【若手社員交流会】4つの目的別におすすめ内容と運営のコツを解説

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作成日:2023.8.1

 打ち合わせをする男女 さまざまな目的意識から「若手社員向けの交流会」を開催、もしくは開催検討している企業が増えています。当社にも、その内容についてご相談をいただくことが多々あります。

そこで本コラムでは、目的に応じた最適な実施方法や開催時の注意点を詳しく解説していきます。

このコラムで分かること

  • 若手社員の交流会の4つの目的
  • 【目的別】若手社員の交流会のおすすめ内容
  • 若手社員の交流会に関するよくあるQ&A
執筆者プロフィール
迫間 智彦
大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。

専門性:ファシリテーター管理職組織開発・組織変革

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1)【目的別】若手社員の交流会一覧

女性が話をしている 若手社員の交流会は、主に次の4つの目的から開催されることが多いです。

①就活生を惹きつけるために実施する
②内定者フォローとして実施する
③仕事のイメージを持つために新入社員研修で、実施する
④若手社員の能力開発・リテンションのために実施する

それぞれ説明していきます。

①就活生を惹きつけるために実施する

就活生と若手社員の交流会(座談会)を行うことで、就活生への企業アピールや魅力付けをする可能です。
就活生は社会人未経験のため、就業に対する具体イメージを持てていないことが多いです。そのため、若手社員との交流を持つことで、実際の仕事のイメージを持ってもらうことが可能になります。仕事のイメージを持つことで、志望度合いを上げていくために働きかけていく必要があります。

具体的には、下記のようなパターンで実施するとよいでしょう。

・対話形式
・パーティー形式

それぞれ説明していきます。

対話形式

数名のグループにわかれて対話を行います。若手社員1~2名と、就活生3~4名程度にするといいでしょう。所要時間は、60分~90分程度を推奨します。進め方の一例をお伝えします。

・オープニング(挨拶)

・若手社員の簡単な自己紹介(名前と部署、勤続年数、仕事内容)

・就活生の自己紹介(名前、どんなことを知りたいか)

仕事で嬉しかったこと/大変だったことなどテーマを決めて、若手社員が話し、就活生が質問する

・クロージング(挨拶)

一回のセッションを、15~20分程度行い、就活生が他の若手社員のいるグループに合計3グループくらいまわるといいでしょう。テーマは、セッションごとに変えてもいいかもしれません。最後のグループは、ただの質疑応答でもいいです。

パーティー形式

パーティー形式では、立食で自由に移動しながら、相手に縛られずに就活生と若手社員で交流します。時間は、60分から90分程度でいいでしょう。進め方の一例をお伝えします。

・オープニング(挨拶)

・アイスブレイク(簡単なゲーム)

・自由時間

・クロージング(挨拶)

アイスブレイクでは、部屋を日本地図に見立てて、北海道から沖縄まで出身地順に並んでもらい、その後自由時間に入る方法もあります。

自由時間では、基本就活生の聞きたい話に対して、若手社員が話すというスタイルがいいですが、話のネタに詰まる可能性もあります。
そのため、若手社員からも話すネタをいくつか持っておくといいでしょう。例えば、「自分がこの会社に入った理由」や「自身の仕事内容」などを話すことで、就活生からの質問が出やすいような状態を作ります。

このように、就活生と若手社員の交流会(座談会)を丁寧に行うことで、就活生を惹きつけることが可能です。

【参考】就活生と若手社員の交流会(座談会)で注意したい点

若手社員の選出方法

若手社員の選出方法ですが、活躍している若手社員というのは条件ですが、可能な限りさまざまなタイプの若手社員を選んだほうがいいです。
「部署」「勤続年数」「性別」「性格」などです。そのほうが、さまざまな角度から、就活生は、会社を知ることができ、会社のイメージへの思い込みが少なくなります。

若手社員への事前の説明

若手社員への事前の説明ですが、下記内容を意識してほしいことを伝えます。

・自組織の魅力を伝えながらも、キラキラのイメージだけを伝えないこと
企業の魅力を伝えながらも、フラットに伝えることで、ミスマッチや入社後のリアリティショックを少なくします。

・企業ブランドを落とすような言動・行動はしないこと
乱暴な態度・振る舞いや、就活生への説教じみた説明などです。かえってマイナスイメージになってしまいます。

②内定者フォローとして実施する

内定者と若手社員の交流会を実施することで、内定者フォローを行うことが可能です。
内定辞退防止やオンボーディングの一つの施策になります。内定者と若手社員の交流会のやり方は、「第1章ー①就活生を惹きつけるために実施する」と同じように、「対話形式」か、「パーティー形式」で行うといいでしょう。入社式の後に行うのもお勧めです。

対話形式

内定者1~2名と、若手社員2~3名程度のグループに分かれます。時間は、60分~90分程度でいいでしょう。進め方の一例をお伝えします。

・オープニング(挨拶)

・若手社員の簡単な自己紹介(名前と部署、勤続年数、仕事内容)

・内定者の自己紹介(名前、志望動機、趣味)

若手社員自身が「内定後にやっておけばよかったこと」や「残りの学生生活のおすすめの過ごし方」などテーマを決めて、若手社員が話し、内定者が質問する

・クロージング(挨拶)

一回のセッションを、15~20分程度行い、内定者が他の若手社員のいるグループに合計3グループくらいまわるといいでしょう。テーマは、セッションごとに変えてもいいかもしれません。最後のグループは、ただの質疑応答でもいいです。

パーティー形式

パーティー形式では、立食で自由に移動しながら、相手に縛られずに就活生と若手社員で交流します。時間は、60分から90分程度でいいでしょう。進め方の一例をお伝えします。

・オープニング(挨拶)

・アイスブレイク(簡単なゲーム)

・自由時間

・クロージング(挨拶)

自由時間では、基本内定者の聞きたい話に対して、若手社員が話すというスタイルがいいですが、話のネタに詰まる可能性もあります。そのため、若手社員からも話すネタをいくつか持っておくといいでしょう。
例えば「尊敬する上司や先輩社員」や「最近あったプライベートでの嬉しかったこと」などを話すことで、内定者からの質問が出やすいような状態を作ります。

このように、内定者と若手社員の交流会を丁寧に行うことで、内定者フォローを行うことが可能です。

③仕事のイメージを持つために新入社員研修で、実施する

新入社員と若手社員の交流会を、新入社員研修のセッションや新入社員研修期間に実施し、仕事のイメージを持つように促すことができます。

若手社員との交流を通して、新入社員研修で学んだ内容を、より配属後の具体的な仕事内容における活用イメージへとつなげていきます。
具体的には、新入社員研修内で、先輩社員にストーリーテーリングという技法で、仕事のやりがいや躓くポイントなど自身の仕事を語ってもらいます。そのことで、研修の学びがどのようにつながっていくかなどを知ることも可能です。
また、新入社員研修の期間内に、新入社員と若手社員のランチ会や飲み会などを設ける企業もあります。ざっくばらんに話しを聴くことができ、仕事のイメージを持ちやすくなります。

このように 新入社員と若手社員の交流会を、新入社員研修のセッションや新入社員研修期間に実施し、仕事のイメージを持つように促すことができます。

ストーリーテリング:自身の経験や想いをオープンに、かつ、人間味を持ってストーリーとして伝える方法。

抽象的な単語や情報を羅列するよりも、相手の記憶に残りやすく、得られる理解や共感が深い。組織の理念やビジョンなどを、メンバーに浸透、動機づける際に活用されることが多い。新入社員研修などでは、研修で学んだことと現場での活用方法とのブリッジで用いられる場合もある。
(ストーリーで話す方法と論理的・数値的に話を伝える方法とでは、人の記憶の残りやすさに最大22倍差が生じるとの研究結果もある。(スタンフォード大学 Jennifer Aaker教授))

④若手社員の能力開発・リテンションのために実施する

若手社員同士の交流会を持つことで、若手社員の能力開発やリテンション(離職防止対策)に繋がっていきます。
この場合、まずおすすめなのが、日々の業務で即役立つスキル習得を通じた能力開発です。
その他、日々の業務から少し距離を置いてゆったりと内省することで、自己成長や組織への感謝が高まり、エンゲージメント向上といった効果も
見られます。
具体的な能力開発やリテンション(離職防止対策)を目的にした若手社員同士の交流会は、下記の内容があります。

・自組織内の若手社員との研修や勉強会
・他社若手社員と合同の研修や勉強会

下記にそれぞれのメリット・デメリットをお伝えしていきます。

目的 メリット デメリット
自組織内の若手社員との研修や勉強会 能力開発 自組織にあった専門スキルを学ぶことができる 井の中の蛙になる危険性がある
リテンション 自組織の若手社員との触れ合いにより、一体感が高まる ただの不満だけを言う会になる場合もある
他社若手社員と合同の
研修や勉強会
能力開発 他社若手社員との交流から、自身の良い点や改善点が見出しやすい 汎用的なスキルを学ぶことになり、自組織に完全にマッチしたスキルは学べない
リテンション 他社若手社員との交流から、自組織の良い点を見出し、感謝が高まる 自組織の同期との交流機会が、少なくなる

能力開発やリテンション(離職防止対策)を目的にした若手社員同士の交流会は、メリット・デメリットを観て、企画するといいでしょう。例えば、新入社員が、30名程度の会社であっても、他社若手社員との交流を目的として、当社の若手社員研修の公開講座を受講された事例もございます。
このように、若手社員同士の交流会を通して、能力開発やリテンション(離職防止対策)に繋がっていきます。

2)若手社員の交流会開催において、よくある質問

 Q&A 若手社員の交流会開催において、よくある質問として、下記内容があります。

Q1.若手社員は、同期のみで行ったほうがいいですか?それとも若手社員という括りで行ったほうがいいですか?

目的を明確にすることで、どちらがいいか決めることができます。
そして、より効果が高い参加者を選ぶことが可能です。

例えば、中堅社員になるための準備としてでしたら、3年目社員のみに行うのがいいかもしれません。専門スキルを高めたいというのであれば、若手社員という括りでもいいかもしれません。

Q2.どれくらいの頻度で行うのがいいですか?

こちらも目的に沿った頻度で行うことをお勧めしますが、業務負担にならないようにすることが重要です。
業務負担が大きいにもかかわらず、毎週勉強会を行うなどすると、若手社員のエンゲージメントが下がりますし、その状態では能力開発の効果もなくなります。

Q3. 他社の若手社員との交流を行うことで、自社の悪い部分が見え、離職に繋がりませんか?

ネガティブな感情は無理やり抑えることはできないため、遅かれ早かれ若手社員が離脱する可能性は高いです。
自組織とマッチしない若手社員が在籍するほうが、組織にとってはネガティブな影響が大きくなりますし、本人のキャリアにも良くないでしょう。
また自社のネガティブな部分が見えているのであれば、交流会で改善を求めるのではなく、別の施策で解決することをお勧めします。

Q4. 飲み会等を行う場合、嫌がる若手社員はどうしたらいいですか?

飲み会ではなく、ランチ会や勉強会でもいいでしょう。
目的に立ち戻り、どのような企画や方法にするといいかを考えていきます。また飲み会だとアルコールも入りますので、注意を行う必要があります。

Q5. 若手社員の交流会で、読書会をしたいと思っています。最近の若手社員は、活字離れがあるので、心配です。

若手社員の交流会の目的を明確にし、本当に読書会である必要があるか考えたほうがいいです。その上で、読書会を実施するということでしたら、下記2点を注意されるといいです。

・読みやすい本にすること
・読書会の中で、本を読むこと

Q6. 就活生、内定者、新入社員への対策ですが、当社に若手社員がいません。どうしたらいいですか?

何を達成したいか目的を踏まえて、他の手法を取ることをお勧めします。ただし新入社員研修(若手社員研修)でしたら、他者と交流ができる研修会社の公開講座を利用されるといいでしょう。

3)まとめ

本コラムでは、若手社員の交流会を目的別に、下記4点をお伝えしました。

①就活生を惹きつけるために実施する
②内定者フォローとして実施する
③仕事のイメージを持つために新入社員研修で、実施する
④若手社員の能力開発・リテンションのために実施する

具体的な方法をお分かりいただけたかと思います。
若手社員の交流会開催において、よくある質問に関しても、回答しておりますので、不明点が出てきたら見ていただければと思います。若手社員の交流会の企画や実施でご相談があれば、ぜひ当社アーティエンスまでご連絡ください。