新入社員が自発的に成長!「グロース・マインドセット」の育み方4選

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「新入社員が言われた仕事しかしない…」
「新入社員から成長意欲が感じられず、育成に力が入らない…」

このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

企業が求める新入社員の姿は、ただ業務をこなすだけではなく、仕事に意欲的に取り組み、自ら成長していってくれることです。

そのために必要なのが、「グロース・マインドセット」です。

失敗を恐れず、常に「もっと成長できる」と前向きに捉える姿勢を持つことで、個々の能力向上はもちろん、組織全体の活力やイノベーションにもつながります。

本コラムでは、新入社員のグロース・マインドセットの促すための具体的な方法を解説と事例を紹介します。
新入社員のグロース・マインドセットを育み、組織全体の成果を高めていきましょう。

執筆者プロフィール
山下 絢加
2013年にアーティエンスに入社。組織開発・人材育成のコンサルタントとして、大手企業から中小企業まで、幅広く研修プログラムの企画・開発・運営を実施。現在は主にマーケティングプランニングを担当。
X:@yama_atc youtube:中小企業の人材育成・組織変革 専門チャンネル

専門性:新入社員若手社員組織開発・組織変革

1)新入社員に欠かせない!「グロース・マインドセット」とは

新入社員が組織で活躍するには、グロース・マインドセット(Growth Mindset)を持ち合わせることが大きく影響します。

グロース・マインドセット(Growth Mindset)とは、「自分が持っている能力や才能は、経験や努力によって成長できる」と思えている状態を指します。これは、スタンフォード大学心理学教授キャロル・ドゥエック氏によって提唱されました。

グロース・マインドセットを持つ新入社員は次のような状態になります。

【グロース・マインドセットを持つ新入社員の状態】

・成長への情熱: 自己成長を常に意識し、学びやスキルアップに積極的に取り組む
・フィードバックを成長の糧に: 批評や意見を自らを磨くための貴重な情報と受け止める
・主体的な行動: 周囲の力を積極的に活用し、自ら問題解決に取り組む姿勢を持つ

このように、グロースマインドセットを備えた新入社員は、困難な課題にも柔軟に対応し、自己改善を怠らず、結果として短期間で大きな成長を遂げます。早い段階で、チーム全体のパフォーマンス向上にも寄与していきます。

一方で、「能力は生まれつき決まっており、努力しても変わらない」と考える状態をフィックスト・マインドセット(Fixed Mindset)と言います。この考えが強いと、次のような傾向が見られます。

【フィックスト・マインドセットを持つ新入社員の状態】

・成長意欲の欠如: 自らの成長に希望を見出せず、最低限の業務だけをこなす傾向がある
・フィードバックへの抵抗感: 他者からの意見や評価を否定と捉え、防御的な態度になる
・挑戦への恐れ: 失敗を極度に恐れ、新しい課題や挑戦に対して消極的になる

このようなフィックスト・マインドセットが強い新入社員は、自己改善への意識が薄く、環境の変化や困難への対応が難しいため、成長のスピードが遅れがちです。

人は誰しもグロース・マインドセットとフィックスト・マインドセットの両方を持っており、状況や環境によってどちらが強くなるかが変わります。

しかし、新入社員は「学生から社会人」という大きな環境変化によるプレッシャーや不安から、フィックスト・マインドセットが強くなる傾向にあります。そのため、意図的にグロース・マインドセットを育む支援が重要です。

山下 絢加

マインドセットは「考え方のクセ」のようなもので、意識的に改善することで、誰でも変えられます。新入社員のグロース・マインドセットを育み、新入社員の成長を促しましょう。

【関連記事】新入社員に期待する2つのことと新入社員本人と組織側でできること

2)新入社員のグロース・マインドセットを育む4つの方法

新入社員のグロース・マインドセットを醸成する方法を具体的に4つ紹介します。

・自分軸で評価できる目標を設定し、成長実感を促進する
・成功体験を積み重ね、自信につなげる
・質の良いフィードバックで成長を加速する
・新入社員だけでなく、職場全体をグロース・マインドセットの環境にする

自分軸で評価できる目標を設定し、成長実感を促進する

新入社員が自分自身の成長を実感するために、他人との比較や他者からの評価だけでなく、自分軸で評価できる目標を設定しましょう。

自分軸で評価できる目標は、自分の変化に目を向けるため成長に気付きやすいためです。

具体的な取り組み例を下記に記載します。

【具体的な取り組み】

・自分軸で評価できる目標を設定する
 例:請求書の作成をミスなく15分で作成する
  ↓
・目標として設定したことの実施内容を記録する
 例:請求書作成の時間とミスの個数、具体的な内容を毎回計測し記録する
  ↓
・定期的に振り返る
 例:1週間に1度、記録を見て自身の状況を確認する
  ↓
・過去の成果と現状の成果を比較し、具体的な成長点や課題を明確にする
 例:請求書の日付にミスが多いため、最終チェック表に追加する

先輩・上司は、新入社員が自分軸で成長を実感できるよう、目標設定のサポート、進捗の確認、振り返りの機会づくり、失敗への適切な対応を意識しましょう。

【具体的な先輩・上司の関わり方】

・目標設定のサポートをする
新入社員が「何を目標にすればよいかわからない」と迷わないよう、業務に沿った具体的な目標設定をサポートします。
例:「○○の業務を○○分以内に終える」「△△のミスをゼロにする」

・進捗を見守り、声をかける
目標達成までのプロセスを適宜確認し、新入社員の取り組みを見守ります。努力や小さな成功を認めることで、成長実感を高めることができます。
例:「前よりスムーズにできるようになったね」「工夫しているのが伝わるよ」

・振り返りの機会を作る
定期的に新入社員と振り返りの場を持ち、成長した点や改善点を一緒に確認します。自分で気づいていない成長も言語化することで、さらなる意欲につながります。
例:「最初より○○が早くできるようになったね」「□□の工夫が良かったと思うけど、どう感じた?」

・失敗を成長のチャンスに変える
もし新入社員がミスをした場合も、頭ごなしに叱るのではなく、「どうすれば次はうまくいくか」を一緒に考える機会にします。
例:「どこでミスが発生したか振り返ってみよう」「次回はこう工夫してみるのはどう?」

【効果】
具体的で自分で判断できる目標を設定することで、新入社員自身が成長を実感しやすく、「自分はこれからも成長できる」を思えるようになります。また、達成感が持続することで、「もっと頑張ろう」という意欲が促されます。

成功体験を積み重ね、自信につなげる

新入社員が自信を持ち成長を実感するために、小さな成功体験を積み重ねることが大切です。

成功体験を重ねることで、「自分にもできる」という自己肯定感が高まり、次のチャレンジへの意欲につながります。

具体的な取り組み例を以下に記載します。

【具体的な取り組み】

・今日の仕事の中で良かったことを書き出す
 例:「初めて自分でアポイントを取れた」/「良い提案ができた」など
  ↓
・成功の要因を振り返る
 例:「事前に準備をしっかりしたからスムーズに話せた」
  ↓
・ 次にどう活かすかを考える
 例:「次回のアポイントでも、相手のニーズを意識して話してみよう」

新入社員が小さな成功体験を積み重ね、自信を持って成長していくために、成功を認識しやすい環境を作り、適切なフィードバックが重要です。以下のような対応を意識しましょう。

【具体的な先輩・上司の関わり方】

・成功に気づかせる声かけをする
新入社員は、自分の成長や成功に気づきにくいことがあります。日々の業務の中で小さな進歩を見逃さず、気づかせてあげることが大切です。

例:「前回よりスムーズにできたね」「今の対応、すごく良かったよ」

・成功の要因を一緒に振り返る
「なぜうまくいったのか?」を言語化することで、新入社員が成功の再現性を高められるようサポートします。

例:「今回は事前に準備をしっかりしたから、落ち着いて話せたんだね」

・次の挑戦を後押しする
成功体験が次のチャレンジにつながるよう、ポジティブなフィードバックとともに次のステップを示します。
例:「この調子で、次は○○にも挑戦してみよう」「次は、より○○を意識してやってみるといいね」

・失敗も前向きに捉えられるようにする
失敗を責めるのではなく、成長機会として活かせるフィードバックを心がけます。

例:「うまくいかなかった部分があるけど、どこが難しかった?」「この経験を次にどう活かせると思う?」

【効果】
新入社員自身が「できた!」と感じられる小さな成功を重ねることで、業務に対する自信が生まれます。さらに、成功の要因を振り返ることで「どのようにすればうまくいくのか」を学び、次のチャレンジに活かせるようになります。
その結果、成長のサイクルが生まれ、「もっと頑張ろう」「次はこれに挑戦してみよう」と意欲的に行動できるようになります。

質の良いフィードバックで成長を加速する

グロース・マインドセットを育んでいくためには、適切なフィードバックも必要です。

特に、ポジティブフィードバックを与えることで、「努力が成長につながる」ことや、貢献できていることを理解でき、もっと頑張りたいという想いが育まれます。

成長に繋げるための質の良いフィードバックを行うためには、次の5つのポイントを意識しましょう。

具体的に説明します。

1. ポジティブ:ネガティブ=5:1の割合になるように意識する

新入社員へのフィードバックでは、ポジティブな言葉とネガティブな言葉の比率を「5:1」にすることが効果的です。ポジティブな言葉が多いと、職場の雰囲気が明るくなり、新入社員との信頼関係が築きやすくなります

また、周囲との良い関係は、グロース・マインドセット(成長を信じる考え方)の育成に大きく影響します。安心して本音が言える環境では自然とグロース・マインドセットが育ちますが、逆に不安や恐れがあるとフィックスト・マインドセット(成長は限られているとする考え方)が強くなりがちです。

山下 絢加

「5:1」という比率は、夫婦関係の研究で有名なジョン・ゴットマン博士が導き出したもので、良好な関係を保つためにはポジティブな関わりがネガティブな関わりの5倍必要だと言われています。この考え方はリーダーシップやフィードバックにも応用され、新入社員の成長を後押しする効果があります。

フィードバックを行う際は、まず良かった点をしっかり伝え、次に改善点を示すようにしましょう。たとえ小さな成長でも言葉にして認めることが大切です。ネガティブな指摘が必要な場合でも、その前後に複数のポジティブなフィードバックを加えることで、新入社員は前向きに受け止めやすくなります。

このような意識的なフィードバックの積み重ねが、新入社員が安心して挑戦できる環境を作り、さらなる成長へとつながります。

2. 新入社員の「自己」ではなく「行動」に焦点を当てる

新入社員へのフィードバックでは、「自己」ではなく「行動」に焦点を当てることが大切です。具体的には「あなたは…」を主語にするのではなく、「その行動は…」と行動を主語にして伝えることで、より効果的なフィードバックになります。

「あなた」を主語にすると、新入社員は自分自身を否定されたように感じ、「自分はダメなんだ…」と自己嫌悪に陥りやすくなるためです。
こうした感情が強まると、フィードバックの本来の目的である改善行動につながりにくくなり、結果的にフィックスト・マインドセットが強化されてしまいます。

一方で、「行動」を主語にしたフィードバックは、新入社員が「この行動を変えればいいんだ!」と理解しやすく、次の行動にもつなげやすくなります。そのため、フィードバックの効果が高まり、前向きな成長を促すことができます

新入社員のグロース・マインドセットを育むためにも、「自己」ではなく「行動」に焦点を当てたフィードバックを意識しましょう。

3. コンパクトに、日常的に、高頻度で行う

フィードバックは、的を絞ってこまめに行うことが大切です。一度にたくさんの情報を詰め込むと、新入社員への負担が大きくなり、内容を理解しきれずに行動改善につながりにくくなるためです。

的を絞ったフィードバックは「これならできそう」と思いやすく、実際に改善行動を起こしやすくなります
そして、小さな改善を積み重ねることで前進感や成長実感が得られ、「フィードバックを受けることで自分は成長できている」と感じられるようになります
こうした成功体験が増えることで、より積極的にフィードバックを求める姿勢が生まれ、グロース・マインドセットが育まれやすくなります。

そのため、1on1などの時間を取った場面だけでなく、会議の前後や社内チャットツールを活用し、日々の業務の中で意識的にフィードバックを取り入れることが重要です。

ただし、頻繁に細かくネガティブフィードバックを行うと「マイクロマネジメントされている」と受け取られる可能性があるため、ポジティブな言葉とネガティブな言葉の比率を「5:1」にすることと伝え方には注意が必要です。

新入社員のグロース・マインドセットを促すためにも、日常業務の中でこまめにフィードバックを行うことを意識しましょう。

4. 業務支援・内省支援・精神支援の3つを押さえている

フィードバックを行う際は、業務支援・内省支援・精神支援の3つを意識することが重要です。中原淳氏のフィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術によると、職場で人が育つためには、業務支援、内省支援、精神支援の3つの支援を他者から受ける必要があると言われています。

業務支援 仕事のやり方を教えたり、必要に応じてアドバイスをするOJTのこと
内省支援 振り返りを促し、客観的な意見を伝えることで本人の気付きを促すこと
精神支援 励ましや承認を通じて感情面のケアを行うこと

現場育成の悩みを聞いていると、「業務支援はできているが、内省支援や精神支援が不足している」というケースが多く見られます。
内省支援が足りないと、成長実感を持ちにくく、同じ失敗を繰り返してしまうことがあります。

また、精神支援が不足すると、新入社員が落ち込みやすくなり、自信をなくしたまま業務に向き合うことになってしまいます
その結果、「人は変われない」というフィックスト・マインドセットが助長されてしまいます。

こうした状況を防ぐためにの具体的な取り組みを紹介します。

【内省支援の具体的な取り組み】

フィードバックの際には内省支援として次のような問いかけを行うと効果的です。

「○○さんが、この経験から得た学びは何だろう?」
「何か一つ変化させるとしたら、どんなことをすればいいだろう?」
「今の仕事で、○○さんが誇れる点はどこだろう? 一方で、残念に思う点は?」

このように問いかけることで、新入社員自身が自分の行動や考えを振り返り、新たな気付きを得られるようサポートできます。

このように問いかけることで、新入社員自身が自分の行動や考えを振り返り、新たな気付きを得られるようサポートできます。

【精神支援の具体的な取り組み】

精神支援としては、フィードバックの際に以下のような姿勢を大切にしましょう。

・新入社員の話をしっかり聞く(決めつけない)
・新入社員に対する期待や想いを伝える

精神支援は「同僚や同期」からの影響が大きいことが調査で明らかになっています。そのため、上司や先輩が新入社員の落ち込みに気付いたときは、同期に「○○さん、なんだか元気がなさそうだから、ちょっと声をかけてあげてくれない?」とフォローを依頼するのも有効な方法です。

これらの支援が相互に作用することで、新入社員は業務のスキルを身につけながら、自己肯定感を高め、成長を実感できるようになります。
結果として、グロース・マインドセットを育む土壌が整い、新入社員は「失敗を恐れず、次の挑戦に挑む」という前向きな姿勢を持つようになります

5. チームで相互にフィードバックし合える仕組みを創る

職場で相互にフィードバックし合える仕組みを作ることも、グロース・マインドセットを育むために必要です。

フィードバックを受けるだけでなく、他者にフィードバックする経験が、自分自身の学びや成長に繋がります。またフィードバックをし合うことで、多様な視点を得ることができ、個々の成長を加速させます。

これにより、職場全体で積極的に学び合う雰囲気が生まれ、互いにサポートし合う文化が根付くことがグロース・マインドセットを育む土壌となります。

しかし、新入社員にとって、上司や先輩へのフィードバックはハードルが高く感じられるでしょう。そのため、フィードバックしてほしい観点を事前に伝えることがポイントです。

具体的には、上司と新入社員が営業同行する際に、「お客様との関係構築の観点で、学びになった点や気になった点を考えて、商談後に教えてくれる?」と伝えておくと、新入社員もフィードバックしやすくなり、上司も多様な視点を取り入れることができます。

このように、新入社員から上司へのフィードバックも含め、チーム全体で相互にフィードバックできる仕組みを作ることが、新入社員のグロース・マインドセットを促進するために重要です。

【効果】
フィードバックを行う際に意識すべき5つのポイントを実践することで、信頼関係が築かれ、安心して挑戦できる環境が作られます。新入社員はより前向きに、自己成長を続けながら業務に取り組む姿勢が育まれ、組織全体の活性化にも繋がります。

【参考コラム】
新入社員育成のカギ!フィードバックする時に知っておきたい5つのポイント

新入社員だけでなく、職場全体をグロース・マインドセットの環境にする

新入社員だけでなく、他の社員もグロース・マインドセットを持てている環境にすることも重要です。なぜなら、人は同じ環境にいる人の影響を受けやすいためです。

例えば、グロース・マインドセットのある職場であれば、新入社員に仕事を依頼するときに次のような感情になります。

お互いがグロース・マインドセットの状態であれば、良い循環が起きています

一方でフィックスト・マインドセットのある職場であれば、新入社員への仕事の依頼時に次のような感情になります。

下記の図の通り、お互いがフィックスト・マインドセットの状態でいるために、悪循環が起きます。

このように新入社員以外の人がフィックスト・マインドセットを持っていると、新入社員もその影響を受けやすく悪循環が生まれてしまいます。

職場全体をグロース・マインドセットにするための具体的な取り組みを記載します。

【具体的な取り組み】

・挑戦をして成功する過程を大切にし、結果だけに焦点を当てないようにする
・「失敗から学ぶことが成長に繋がる」というメッセージを常に発信し、チームの挑戦を応援する
・失敗やミスを責めるのではなく、成長の一環として捉える文化を作る

【効果】
職場全体がグロース・マインドセットの環境になることで、社員が挑戦や学びを重視し、失敗を成長の一部として受け入れる文化が根付くようになります。このような環境では、社員一人ひとりが自分の成長を実感し、意欲的に業務に取り組むようになります。

また、チーム内での協力が促進され、個々の成長だけでなく、チーム全体のパフォーマンス向上にも繋がります。結果として、職場全体が積極的で生産的な雰囲気になり、社員が成長し続けることができます。

【参考コラム】
若手社員流出をSTOP!|離職原因とすぐできる若手社員の離職防止策5選
最近の若手社員の特徴とは?効果的に育成を行う4つのポイントも詳しく解説

今回紹介した4つの方法を活用して、新入社員のグロース・マインドセットを醸成するためにも、組織全体のマインドセットを見直し、必要に応じて醸成しましょう。

3)「やる気なし」だった新入社員が成長!9ヶ月で変わったマインドセット改革

アーティエンスが支援している化粧品メーカー様の新入社員に、成長が見えずに不安になっていた方がいました。
しかし、マインドセットが変わったことで仕事への意識が変わり、組織からも期待できる人材になっていった、事例をお伝えします。

<企業情報>
業種:化粧品メーカー
規模:300名程度
<新入社員の方>
性別:男性
部署:営業

課題・背景:向上心の欠如とフィックスト・マインドセット

化粧品メーカーの新入社員Aさんは、入社当初、勤勉ではあるものの、向上心ややる気が感じられず、仕事に対する積極的な姿勢が見受けられませんでした。

例えば、営業同行後に先輩から「他店を視察してから帰ったら?」という提案に対して「別に大丈夫です」と断る場面がありました。

言われたことはこなすものの、それ以上の自発的な行動や意欲を見せない状況でした。このような状態は、自分が成長できると思えていない、フィックスト・マインドセットが原因と考えられました。

実施内容:ポジティブフィードバックと信頼関係の構築

Aさんの成長を促すため、まずはポジティブフィードバックを通じて、少しの進歩にも反応しました。Aさんが成長していることを伝え、成長実感を促しました。

また、トレーナーやメンターが信頼関係を築くために積極的に声をかけ、お昼を共にする機会を増やしました。先輩のことを「失敗したら叱られる怖い対象」ではなく、「仲間」である意識を持てるようにし、安心して仕事を行える環境を作りました。

このようなサポートを通じて、Aさんのマインドセットをフィックスト・マインドセットからグロース・マインドセットに切り替え、自発的な学びや行動を引き出すことを目指しました。

結果:自主性と積極性の向上による成長

取り組みの結果、入社から9ヶ月が経過した時点で、Aさんは自ら積極的に先輩に相談に行き、SNSマーケティングを自発的に学び始めるなど、営業活動にも積極的に取り組むようになりました。
この変化は、グロース・マインドセットの割合が増えた結果であり、周囲の支援がAさんの成長を促進した結果と言えます。

このように、マインドセットは組織や周囲の人からの支援によって、グロース・マインドセットに促すことが出来ます
自組織の新入社員に対して諦めることをせず、今回紹介した方法を実践してみてください。

4)まとめ・アーティエンスは新入社員のマインドセット変容を新入社員研修でサポート

本コラムでは、新入社員が組織で活躍するために必要なマインドセットとして、グロース・マインドセットについてお伝えし、具体的な醸成方法を紹介しました。

グロース・マインドセット(Growth Mindset)とは、「自分が持っている能力や才能は、経験や努力によって成長できる」と思えている状態です。

学生から社会人という新しい環境に大きく変わった新入社員は不安も多く、フィックスト・マインドセットが強くなる傾向にあります。そのため、意図的にグロース・マインドセットを育み、成長を支援していく必要があります

新入社員のグロース・マインドセットを醸成する際は、以下の4つに取り組むことをおすすめします。

・自分軸で評価できる目標を設定し、成長実感を促進する
・成功体験を積み重ね、自信につなげる
・質の良いフィードバックで成長を加速する
・新入社員だけでなく、職場全体をグロース・マインドセットの環境にする

今回紹介した4つの方法を活用して、新入社員のグロース・マインドセットを醸成しましょう。

なお、アーティエンスは新入社員のマインドセットの変容をサポートする新入社員研修を提供しています
研修内で成功体験を積み重ね、適切なフィードバックを受けることで、グロース・マインドセットを効果的に促進しています。

「新入社員が活躍できる環境を整えたい」「グロース・マインドセットをもっと実践的に導入したい」そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひアーティエンスにご相談ください

私たちが提供する新入社員研修で、新入社員のマインドセットに変容を促すお手伝いをいたします。

グロース・マインドセットを醸成して、自組織の新入社員が組織で活躍する状態を期待できるようにしましょう。

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