新入社員の考える力を強化!効果的な4つの育成ポイント

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「新入社員が自分で考えないで、正解を確認しに来る…」
「新入社員が言われたことしか仕事をしない…」

「若手に多いのは『この件は教えてもらっていない』という不平不満」

このようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

近年、「考える力」が急速に低下していると言われています。その理由の一つとして、インターネットのある環境で育ってきたことが挙げられます。わからないことは検索すればすぐに教えてくれるため、自分で考える必要がなくなったためです。

しかし、社会人としては、考える力が必要です。なぜなら、仕事には、ただ一つの正解があるわけではないためです。
変化の激しい時代、社員一人ひとりが考えて行動できるようにならなければ、ニーズに対応していくことができなくなり組織の存続が危うくなります。「考える力」を向上させることは、人材育成の中でも重要なテーマの一つとなっています。

そこで本記事では、新入社員に必要な考える力を整理し、その上で、新入社員の考える力を養うための方法をご紹介します。新入社員の考える力を向上させて、新入社員の成長を促し、より良い仕事を行える状態を目指しましょう。


監修者プロフィール

近藤 ゆみ

アーティエンス(株)にて、研修講師、組織開発・人材育成のコンサルタント、コラムの監修・執筆などに従事。前職の大手人材紹介会社では、転職希望者のキャリアカウンセリングから転職サポートまでを一貫して担当。
youtube:中小企業の人材育成・組織変革 専門チャンネル

1)新入社員に必要な「考える力」の4ステップ

新入社員に必要な考える力というのは、4つのステップに分けて説明することができます。

1、仕事の目的を把握する
2、情報を整理する
3、自分なりの仮説を立てる
4、考えをアウトプットする

ステップごとの考える力について、具体的に説明します。

1、仕事の目的を把握する力

考える力を身につけるためには、仕事の目的を適切に把握できていることが必要です。目的がずれてしまうと、適切なアウトプットが出せなくなってしまうためです。

よくありがちなのが、「手段の目的化」です。例えば、クライアントから業務効率化のためのシステムツールについて相談を受けた場合を考えてみます。クライアントは、業務効率化をすることが目的でそのためにツールを検討したいという状態です。

しかし、新入社員の中には、いつの間にか、いかに自社のツールを導入してもらうことが目的になってしまっていることがあります。
目的が自社ツールの導入になってしまうと、クライアントの業務効率化という目的と方向性でズレが生じ、自分なりに一生懸命考えて提案するものの相手の期待に答えられないものになってしまいます。

このように考える力を育むためには、仕事の目的を明確にし、把握し続ける力が必要です。

2、情報を整理する力

考える力を身につけるためには、情報を整理することも必要です。情報に抜け漏れや認識のズレがあると、前提が変わってしまい適切に考えることができないためです。

新入社員は、与えられた情報を確認することなく受け取ることが多いです。わからない部分は教えてもらえなかったからと言って、確認することもなく、わからない状態で考えようとします。しかし、期待に応えるような考えを出すためには、与えられた情報を整理して、考えるために必要な情報を確認することが必要です。

このように、考える力を促すためには、情報を整理し、不足部分を補う働きかけが必要です。

3、自分なりの仮説を立てる力

考える力には仮説を立てることも必要です。仕事では正解のない問いに立ち向かわないといけないことが多いためです。正解が明確にあるわけではない課題に対しては、自分なりの論理を組み立てながら考えることになります。

しかし新入社員は、仮説を立てずになんとなくこれがいいと思った、というような考えを提示することがあります。日本では学生時代に、答えが明確にある問いに答えることで点数が決められており、なぜ答えがない問題に慣れていない人が多いためです。ただ、なんとなくでは、相手に納得してもらうことはできません。

このように考える力を育むためには、自分なりの仮説を立てる力が必要です。

4、考えをアウトプットする力

考えをアウトプットする、思考に行動が伴わなければ、よい仕事はできません。

また、新入社員がアウトプットすることで、周囲はそれに対してフィードバックができます。
新入社員はフィードバックの内容によって、自身の良い点や改善点に気付き、考える力をさらに高めることにつながります。

このように、考える力は4つのステップに細分化することができ、ステップごとにスキルを伸ばすことで、考える力の向上につながります。

2)新入社員の考える力を高めるための、4つの学び

4つのステップごとに必要なスキルを伸ばすために、以下のことを養う必要があります。

・考えることの必要性や重要性を自ら理解する
・「Why」を深掘りすることを習慣化する
・考える「型」を身に付ける
・新入社員が考える余白を創る

考えることの必要性や重要性を自ら理解する

社会人として「考えること」の必要性や重要性を自ら理解することが、考える力を養う一歩になります。

例えば、当たり前の前提と思われることであっても、改めて問いかけることで、自分なりの目的や意義を見出すきっかけとなります。自分なりの目的や意義を持てると自ずと行動も増えます。

研修内での取り組み例をあげると、アーティエンスのビジネススキル研修では、ワールド・カフェという手法を用いて「素晴らしい仕事とは何か?」について対話を通して理解を深めます。

ワールド・カフェとは、カフェのようなリラックスした雰囲気の中で、問いに対して少人数に分かれたテーブルで自由な対話を行う対話手法の一つです。
次のような問いを投げています。

問いの一例
・素晴らしい仕事とは何だろう?
・素晴らしい仕事を行っていくために、周囲とどのようにコミュニケーションをとり、どのように関わっていけるとよいだろう?

この問いに対してのアウトプットの一部がこちらです。

講師から「素晴らしい仕事とは○○である」と伝えることは簡単です。しかし、新入社員が「素晴らしい仕事って何だろう…?」と改めて考えることで、「社会人」や「仕事」に対してのアンテナが高まり、より主体的に学ぼうとするきっかけとなります。

このように、アーティエンスの新入社員研修では、全ての情報を最初から与えるのではなく、まずは自分なりに考えることを意識した研修設計をしています。

「Why」を深掘りすることを習慣化する

「何のために?目的は?」といった「Why」を押さえることを習慣化することで、考える力が身に付いていきます。「Why」を深掘りすることで、本質的な部分に辿り着くことができます

例えば、自分自身が感じている課題について「なぜ?」を深掘りしていくことで、根本的な解決策(Big Why(下記図参照))を導くことにつながります。
アーティエンスのビジネススキル研修では、課題や事情からすぐに答えを出すのではなく、「Why」を考えた上で解決策を出すことを学びます。

考える「型」を身に付ける

型を身につけることで、情報整理や仮説を考えられるようになります。情報整理を正しくできて、その上で仮説を考えることができると、より良い考えが生まれやすくなります。また、相手に伝わるようなアウトプットの型を学ぶことで、自身の考えを相手に伝えやすくすることが出来ます。新入社員のうちは、まずはその型を身につけることが必要です。

具体的には以下のことに関する型を身につけられるようにします。

・要件定義
・スケジューリング
・タスク分解
・ロジカルシンキング
・プレゼンテーション

要件定義

要件定義とは、依頼者のオーダーや要望を明らかにして、目的を達成する為に何をすべきか明確にすることです。5W2Hの型を活用して、自ら確認しにいくことが大切です。

※当社、ビジネススキル研修テキストより抜粋

タスク分解

タスク分解とは、成果物を出すための業務をすべて洗い出し、作業の流れ・分担を明確にすることです。タスク分解を行うことで、仕事の進め方が整理され行動しやすくなります。タスク分解のやり方として、大枠から詳細を詰めていくことを意識することが大切です。

※当社、ビジネススキル研修テキストより抜粋

スケジューリング

スケジューリングとは、「作業内容・プロセス・工数」からスケジュールを立て誤差の認識・確認をすることです。下記のような型を参考にして具体的に何をいつまでにやればいいのかを明確にすることで、考える時間を確保することができます。

※当社、ビジネススキル研修テキストより抜粋

ロジカルシンキング

ロジカルシンキングとは、誰が見ても適切かつ納得性がある「結論」や「理由」を考察・説明する為の手法です。「状況→結論」または「結果→原因」の思考を、「(可能な限り)シンプルに」、そして「誰が見ても(聞いても)納得いく形で」展開していくことができます。

ロジカルシンキングの代表的な以下の型を学ぶことで、自分の考えを整理し、相手に納得するように伝えられるようになります。

※当社、ロジカルシンキング研修テキストより抜粋

プレゼンテーション

プレゼンテーションとは、わかりやすく伝えるための方法です。可視化して分かりやすく自身の考えを伝えることで、相手が「判断すること」を可能にし、「相手との信頼関係の構築」、「業務効率化」にも繋がります。

よく使用される可視化の型を学ぶことで、考えたことのアウトプットをわかりやすく相手に伝えられるようになります。

※当社、プレゼンテーション研修テキストより抜粋

これらの型を身につけることで考えやすくなるため、考える力が高まります。

新入社員が考える余白を創る

新入社員に考える余白を作ることが必要です。仕事を依頼するときに細かく指示すると、新入社員の考える部分がなくなるためです。考える練習が出来ないと、いつまでも考える力は養われません。

新入社員が入社してすぐは、やり方が全くわからないため、細かく言われた通りにやればできるような指示をすることが必要です。しかし、新入社員の成長スピードに合わせて、徐々に考える余白を広くしていくようにしましょう。

例えば、資料の作成をお願いするときは、資料の方向性や参考資料を渡して、一度自分なりにどのように作成したらいいのか考えてもらう、というのも一つの方法です。ただ、新入社員が進めようとしている方向性が誤っていないか確認するために、「3時間後に一旦確認させて欲しい」「概要が作成できたら声かけて」などと伝えて、こまめに確認できるようにしましょう。小まめに確認できると、依頼者としても安心して作業を進めてもらうことができます。

新入社員の考える力を養うタイミングを奪わないように、新入社員の成長スピードに合わせて、新入社員に考えてもらう余白を広げていきましょう。

このような4つの方法を意識することで、新入社員の考える力を養うことが出来ます。

また「【事例アリ】新入社員研修の内容例&効果を決める5つのポイントを解説」「中小企業のための若手社員研修│離職を防ぎ、成果を上げる若手を育てるためのヒント」の記事では、新入社員に対して、どのような研修を実施すべきかを解説しています。

具体的な研修内容の事例や効果を高めるためのポイントもご紹介しておりますので、研修を成功させるためにもぜひ参考にしてください。

3)まとめ〜アーティエンスは新入社員の考える力を研修でサポート〜

本記事では、新入社員に必要な考える力を整理し、その上で、新入社員の考える力を養うための方法を  4つ紹介しました。

新入社員に必要な考える力というのは、4つのステップに分けて説明することができます。

1、仕事の目的を把握する
2、情報を整理する
3、自分なりの仮説を立てて考える
4、考えたことをアウトプットする

考える力はこのような4つのステップに細分化することができ、ステップごとにスキルを伸ばすことで、考える力の向上につながります。

4つのステップごとに必要なスキルを伸ばすために、以下のことを養う必要があります。

・考えることの必要性や重要性を自ら理解する
・「Why」を抑えることを習慣化する
・考える「型」を身に付ける
・新入社員が考える余白を創る

新入社員に具体的にどの考える力が足りていないのかを見つけ、この内容を参考に施策を実施していきましょう。

また、各研修の詳細を知りたい方は下記より資料ダウンロードいただくか、お気軽にお問い合わせください


新入社員の考える力を向上させて、新入社員の成長を促し、より良い仕事を行える状態を目指しましょう。