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キャリア研修とは?内容、企画~実行までの流れを詳しく解説!
更新日: ー
作成日:2024.3.15
「社員が自分に与えられた以上の仕事をしようとしなくて困っている…」
「社員がこれからのキャリアに対して不安を感じているからフォローしたい…!」
このようなお悩みをお持ちの方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
近年は多様な生き方や働き方が身近になり、自分の将来について今のままでいいのだろうか…という漠然とした不安を抱えている人が多くなりました。
このような不安な状態では、社員が今の仕事に意味を感じ、主体的に取り組んでもらえるようにはなりません。
そこで本コラムでは、社員が自分自身のキャリアに納得し、その上で組織の中でもモチベーション高く仕事に取り組んでもらえるようにするために必要なキャリア研修について説明します。
キャリア研修とは、社員個人が自己のキャリアについて考え、自分自身でキャリアを設計することを目的とした研修です。キャリア研修の必要性を理解し、社員と組織の成長を促しましょう。
【アーティエンスで実施しているキャリア研修】
・1年目フォロー研修
・2年目フォロー研修
・若手社員(3~6年目)フォロー研修
・女性管理職候補者向けキャリア研修
目次
1)キャリア研修の必要性
キャリア研修は社員が今の組織にいる意味を見出して、仕事に前向きに取り組めるようにし、転職を防止するために必要です。
社員にとってキャリア研修が必要な理由
社員にとってキャリア研修が必要な理由は、自分の将来に対しての納得感が必要なためです。
現代社会では多様な生き方や働き方が存在し、さまざまな選択肢を目の前にしています。
このような状況下では、自分の生き方や仕事に対する考え方を見直すことが必要になる場合があります。他の人々と比較し、自身の生き方やキャリアについて疑問や不安を抱きやすくなるためです。
この漠然とした不安や疑問は、仕事に対するモチベーションを下げ、将来に対する不安定感を増大させる要因となります。
キャリア研修は、こうした不安や疑問に対処するための手段の一つとして位置付けられます。キャリア研修を通じて、自己理解や自己成長の機会を提供し、社員が自身のキャリアパスや目標を見つけ、その方向性を明確にすることが必要です。
組織にとってキャリア研修が必要な理由
組織にとってキャリア研修が必要な理由は、社員のエンゲージメントを向上し、転職防止や優秀な人材の定着を促すためです。
企業が社員を選ぶことが当たり前だった時代から、現在は企業が社員に選んでもらう時代に変化しています。
また、近年は転職が当たり前となり、今の組織にいる意味が見つからないと、社員は気軽に転職を考えるようになりました。しかし転職が増えると、人材が育っていかず、また、社員が今までの仕事の中で得た知見が組織内に溜まらないために、組織の成長が難しくなります。
キャリア研修によって、社員が自身の将来の方向性や目標を明確に理解し、組織で実現できることを理解してもらうことで、組織へのエンゲージメントが向上し、社員が組織に定着しやすくなります。
このように、社員の成長のためにも組織の成長のためにも、キャリア研修が必要です。
2)キャリア研修によって期待できること
キャリア研修によって期待できることは次の3つです。
主体性・モチベーション向上
キャリア研修を実施することで主体性やモチベーションの向上を期待できます。目標やありたい姿が明確になるためです。
キャリア研修で自己理解し、自身の強みや弱み、興味や価値観などを客観的に見つめ直すことは、社員が自分の目標やキャリアの方向性を明確にする手助けとなります。
そして目標や目指したい姿に向けての具体的な計画を立てることで、今やるべきことが見えてきます。与えられた仕事をやるという受け身の感覚から、目標を達成するために仕事をやる、という意識になることで、仕事に対する主体性やモチベーションが高くなります。
離職防止・人材の定着
離職防止や人材の定着もキャリア研修によって期待できます。自組織にいる意味を再確認できるためです。
キャリア研修で改めて組織の使命やビジョン、価値観を理解し共感すると、自分がその一部に貢献していることに対して嬉しさを感じ、エンゲージメントの向上につながります。
また、今までの自身のキャリアを振り返ると、何も仕事をできなかった時から、さまざまな経験を経て成長していることに気づきます。自身の成長を自覚できると、その機会を与えてくれた組織に感謝の思いが溢れ、与えてもらっていたものを還元していきたいという思いが強まります。
魅力的な人材確保
キャリア研修によって、魅力的な人材の確保も期待できます。魅力的な人材は、自らの成長やスキル向上に積極的な組織で働くことを求めるためです。
キャリア研修を通じて、社員が自己成長や自己実現を実感し、やりがいを感じながら働いている様子は、自然と組織のポジティブな雰囲気を伝えます。すると優秀な人材が組織に惹きつけられ、長期的な人材確保につながることが期待されます。
キャリア研修を通して、ありたい姿を考えたり、キャリアを振り返ることで、このようなことを期待できます。
3)キャリア研修の具体的なコンテンツ例
キャリア研修の具体的なコンテンツ例を3つ紹介します。
自分を知る
自身の大切にしている価値観を掘り下げ、その上で今考える素晴らしい未来を探求します。自身の価値観に基づいた未来像を描くことで、自らの人生に意味や目的を見出し、モチベーションを高めることができるためです。
アーティエンスの 2年目フォロー研修では、自らの強み・可能性を探求するために、ポジティブインタビューを行っています。オリジナルのインタビューシートを活用して、自分と自分を取り巻く世界との「過去・現在・未来」を探究します。
幼少期から社会人になった今までのことを、ゆっくりと記憶を辿りながら振り、気づいたことや大事だと感じたこと、そして自身の強み・可能性をキーワードで書き出して、整理してもらいます。そうすることで、自分が最高だと思える未来に向かって歩みを進められるようになります。
このように自分を知ることで、最高の未来を考えられるようになり、そこに向かって主体的に進めるようになります。
自身のキャリアを振り返る
入社から今までの自身のキャリアを振り返ります。キャリアを振り返ることで次の2つのことを促します。
1、自身が与えた周囲や組織への貢献・影響を認知し、組織エンゲージメントを高める
2、ポジティブリフレクションを通して、成長実感を得て、さらに成長予感を育む
1、自身が与えた周囲や組織への貢献・影響を認知し、組織エンゲージメントを高める
自分が組織にとって意味のある存在であることを実感することで、組織への貢献意欲が高まります。
アーティエンスの1年目フォロー研修では、研修前の事前課題として直属の上司や先輩へのインタビューを実施してもらいます。そして研修ではその内容をグループでシェアしてもらい、感想を伝え合ってもらう時間を設けています。すると、自分では気づかなかったことに気づけて、より先輩や組織への感謝の思いが強くなる方が多く、自分もこれから成果を出せるように頑張っていきたいという意欲が出てきやすくなります。
2、ポジティブリフレクションを通して、成長実感を得て、さらに成長予感を育む
自分が乗り越えてきた課題や成し遂げた目標を振り返ることで、自信を深められます。これによって、今後の課題や目標に対する自信や意欲が高まります。
アーティエンスの2年目フォロー研修では、振り返りシートをシェアしながら自身の成長を振り、メンバー同士でポジティブフィードバックを行います。このワークを終えた後は参加者から「他のメンバーからのフィードバックを受けて、自分が気付けていなかった良い部分が自信に繋がった。」というコメントが出てきます。自信を持つことで、次の目標や目指したい姿に向かって進めるようになります。
このように自身のキャリアを振り返ることで、組織エンゲージメントが高まり、また、次の目標やありたい姿に向かって歩みを進める自信を得られます。
アクションプランを策定する
今後のアクションプランを策定します。自身の目標や希望する結果を明確に定められるようになるためです。具体的な目標が明確になれば、そこに向かうために今すべきことも見えてくるため、主体的に行動しやすくなります。
アーティエンスの若手社員(3~6年目)フォロー研修では、まずサーベイ結果を通して自身の適応課題(技術や他者のサポートがあっても、自分が変わらないと解決しない課題)を探求し、対応方法を考えます。その上で、「自身がどう変わっていくか、そのことが周りにポジティブな影響を与えるか」という問いに答える形でアクションプランを策定します。
アクションプランを策定できると、今決めたことをやれば自分の思い描く将来を作れるという希望を感じ、表情がスッキリと明るくなる方が多いです。
このように今後のアクションプランを策定することで、やることが明確になるため、目指す姿を達成しやすくなります。
キャリア研修では、このようなコンテンツを実施することで、社員の主体性やモチベーションの向上、エンゲージメントの向上などを期待できます。
4)キャリア研修を実施するまでの流れ
キャリア研修を実施するまでの流れをお伝えします。
①研修の目的と対象者を明確にする
②研修プログラムを選定する
③研修の事前課題を実施する
④研修を実施する
⑤研修の事後フォローをする
①研修の目的と対象者を明確にする
まずキャリア研修の目的と対象者を明確にする必要があります。適切なプログラムを選定するためです。
キャリア研修の目的や意義は組織の状態によって変わりますが、参考として当社がキャリア研修で目的としている内容を紹介します。
<新入社員向け>
1年間の成長と周囲への貢献を実感し、エンゲージメントを高め、2年目のビジョンを描く
<2年目社員向け>
自社における自身のビジョンを明確にし、当事者意識と主体性を持って仕事を楽しむ
<若手社員(3~6年目)向け>
視座を高め、後輩やチーム全体へのポジティブな影響を増やす
このようにどの対象者に対して、どのような目的でキャリア研修を行うのかを明確にすることで、適切な研修プログラムを選択できる状態になります。
②研修プログラムを選定する
キャリア研修の目的と対象者が明確になったら、対象者と目的を達成できるための研修プログラムを選定します。適切な研修内容やフォーマットを選ぶことで、参加者の学習効果を最大化するためです。
アーティエンスとしては、キャリア研修を行う場合は、多様な人の意見を聞ける環境をお勧めします。視野が広がるためです。
例えば、業種や職種が異なる人と一緒に研修を行うと、自組織では当たり前になっていた1on1について「週に1回も1on1の時間をとってくれるなんですごいね」などというコメントをもらえたりします。そうすると、当たり前となっていたことに対して、感謝の思いが湧きやすくなります。
他にも自分では全然成長できていないと思っていた人に対して、「一人で仕事をさせてもらえている時点ですごいことだと思う」などというコメントが出てくるのは、組織文化が異なるからこそです。
もちろん目的によっても変わりますが、目的に合致するようであれば公開講座でキャリア研修を行うことも検討してみることをお勧めします。
③研修の事前課題を実施する
キャリア研修では事前課題を実施する場合があります。研修当日の振り返りや内省の材料にするためです。
アーティエンスのキャリア研修では、上司へのインタビューや、サーベイなどを実施してもらうものもあります。
キャリア研修で振り返りや内省の時間を設けていても、そのための材料がないと思い出すことに時間が割かれてしまい、そこから未来のことを考える時間がなくなってしまいます。そうならないようにするためにも、研修当日に必要となる準備は事前にしておきましょう。
④研修を実施する
キャリア研修当日は、普段の仕事を持ち込まず、自分に集中できる環境を作ることが重要です。途中で仕事のことを考えてしまうと、内省が深くならないためです。
そのためにも、キャリア研修をする前にメンバーに対してキャリア研修に参加するため連絡を取れないという旨を伝えておき、仕事も前日までにキリがいいところまで終わらせておくことが大切です。
また、当日はいつもの職場ではない環境で行ったりするなど、環境を変えて気持ちを切り替えやすくするなどの工夫も必要です。
⑤研修の事後フォローをする
キャリア研修後はフォローをしましょう。キャリア研修だけで理想的なキャリアを創造し切ることは難しく、その後微調整が必要になることが多いためです。また、受講生が描いたキャリアを人事やメンバーにシェアして、皆でそのキャリアをサポートする姿勢も必要です。
そのため、キャリアについて相談できる時間を設けたり、社員が望むキャリアを教えてもらうための面談を行うなどして、社員の想い描くキャリアを実現するためのサポートをしましょう。
キャリア研修を実施する際は、この流れで企画〜実施〜フォローしていくことで、キャリア研修で期待する状態に持っていけるようになります。
5)キャリア研修による事例〜若手社員を起点とした組織変革へ〜
アーティエンスで実施したキャリア研修の事例を紹介します。
項目 | 詳細 |
---|---|
業種 | 美容器具メーカー |
企業規模 | 300名程度 |
実施内容 | ・【公開講座】2年目社員フォロー研修 ・【公開講座】若手社員(3~6年目)フォロー研修 ・ シスターブラザー制度 |
目的 | ・若手社員のモチベーション向上 ・離職率軽減 |
得られた効果 | ・成長実感によるモチベーションの向上 ・若手社員のリーダーシップによる組織への好影響 |
課題
入社2年目・3年目の若手社員が目先の業務に追われ、仕事を作業として進めてしまい、モチベーションが低下している様子が見られていました。その結果、疲弊している社員の離職も発生していました。
原因の究明
課題の前後の繋がりを整理し、組織内で循環しているシステムを確認したところ、成長する機会がないことが起点となって新入社員や若手が次々と退職していることがわかりました。
若手の退職が続くと、組織が新入社員や若手社員の育成支援に力を入れても退職するから意味がないと思うようになり、新入社員や若手社員に成長する機会を与えようとしていませんでした。 そして組織全体として、新入社員や若手社員はどうせやめてしまうからという認識が浸透し、新入社員と若手社員はますます孤独になっていった、という状態でした。
実施内容
若手社員の孤独感と成長機会の不足を解決するために、次の2つの対策案を検討しました。
1、成長する機会を創るために、成長している実感を持たせる機会をつくる→他社との合同キャリア研修
2、孤独感をなくすために、メンターと成長できる機会をつくる→メンター制度の導入
原因 | 対策 | ポイント |
---|---|---|
成長機会の不足 | 他社との合同キャリア研修 | ・自身のキャリアを振り返ることで成長実感を促す ・定期的な研修実施をすることで、成長予感を促す ・他社との合同研修により、自己認知を広げ、成長実感と成長意欲を上げる ・スキル・人としての成長の両側面にアプローチする |
孤独感 | メンター制度 | ・メンター制度により、組織とのつながりを強化する ・メンターが、OJT研修により育成マインドを醸成し、育成スキルを学ぶ ・人事がメンターとの月一の面談を行い、後方支援を行う ・メンターになることをステータスとする |
結果
他社との合同キャリア研修とメンター制度を導入を行うようになってから3年後には、新入社員・若手社員の退職割合が大幅に減少し、自組織にいることに誇りを持って仕事をできるようになりました。
また、若手社員がリーダーシップの重要性を認識し、周囲に好影響を与えるようにもなりました。先輩社員として新入社員に積極的な働きかけを行うようになり、他の階層の社員との関係性が強化されています。
キャリア研修によって、このような変容を生み出せます。自組織で抱えている課題がキャリア研修で解決されるのか気になる方は、お気軽にお問い合わせください。貴社の状況を伺いながらアドバイスいたします。
6)まとめ〜各階層へのキャリア研修はアーティエンスにお任せ〜
本コラムでは、社員が自分自身のキャリアに納得し、その上で組織の中でもモチベーション高く仕事に取り組んでもらえるようにするために必要なキャリア研修について説明しました。
キャリア研修は社員が今の組織にいる意味を見出して、仕事に前向きに取り組めるようにし、転職を防止するために必要です。
社員はキャリア研修を受講することで、自分の将来に対しての納得感持てるようになります。また、組織は社員のエンゲージメントを向上し、転職防止や優秀な人材の定着を促すことを期待できます。
このように、社員の成長のためにも組織の成長のためにも、キャリア研修が必要です。
キャリア研修によって期待できることは次の3つです。
・主体性・モチベーション向上
・離職防止・人材の定着
・魅力的な人材確保
キャリア研修を通して、ありたい姿を考えたり、キャリアを振り返ることで、このようなことを期待できます。
キャリア研修の具体的なコンテンツ例を3つ紹介しました。
・自分を知る
・自身のキャリアを振り返る
・アクションプランを策定する
キャリア研修では、このようなコンテンツを実施することで、社員の主体性やモチベーションの向上、エンゲージメントの向上などを期待できます。
キャリア研修の企画〜実施〜フォローの流れは次のとおりです。
①研修の目的と対象者を明確にする
②研修プログラムを選定する
③研修の事前課題を実施する
④研修を実施する
⑤研修の事後フォローをする
このような流れで実施することで、キャリア研修で期待する状態に持っていくことができます。
なお、アーティエンスでも階層ごとにキャリア研修を実施しています。
【アーティエンスで実施しているキャリア研修】
・1年目フォロー研修
1年間の成長と周囲への貢献を実感し、エンゲージメントを高め、2年目のビジョンを描くことを目的とした研修
・2年目フォロー研修
自社における自身のビジョンを明確にし、当事者意識と主体性を持って仕事を楽しむことを目指す研修
・若手社員(3~6年目)フォロー研修
視座を高め、後輩やチーム全体へのポジティブな影響を増やすことを目的とした研修
・女性管理職候補者向けキャリア研修
昇格を含めた女性のキャリアの選択肢を前向きに考え、支援していく研修
これらの研修の詳細について知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
キャリア研修の必要性を理解し、社員と組織の成長を促しましょう。
研修でお悩みの方へ
研修は、内容次第で成果が大きく変わります。もしも現在、自社の課題を解決できる最適な研修を探しているのであれば、アーティエンスまでご相談ください。
新入社員研修から管理職研修、組織開発まで、お客様の課題解決にこだわり、多くの実績を生み出してきたプロフェッショナルが、貴社の課題にあわせた最適なプランをご提案させていただきます。