【管理職研修】コミュニケーション術を学ぶならこの5つ!

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 新入社員研修 外部委託

「管理職のコミュニケーションスキルを高めるための研修がしたいけど、どんな内容を扱えばいいのだろうか…」
このようなお悩みをお持ちの方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。

管理職は立場や役割の違う人と接する機会が多く、良い成果を生み出すためにはコミュニケーションスキルが非常に重要です。

そこで本コラムでは、管理職研修で学ぶべきコミュニケーション術についてお伝えします。管理職にコミュニケーション術を身につけてもらうことで、成果の向上を目指しましょう。

合計500社以上の導入実績を誇るアーティエンスでは「管理職がプレイヤーから抜け出せていない」「管理職が昔の気質のままで変われない」といった企業さまへ「研修成功事例集」を作成しました。
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このコラムで分かること

  • 管理職研修でコミュニケーション術を扱うべき理由
  • 管理職に必要な5つのコミュニケーション術
  • 管理職研修でコミュニケーション術を促す方法
執筆者プロフィール
迫間 智彦
大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。

専門性:ファシリテーター管理職組織開発・組織変革

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1)管理職研修でコミュニケーション術を扱うべき理由

管理職研修でコミュニケーション術を扱うべき理由は、管理職は立場や役割の違う人と接する機会が多く、コミュニケーションに悩みを感じているためです。
管理職の役割は多岐に渡り、部下育成や人事評価などのフィードバック、チームでの業務遂行や他部署との連携、役員への業務報告、クライアントへのプレゼンテーションなどがあります。それら全てにコミュニケーションが必要です。

ラーニングイノベーション総合研究所の「管理職意識調査」によると、管理職の悩みとして最も「部下の育成」、続いて「人事評価・フィードバック」、「チーム・部門の運営」という結果になっていました。これらは全てコミュニケーションが必要な内容です。

※ラーニングイノベーション総合研究所の「管理職意識調査」より引用

このようにコミュニケーションによって生じる悩みを抱えている管理職に対して、コミュニケーション術を伝える研修を実施することは効果的だと言えます。

2)管理職に必要な5つのコミュニケーション術

管理職に必要なコミュニケーション術として具体的に5つ紹介します。

①部下の育成のためのコミュニケーション術

管理職は部下の育成のためのコミュニケーション術が必要です。部下が育たないと組織の成長を促せなくなってしまうためです。

部下育成において必要なコミュニケーションを細分化すると、ティーチング、フィードバック、コーチングに分けられます。

ティーチング

ティーチングは、トレーニーに知識やスキルを渡す手法です。トレーニーが新たな業務をできるようになっていくために必要です。
部下に適切に情報を受け取ってもらうために、相手が理解できるように伝えることを意識する必要があります。

フィードバック

フィードバックは、行動や結果に対して、よかった点や直すべき点を伝えることです。トレーニーの行動を改善・強化するために必要です。
部下がフィードバック内容を納得し、行動するように伝えられるかがポイントとなります。

コーチング

コーチングは、気づきを促してトレーニーの力を最大限に発揮できるようにするためのコミュニケーション手法です。トレーニーを自律・自走させるために必要です。
管理職が部下に気づきを与える関わりをする事で、部下自身が課題を見出し明確化できるようにすることが大切です。

ティーチング、フィードバック、コーチングというコミュニケーション術を身につけることで、部下を成長させられる育成を行えるようになります。

②目標達成意識を高めるためのコミュニケーション術

目標達成意識を高めるためのコミュニケーション術も管理職に必要です。チームが同じ目的を意識し、共通の方向に向かって進むことで、業務遂行や目標を達成できるようになるためです。

そのためには、経営層から降りてきた目標を、チームが前向きに取り組めるようにする内容に言い直して伝えることが必要です。上層部から言われたことをそのままチームに伝えるだけのメッセンジャーになってしまってはチームの仕事に対する意欲を掻き立てられないためです。

③相手を尊重しつつ自分の意見を主張するためのコミュニケーション術

相手を尊重しつつ自分の意見を主張するためのコミュニケーション術も管理職に必要です。管理職は関係性を維持しながらお互いの異なる意見を統合し、お互いが納得できる場所を探す役割を担うことが増えるためです。

一方的に相手の意見を否定してしまうと今後の関係性にネガティブな影響が出る可能性があります。また、自身の意見を主張できないと自分が辛い思いをするばかりになってしまって、仕事=辛いものになってしまい、モチベーションを保つのが難しくなります。

④相手の共感を生むプレゼンテーションするためのコミュニケーション術

管理職には管理職として、相手の共感を生むプレゼンテーションするためのコミュニケーション術も必要です。組織にとって大きな案件のプレゼンテーションを任されることが多くなったり、経営層へ報告する機会が出てくるためです。

立場の上の人に対するプレゼンテーションが増える中で、相手のニーズを把握し、提案について納得してもらえるコミュニケーションスキルがないと、案件を受注したり、自身の意見を通せなくなってしまいます。
近年の管理職はマネジメントだけでなく、プレイヤーとしてのスキルも求められることが多いため、成果に繋がる仕事を獲得できるようにするコミュニケーション術を持っていることも重要です。

⑤会議を円滑に進めるコミュニケーション術

会議を円滑に進めるためのコミュニケーション術も管理職に必要です。管理職として会議を取り仕切ることが増えたり、参加を求められる会議が増えるためです。

会議が円滑に進められなけば、「会議の時間が無駄な時間に感じる」「せっかく集まったのに結局何も決まらない」「会議での決定事項に対して後から文句や不満を口にする社員が多い」というような状況に陥ってしまいます。このような状態では、仕事も前向きに進んでいきません。

3)目的別|管理職研修でコミュニケーション術を促す方法

管理職研修でコミュニケーション術を促す方法を目的別にお伝えします。

部下の育成のためのコミュニケーション術を促す方法

部下の育成のためのコミュニケーション術を細分化すると、ティーチング、フィードバック、コーチングとなります。それらを促す方法をお伝えします。

ティーチング

ティーチングでは、相手が理解をしやすいように伝えることを意識してもらうことが必要です。そのために、大切なポイントは次の3つです。

■内容を明確かつ具体的に伝える(SMARTの法則)

■相手が知らないような専門用語を使うときは、きちんと意味を伝える
 (ex:アポイント、ロープレ、成果数、コンバージョン等)

■相手が理解を深めるための機会を持つ
(確認させる、質問させる、反芻させる等)

これらのことを意識して伝えることで、部下が内容を理解しやすくなり、成長を促せるようになります。

※SMARTの法則というのは、ジョージ・T・ドラン氏が提唱した理論で、5つの成功因子によって構成されています。

なお、アーティエンスの育成担当者・OJTトレーナー研修では、ティーチングを3つの段階に分けて伝えており、下の図の3段階目の伝え方を目指しています。

段階が上がるにつれて、育成者のスキル・スタンスのあり方も相応に要求されるため難易度が上がります。部下の状況を理解した上で伝えたい事を適切に伝えられるコミュニケーションができると、部下育成を促せるようになります

フィードバック

フィードバックは部下の行動を是正し強化するコミュニケーションになっている必要があります。そのために大切なポイントは次の3つです。

プロセスを承認し、ほめる
成果の大小に関わらず、部下が遂行したプロセスを承認し、ねぎらいの言葉をかけます。そのことが業務に対する承認になります。

必要なときは叱り、行動を是正する
叱るときは、結果として「部下の行動が是正し、かつ強化される」ことを意識して叱ります。感情的になったり、人格を否定するようなしかり方をすると、結果部下の行動は弱まってしまいます。

課題を問いかけ、本人に考えさせる
上司が対応策を一方的に押し付けると、部下の自発性は弱まり、結果行動も弱まります。部下に深く内省させ、今後の対応に対する学び・気付きを誘発します。

アーティエンスの育成担当者・OJTトレーナー研修では、これらをシミュレーションワークを通して実践し、体験しながら身につけてもらいます。

フィードバックというと、部下のできなかった部分について伝えるイメージを強く持っている方もいますが、ポジティブな事を伝えることもフィードバックの1つです。ポジティブフィードバックによって部下を承認することは、育成・信頼関係の構築という観点から、とても重要です。
特に最近の新入社員、若手社員は改善のフィードバックだけだと落ち込み過ぎてしまう傾向があるため、ポジティブフィードバックの割合を意識的に増えると部下の育成を促しやすくなります。

コーチング

コーチングでは、答えを与えるのではなく、部下が自ら答えに気づけるようにすることがポイントです。そのためには部下の話を傾聴するスキルが必要となります。

アーティエンスの育成担当者・OJTトレーナー研修では、傾聴の定義を「相手を尊重し、理解しようとして聴くこと」としています。傾聴することで、相手の考え・発言の品質が上がるためです。

そのためには次の2つのことを行うことがポイントです。

■頷きや相槌、表情で、相手の前向きな感情を活性させ、対話を促進させる
■確認や要約で、話の内容を整理する助けをし、また、こちらが相手の会話を聴いていることを理解させる

なお、管理職が傾聴を阻害するものとして次のようなものがあります。

【傾聴を阻害する要因】
■管理職の方で「答えありき・ゴールがすでに固定」されている
■管理職の「主張・考え」が強い
■管理職が部下を否定している
(否定箇所で良くあるケース:人格・考え方・視野の広さ・話し方・性格等)

これら要因が表面化されると、コーチングで必要となる「一体感」が損なわれる場合が多いため注意が必要です。

また、大前提として聴き手となる管理職は、部下が「新しい気づき・考え」を生み出すことを信じている状態であることが必要です。その状態になって初めて、部下に気づきを促すコーチングの関わりを行えるようになります

このように、ティーチング、フィードバック、コーチングのスキルを高めることで、部下育成のコミュニケーションを促せます。

目標達成意識を高めるためのコミュニケーション術を促す方法

目標達成意識を高めるためのコミュニケーション術として、目標に対するメンバーの納得感やモチベーションを醸成することが必要です。

目標に対する納得感やモチベーションを醸成するためのポイントは次の2つです。

■達成できそうと思える目標にする
■目標を明確にする

目標が遠かったり、高いすぎたり、目標があいまい・分かりにくいものだと、人の行動は却って鈍化するためです。

もし大きな目標を掲げるときは、明確な中間目標を設けることで行動を促しやすくなります。

アーティエンスの管理職のための目標設定・管理研修では、目標設定のプロセスを学び、目標達成への動機づけを促す仕組み創りを理解するためのワークを行っています。そうすることで、目標に対するメンバーの納得感やモチベーションを醸成でき、メンバーがそれぞれ、主体性と当事者意識を持って目標達成へのコミットメントを高く仕事に取り組める状態を作れます

相手を尊重しつつ自分の意見を主張するためのコミュニケーション術を促す方法

相手を尊重しつつ自分の意見を主張するためのコミュニケーション術としてアサーティブコミュニケーションを身につける方法があります。

アサーティブコミュニケーションとは、相手の立場や意見を尊重しつつ、自分の主張も伝えるコミュニケーションです。
この方法を身につけることで、上司・後輩・他部署との板ばさみになる状況を打破できたり、クライアントに対してサービスを安売りせずに良い関係を保つことができるようになります。

アサーティブコミュニケーションをトレーニングするためにアメリカの心理学者ゴードン・バウアーらによって提唱された「DESC法」が有効です。DESC法とは、4段階に分けて自分の意見を主張する方法を指します。DESCは、「Describe」「Express」「Suggest」「Choose」の頭文字です。

【DESC法】
(1)描写(Describe)
客観的な事実のみを具体的に描写します。自分自身の感情、相手に対する評価、推測などは交えず、起きている事実のみを伝えます。

(2)表現(Explain)
「描写」で述べた客観的事実に対して、自分の感情を素直な言葉で伝えます。その際、感情的・攻撃的な言葉遣いは控え、相手の気持ちを思いやり、誠実さと率直さを心がけながら意見を述べることがポイントです。

(3)提案(Specify)
問題の解決策や自分が求めている事を具体的に提案します。命令するのではなく、相手の同意を得られるよう、あくまでも提案・依頼という形を取るようにします。

(4)選択(Choose)
提案を受け入れてくれた場合と、そうでない場合に合わせてその後自分が取るべき行動を示します。相手の意見を受けてお互いの最適解を考えたり、再度提案する気合いをもらうなど、柔軟に対応することが大切です。

研修では、実際の状況を想定したシチュエーションに対してDESC法を用いたコミュニケーションを実施してみることで、難しさや伝え方の流れを学べます。

良い関係性を築きつつ、自分の意見を伝えられるようなコミュニケーションが必要な管理職は、アサーティブコミュニケーションを学ぶこともおすすめです。

プレゼンテーションでのコミュニケーション術を促す方法

行動変容へつながるプレゼンテーションを行うためには、相手のニーズを把握し、相手が納得できるような資料を用いて伝え、共感を生むことが必要です。

そのために、アーティエンスのプレゼンテーション研修では、相手のニーズ把握・要件定義~資料作成~プレゼンテーションを一連のプロセスとして、シミュレーション形式で実体験していきます。
研修を通じて「分かりやすく伝えること」の難しさに苦戦しながらも、可視化の構成やフレームワークを実践的に学び、相手に効果的に伝えるためには単にスキルや手法だけでなく、相手の立場や状況に合わせて適切な姿勢や言葉を選ぶことが大切だということを学んでいます。

「伝える」と「伝わる」は異なるものだということを意識し、相手に伝わるようにするためにどうすればいいかを考えてコミュニケーションを取れるようになります

会議でのコミュニケーション術を促す方法

会議によって仕事を前に進めるためのコミュニケーションを身につけるためには、ファシリテーションスキルを鍛えることが有効です。

ファシリテーションとは、会議などの組織活動において中立的な立場から進行をサポートすることです。その役割を担う人をファシリテーターと言います。

管理職は会議やミーティングにおいてファシリテーターの役割を担うことが多いため、参加者の当事者意識・主体性を、最大限発揮することを促すコミュニケーションが求められます。

例えば、アーティエンスの社内で進める!組織変革ファシリテーター育成コースでは会議のデザインで抑えるポイントとして次の2つを伝えています。

■OARRを明確にすること
■言葉(問い)を、大切に扱うこと

会議のデザインのOARRとは次のことです。

OARRを明確にすることで、意味のある会議を行えるようになります。

また、社会構成主義では「言葉が世界を創る」(Words create world)と言われているように、どのような言葉を選ぶかによって会議の参加者の意欲や理解度が変わってきます。

会議は仕事を前に進めるために必要な過程として存在しています。管理職が会議での適切なコミュニケーション術としてファシリテーションスキルを身につけることで、会議の質を高め、会議によって仕事を前に進められるようになります

管理職に伸ばしてほしいコミュニケーション術に合わせて、これらの方法を実施して見ましょう。

4)まとめ〜管理職のコミュニケーション術を身につける研修はアーティエンスにおまかせ〜

本コラムでは、管理職研修で学ぶべきコミュニケーション術についてお伝えしました。

そもそも管理職は立場や役割の違う人と接する機会が多く、またコミュニケーションに悩みを感じています。そのため、管理職研修でコミュニケーション術を扱うことは、管理職に期待する役割を話してもらうために効果的と言えます。

管理職に必要なコミュニケーション術は次の5つです。
①部下の育成のためのコミュニケーション術
②目標達成意識を高めるためのコミュニケーション術
③相手を尊重しつつ自分の意見を主張するためのコミュニケーション術
④相手の共感を生むプレゼンテーションするためのコミュニケーション術
⑤会議を円滑に進めるコミュニケーション術


このような5つのコミュニケーション術を身につけることで、管理職としての役割を果たせるようになります。これら5つのコミュニケーション術を促す方法を3章にてお伝えしました。管理職に伸ばしてほしいコミュニケーション術に合わせて、これらの方法を実施して見ましょう。

なお、アーティエンスでは、管理職のコミュニケーション術を身につけるためのさまざまな研修を実施しています

育成担当者・OJTトレーナー研修
育成者の「育てる意義」の発見と、「時代に合った育成スキル」として育成計画立案・ティーチング・フィードバック・コーチングの習得を目指します。

管理職のための目標設定・管理研修
メンバーの目標への納得感とコミットメントを高める目標設定・管理スキルの習得を目指します。

プレゼンテーション研修
ニーズ把握・資料作成・プレゼンテーションを一連の流れで実践的に学び、習得することを目指します。

ファシリテーション研修
現場で即使えるファシリテーションスキルの基礎~応用まで、実践

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