内定者とのアイスブレイクは必須!誰でも簡単にできる7選と注意点4つ

更新日:

作成日:2023.6.6

会議で握手をしている男性 「内定者と交流する機会を作ったけど、あまり会話が弾まなかった…」
「内定者の緊張をほぐし、打ち解けられるようにするためには、どういうアイスブレイクをしたらいいのだろう…」

このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
内定者向けに、交流会や面談、研修などの場を設けても、発言が少なかったり、相互コミュニケーションが行われなかったら関係性の向上に繋がりません。むしろ、逆効果になってしまう恐れもあります。そうならないために、はじめにアイスブレイクを行うことを推奨しています。

アイスブレイクとは、双方が緊張している状況を氷(アイス)に例え、それを壊す(ブレイク)することが語源となっています。 アイスブレイクは、参加者同士の緊張をほぐし、相互の関係を構築し、円滑なコミュニケーションを促進する役割を果たします。

そこで今回は、内定者とのアイスブレイクの効果と具体的なアイスブレイクの例をお伝えします。内定者とアイスブレイクを挟んだ上で本題に入ることで、緊張感が溶け、内定者が素直に話をしてくれたと感じるようになるでしょう。

監修者プロフィール

近藤 ゆみ

アーティエンス(株)にて、研修講師、組織開発・人材育成のコンサルタント、コラムの監修・執筆などに従事。前職の大手人材紹介会社では、転職希望者のキャリアカウンセリングから転職サポートまでを一貫して担当。

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1)内定者とのアイスブレイクの効果

内定者とのアイスブレイクの効果は、主に下記の4つです。

・緊張の緩和
・誤解の防止
・コミュニケーションの質の向上
・参加意欲の向上

順番に説明します。

緊張の緩和

アイスブレイクを行うことで、緊張を緩和することができます。本題とはズレる内容でも、今自分が気になっているトピックについて話をしやすくなるためです。

例えば、アイスブレイクで「今、緊張しています」と伝えることで、若干の緊張を和らげることにつながります。ちょっとしたことを言いやすくなり、お互いにリラックスして話しやすくなります。

特に、初めて顔を合わせる同期と早く打ち解けてもらうため、お互いの緊張を緩めることはとても大切です。はじめに話しやすい話題をアイスブレイクとして話すことで、話しやすさが増し、緊張を解くことができます。

【参考】内定者研修が面白いとモチベーションや学びの質が向上する!?「面白い」要素の取り入れ方とは

誤解の防止

アイスブレイクを行うことで、いらぬ誤解や思い込みを防ぐことができます。アイスブレイクがあることで自身の体調や状態などについて伝えやすくなるためです。

例えば、今朝から頭痛が続いており、その影響で会話中に時折眉間にシワが寄ってしまうことがあるとします。しかし、もし相手がそのことを共有されていなければ、自身の発言が相手を不快にさせてしまったのではないか、という誤解を生みかねません。初対面でのそういった誤解は、後々の関係構築の障壁になってしまう可能性があります。
アイスブレイクを導入することで、気軽に会話がしやすくなるため「今朝から頭痛があって、たまに険しい表情になるかもしれないけど、頭痛のせいだから気にしないでほしい」と伝えやすくなります。

特に内定者同士であれば、まだお互いを知り合えていない状態なので、些細な言動に敏感になりやすいため、アイスブレイクは効果的と言えます。

コミュニケーションの質の向上

アイスブレイクを行うことで、コミュニケーションの質の向上にも繋がります。緊張や委縮した状態が解かれ、お互いに気軽に会話できるようになると、対話が活性化しやすくなります。

例えば、アイスブレイクによって、出身地や趣味などの共通点がわかると、親近感が湧き、よりオープン且つフラットなコミュニケーションを取りやすくなります。アイスブレイクによって気軽に話せるきっかけが作れると、本題の対話やワークにおけるコミュニケーションの質にもポジティブな影響をもたらします。

参加意欲の向上

アイスブレイクでは、参加意欲の向上にも影響を与えます。アイスブレイクの中で一度声を出すことで、その後の話の中で意見を発言しやすくなるためです。

アイスブレイクがなく、そのまま本題に入ると、自分が発言して良いのか周りの様子を伺いやすくなります。しかし、アイスブレイクで一度言葉を発していると、自分も発言して大丈夫であることが確認できているため、積極的な発言が生まれやすくなります。

内定者の中には、積極的に発言することが苦手だという人もいます。しかし、そんな方でもはじめに発言する機会があることで、自分も参加しているんだということに自覚的になることができます。アイスブレイクを通して一度発言することで、その後の参加意欲や発言数の向上が期待できます。

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2)内定者とのアイスブレイク例

オフィスで休憩している男女 内定者と関わるときにおすすめのアイスブレイクを、シチュエーションごとにご紹介します。

【1対1の場面でおすすめなアイスブレイク】

・世間話

【大勢が集まる場面でおすすめなアイスブレイク】

・他己紹介
・3秒自己紹介
・実は○○の自己紹介
・Good&New
・共通点探しゲーム
・プチQuestion

それぞれ説明します。

世間話

世間話も、アイスブレイクの一つです。世間話では、お互いが共通認識が持てる内容を話すことがポイントです。雑談でよく話されるのは次のようなことです。

・天気
例:「今日は暑いですね。私は会社に来るまでに汗をかいてしまって、デスクの上に置いてあるミニ扇風機を速攻でつけました。〇〇さんは、ここに来るまで、大丈夫でしたか?」

・季節
例:「もう冬ですね。1年がもうすぐ終わるのかとびっくりしています。今年の冬はまだ行き先は決めていないんですが旅行にいきたいなと思っているんですよね。〇〇さんは冬休みにどこか出かけたりするんですか?」

・話題のスポーツ
例:「昨日のWBCの試合見ましたか?私はそんなに野球が好きという訳ではないんですけど、昨日の試合はつい全部見てしまいました。大谷選手がすごかったですね。」

・趣味や特技
例:「〇〇さんは縄跳びが得意でしたよね?私は6才の息子がいて、縄跳びを体育でやっているみたいなんですけど、あんまり上手くいっていないみたいなんですよね。おすすめの縄跳びってありますか?」

・出身地
例:「〇〇さんって石川県のご出身ですよね。石川県は一度旅行で行ったことがあります。美術館とか庭園とかすごくよかったです。冬は雪が積もっている印象ですが、結構寒いですか?」

・今日ここに来るまでの道のり
例:「今日はここまで迷わず来れましたか?このビルの入り口が少しわかりづらいですよね。」

お互いが興味のある話題だと、つい話しすぎてしまうことがありますが、あくまでもアイスブレイクのため、5~10分程度で本題に入るようにしましょう。内定者が話しやすいトピックを選んで話をすることで、リラックスした雰囲気のなか話し始めることができます。

他己紹介

他己紹介は、ペアになってそれぞれが自己紹介したのち、AさんがBさんの、BさんがAさんの紹介を他のグループメンバーに行う、というアイスブレイクです。
相手のことを説明しないといけないとわかると、相手を知ろうとする意識が入りやすくなります。実施の推奨人数は各グループ4~6人程度です。時間は、説明を含めて10分程度で収まるようにしましょう。

3秒自己紹介

3秒自己紹介は、一人あたり3秒くらいの短い自己紹介をリズムよく伝え、トントンと手拍手を挟んで次の人が話す、という流れで回していくアイスブレイクです。1人が10回程度話せるように、回していきます。次のようなイメージです。

Aさん「犬を2匹飼っています」

Bさん「ワインが好きで、ワインセラーもってます」  

Cさん「〇〇の漫画にハマっています」

Dさん「アイドルの〇〇のが好きで、毎年コンサートに行っています」  

Aさん「〜〜」

実施の推奨人数は各グループ4~5人程度です。時間は、説明を含めて10分程度で収まるようにしましょう。リズムよく進んでいくため、準備する時間がとれません。すると、頭に浮かんだものを思いつきで言うことが多く、そこから、それぞれの意外な一面が見えるようになります。

実は○○の自己紹介

「実は○○なんです」の自己紹介は、自分自身にまつわる意外性のある物事を自己紹介で発表するアイスブレイクです。顔見知りでも、初対面の参加者同士でも活用できます。実施の推奨人数は各グループ4~6人程度です。時間は、説明を含めて10分程度で収まるようにしましょう。

具体的なやり方としては、参加者に「実は私・・・」から話し始めてもらうというだけです。「実は○○なんです」の自己紹介を行うと、例えば次のような内容が出てきます。

「実は僕、甘いもの好きで、甘いものには目がないんです」
「実は私、高校生のときにハードルで都市大会で優勝したことがあります」
「実は私、-10kgのダイエットをしたことがあります」

すごいことを発表しないといけないわけではなく、外見からは想像できない意外なことを知れるのが面白いところです。注意点としては、ネガティブな意外な一面は避けるように伝えてください。例えば、「実は、私、借金が300万あって」などです。

意外な一面を知れることで、お互いの理解がより深まります。

Good&New

Good&Newは、24時間以内に起こった良かったことや新しく発見したことなどを発表するというアイスブレイクです。アメリカの教育学者ピーター・クライン氏により提唱されたもので、ポジティブな雰囲気を作ることができます。

実施の推奨人数は各グループ4~6人程度です。時間は、説明を含めて10分程度で収まるようにしましょう。はじめに、見本を見せると、内定者は話しやすくなります。

Good&Newを行うと、例えば次のような内容が出てきます。

「今日、育てている花が咲いて嬉しく感じました。毎日、成長している様子が見られるのも楽しいです。」
「昨日買ったばかりのボールペンを今日から使っています。持ち物が変わっただけですが、少しテンションが上がっていいなと思いました。」
「新しくできたお店でお昼を食べてきました。サラダがメインのお店だったんですが、この辺りにはサクッと食べられるヘルシーなお店がなかったので、よかったです。また行きたいと思います」

このように、良かったことや新しいことを伝え合うことで、ポジティブな雰囲気が生まれ、その後の会話に対して前向きな感情を持ちやすくなります。

共通点探しゲーム

共通点探しゲームは、他者と自分の共通点を探すアイスブレイクです。共通点を知ると、親近感を持ちやすくなります。実施の推奨人数は各グループ4~6人程度です。時間は、説明を含めて15~20分程度で収まるようにしましょう。

オペレーションは以下の通りです。

1. グループ内全員の共通点を探してもらいます。何でも結構です。例えば、「中華が好き。ジャニーズのファン」などです。

2. 制限時間は、90秒です。一番多く共通点を探せたグループが優勝です。よーい。スタート!(90秒計る)

3. (90秒後)ストップです!それでは、各グループ、共通点がいくつ出たか教えてください。

4. (ホワイトボードにすべてのグループの数字を記載する)残念なお知らせがあります。みなさんの出した共通点は、とても数が少ないです。前回のワークショップでは、60個以上出したチームがありました。(ここで驚きの反応があります)ただし、この60個は、2回目の数字です。1回目は皆さんと同じような共通点の数でした。※ 共通点の数は、多くても10個強程度が一般的です。

5. 今から、3分間作戦タイムを設けます。どうやったら、多くの数が出せるかを考えてみてください。この3分間は共通点を探すのではなく、作戦タイムとして使ってください。3分後に、2回目の共通点探しを行います。

6. (3分後)それでは、2回目の共通点探しを始めます。制限時間は、90秒です。一番多く共通点を探せたグループが優勝です。よーい、スタート!(90秒計る)

7. (90秒後)ストップです!それでは、各グループ、共通点がいくつ出たか教えてください。

8. (優勝チームに拍手を行う)それでは、優勝チームに2回目の共通点探しではどのような工夫をしたか、教えてください。

9. 自身の枠組みで何となく決めつけて行うのではなく、工夫すると自身の枠組みが広がっていき、思考が広がり深まります。

作戦を考えると枠組みが広がるということを体感することができます。また、このゲームを通して、同じ音楽の趣味の人に出会えると、そこから一気に距離が近づくこともあります。休憩時間なども会話が生まれやすくなります。

プチQuestion

司会や講師の人がクイズを出して、内定者同士で相談し合いながら答えを考えます。内定者同士のコミュニケーションが生まれるアイスブレイクです。

例えば、次のようなクイズが考えられます。

・畑になっている野菜の写真を見せて、なんの野菜かを当てるクイズ
・2枚の画像の違いを見つける間違い探しクイズ
・動画を見てもらい、動画にまつわる質問をするクイズ

これらのクイズの問題を作る時は、評価に繋がらないことがわかるような内容で行いましょう。例えば、会社の社員の人数は何人でしょう、とか、会社が掲げているミッションを選びましょう、などの問題だと、評価されているような気分になりやすいです。評価されていると感じてしまうと、緊張が強まることになり逆効果となります。クイズの内容に注意して、内定者同士のコミュニケーションも促せるような内容を考えてみましょう。

ぜひ、目的に合わせて今回ご紹介したアイスブレイクを活用してみてください。

【参考】当社が考えるアイスブレイクとチェックインの違い

「アイスブレイク」は、参加者の緊張をほぐすことを目的としています。
一方、「チェックイン」は、ファシリテーションのテクニックの1つであり、会議体やワークショップの参加者の「関係の質」を高めることを目的としています。

チェックインを行うと、参加者の発言・態度などをファシリテーターが観察できます。ファシリテーターが観察することで、その後の会議やワークショップへの介入や進め方を考えることが可能です。ただし、チェックインのやり方によっては、かえって関係性の固着化や意見が出にくい状況を生むこともあります。適切に扱うには、その学術的な背景や意図を正しく理解し、ファシリテーションスキルを高めていく必要があります。

当社では、ファシリテーションスキルの体系的な知識と実践を兼ね備えたファシリテーション研修のプログラムを提供しています。ご興味がある方は、お気軽にお問合せください。

【参考コラム】
プロのファシリテーターが教える!すぐ使えるファシリテーションの手法12選
【人事向け】内定者懇親会の全て|企画・運営・フォローの流れを徹底解説

3)アイスブレイクの注意点4つ

アイスブレイクを行うときの注意点を4つご紹介します。

・オペレーションを丁寧に行う
・時間配分に注意する
・全員が参加できるトピックにする
・本題との連動性を意識する

オペレーションを丁寧に行う

オペレーションを丁寧に行いましょう。内定者は初めて行うアイスブレイクが多いため、どのようなことを話していいのかがイメージできないためです。全体の流れを説明した後に、見本を見せるとイメージがしやすくなります。

「例えば〇〇のような感じです」とか「昨年は〇〇というようなことを言っている方もいました」など、例を示してあげると、安心して取り組むことができます。先輩や講師が先に自分の情報を伝える、という方法や、内定者何名かに協力してもらって見本を行うという方法でも良いでしょう。

時間配分に注意する

アイスブレイクの時間配分に注意しましょう。盛り上がっているからと、長く時間をとりすぎると、本題に使える時間も短くなりますし、少しリラックスしすぎてしまう場合もあります。

また、アイスブレイクで緊張感を解くことができなかったと感じることもあるかもしれませんが、そのときにアイスブレイクの時間を伸ばしても、あまり意味はありません。その後の時間のなかで、緊張感を解けることができるような取り組みを入れるようにしましょう。

全員が参加できるトピックにする

アイスブレイクでは、全員が参加できるトピックである必要があります。もし事前知識がないと発言できないという状態が起こるとその時点で疎外感を感じてしまいやすくなるためです。疎外感を感じてしまうと、その後発言がしにくくなり、本題に悪影響を及ぼしてしまいます。

誰でも参加できるトピックになっているかは意識するようにしましょう。

本題との連動性を意識する

本題との連動性を意識するようにしましょう。アイスブレイクの本来の目的は、緊張を解してお互いの関係を構築し、コミュニケーションの円滑さを促進すること、そして本題の場をより良くすることだからです。

たまに、アイスブレイクで楽しんでいる=良いという認識をしている方もいらっしゃいます。しかし、その判断だと、アイスブレイクの本来の目的からズレてしまっている可能性があります。アイスブレイクを何のために行いたいのかを考え、その目的に適したアイスブレイクの手段を取れるようにしましょう。

4)まとめ

今回は、内定者とのアイスブレイクの効果と具体的なアイスブレイクの例をお伝えしました。

内定者とのアイスブレイクの効果は、主に下記の4つです。

・緊張の緩和
・誤解の防止
・コミュニケーションの質の向上
・参加意欲の向上

アイスブレイクを行わないことは、緊張や不安を増加させ、コミュニケーションの質に悪影響を及ぼすリスクを伴うということになります。

内定者と関わるときにおすすめのアイスブレイクを、シチュエーションごとにご紹介しました。

【1対1の場面でおすすめなアイスブレイク】

・世間話

【大勢が集まる場面でおすすめなアイスブレイク】

・他己紹介
・3秒自己紹介
・実は○○の自己紹介
・Good&New
・共通点探しゲーム
・プチQuestion

これらのアイスブレイクを行うときに注意していただきたい点が4つあります。

・オペレーションを丁寧に行う
・時間配分に注意する
・全員が参加できるトピックにする
・本題との連動性を意識する

ぜひ、目的に合わせて今回ご紹介したアイスブレイクを活用してみてください。 内定者とアイスブレイクを挟んだ上で本題に入ることで、緊張感が解けて、内定者が素直に話をできる環境を作れるようにしましょう。
なお、当社では「周囲から応援される『やり抜く』新入社員の育成」をコンセプトに、今の新入社員の変化と成長を促す新入社員研修を実施しています。内定者が入社後もいちはやく組織になじみ、活躍するための研修をお探しであれば、ぜひお気軽にご相談ください。

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