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中堅社員が担う5つの重要な役割とは?周囲から信頼されるために
更新日:
中堅社員は、「次期管理職候補」や「スペシャリスト(専門家)」として、組織の未来の中核を担う、とても大切な存在です。
よって組織の成長にとっては、「中堅社員をいかに育成していけるか」が極めて重要なカギとなります。しかし実際は、組織運営においては、新入社員や管理職への育成優先度の方が高く、中堅社員の育成やフォローは後回しにされがちな印象です。
そこで本コラムでは、組織の未来を担う大切な存在である中堅社員の役割を改めて明確にした上で、役割を全うするために育成すべきポイントを5つお伝えします。
「上司から期待され、後輩からは憧れの存在になる。そして他部署や同僚から頼られる」、そのような周囲から信頼される中堅社員を増やしていきましょう。
※この記事の中の「中堅社員」とは、入社4年目以降で、管理職ではないメンバーのことをさしています。
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大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。
1)中堅社員に期待される5つの役割
中堅社員には大きく5つの役割があります。
②これからの組織の成長に繋がる後輩の育成
③管理職の言葉を新入社員・若手社員に分かりやすく伝える通訳者
④個々がリーダーシップを発揮できるチームの力を高める促進者
⑤ナレッジを積み上げていく仕組み作り
それぞれ説明します。
①後輩から憧れられ、管理職から期待されるような質の高い業務の遂行
中堅社員になると、後輩から憧れられ、管理職から期待されるような質の高い業務を遂行することが役割の一つとなります。中堅社員が質の高いパフォーマンスを発揮しなければ、後輩社員のロールモデル(目指す姿)として機能しないためです。ロールモデルがいなければ、後輩の成長意欲も湧きません。
中堅社員をみて成長するイメージを持てなければ、若手社員は離職してしまう可能性もあります。また、中堅社員はプレイヤーとして成果を出さなければ、管理職候補にあがることもありません。今の時代は、プレイングマネージャーとしての役割も求められるためです。
中堅社員が質の高い業務を行うことで、後輩は中堅社員に憧れたり、中堅社員のようになりたいという目標が作られるため、後輩の仕事のモチベーションが高まり、成果も上がりやすくなることが多いです。
例えば、
・あの中堅社員のような皆が知っているような仕事をしてみたい
・あの中堅社員のように成果を出して、クライアントから強い信頼を持たれている人になりたい
・あの中堅社員の人は、今日の打ち合わせでもさらっとAさんのフォローをしていて素敵だったな
などです。
また、中堅社員が質の高い業務を行うことで、今後管理職となって組織を任せられる人がいることに安心感を抱くことができます。
例えば、
・あの中堅社員はクライアントとの関係性を作るのが上手だから、他のクライアントも任せたい
・あの中堅社員は、関わる人全てに配慮して皆が気持ちよく仕事を行えるようにしているのが良い
・あの中堅社員の人は、良い成果を出しているから、そろそろ次のステージを用意したい
などです。
このように、組織の中間に位置するからこそ、後輩の目指すところとなり、管理職から期待されるような質の高い業務を遂行することが役割となります。
若手社員が離職する理由は、成長実感・成長予感がないことが原因になっていることが、当社の調査でわかりました。
役割 | コロナ禍前の役割 | withコロナでの変更 |
---|---|---|
部(チーム)における 業務遂行 |
「緻密な計画」ー「確実な遂行」ー「振り返り(改善)」という一連のサイクル | 緻密な計画よりも柔軟・実験的な業務遂行へ |
職務権限に基づく 意思決定・決裁 |
情報を収集し、緻密に計画を立て、じっくり議論、そして実行に移す意思決定 | 急激な変化にも対応できる意思決定スピードを |
情報の伝達と共有 | 管理職が情報を集約し、展開 | 戦略的なコミュニケーション機会と環境造りを |
メンバーの育成・評価 | 管理職が育成・評価に関して責任を持つ | 対話を通じて共に学び続け、共に成長していく |
チームビルディング・ モチベーション管理 |
管理職中心のチーム創りを行い、管理職がモチベーション管理も行う | 心理的安全性を高め、メンバーのセルフマネジメントの促し |
労務管理・健康管理 | メンバーが業務に集中できる環境のための管理 | テレワーク時代の信じる労務管理 |
コンプライアンス管理 | コンプライアンスへの適切な対応 | 新入社員・若手社員のコンプライアンス意識低下への対応 |
プレイヤー業務 | プレイヤー業務とマネジメント業務を自身で適切に配分 | メンバーの自己組織化の促進で、プレイヤー業務との両立を図る |
リーダーシップの発揮 | 引っ張るリーダーシップの実践 | メンバーのリーダーシップ発揮を解放する |
詳しくは、下記コラムをご参考ください。
【参考コラム】
管理職の役割と責任│変化するビジネス環境に対応するために必要なこと
②これからの組織の成長に繋がる後輩の育成
中堅社員になると、これからの組織の成長に繋がる後輩の育成が役割の一つとなります。管理職が全社員の育成を行うことは難しいですし、中堅社員がトレーナーとしての役割を持つ場合もあるためです。トレーナーではなくても、組織全体で社員育成に取り組むことで、より組織力は強化されていきます。
育成は2つの視点を持つことが必要です。2つの視点というのは「技術的成長」と「精神的成長」です。 技術的成長と精神的成長はお互いが、お互いの成長のために影響を与え合っており、どちらか一方のみを鍛えても、片方の成長がなければ、成長に繋がっていかないためです。
技術的成長というのは、主にスキル・知識に関する成長です。技術的成長を促すことで、仕事を進める上で必要な知識を習得し、業務を進められるようになっていきます。例えば、資料の作り方や、クライアントとの関係性の築き方、課題に対する解決策などです。
一方、精神的成長とは、人としての成熟度の成長です。精神的成長を促すことで、仕事に対して責任を持って行動するようになったり、仕事を自分ごととして捉えられるようになったり、主体的に行動できるようになります。例えば、仕事に対する責任感を高めたり、人としての立ち振る舞いに対して指導するなどです。
このように、これからの組織の成長に繋がるために後輩の技術的成長と精神的成長を促すことが中堅社員の役割となります。
③管理職の言葉を新入社員・若手社員に分かりやすく伝える通訳者
管理職から降りてくる目標や決定事項を、部下わかりやすく伝えることも役割の一つです。組織全体で同じ意識を保つために必要になります。
その際に、中堅社員は、上から言われたことをそのまま下に伝えるのではいけません。それでは後輩である若手社員が理解しきれないことがあるためです。上からきたメッセージをいかに後輩達にわかりやすく伝えることができるかがポイントです。
例えば「現場のチャレンジの機会創出のためにも、今年中に新商品を最低3つ開発できるようにして欲しい」という目標が上からきたとします。ただ、この内容をそのまま新入社員や若手社員に伝えても、長期的な話でいまいち現実感がなく、話は聞いたものの意識はできない、という状態になります。しかし、組織としては、このことを意識して動いてもらわなければいけません。
そのため、中堅社員が新入社員や若手社員が自分ごととして受け取ることができ、日々の業務で意識しやすい言葉に言い換えて伝える必要があるのです。
例えば「今年中に新商品を最低3つ開発します。上層部から、私たちへのチャレンジの機会として、今回の新商品開発の目標が設定されました。そのために3つのチームに分かれて、それぞれが上層部からOKをもらえるようにそれぞれの商品に対してフィードバックをしあい、協力しあっていきましょう。まずはチームの交流のために○日に各チームごとにランチを一緒にします。そして今日から1ヶ月の○月○日にそれぞれが進める商品のアイディア発表会をして、方向性を上司に確認するところから始めていきます。」などです。
この例では、新入社員・若手社員が今すべきことをわかりやすくするために、上からきた目標をより具体的にして伝えています。大きな目標や方向性を決めるのは組織の上の方にいる人たちですが、実際に行動するのは若手・中堅社員です。そのため、若手・中堅社員が「行動したいと思える目標」で且つ、「やることが理解できる」ように通訳して伝えることが中堅社員の役割となります。
④個々がリーダーシップを発揮できるチームの力を高める促進者
個々がリーダーシップを発揮できるチームの力を高める促進者になることも中堅社員の役割の一つです。チームの力が高いと、質も高くなり成果も出やすくなるためです。
チーム力を高めるためには、個々の特性や性格をみて、その人にあった育成や仕事の割り振りをするなど、チーム全体のバランスを見ることが必要です。
例えば、新しいアイディアを考えることが得意で細かい作業が苦手な人が、細かい数字をミスなく扱うような仕事を任されると、自分の得意が活かせず、弱い部分を使わなければいけません。
そうすると、細かい作業や数字の扱いが得意な人と比べて成果を上げづらく、仕事が辛いものになってしまう可能性があります。
仕事が辛いと思いながら仕事をしても周囲にポジティブな影響を与えることは難しいです。さらに、その方のフォローのために周囲のエネルギーが消費されてしまう、ということも起こります。
このように、個々の特性を理解して、周囲にポジティブな影響を与えることができるチームを作ることも中堅社員の役割となります。
⑤ナレッジを積み上げていく仕組み作り
ナレッジを積み上げていく仕組み作りも中堅社員の役割の一つです。中堅社員は、将来の管理職やハイパフォーマンスを上げるスペシャリストとして中心人物になっていく必要があるためです。
ナレッジを積み上げていく仕組み化は、管理職としても求められる役割になるため、管理職になるためのトレーニングにもなります。またスペシャリストとして自身のスキルやノウハウを横展開することで、チーム力が上がっていきます。
例えば、営業マンの場合、自身の営業プロセス毎にどのようなアプローチをしているかを、言語化し、社内に展開していくのも一つの方法でしょう。また外部研修などで学んだ内容を、自組織にマッチするような形に落として、チームに展開するのも一つの方法です。
このように組織の成長に繋げるためにも、中堅社員の役割として、ナレッジを積み上げて仕組み化することも求められます。
【参考コラム】
中堅社員に求められる5つのスキル│中堅社員への支援方法も解説
2)中堅社員が役割を全うするために伸ばすべき5つの観点
中堅社員の役割を全うするために伸ばすべき5つの観点があります。
②後輩育成のために学び続ける
③中堅社員が率先して、心理的安全性の高い職場を創る
④管理職に若手社員の強み・弱みを共有し、チームとして個々の特徴を活かせるようにする
⑤ナレッジを積みあげるための場・機会を創る
①中堅社員自身が、当事者意識を持って主体的に仕事に取り組む
中堅社員が当事者意識を持って主体的に仕事に取り組むことで、後輩からは憧れを持ってもらいやすくなり、管理職以上の人から評価されるようになります。後輩から憧れを持たれ、管理職から評価される人になるためには、中堅社員がやらされている感じが強く、辛そうに仕事をしていたら難しいためです。
中堅社員が主体的に仕事に取り組むために必要なことは、中堅社員自身に考える余白を与えることです。
上から指示があることをそのまま行うとただの作業になってしまいます。そうならないためにも、中堅社員に指導や依頼を行う際は、中堅社員が自分なりに考えられる余白を持たせた状態で依頼をするようにしましょう。
例えば、目標を渡して具体的な方法や手段は中堅社員に任せるようにしたり、1〜3ヶ月単位のチームの目標を中堅社員に設定してもらうなどです。一方的に渡された手段や目標だと、受け身の姿勢になってしまい、言われたからやるという意識醸成を生み出しかねません。そうならないためにも、手段や目標に中堅社員自身の想いを乗せるポイントを作れる余白を残しておくことが効果的です。
自分で設定できる内容があると、目標をより自分ごと化して捉えられるようになります。その結果、中堅社員が当事者意識を持って主体的に仕事に取り組めるようになります。中堅社員が当事者意識を持って主体的に仕事に取り組んでいると、後輩から憧れられ、管理職から期待されるような中堅社員になることができます。
②後輩育成のために学び続ける
後輩育成のために学び続けることが必要です。理由は、2点あります。
1点目は、後輩は育ってきた環境や情勢によって特徴が異なるため、毎年特徴を学び、特徴に合わせた指導を考える必要があるということです。
2点目は、学ぶことを行わず、いつまでも古いやり方のままだと世界の動きにもついていけなくなり、育成の内容が質の悪いものになってしまうということです。最近は時代の変化が早く、少し前までは一般的だったことが今は既に古くなっていることがあります。
1点目の後輩の特徴に合わせた指導を行うためには、後輩が育ってきた環境や情勢を知る必要があります。例えば、当社が調査した2023年度入社の新入社員の特徴としては、次のようなことがありました。 学生時代の大半をコロナ禍で過ごした2023年度新入社員“ コロナジェネレーション ”は、3つの観点での“分断”が密かに大きくなっています。
このような情報を知っていると、その特徴に対応できるような育成を考えることができます。特に中堅社員と年齢が離れるほど、後輩の考えや価値観を理解することが難しくなってきます。その際に、自分と異なることを受け止め、その上でどのように育成していくかを考えないと、後輩と関係性を築くことができません。
後輩の言動の中で理解できないと感じることもあるかと思いますが、そのことに対して文句や愚痴を言っていても状況は悪くなる一方です。そのため、後輩の特性に合わせて育成をできるように、中堅社員も学び続けることが必要なのです。
2点目の時代の変化に合わせていくためには、情報や仕事のやり方をアップデートすることが必要です。
場合によっては、今までの成功するために使ってきたやり方をアンラーニングしなければいけないことがあります。時代の変化が早くなっており、過去のやり方が現在に活かせない場合があるためです。
例えば、営業で重要なポイントは、足しげく通うことが必要だと考えていたとします。ただし、withコロナになり、オンラインでの商談が可能になったのであれば、ZOOMで画面共有をしながら、より分かりやすいプレゼンを行う必要が出てくるかもしれません。このように新入社員・若手社員の特性や、時代の流れに適応したスキルを学び続ける必要があります。
当社が考えるアンラーニングの定義とは「これまでに学び、身につけた知識・スキル・成功体験を時代・状況に合わせていくために手放し、進化させること」です。
自分が今まで行ってきたやり方や考え方を変えるのは難しいことですが、世界は日々変わっています。その変化に柔軟に対応できることが、成果をあげる後輩を育成することに繋がり、組織の成長にも繋がっていくのです。
③中堅社員が率先して、心理的安全性の高い職場を創る
中堅社員が率先して、心理的安全性の高い職場を創ることが必要です。心理的安全性がある場所だと、メンバー同士が自然体で、恐れることなく意見を伝えあい、よりよくするための意識行動ができる状態になるためです。
心理的安全性は、ぬるま湯のような状態を目指すものではありません。心理的安全性を創ると共に目標への意識を高めることで、チーム学習を高めパフォーマンスを上げていくことが重要です。そのためには「学習(Learning Zone)」を目指しましょう。 ※通常横軸は ‘責任’という表現をされますが、分かりづらさもあることから、アーティエンスでは’目標への意識’としています。
※「『チームが機能するとはどういうことか』エイミー・C・エドモンドソン」を参考に、アーティエンスが作成
すぐに学習ゾーンに行くことは、難しくもあるので、中堅社員が率先して、自身の意見を発信したり、後輩の意見を聞くといいでしょう。そうすることで、職場の心理的安全性が高まっていきます。
心理的安全性が高まり、学習(Learning Zone)にいけると、管理職も若手社員も同じ方向を向いてパフォーマンスを高めていくことができます。そして、その結果、チーム学習が促進され、業績にも繋がっていきます。
中堅社員は管理職も若手社員の間にいるため、それぞれが心理的安全性を感じ、さらに学習(Learning Zone)にいくために何が必要かを判断して行動することが求められるのです。 そうすることで、管理職の言葉を新入社員・若手社員に分かりやすく伝える通訳者という役割を全うすることができます。
学習(Learning Zone)
チームが一枚岩になって目標への意識を持ち、達成に向けてよりよくしていく意見交換などが活発化している状態です
快適(Comfort Zone)
ぬるま湯でありチャレンジする環境ではありません。一見楽しそうですが、成長する機会は少ないため、発展性は少ないです
不安(Anxiety Zone)
目標達成への意識が高いので、士気が高く見えるように見えますが、恐怖や罰で士気を上げています。そのため助け合いなどは起きにくく、また不正なども起きやすいです
無関心(Apathy Zone)
負け癖がついているか、もしくは市場を独占していて頑張る必要がないという状況です。無気力で必要最低限の仕事しかしない状態です
④管理職に若手社員の強み・弱みを共有し、チームとして個々の特徴を活かせるようにする
中堅社員は管理職に後輩の強み・弱みを共有し、チームとして個々の特徴を活かせるようにすることが必要です。チームの力が高くなると、メンバーが働きやすくなり、また、成果も出しやすくなるためです。
管理職は、若手社員の特徴を理解しきれていないこともありますし、もしかしたら決めつけをしてしまっている可能性もあります。そのため、中堅社員が若手社員の強みや弱みを管理職へ共有し、チームの力を高めるための情報として活用してもらうことが重要です。その情報を元に適切な役割分担をできると、チームの力を最大化することができます。適切な役割分担を行えて、それぞれのパフォーマンスが高まり、相互作用でよい影響を与え合うことを目指すことが必要です。これは、それぞれがリーダーシップを持っている状態で、シェアド・リーダーシップと言います。
シェアド・リーダーシップとは「リーダーをシェアする」という考え方です。全員発揮のリーダーシップとも言われます。その場その場で最適だと思われるメンバーがリーダーシップを発揮して、他のメンバーはフォロワーシップを発揮するという考え方です。そのため、リーダーとフォロワーはその時の状況によって流動的になります。 時代の流れが早くなった今、チームとしてそれぞれがポジティブな影響を与え、チームとして大きな力としていくことが求められます。中堅社員はそのための準備として、若手社員の強み・弱みを共有し、チームとして個々の特徴を活かせる状態を作れるようにしましょう。
社員の特徴・強みをみるためのアプローチをご紹介します。下記の内容は当社がリーダーシップの研究を行う中で市場調査を行い、リーダーシップの発揮の仕方をもと10のタイプに分けたものです。この内容から、特性や強み・弱みを観ていただくといいでしょう。
10のリーダーシップ |
---|
①自身が先頭に立ち、「率先力」・「決断力」をもって、チームを導いていく |
②「慎重さ」・「繊細さ」をもって、チーム・メンバーの活動を支えていく |
③「アイデア」・「発想」・「創意工夫」で、自身と周囲の行動を活性していく |
④「協調」・「調和」を大切にし、自らの働きかけでメンバーの協働を促していく |
⑤「達成志向」と「行動力」を武器に、自身またはメンバーを導いていく |
⑥ 相手の「納得」と「共感」を得る為の、適切な「コミュニケーション」を発信していく |
⑦「課題」を「創出・分析」し、解決のための「思考」を積み上げていく |
⑧「俯瞰」した、かつ「複数の視点」から事態・状況を捉え、物事を適切に進めていく |
⑨「知識・知恵」または「知的好奇心」をもって、自身とメンバーの環境を切り開いていく |
⑩ これから先、未来に起きることを「先読み」し、「周到な手配・準備」を行う |
シェアドリーダーシップや、この10タイプについてより詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
【参考コラム】
・シェアド・リーダーシップとは|管理職に求められるチーム創りの鍵
・【管理職・人事必見】新入社員10タイプ別の特徴と、育成ポイント
⑤ナレッジを積みあげるための場・機会を創る
中堅社員には、ナレッジを積みあげるための場・機会を創ることも必要です。ナレッジをためて、仕組みとしてまとめ、周囲に共有することで、自分、そして周囲の成果や成長を高めることができるためです。ナレッジを積み上げる場・機会としておすすめなのが、2点あります。
1点目は、経験学習を回すことです。実際の業務での仕事に関して、チームとして振り返りを行い、良かった点は強化して、課題は改善することです。これにより、組織として、ナレッジが積み上がっていきます。
デイビット・コルブが提唱した考え方です。人は、「経験」をして、その経験を「振り返り」、「気付き」を得て、新しい場面において気付きをもとに「行動」することを繰り返して、学んでいきます。
2点目は、研修やセミナーなどへの参加です。通常の業務を離れて、講習や研修などに参加し、根本的な考え方や新たな知識を学ぶことで、新しいナレッジが積み上がっていきます。また、参加者同士で対話を行う機会があると、視野が広がり、ナレッジがたまることもあります。
当社の研修は、応用ができるような本質的な知識・新しい知識と、参加者同志の対話の機会を大切にしています。
例えば、ファシリテーター育成コースでは、そもそもファシリテーターとは、というところから考えていきます。このような根本の理解ができていると、ファシリテーターをする機会や内容が異なっても、自分なりに応用して対応することができます。 ※当社、ファシリテーター育成コースのテキストより一部抜粋
新しい知識のインプットなどを行うことも重要です。こちらもファシリテーター育成コースのご紹介になりますが、課題解決の考え方です。
課題解決というと、例えば、トヨタの5WHYや、GEのシックスシグマなどが有名ですが、課題の種類からアプローチを変えていく必要があることを知ります。※それぞれの説明は下記に参考として記載しています。
このようなインプットをもとに、対話を行い、自分の考えを言語化したり、他者の意見を聞くことで、気づきを得ることができます。そして、その気づきがナレッジとして蓄積できます。 ※オンライン研修での受講生の様子
ナレッジを仕組み化することが役割の一つでもある中堅社員にとって、ナレッジを得られる機会を創ることはとても重要です。
新しいナレッジを吸収する機会を創ることで、中堅社員の仕事の質が高くなります。そして学んだ知識を活かして業務を進める中でわかってきたことを体系化します。その情報を他者に共有することができ、組織としての力が強くなっていく、ということです。
カネヴィンフレームワークという考えは、そもそも課題の種類を定義して、解決方法を考えます。 ※当社、ファシリテーター育成コースのテキストより一部抜粋
自明系の場合は、すでに解決策があるものなので、マニュアルで十分でしょう。
煩雑系の場合は、論理で考えられるものなので、トヨタの5WHYや、GEのシックスシグマなどが有効でしょう。※状況によっては、トヨタの5WHYや、GEのシックスシグマも、複合系で使用されることはあります。
複合系の場合は、さまざまな課題が絡み合っているものに関しては、システムシンキングを用いたり、アジャイル的な動き方が必要になります。混沌系は、コロナ禍の始めのような危機的な状況を指すため、逃げることが必要です。このように、問題解決と言っても、その課題にあわせて、解決策を考えていく必要があります。
3)まとめ
今回は、中堅社員の役割を明確にした上で、中堅社員が役割を全うするために伸ばすべきポイントを5つお伝えしました。
中堅社員には大きく5つの役割があります。
②これからの組織の成長に繋がる後輩の育成
③管理職の言葉を新入社員・若手社員に分かりやすく伝える通訳者
④個々がリーダーシップを発揮できるチームの力を高める促進者
⑤ナレッジを積み上げていく仕組み作り
これら5つの中堅社員の役割を全うするために伸ばすべきポイントは次のことです。
②後輩育成のために学び続ける
③中堅社員が率先して、心理的安全性の高い職場を創る
④管理職に若手社員の強み・弱みを共有し、チームとして個々の特徴を活かせるようにする
⑤ナレッジを積みあげるための場・機会を創る
中堅社員の役割が明確になったことで、中堅社員にどのようなフォローが必要かが明らかになってきたかと思います。中堅社員の成長を促すことで、これからの組織に期待できるようにしていきましょう。
当社では、中堅社員の役割を全うするための研修を網羅的に実施しております。自チーム・自組織に対してポジティブな影響を与え、未来のリーダー・管理職、または事業を担う専門家としての意識醸成を目指した内容となっています。
当社の中堅社員向け研修について詳しく知りたい方は、こちらからお気軽にお問合せください。
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