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[ コラム ]
ファシリテーションを変える!使えるフレームワーク6選
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【具体例あり】グランドルールは効果抜群!ファシリテーションがスムーズに!
更新日:
グランドルールとは、会議やワークショップ等をより効果的に進めていくために定めるルールです。ファシリテーションを行う場面では、グランドルールはよく用いられます。
ただし、グランドルールの本来の役割を認識しないまま、盲目的に活用しているとかえって場に悪影響を与える場合もあります。
そこで本コラムでは、グランドルールの役割や作り方、グランドルールを使いこなすポイントを解説していきます。
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大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。
目次
1)ファシリテーションにおけるグランドルールの役割とは
場をホールドし、場の質を上げる
ファシリテーションにおけるグランドルールの役割とは、ファシリテーターが場をホールドし、場の質を上げるためのものです。
グランドルールがあると、会議やワークショップに参加される方のマインドセットができます。また、対話・議論がグランドルールから外れた時に、ファシリテーターがグランドルールをもとに介入し、場をホールドしやすくなります。
例えば、当社では「一人の人が話し過ぎない」というグランドルールをよく活用します。
「一人の人が話し過ぎない」とういルールがあることで、特定の人の独演会になっている場合に、ファシリテーターからそれとなくグランドルールを再提示し、参加者の発言量の調整を行います。
※ それとなく促しても発言が止まらない場合は、名指しで「『一人の人が話し過ぎない』というグランドルールがありますよ」と伝えてもいいでしょう。本人は「自分はそんなに発言していない」とい考えている場合もありますので、時にはルールをもとに介入していきます。 ファシリテーターが場をホールドし、場の質を上げるためにも、グランドルールはとても重要な役割を担います。
他にも、当社がよく活用するグランドルールで、「沈黙を恐れない(※)」というルールがあります。参加者は「沈黙が悪い」わけではないという認識になり、焦って発言する必要がなくなります。
対話・議論の場で沈黙は、とても重要な役割です。
沈黙は悪ではありません。内省している場合は、発言はなかなか出ませんし、勇気のある発言を出すための準備時間でもあります。
無理やり議論・対話の場を活性化させる方が、実は議論・対話の質を下げることになります。話すことが目的になり、本音が出なかったり、上司など権力者が求めている発言をしないといけないという文脈になりがちです。
例えば、あるメーカー様の若手社員研修(25名程度)でワークショップを行った際、全体ダイアログで長い沈黙がおとずれました。その沈黙をやぶったのは、とても大人しい若手の女性社員でした。声を震わせながら、自分の考えていることを全体にシェアしました。
ワークショップの後日談として、その若手の女性社員の上司から、人事充てにお礼のメールが届き、「会議で発言するようになった」と書かれていたそうです。
ワークショップでの発言が、彼女にとっては大きな成功体験になったのかもしれません。このようにファシリテーターは、沈黙も大切に扱う必要があります。
場の質の重要性
前述した「場の質」について少し補足を加えます。
「学習する組織 入門」の著者である小田理一郎氏は、「場の質」が「成功循環モデル」に影響していることに言及しています。
下記の図は、「場の質」が高まることで、「思考の質」が上がり、「行動の質」も上がり、「結果の質」も上がるという考えです。
※ 当社、ファシリテーション研修のテキストより抜粋
場の質は、我々の目には実際見えないものです。捉えにくい内容ですが、関係の質や思考の質に大きな影響を及ぼします。
場の質を高めることで、会議やワークショップの参加者同士の関係性・相互作用は高まります。
結果、対話・議論の質も高まります。ファシリテーターは、会議やワークショップの早い段階で場の質を上げていくことを意識する必要があります。
そして、場の質を高めるために、グランドルールは高い効果を発揮します。
2)ファシリテーションにおけるグランドルールの作り方
グランドルールを作成するための3ステップ
グランドルールは、会議・ワークショップの目的・目標を達成するための心強い味方になります。
実施する会議・ワークショップにあわせた内容にすることが必要です。
例えば、「参加者同士の関係性を高めるためのワークショップのグランドルール」と、
「経営会議において意思決定をするためのグランドルール」では異なったルールになるでしょう。
グランドルールをつくる際には、下記の3つのステップを踏んでいくといいでしょう。
1)会議・ワークショップの目的・目標を明確にする
2)会議・ワークショップのアジェンダ(目次)を創る
3)会議・ワークショップでの役割分担と、グランドルールを作る
作成時には、実際に参加者や依頼者の表情をイメージしながら考えていくといいでしょう。
会議・ワークショップの場が目的・目標を達成していくケースと、会議・ワークショップの場が目的・目標を達成できないケースをイメージすると、よいルールが創れます。
例えば、部門間の会議で部分最適になることが多いとイメージできれば、「部分最適ではなく全体最適を考える」というルールを入れるとよいでしょう。
当日の会議の場で、部門間の対立が激しくなり、部分最適の発言が多くなっているのであれば、ファシリテーターが「部分最適ではなく、全体最適というルールを忘れないようにしましょう」と伝えることができます。
このようにグランドルールを丁寧に作ることで、場をホールドすることが可能です。
会議を効率的に進めたいと考えている方へ
グランドルールとは、会議をより意義ある場にするためにあらかじめ定めるルールです。効率的な会議進行に欠かせません。
また、グランドルールの設定と共に、具体的なファシリテーションスキルと実践的なアプローチが必要です。
ファシリテーションスキルを付けることで以下のようなメリットがあります。
- 会議の生産性が向上する
- 新しいアイデアが出やすくなる
- 会議の内容を上手く整理できる
- ネクストアクションの解像度が上がる
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グランドルールを作成する際の言葉の選び方
グランドルールを作る際には、可能な限り「~ください」など指示命令系の表現は控えましょう。
なぜなら、指示命令の言葉を使いすぎると、参加者の受け身な姿勢を強化してしまうからです。指示命令の言葉を可能な限り使わないことで、受動的な姿勢を持たせないようにしていくことが重要です。
例えば、「否定的な意見は禁止」という指示命令ではなく、「自分の考えにこだわらない。断定的な言い方をしない。」のように、状態を表す表現方法を用います。
状態を表す表現のほうが参加者も受け止めやすくなります。ファシリテーターは、グランドルールの言葉の表現も、大切に丁寧に扱っていく必要があります。
※ もちろん指示命令の言葉を使う必要がある場合もあります。場をホールドするために、必要な時は指示命令の言葉を使いましょう。ただし多用は厳禁です。
3)ファシリテーションにおけるグランドルールの扱い方
ファシリテーションにおけるグランドルールの扱い方として、「ルールがなぜ大切か」を伝えることがとても重要です。
グランドルールが、大切なものだという認知になると、グランドルールを守ります。そして、対話・議論の場の質が高くなっていきます。
具体的には、ファシリテーションをするルール説明の際に、グランドルールを設けた背景や理由を説明することが必要です。ルールをただ読み上げるのではなく、可能な限りそのルールを具体的に伝えましょう。
例えば、「沈黙を恐れない」というルールを説明する際は、下記のように説明するといいでしょう。
「『沈黙を恐れない』。沈黙は、悪ではありません。お腹の中で考えている場合もありますし、考えをまとめている最中かもしれません」
この程度で構わないので、「なぜそのルールが必要か」を説明します。「ルールをただ読み上げるだけ」、「ルールを見ておいてください」は、NGです。その時点で参加者にとってのルールの重要度が下がります。
「ルールがなぜ大切か」を伝えること、そしてルールに対して参加者全員が理解・納得し、大切に扱っていくことが重要です。
4)【事例】ファシリテーションにおけるグランドルール
当社がよく使うファシリテーションにおけるグランドルールの事例を、2つ紹介します。
・対話を深めていくワークショップで活用するグランドルール
それぞれ事例をあげて、説明していきます。
意思決定が発生する会議で活用するグランドルール
意思決定が発生する場合は、力強く物事を前に進めていくことが重要です。お互いの状況に配慮しながらも、時には衝突を乗り越えて、コミット高く物事を前に進める必要があるためです。
当社では、下記の内容を会議の目的・目標に応じて、カスタマイズしていきます。 意思決定が発生する会議で活用するグランドルールでは、力強く物事を前に進めていくルールにする必要があります。
会議を効率的に進めたいと考えている方へ
グランドルールとは、会議をより意義ある場にするためにあらかじめ定めるルールです。効率的な会議進行に欠かせません。
また、グランドルールの設定と共に、具体的なファシリテーションスキルと実践的なアプローチが必要です。
ファシリテーションスキルを付けることで以下のようなメリットがあります。
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対話を深めていくワークショップで活用するグランドルール
対話を深めていく場合は、正解探しをするのではなく、探求を深めていくことが重要です。~お互いの違いを認めることで、自身と仲間の認知を広げ、深い内省が可能になり、時には生成的なアイディアも生まれます。
当社では、下記の内容をワークショップの目的・目標に応じて、カスタマイズしていきます。 当社が活用する会議とワークショップの代表的なグランドルールをご紹介しました。
ぜひ、みなさんの会議やワークショップのグランドルールの参考にしていただければと思います。
5)まとめ
本コラムでは、ファシリテーションのグランドルールに関して、下記3点をお伝えしました。
・ファシリテーションにおけるグランドルールは、丁寧に作っていくことが重要です
・ファシリテーションにおけるグランドルールの扱い方として、「ルールがなぜ大切か」を伝えることが重要です
本コラムを読んでいただき、グランドルールが会議やワークショップの場が素晴らしい場になるための味方であることを理解していただけたはずです。
事例も参考にしながら、ファシリテーターとしてグランドルールを使いこなしていただければと思います。
なお、当社では講師派遣型、公開講座、共に会議ファシリテーション研修をご用意しております。ご興味があれば、ぜひご連絡ください。