新入社員研修の意味とは|「意味がない」と言われてしまう理由と改善方法

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作成日:2023.8.1

新入社員研修 意味

「新入社員研修を実施してもあまり意味がないと感じる…」
「新入社員研修を意味のあるものにするにはどうしたら良いのだろうか…」

このようなお悩みを抱えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

新入社員研修は、仕事に必要な意識やスキルを身につけて、活躍してもらうために大切な育成機会です。しかし、中にはその役割を満たせるような内容ではないために、期待する効果を得られず、新入社員研修を実施する意味がわからなくなってしまっている場合があります。そのような内容では、新入社員自身も新入社員研修を受講する意味を感じることができません。それは非常に勿体無いことです。

そこで本記事では、新入社員研修を実施することの意味について、短期的・長期的な2つの観点から改めてお伝えします。本記事を通じて、自社の新入社員研修の意味を再考するきっかけとしていただければ幸いです。

監修者プロフィール

迫間 智彦

大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。

1)新入社員研修を行う短期的な意味と長期的な意味

新入社員研修を行うことには、以下のような短期的な意味と長期的な意味があります。

短期的な意味:組織の一員として仕事をできる即戦力になってもらうため
長期的な意味:新入社員と組織の長期的な成長のため

これらについて、具体的に説明します。

新入社員研修の短期的な意味=即戦力になってもらうため

新入社員研修は、組織の一員として仕事をできる即戦力になってもらうために必要です。仕事をできる状態にならないと、新入社員が自身に価値を感じづらくなってしまいモチベーションが下がってしまう可能性があります。また、組織としても組織に貢献してもらわないと社員として雇用している意味がなくなってしまいます。

企業理念や社風を理解し会社に馴染めるようになる

企業理念や社風を理解し会社に馴染めるようになってもらうことが必要です。企業理念や社風の理解ができていないと、組織として同じ方向を向いて仕事を行うことが難しくなるためです。

もし企業理念や社風を理解できていないと、組織のビジョンや目標に対する共感や意識が薄くなることが考えられます。そうすると仕事の目的や重要性について正しく理解できず、新入社員自身は納得できないまま、単なる作業者として、言われたことをやるだけの人になってしまう可能性があります。また、共通の価値観や文化を持つことは、組織内でのコミュニケーションや協力関係の構築にも大きく寄与します。

新入社員が社会人としての自覚を持って働けるようになる

社会人として自覚を持ってもらうことも必要です。社会人としての自覚を持つことは、仕事を一緒にする人から信頼を獲得するために必要になるためです。仕事への責任感や倫理的な行動が実践できないと、仕事をし続けることは難しいです。

例えば、社会人としての自覚を持っていない新入社員は、時間管理やスケジュール遵守に対して無頓着な態度を示すことが考えられます。また、仕事に対して軽視する態度を持ち、品質や効率性において十分な取り組みを行わない可能性もあります。

参考:最近の若手社員の特徴とは?効果的に育成を行う4つのポイントも詳しく解説

そうならないためにも、新入社員は学生から社会人としてのルールや期待に慣れる必要があります。新入社員研修で、新入社員が社会人としての役割や責任を自覚できるようにすることで、適切な行動を取るための基盤を築けるようにします。

新入社員が仕事をするためのスキルを身につける

仕事を進める上で必要なスキルを身につけてもらうことも必要です。入社時点の新入社員は仕事で求められるスキルが足りていないためです。

仕事を進める上で必要なスキルが身についていないと、例えば、プロジェクトが遅延したり、意思疎通や業務連携に誤解が生じるなど、業務の効率性や品質向上に直結します。

一方で、適切なスキルを持った新入社員は自信を持ち、仕事に積極的に取り組むことができます。その結果、早い段階で成果を出すことも期待できます。そのためにも新入社員研修で新入社員が業務を遂行する上で必要な知識や技術を習得し、即戦力となる能力を身に付けることが必要です

参考:【実例あり】新入社員研修に必要な6つの内容と効果を高める5つのポイント

新入社員研修の長期的な意味=新入社員と組織の長期的な成長のため

新入社員研修は、新入社員と組織の長期的な成長のために必要です。新入社員研修を通じて学ぶことで、経験を積むことができ、その積み重ねが生産性の向上や組織全体の業績に寄与するためです。そして、その成長の中で得た経験を後輩に伝えていくことで、組織全体の成長を促すことができるようになります。

新入社員が望むキャリアを創れるようになる

新入社員研修を実施することで、新入社員が望むキャリアを創れるようになります。現在は転職が当たり前で、新卒で入社した新入社員が定年まで働くことは少なくなりました。その際に、新入社員研修で社会人として必要なスキルの土台を築けていたら、転職するときや、転職した後も自身の価値を発揮できる仕事を行うことができるためです。

新入社員にとってファーストキャリアはとても大事です。新入社員がこれからどんな道のりを進むとしても、社会人として基本的に大切なことは共通しています。新入社員が自身の望むキャリアを創れるようにするためにも、新入社員研修で仕事の土台を築けるようにすることが必要です。新卒採用を行う際は、このくらいの覚悟を持って実施しましょう。

成果を出して組織の成長に貢献する

新入社員研修を実施することで、長期的に見ると成果を出して組織の成長に貢献することが期待できます。新入社員研修で学ぶ基本的なスキルを用いて経験を積み、応用して行くことで成果を出せるようになるためです。仕事に必要なスキルは基礎がしっかりと築けていないと応用することはできず、組織の成長につながるような重要な仕事を任せることはできません。

例えば、新入社員研修で学ぶことの多い、ビジネスマナーや報連相、スケジューリングなどのスキルはいつになっても大切なことです。他にも解決策の講じ方や資料の作成については、基本的なことを学んだ上で経験を積み重ねることでスピードや質が高くなっていきます。

将来的に組織にとって重要な仕事を任せられるようになり、成果を出してもらうことで、組織の成長に貢献してもらうことができます。そのためにも、仕事の基礎をしっかりと学べる新入社員研修が重要なポイントとなります。

育成文化を醸成する

育成文化を醸成することも、新入社員を実施することで長期的に期待できることです。新入社員時代に丁寧に教育をしてもらって組織や先輩方に感謝の気持ちがあると、同じように後輩に教育をしようという思いが出てくるためです。

新入社員が新入社員研修やOJTの中で学んだことや経験を通して、後輩の成長を支援することができると、組織の成長に貢献することにつながります。また、そのような育成文化が醸成されると、組織の成長スピードや離職率の低下にも影響します。

新入社員が新入社員研修を受けて良かったと思ってもらえる内容の研修を実施して、組織から受けた育成に感謝できる状態を作ると、育成文化の醸成を期待することもできるようになります。

参考:【OJT研修】効果を高めるための目的・内容・進め方

2)新入社員研修が「意味がない」と思われる理由

新入社員研修が「意味がない」と思われしまう理由として考えられるのは以下の3つです。

・学びの効果を感じられないため
・OJTでまかなえると思っているため
・期待していた成長につながっていないため

これらは新入社員研修の内容をしっかりと創れていないために起きていると考えられます。順に説明します。

学びの効果を感じられないため

新入社員研修で、学びの効果を感じられない場合は、以下のことができていないと考えられます。

・新入社員の主体性を促すこと
・スキルや考え方の本質的な説明
・アウトプットの機会作り
・現場に繋げる工夫
・研修後のフォロー

これらが新入社員研修で行えていないと、新入社員の学びは浅く、仕事への活かし方もわからないため、学びの効果を感じることが難しくなります

例えば、報連相の大切さや基本的なやり方を一方的に講師が新入社員に伝えるだけの内容では、重要性の認知が甘く、知っているけど使い方はわからない状態で終わってしまいます。この状態で現場で報連相を求められても、「こんなことも報連相しないといけないの?」と新入社員が感じることも多くなるでしょう。また、報連相を実際にやるという体験をしていないと、何をどう伝えたら良いかがわからないため、わからないからやらない、という状態になってしまいます。

このように、新入社員研修で学びの効果を感じられないから意味がないと思っている場合は、新入社員が学んだことの重要性を理解して活かせる状態になるような研修内容を実施していない可能性があります。

OJTでまかなえると思っているため

新入社員研修を実施しなくても、OJTのみで育成できると感じている場合は、本質的な理解を促そうとしていない可能性があります。もちろん、新入社員の人数が少なく、OJTトレーナーが新入社員の成長を促す育成方法を理解して行えている場合は問題ありません。
しかしOJTという、業務を進めながらの時間の中で根本的な理解を促すのは難しいです。「仕事のやり方を伝える」ということと、「新入社員の成長を促す」ということに必要なスキルは別物だからです。

例えば、マナーをOJTのみで行う際によくあるのが、「エレベーターは先に入って開けた方がいいよ」「わかりました、ではなく、承知いたしました、の言葉で対応するようにしましょう」「名刺交換するときは、文字を相手が読みやすい向きにしてね」というような指導です。間違っていることは何もないのですが、なぜそうしなければいけないのかを新入社員が考える余白がありません。OJTトレーナーが行ったことをただ、新入社員が実行するだけ、という状態になってしまっています。これでは知識は蓄積されていきますが、自分で考えることをしていないため成長を促すことには繋がっていません。マナーの型だけを覚えて、本質的な「相手を気遣う」ということの大切さを理解できていないため、柔軟に対応することも難しいです。

新入社員研修では、そもそもなぜマナーを身につける必要があるのかを新入社員自身で考え、新入社員がマナーの大切さに気づく機会を作ることができます。そして、どうすれば相手が居心地良く過ごしてもらえるのかを基本的なルールを知った上で自分なりに考えて行動することができるようになります。

新入社員は、いずれ自分一人で仕事をしてもらうことになります。その際に、自分で考えて動く力がないと、新入社員自身も組織の成長することは難しいです。新入社員研修は、ただ知識を教えるだけでなく、新入社員が自分で考えて行動できるようにするための場であることがわかると、OJTだけでまかなうことの難しさを理解することができるでしょう。

期待していた成長につながっていないため

新入社員研修を実施しても新入社員が期待していた成長につながっていないために意味がないと感じていることもあります。その場合の原因として、2つの理由が考えられます。

現場の内容と研修内容に乖離があるため

現場で必要な知識やスキルと研修内容に乖離があると、期待していた成長に繋げることはできません。人事側では、営業のためにコミュニケーションが必要だからと考え、コミュニケーション研修を実施したとしても、現場で課題になっていることは資料のわかりやすさだったとします。そうすると、課題は改善されず、研修による成長は弱くなります。

研修のゴールイメージが明確でないため

新入社員研修を実施することで、どうなってもらいたいのかというゴールが明確でないと、新入社員研修の内容を適切に選択することができません。また、新入社員研修によって目的が達成できたのかの評価も難しく、曖昧になるため成長につながっていたのかわからないという状態になってしまいます。

3)新入社員研修を意味のあるものにするために意識すべきこと

新入社員研修を意味のあるものとするために意識するべきことを3つお伝えします。

新入社員の学びを促せる研修内容であること

新入社員研修で新入社員の学びを促すためには、次の3つがポイントとなります。

・インサイドアウトを促している
・アウトプットの機会を多く設ける
・仕事への活かし方を理解できるようにする

インサイドアウトを促している

新入社員の学びを促すためにはインサイドアウトを促すことが大切です。主体的に学ぶ意識を強め、深い学びを得ることができるようになるためです。やらされ感で研修を受けてしまうと、学びが弱くなってしまいます。(インサイドアウトとは、内面に沸き起こった興味・関心や意欲に動機づけられている状態のことです。)

インサイドアウトを促すために、当社では研修の始めにワールドカフェを行う時間を設けています。ワールド・カフェとは、カフェのようなリラックスした雰囲気の中で、少人数に分かれたテーブルで自由な対話を行う対話手法の一つです。Round1~3と3回の対話の中で、他のテーブルとメンバーをシャッフルしながら対話を行うことで、多くの参加者の意見や知識を集めることができます。例えば当社のビジネスマナー研修では、ワールド・カフェで「素晴らしいマナーとは?」について新入社員自身で考え、対話を行なった上で、ビジネスマナーを学ぶような流れになっています。
ワールド・カフェのダイアログ(対話)を行うことで、マナーをやらされ感で行うのではなく、自分なりにマナーが必要な意味を見出すことができ、そのために学ぼうという意欲が強くなります。

アウトプットの機会を適切に設ける

新入社員の学びを促すためにはアウトプットの機会を適切に設けることも大切です。知識を知っていても使えなければ意味がないためです。

例えば、スキルの中でも報連相は、スムーズな意思決定や周囲との連携をしていくための必須コミュニケーションスキルです。新入社員の立ち上がりの早さにも、大きく影響します。

そのため、当社のビジネススキル研修では、様々な場面を想定した報連相のワークを行っています。 先日まで学生だった新入社員は、上司や顧客などの年齢や立場の違う相手とコミュニケーションを取ることに不慣れなケースも多いです。そのため、ロールプレイングを行ったり、講師を上司と見立てて報連相をしに行くワークを取り入れています。

ワークで学んだことをアウトプットする機会を作ることで、難しさを感じるところや気づき、新たな疑問などが出てきます。そのことが、成長には必要です。

このように仕事を進める上で必要になるスキルについてアウトプットを多く設けることで、知っているだけではなく使える状態にすることができ、成長に繋がります。

仕事への活かし方を理解できるようにする

仕事への活かし方を理解できるようにすることも、新入社員の学びを促すために大切です。研修で学んだスキルを実際の仕事でどのように活かすのかをイメージしやすくなるためです。
例えば、当社の上司との協働体感研修では、日報の提出率を改善するための企画書を作成してもらう、というシミュレーションワークを行います。シミュレーションワークの世界観は次のようになっています。

上司役の講師に5W2Hを確認して仕事の方向性を確認したり、報連相を繰り返しながら、企画書を完成させていきます。シミュレーションワークは実際の業務と同じように、新入社員が自ら仮説を持って相談し、上司に助けてもらいながら仕事を進めていくようになっています。こうすることで、研修で学んだことをどのような場面でどう活かすかを経験することができます。

実際にシミュレーションワークをやってみると、新入社員に下記のようなことがよく起こります。

・上司に話にはきてくれるが、話がまとまっていなくて何がしたいのかがわからないと言われる
・どのタイミングで、どういう報連相をしたらいいのかがわからない
・こんなことを相談してもいいのかわからない
・上司に答えを聞こうとする

これらについて随時フィードバックをすることで、現場でより活かしやすい状態を作ることができます。実際の様子は、上司との協働体感研修ー公開講座研修レポートから御覧いただけます。

知識はあるけど、具体的にどのように業務に活かしたらいいのかがわからず、学んだことを活かせていないという状態になってしまっていてはもったいないです。学んだことを活かせるようなシミュレーションワークを新入社員研修で実施することでスキルを活かせる状態にし、成長を促しましょう。

他にも、研修後に研修で学んだことを現場でどう活かすかを言語化してもらうことも一つの方法です。当社では、研修後に「ブリッジシート」という、研修と現場の架け橋となるような振り返りシートを作成してもらっています。そのシートでは、次のような設問を設けています。

「研修の学び・気づきを、どのように現場に繋げるか考えてみましょう。どのような場面で、何を意識し行動しますか?その意識・行動から起きる変化・結果を考えてみましょう。」

上記内容を考えることで、自身が想像した場面に出会した時に研修で学んだことを思い出しやすくなり、学びを活かした対応を行うことで成長につながりやすくなります。

研修効果を高めるためにリマインドすること

新入社員研修の研修効果を高めるためにリマインドすることは大切です。人は繰り返し思い出して使うことをしないと忘れてしまうためです。

人の忘却のメカニズムの研究として、「1日後には34%、1か月後には21%しか記憶した内容を覚えていない」という研究結果(Ebing Housの忘却曲線)があります。 エビングハウスの忘却曲線画像参照:エビングハウスの忘却曲線

この実験は無意味な単語を覚え、その後の記憶の定着率を表した実験結果のため、意味のある研修の内容にはそのまま適応できませんが、1日経てばかなりの部分を忘れてしまうことは確かでしょう。 研修での学びを記憶に留めるだけでなく、認知・行動変容へと繋げていくには、定期的なリマインド(刺激)やフォローは不可欠と言えます。

リマインドの具体的な方法を2つ紹介します。

日報

日報で、研修で学んだことをどう活かしたのかを記載する方法です。日報に書かないといけないということから、仕事を行う中で研修で学んだことを活かせないか意識しやすくします。

例えば「研修で学んだことを今日の仕事の中でどのように活かしましたか?」という設問を日報の中に設けることで、無意識的にも研修で何を学んだのかを思い出すことにつながり、リマインド効果となります。研修で学んだことを思い出す回数や、テキストを見直す回数が増えると何度も思い出すため記憶に定着しやすく、学びを定着させることにつながります。

バトンメール®

バトンのように特定のグループの中で研修で学んだことをどう活かしたかを記載したメールを回していく方法です。(メール以外にも、グループチャット等で実施も可能です)

他のメンバーが研修で学んだことを仕事でどう活かしているのかを知ることができ、学びの活かし方の幅を広げることができます。終了のタイミングは、確認が3回程度メールが回ってくるタイミングあたりがおすすめです。

【具体的な進め方】
1. 新入社員に意識して欲しいことを基にメール文言を考えます。
2. 新入社員をグループ(4~6人)に分けます。
3. 各グループのなかで1名指定し、その方からバトンメール®をスタートします。
4. メールを作成し、グループメンバー全員にメールを送ります。
5. メールの文末に、次にメールを送ってほしい人を指名します。
6. 指名された人は、次の1週間内にメールを作成し、グループメンバー全員に送ります。
7. メールの文末に、次にメールを送ってほしい人を指名します。
※ 6~7を繰り返します。

【バトンメール®を実施する際のポイント】
・文頭でアイスブレイクを入れる
・メールの順番は新入社員に任せる
・人事もCCに入れ、メール送付が遅れている場合は声掛けをする
・終了時期を決める

【参考:バトンメール®サンプル】バトンメール®サンプルバトンメール®は、人事や新入社員の負担が少なく実施できるためおすすめです

研修で学んだことを思い出して記憶に定着してもらうためにリマインドすることが大切です。リマインドを行う機会を作ることで、新入社員研修を意味のあるものにしましょう。

研修のゴールを明確にして研修内容を検討すること

研修のゴールを明確にして、適切な研修内容を検討する必要があります。組織が期待する成長につなげられるようにするためです。研修の目的と研修内容がつながっていると、新入社員の成長に期待ができるようになります。

そのために、育成計画をしっかりと立てることが必要になります。新入社員の育成の軸がないと育成方法や内容がブレてしまいますし、適切なタイミングもわからなくなってしまいます。

育成計画の作り方は次の5つのステップで作成しましょう。

ポイントとなるのは2番目の「新入社員が望む姿になるために必要なスキルを洗い出す」です。

この時点で、現場が抱えている課題や、強化してほしいスキルを現場社員からヒアリングすることが必要です。そうすると現場と研修内容に乖離が生まれなくなります。

また、必要なスキルを洗い出す際に、そのスキルが必要なのは何のためかを言語化するようにしましょう。
例えば、マナーのスキルが必要な理由として次のような目的を持つ場合があります。
クライアントと接する機会が多いため、マナーができていないことで相手の信頼を落として欲しくないことと、社内でも社員が気持ちよく仕事をするため。
このように言語化できると、そのために研修でできるゴールとして「クライアント、社内メンバーと気持ちよく仕事をするために、マナーが大切だということを理解し実践できる状態になる」というような研修のゴールをつくれるようになります。

そのほかのステップにもポイントがあるため、詳しい育成計画の作り方は「新入社員の育成計画に必要な5ステップ│【サンプルあり】迷いを無くし、いち早く一人前の社会人へ」をご覧ください。

新入社員研修の内容が、組織が期待する成長に繋げられるようにするために必要であるものになっていたら、新入社員研修を意味のあるものにすることができます。そのためにも適切な内容を研修で実施できるように計画を立てて検討するようにしましょう。

4)まとめ〜アーティエンスは意味のある新入社員研修をサポート〜

本記事では、新入社員研修を実施する短期的・長期的な意味を確認し、意味のある新入社員研修を実施するために意識することをお伝えしました。

新入社員研修を行うことには、以下のような短期的な意味と長期的な意味があります。

短期的な意味:組織の一員として仕事をできる即戦力になってもらうため
長期的な意味:新入社員と組織の長期的な成長のため

組織の一員として即戦力になってもらうために、以下のことを新入社員研修で身につけてもらう必要があります。

・企業理念や社風を理解し会社に馴染めるようになる
・新入社員が社会人としての自覚を持って働けるようになる
・新入社員が仕事をするためのスキルを身につける

そして、新入社員研修を行うことで、以下のような新入社員と組織の長期的な成長を期待できるようになります。

・新入社員が望むキャリアを創れるようになる
・成果を出して組織の成長に貢献する
・育成文化を醸成する

新入社員研修が「意味ない」と感じるのは、新入社員研修を実施する目的や内容を設計できていないために起きています。

そのために、下記のようなことを意識して新入社員研修を意味のあるものにしていきましょう。

・新入社員の学びを促せる研修内容であること
・研修効果を高めるためにリマインドすること
・研修のゴールを明確にして研修内容を検討すること

当社では、新入社員研修を実施する意味を実感できる新入社員研修を用意しています。新入社員研修の具体的な内容については、こちらからお気軽にお問い合わせいただけます。

新入社員研修の意味を理解し、意味のある新入社員研修のポイントを意識することで、新入社員研修を新入社員と組織の成長に繋がるものにしていきましょう。