び、受講者が自分の課題に応じた行動指針を策定します。
実際の研修では、以下のようなアウトプットが出てきます。

このように、自己理解・他者理解・技法習得を組み合わせた研修を実施することで、新入社員は相手との違いを理解し、円滑にコミュニケーションを取りながら関係性を築けるようになります。
問題解決を目的としたコミュニケーション研修
問題解決を目的としたコミュニケーション研修では、ニーズの把握や要件定義を行い、「相手にわかりやすく伝える」ために必要な考え方と手法を学びます。
単に情報を伝えるだけでは、相手との認識にズレが生じ、問題解決や成果につながりません。
そこで、相手が理解しやすく、自身の考えや想いをしっかり伝える方法を学ぶことで、周囲との共創を促し、行動や成果の質を高められるようにします。
問題解決を目的としたコミュニケーション研修で目指す効果は以下の通りです。
・ヒアリングスキル、トーキングスキル、アウトプット手法を理解し、実践できるようになる
・ニーズを深掘りすることで、成果の質を高める意識が芽生える
・周囲とのコミュニケーションを通じて、共創を目指す姿勢を持てるようになる
具体的な内容としては、相手のニーズや要件定義を正しく把握する手法を学びます。そのうえで、わかりやすく伝えることで相手に肯定的な感情を与えられることを理解し、話の構成や情報を可視化するスキルを習得します。
また、認識のズレを無くすためのコミュニケーションとして、ヒアリングスキルやトーキングスキルを扱います。
※ 当社 ソリューション提案力研修より一部抜粋
さらに「なぜ分かりやすく伝えることが大切なのか」を考えたうえで、「分かりやすい説明」に必要なポイントを学びます。
※ 当社 ソリューション提案力研修より一部抜粋
このように、ニーズの把握や要件定義、そして「わかりやすく伝える」ための考え方と手法を学ぶことで、新入社員の仕事のパフォーマンスとモチベーションは大きく向上します。
関係性構築と問題解決の研修を組み合わせて実施することで、新入社員は相手との違いを理解し、信頼関係を築きながら、自分の考えをわかりやすく伝えられるようになります。
その結果、職場でのパフォーマンスやモチベーションが高まり、早期戦力化にもつながります。
どちらも新入社員が職場で力を発揮するために欠かせない要素なため、2つを組み合わせて研修設計することをおすすめします。
3)新入社員へのコミュニケーション研修一覧と推奨時期
新入社員向けのコミュニケーション研修は、内容だけでなく「いつ実施するか」が効果を左右します。適切なタイミングで研修を行うことで、不安や課題に直面している新入社員の学習意欲を高め、定着や成果につなげられます。
当社がおすすめする研修内容と推奨時期は以下の通りです。
| 推奨時期 | 研修内容 | アーティエンスで対応している研修 |
|---|---|---|
| 4月 | 上司との協働で成功体験を積み、主体性と内省力を育む研修 | 上司との協働体感研修 |
| 5月 | 周囲との相互作用を通じて成長や成果へのつながりを理解し巻き込み力を強める研修 | 巻き込み力研修 |
| 6月 | 関係性を高めるコミュニケーション手法を学び、関係性を育む手段としてのコミュニケーションを認識する研修 | 関係性構築力研修 |
| 9月 | 振り返りを通じて成長を実感し、新入社員とトレーナーの相互理解を深める研修 | 新入社員・OJTトレーナー合同研修 |
| 7月 | ロジカルシンキングの考え方とメリットを理解し、活用できるようにする研修 | ロジカルシンキング研修 |
| 8月 | 説明の構成パターンと方法、情報を可視化するスキルを学び、活用できるようにする研修 | プレゼンテーション研修 |
| 11月 | ヒアリングスキル・トーキングスキルを学び、ニーズや課題を深掘りできるようになる研修 | 問題解決力研修 |
新入社員は入社からの数か月で「現場適応」「関係構築」「成果創出」など段階ごとに異なる悩みを抱えます。
下記の資料は、当社の調査で新入社員がいつ、どのような不安を抱えるのかをまとめたものです。
※組織によって状況や課題はそれぞれのため、新入社は参考としてご覧ください。
その時期に応じた研修を受けることで、自分ごととして学びを吸収しやすくなり、行動変容が起きやすくなります。
自社の新入社員がどの時期にどんな課題に直面しているのかを明確にし、そのタイミングに合わせた研修を実施することをおすすめします。
4)コミュニケーション研修効果を向上させる3つの工夫
新入社員のコミュニケーション研修で効果を高めるためには、研修設計や日常の関わり方に工夫を取り入れることが大切です。
具体的な方法を3つ紹介します。
「コミュニケーションを取るメリット」を実感させる
新入社員には、コミュニケーションを取るメリットを実感してもらう仕掛けが必要です。
最近の新入社員は「なぜやるのか」「自分にどんな意味があるのか」を重視する傾向が強いためです。メリットが分かれば、行動につながりやすくなります。
例えば、営業Aさん(関係性が築けている人)と営業Bさん(関係性が築けていない人)のどちらから商品を買いたいか考えてもらうなどのワークを行うなどです。自分の好きな芸能人やYouTuberが紹介した商品を買いたくなる経験を例にすると、関係性の重要性が直感的に理解できるかと思います。
「関係性が成果につながる」という実感を持たせることで、コミュニケーションを取る姿勢を自然に強められます。
違いを認め合う姿勢を大切にする
新入社員との関わりでは、相手の価値観や個性を尊重し、違いを認め合う姿勢が欠かせません。
多様性を前提に育ってきた世代にとって、「こうあるべき」と決めつけられることは強い抵抗感につながるためです。Z世代で一括りに語られることも、個人として見られていないと感じやすくなります。
「こうすべきだ」「Z世代はこうだ」といった言い方は避け、「あなたはどう考える?」と問いかけ、違いを受け入れながら進める姿勢を示すことが大切です。
相手を“個人”として尊重することで、安心感が生まれ、コミュニケーションの効果が高まります。
前向きなフィードバックを意識する
新入社員へのフィードバックでは、ポジティブな要素を意識的に取り入れることが重要です。
コロナ禍で他者からの指摘経験が少ないため、何気ないフィードバックでも重く受け止めてしまう傾向があるためです。
具体的には「ポジティブ:ネガティブ=5:1」の割合を意識して関わりましょう。
これはジョン・ゴットマン博士の研究で、夫婦関係だけでなくリーダーシップやフィードバックにも有効とされる考え方です。無理に褒める必要はなく、日常のちょっとしたやり取りをポジティブにするだけで効果があります。
前向きなフィードバックを積み重ねることで、新入社員は安心して成長に向かえるようになります。
フィードバックについて詳しく知りたい方は、下記のコラムもご覧ください。
【例文付き】新入社員育成に必須!フィードバックのポイント解説
これらを実践することで、新入社員は安心して学びを吸収し、職場でのコミュニケーションの質を一段と高めていくことができます。
5)まとめ|新入社員向けのコミュニケーション研修はアーティエンスにおまかせ
新入社員にとってコミュニケーション研修は、単なる会話スキルの習得にとどまらず、関係性を築く力や問題解決につながる力を育む大切な機会です。
本コラムでは、研修の重要性から具体的な内容、実施時期の工夫、効果を高めるための関わり方を整理してお伝えしました。
新入社員のうちは、ほとんどの仕事を周囲と協働して進めるため、コミュニケーションの重要性を理解し、適切なスキルを身につけることが大切です。
アーティエンスでは、新入社員の成長段階や組織課題に応じた多様なコミュニケーション研修を用意しています。
「自社に合った研修を知りたい」「効果的な研修設計を相談したい」と思われた方は、お気軽にお問い合わせください。
新入社員が安心して学びを吸収し、周囲との信頼関係を築きながら、自らの力を発揮できるようになることは、組織全体の未来を大きく変えていきます。
新入社員が自信を持って成長していく姿を、共に実現していきましょう。
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