【人事向け】内定者懇親会の全て|企画・運営・フォローの流れを徹底解説

更新日:

作成日:2023.6.12

内定者懇親会

「内定者懇親会をどのように企画・運営していけばよいのか?」

といったご相談を、企業の人事担当者の方からいただくことがあります。
近年、内定から入社までの期間が長期化傾向にあり、内定者へのフォロー施策に頭を悩ませる企業も少なくありません。

内定者フォローの一つに、内定者懇親会があります。
本コラムでは、内定者懇親会の目的や内容、企画の流れなどを詳しくお伝えしていきます。

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    執筆者プロフィール
    山下 絢加
    2013年にアーティエンスに入社。組織開発・人材育成のコンサルタントとして、大手企業から中小企業まで、幅広く研修プログラムの企画・開発・運営を実施。現在は主にマーケティングプランニングを担当。
    youtube:中小企業の人材育成・組織変革 専門チャンネル

    専門性:新入社員若手社員組織開発・組織変革

    1、内定者懇親会は内定辞退の防止に効果的

    内定者懇親会は内定辞退の防止に効果的です。なぜなら、内定者懇親会で下記3つのことを行うことができるためです。

    ・内定者の不安や疑問を解消できる
    ・組織の雰囲気を感じてもらえる
    ・縦と横のつながりができる

    内定者の不安や疑問を解消できる

    内定者懇親会では、既存社員や人事が回答する機会を作ることで、内定者が持つ疑問や不安を解消できます。ラーニングエージェンシー社による内定者意識調査によると、内定者の8割以上が「不安・心配」な気持ちを抱えていることがわかっています。

    内定者は既存社員と対話し、入社に関する懸念や質問を解決することで安心感を得ることができます。内定者が組織や入社に対して安心感を得ることができると、内定辞退は起こりづらくなります

    組織の雰囲気を感じてもらえる

    内定者懇親会は、既存社員との対話や職場見学などを行うことで、内定者に組織の雰囲気を感じてもらうことができます。組織にどんな人がいて、どのように働いているのか、既存社員にはどんな人がいるのかなど、実際に職場に行くことで知ることができます

    組織のリアルな雰囲気を感じることで、内定者がこの場で働いているイメージをしやすくなります。そして、そのイメージの中で、自分がポジティブに働いていることを想像できると、内定辞退が起きる可能性を減らすことができます

    縦と横のつながりができる

    内定者懇親会は、内定者の同期同士、そして内定者と既存社員の繋がりを作る機会になります。内定者同士も、採用の場では気軽に話をすることができないため、内定者懇親会ではお互いがリラックスした雰囲気で交流することができます。また、既存社員は面接の際に関わる人が限定されますが、内定者懇親会の場では、面接の際に出会うことのなかった人とも交流する機会があります。

    内定者が一緒に仕事をするメンバーを知り、問題なく関係性を築けそうだと感じることができると、内定辞退の防止に繋がります。

    これら3つの理由から、内定者懇親会は内定辞退に効果的ということができます。

    しかし、このような効果を出すためには、内定者懇親会のデザインを丁寧に行うことが必要です。デザインを行っていなかったために、内定者のフォローが行き届いていなかったり、内定者にとって意味のある時間にできず、内定者が「なんか違うかも…」と感じてしまっては、逆効果です。内定者にとっても、組織にとっても内定者懇親会が意味のある時間となるように、しっかりとデザインするようにしましょう

    【参考】内定者懇親会は入社後の早期離職防止にも効果的
    内定者懇親会は、入社後の早期離職の防止にも効果的です。内定者のオンボーディングをサポートする役割も果たすためです。

    オンボーディングというのは、内定者を新入社員として迎えてから組織に定着できるようにするためのプロセスのことです。

    内定者懇親会では、入社前に内定者同士や既存社員との交流を通じて、内定者が企業の雰囲気や社内の人間関係に慣れ親しむことができます。これにより、入社後の組織への適応期間を短縮し、早期に業務への取り組みが可能となります。
    組織に早い段階で馴染むことができると不安が少なくなり、この組織で仕事をやっていけると思えるようになります。

    このように、内定者懇親会は入社後のオンボーディングのサポートにもなるため、早期離職を防ぐことにも効果をもたらします。

    オンボーディングの詳しい内容は、新入社員のオンボーディングで必要な3つのポイントと、効果的なツールの活用法のコラムもご覧ください。

    2、内定者懇親会の企画〜運営までの流れ

    内定者懇親会の企画〜運営までの流れを説明します。

    企画

    内定者懇親会は企画段階で目的や目標をしっかりと定めることが重要です。何となくで実施すると、内定者が内定者懇親会に参加した意味が理解できずに無駄な時間を過ごしたと思われかねません。そうすると、内定者からの組織の印象が悪くなり、内定辞退されてしまう可能性もあります。

    内定者が内定者懇親会に参加することで、組織への安心感を感じることができるよう、目的や目標を言語化して、関係者の認識をすり合わせるようにしましょう。目的や目標が定まれば、関係者の方向性が合わせやすく、準備段階で迷いが生じることも減ります。また、目的や目標が定まっていると、実施後に振り返りも行えるため、毎年より良くしていくことができます。

    目的や目標を設定するためのヒントとなる問いをいくつか紹介します。

    ・なんのために内定者懇親会が必要だと思いましたか
    ・内定者懇親会をすることで、誰にどのようになってほしいですか
    ・内定者懇親会をすることで、入社後、新入社員としてどうなってもらうことを期待しますか

    これらの問いと、1章でお伝えした内容を踏まえ考えると、自組織ならではの目的を設定しやすくなると思います。その後、下記項目についても検討し、具体的な内容を決めていきます。

    ・予算の設定
    ・参加人数の決定
    ・日程の決定
    ・会場の手配

    事前準備

    目的・目標と概要が定まったら、具体的な準備を進めていきます。準備が当日の場作りに影響するため、丁寧に行いましょう準備として決定すべきことは、次のようなことです。

    内定者への案内

    日時、場所、概要が決まり次第、内定者に案内をします。内定者は学生で、学校やバイトなどの都合があります。そのため、できるだけ早い段階で案内を送りましょう。目安は1ヶ月前です。

    <内定者への内定者懇親会 案内メール例>
    ○○さん

    こんにちは、××株式会社 ●●です。

    最近、急に寒い日が増えましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか?
    私は夜の冷え込みが辛く、カフェインレスのホットティーを飲み始めました。
    だんだんと寒くなっていくようなので、お体お大事にしてください。

    さて、以前お伝えしておりました通り、★月★日に内定者懇親会の開催を行います。
    面接では聞きづらかったけど気になっていることなどありましたら、ぜひこの機会に解消しましょう。

    ◆日時:★月★日(金)14:00~19:00
    場所:本社ビル 7階 708号室
    服装:オフィスカジュアル
    目的:内定者も既存社員も4月の入社が待ち遠しく、楽しみになっている状態を作る
    目標:内定者の不安や疑問を解消し、組織の雰囲気と人を知る
    当日の流れ:
    ・挨拶
    ・自己紹介
    ・グループワーク
    ・座談会
    ・食事会
    ・今後の案内、終了

    ※ 昨年実施した内定者懇親会の様子です。服装や当日の雰囲気などイメージいただけるかと思います。(写真や事後レポートなどのデータを共有する)

    内定者懇親会について、わからないことがありましたら、お気軽にご連絡ください。
    また、どうしても参加が難しくなってしまった場合は、ご連絡ください。

    ○○さんとお会いできるのを楽しみにしています。

    内定者懇親会に参加してもらう既存社員の選定と案内

    組織の雰囲気を感じてもらうことや、縦と横のつながりを持てるようにすることを目的・目標としている場合は、既存社員の参加が必要です。事前に内定者懇親会の目的・目標と、あなたを選出する理由を伝えて、内定者懇親会を良い場とするために協力してもらいましょう。

    会場の装飾・備品や食事会の手配

    実施内容に応じて、会場のレイアウトや備品の準備、食事会のメニューの選定を行います。

    懇親会当日

    当日は内定者を歓迎し、目的の意識を持って行動しましょう。当日はハプニングや予想もしていなかったトラブルが起きる場合もあります。しかし、どんな時も目的を意識して行動できると、目的からズレづらくなります。

    内定者懇親会の当日の流れの一例をお伝えします。内定者懇親会で行う内容については次の章で詳しく説明します。

    参加者の歓迎

    参加者が会場に到着したら、既存社員が歓迎しあたたかく迎えましょう。出欠を確認し、着席する場所を案内します。

    開会の挨拶

    人事や組織の経営陣が挨拶をします。内定者懇親会を実施する背景や内定者への期待を挨拶の場で伝えると、そのことを意識して行動しやすくなります。

    自己紹介

    内定者が内定者懇親会の参加者全員の前で自己紹介をします。この場が、内定者にどんな人がいるのかを知る最初のタイミングとなることが多いです。

    座談会

    内定者と既存社員が交流する機会です。内定者の不安や気になっていることなどを気軽に質問できる環境を作れるかが大切なポイントです。

    食事会

    参加者がリラックスして食事を楽しめるよう、BGMや照明などでゆったりとした雰囲気を作りましょう。会話が生まれやすいようなテーブルの配置は準備の段階で検討が必要です。

    職場見学

    内定者に実際に働いている様子を見学してもらいます。実際に仕事をしている様子を見ることで、社会人としてどのように仕事を行うのかをイメージしやすくします。

    アンケート

    次年度の内定者懇親会をより良いものにするために、アンケートに協力してもらいましょう。実際に参加した方からの声のなかに、様々なヒントが隠れています。

    閉会の挨拶

    閉会の挨拶を行いましょう。内定者の方に感想を含めた挨拶をお願いする場合は、事前に依頼しておくと場がスムーズに進みます。

    事後フォロー

    実施して終わりではなく、内定者と今後の内定者懇親会に対してフォローを行います。実施後のフォローとしては、次の3つのことを行いましょう。

    参加者へ感謝のメッセージを送付

    内定者は時間を作って参加してくれているため、参加してくれたことへのお礼を伝えましょう。その時に、具体的に話した内容を含めたメッセージにすることで、自分を認識してくれていることがわかり嬉しくなります。

    また、何か連絡事項がある場合は、お礼の内容の後に記載すると、読んでもらいやすくなります。

    内定者同士で連絡が取り合えるツールの作成

    内定者同士で連絡を取り合えるようにすることで、事前に同期間の関係性を構築できます。同期となる人と関係性を築けていると、入社前後の不安を相談し合えることができ、ストレスになる要素を減らすことができます。最近だと、内定者の社内チャットを作成し、内定者が好きなように活用して良い場所を設けている会社も多いです。

    アンケートから次年度に活かすことを検討

    今回の実施を元に、次年度よりよくするための施策を検討しましょう。そうすることで、より良い内定者懇親会の実施に繋がります。

    内定懇親会の企画〜フォローまでの流れをご紹介しました。目的意識を持って丁寧に準備を行うことで、参加者全てが満足できる内定者懇親会を実施できます

    3、内定者顔懇親会で行う内容

    内定者懇親会でよく行われる内容は以下のものです。

    ・自己紹介
    ・アイスブレイク
    ・座談会
    ・食事会
    ・職場見学

    それぞれ説明します。

    自己紹介

    まずは、お互いに自己紹介をしましょう。よく見られる自己紹介内容としては、出身校や専攻、入社を決意した理由、入社後の抱負などです。その他、趣味や特技、人柄が伝わるような項目も盛り込んでおくと、その後の内定者懇談会でも話がしやすくなります。
    人数が多い場合は、スライドに名前、顔写真と自己紹介で話す内容をスライドにまとめてスクリーンに映すのも一つの方法です。発表者と聞き手の距離が遠いと、顔が見えにくいためです。
    また、一度聞いただけで名前を覚えることは難しいため、名前を書いた名札をつけてもらうこともおすすめです。
    内定者一人ひとりの個性やキャラクターを知る機会になるため、できる限り、自分らしさが伝わる内容を事前に考えておいてもらいましょう

    アイスブレイク

    最初は緊張している内定者も多くいるため、アイスブレイクを兼ねたプチワークをおすすめします。

    具体的なアイスブレイク例については、内定者とのアイスブレイクは必須!アイスブレイクの効果と具体例を紹介で詳しく紹介しています。

    アイスブレイクを行うことで、緊張感がほぐれやすくなります。そのような環境を作ることができると、座談会に進む場合、率直な質問や相談が出やすくなりやすいです。

    【参考】【効果的なアイスブレイク9選】質の高いファシリテーションの始め方

    座談会

    座談会は、内定者と既存社員が交流できる場です。実際にどのような人が、どのように働いているのか、リアルな声を聞くことができ、組織の雰囲気を知ることができます。

    ただ、内定者から既存社員へいきなり質問するのは難易度が高いかもしれません。予め既存社員のプロフィールを共有し、質問内容を考えておいてもらえるとよいでしょう。その他、Google jamboardやmiroなどのオンラインで使える付箋を用いて、当日質問したいことを事前に記載してもらうものおすすめです。

    参加者が話やすい場創りにおける具体的手法については、プロのファシリテーターが教える!すぐ使えるファシリテーションの手法12選もご参考ください。

    食事会

    内定者と既存社員がフランクに会話をできる場が食事会です。内定者がリラックスした雰囲気で話ができる場で、素直な感情や本音を出しやすくなるためです。
    食事会では、改まって聞くようなことではないと思っていたことや、お互いのプライベートについても話をすることができるようになります。仕事と関係のない話でも、お互いについてより知ることができると、関係性を構築しやすくなります

    職場見学

    内定者に対して、職場を見学できる機会を設けます。職場に実際に行くことで、職場の雰囲気や空気感、実際に働いている人の様子を体感することができ、自分が職場で働くイメージを持ちやすくなるためです。

    職場見学では、具体的にどのような仕事を行っているのかを見ることができます。その際に、営業は外回りしているイメージしかなかった内定者が、意外と資料を作っている時間も長いことを知るかも知れません。また、デザイナーはデザインをすることがほとんどだと思っていたけど、打ち合わせの参加が多いことを知る、というようなこともあるかも知れません。

    実際に働いているところを見ることで、自分のイメージとの違いを感じることができます。ただ、内定者のイメージと違ったからといって内定を辞退されると困ることもあると思います。そのため、職場見学の後に、イメージとあっていたところが違かったところを出して、イメージと違かったところについて、どのように対応すればいいかまで一緒に考えてあげられると良いでしょう。

    内定者懇親会では、このような内容が行われることが多いです。自組織の内定者懇親会の目的に合わせて内容をカスタマイズし、目的に適した内容を実施できるようにしましょう。

    4、内定者懇親会を成功させる4つのポイント

    内定者懇親会を成功させる4つのポイントを一つずつご紹介します。

    内定者懇親会を成功させる4つのポイント

    ①オペレーションを丁寧に行う

    オペレーションを丁寧に行いましょう。内定者は初めて会う人が多く、緊張しているためです。
    全体の流れを説明した後に、見本を見せるとイメージがしやすくなります。「例えば〇〇のような感じです」や「昨年は〇〇というようなことを言っている方もいました」など、例を示してあげると取り組みやすくなります。

    先輩が先に自分の情報を伝える、という方法や、内定者何名かに協力してもらって見本を行うという方法でも良いでしょう。

    ②時間配分には注意する

    内定者懇親会で実施するそれぞれの時間配分に注意しましょう。予定していた時間に始まって終わると、信頼感を持つことができます時間通りに物事が進められているかも、組織の文化の一つです。

    もし長引く可能性があると感じたら、その時点で予定より長くなることを伝え、時間通りに退出しなければならない人のフォローを行いましょう。

    ③全員が参加できるトピックを用意する

    内定者懇親会で行うグループワークや座談会の内容は全員が参加できるトピックである必要があります。もし事前知識がないと発言できないという状態が起こるとその時点で疎外感を感じてしまいやすくなるためです。

    疎外感を感じてしまうと、その後発言がしにくくなりやすくなり、本題に悪影響を及ぼしてしまいます。誰でも参加できるトピックになっているかは意識するようにしましょう。

    ④運営者が場全体を見て適宜フォローを行う

    内定者懇親会で行われる座談会や食事会では、内定者の主体性やコミュニケーション力によって、話す量の差が出やすいです。せっかく参加したのに、順番を待っていたら自分が聞きたいことが聞けなかった、ということなどがないようにする必要があります

    そうならないためにも、常に場を観察して、話したそうにしているけど話せていなかったり、参加意欲が薄くなっている人がいたら個別に声をかけてフォローをしましょう。

    そのためにも、場を進行する人、内定者と対話を行う人の他に、場を観察するアテンド要因となる人に参加してもらうことをおすすめします。

    これらのことを意識して、内定者懇親会を良い場にしていきましょう。

    5、内定者顔懇親会に関するよくある質問

    内定者懇親会

    内定者懇親会を実施する際によくいただく質問に回答していきます。

    Q. 既存社員にも参加してもらった方がいいですか?

    内定者に対して、社風の理解や縦の関係性構築を目的とする場合は、既存社員に参加してもらうことをお勧めします。どのような人がいるかを知ることで、社風を理解しやすくなるためです。また、縦の繋がりを構築するには、既存社員の存在が必須です。

    既存社員を選出する際に意識したいポイントは3つです。

    ・内定者が新入社員となったときにロールモデルになってほしい人か?
    内定者顔合わせの目的を理解し、目的達成のために主体的に動ける人材か?
    ・選出した既存社員で、組織の縮図を構成できているか?

    ロールモデルになってほしい人に参加してもらうことで、内定者の入社や仕事に対するモチベーションを高める効果を期待できます。また、組織にとっても、ローモデルとなる人を内定者が目指してくれることで、活躍する人を増やすことができます。

    また、内定者懇親会の目的を理解し、目的達成のために主体的に動ける人でないと、内定者懇親会の場が良くなりません。内定者懇親会を意味のないものだと思っている人が参加すると、その場の雰囲気を悪くする可能性が高くなります。

    そして、既存社員が組織の縮図となることもポイントです。内定者に、このような人たちがいる環境であることを理解してもらうためです。同じような特徴を持った人しか参加していないと、内定者がイメージする既存社員のイメージが現実とかけ離れてしまいます。そうすると、実際に入社したときにイメージと違ったというショックが大きく、組織に定着するまでに時間がかかってしまうことになります。

    Q. オンラインでの実施方法について教えてください

    基本的には2章でお伝えした流れで実施できます。ただ、職場見学は物理的に難しいため、座談会の時に今携わっている仕事を守秘義務の範囲で共有して、イメージをしやすくするのは一つの方法です。

    オンラインで食事会を行う場合は、それぞれで食事を用意してもらうのも良いですし、組織が食事を手配して自宅に届けるのも良いでしょう。同じものを食べていると、食事の感想を伝え合えるため、会話がしやすくなります。

    オンラインで気をつけなければいけないのは、通信環境や操作方法です。せっかく時間を確保していても、通信の都合でほとんど参加ができなかった、という方がいたら、目的を達成することが難しくなります。オンラインの通信環境や操作方法については、案内の際に簡単なマニュアルを送付し、事前の設定が必要な操作を行ってもらうようにしましょう

    Q. 内定者懇親会が堅苦しくならないためには、どのような工夫をしたらいいですか?

    堅苦しくならないようにするためには、服装、場所のレイアウト、実施内容を工夫する必要があります。

    例えば、服装は、内定者だけでなく、社員もオフィスカジュアルな服装にすると、砕けた雰囲気を作りやすいです。場所のレイアウトは、対面で向かい合って座るのではなく、L字型や円で座るようにすると、面接っぽさがなくなります。
    実施の内容については、運営側から組織に関するトピックを扱わないように意識するとフランクば場を作りやすくなります。例えば、ミニQuestionのワークで「組織のビジョンはなんでしょう」というような質問が出されると、面接っぽくなってしまいます。

    内定者から質問があった場合は答えますが、それ以外で積極的に組織のことを話題にしないように意識すると、堅苦しさを和らげることができます。

    Q. 内定者懇親会に参加できない内定者へのフォローはどうすれば良いですか?

    内定者懇親会に参加できないと、既に出来上がっている内定者の輪に入りづらく感じる人もいます。入社前に孤独感を感じさせないようにフォローしましょう。具体的には、以下のようなことが考えられます。

    ・事前に自己紹介文や動画などを用意してもらい、内定者懇親会の場で共有する
    ・内定者懇親会後、改めて自由参加のオンライン懇親会を実施する
    ・内定者が全員参加しているチャット等で、挨拶や自己紹介を行う
    ・内定者が全員参加しているチャット等で、内定者懇親会での質問等を投稿して情報共有する

    内定者が孤独感を感じてしまうと、この組織に居づらいと感じやすく、モチベーションの低下や離職に繋がることもあります。内定者が孤独感を感じさせないように、どうしたら良いのか、を考えて行動しましょう。

    6、まとめ

    本記事では、内定者懇親会の目的を確認した上で、企画〜運営までの流れ、内定者顔懇親会で行う内容についてお伝えしました。内定者懇親会は内定辞退の防止に効果的です。なぜなら、内定者懇親会で下記3つのことを行うことができるためです。

    ・内定者の不安や疑問を解消できる
    ・組織の雰囲気を感じてもらえる
    ・縦と横のつながりができる

    このような効果を出すためには、内定者懇親会のデザインを丁寧に行うことが必要です。

    2章で内定懇親会の企画〜フォローまでの流れをご紹介しましたので、この流れにそってデザインを行いましょう。目的意識を持って丁寧に準備を行うことで、参加者全てが満足できる内定者懇親会を実施できます。
    内定者懇親会でよく行われる具体的な内容は以下のものです。

    ・自己紹介
    ・アイスブレイク
    ・座談会
    ・食事会
    ・職場見学

    自組織の内定者懇親会の目的に合わせて内容をカスタマイズし、目的に適した内容を実施できるようにしましょう。内定者懇親会を成功させる4つのポイントは4つあります。

    ・オペレーションを丁寧に行う
    ・時間配分には注意する
    ・全員が参加できるトピックを用意する

    ・運営者が場全体をみて適宜フォローを行う

    これらのことを意識して、内定者懇親会を良い場にしていきましょう。

    内定者懇親会が内定者、組織、両方にとって良い場となり、内定者も既存社員も4月の入社が待ち遠しく、楽しみになっている状態を作れるようにしましょう。

    なお、当社では今の新入社員の変化と成長を促す新入社員研修を実施しています。内定者が入社後もいちはやく組織になじみ、活躍するための研修をお探しであれば、ぜひお気軽にご相談ください。 

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      参考:人事・採用担当者向け ダイレクトリクルーティング解決型メディア|株式会社VOLLECT