新入社員研修の担当者向け|研修設計の基本や効果を高めるポイントを解説

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新入社員 研修担当

「新入社員研修の担当として何をすればいいのだろう…」
「新入社員研修の担当になったのに研修の早期定着がわからない…」

このようなお悩みを抱えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

組織がこれからも継続的に成長していくには、社員のレベルアップが必要です。そのレベルアップのために研修は欠かせない役割を果たします。
特に新入社員研修は、仕事の仕方を知らない人が仕事を行えるようになるために、仕事をする上で土台となるような大切な内容が詰まっています。新入社員研修で学んだことを元に仕事を行うことになるため、新入社員研修は、新入社員の成長のためにも組織の成長のためにも非常に重要度の高い研修です。
しかし、新入社員研修の設計がうまく作れていないために、学びが弱い研修になってしまったり、成長を感じられない、というようなお話を伺うこともあります。

そこで本記事では、新入社員研修の担当になった方に向けて、新入社員研修の担当者としての役割を明確にし、その上で、新入社員研修の設計方法や効果的な研修を行うための方法をお伝えします。

新入社員研修の担当者としてより良い研修を行い、新入社員と組織の成長を期待できるようになりましょう。

監修者プロフィール

山下 絢加

2013年にアーティエンスに入社。組織開発・人材育成のコンサルタントとして、大手企業から中小企業まで、幅広く研修プログラムの企画・開発・運営を実施。現在は主にマーケティングプランニングを担当。
youtube:中小企業の人材育成・組織変革 専門チャンネル

1)新入社員研修の担当者として、新入社員と組織の成長を促すために必要なこと

新入社員研修の担当としての大きな役割は「新入社員と組織の成長を促す研修を設計すること」です。新入社員研修を通じて、新入社員が組織の一員として仕事をできるようになり、成果を出してもらうことを期待しているためです。

そのために、自組織に適した新入社員研修の設計プロセスと効果的な研修を行うために必要な要素について理解しておく必要があります。

自組織に適した新入社員研修の設計プロセスを知る

自組織にあった新入社員研修を設計するためのプロセスは以下のようになっています。

1、現在実施している研修の確認
2、組織が目指している方向性の確認
3、組織が求めている新入社員の姿を検討
4、新入社員に求める姿に必要なマインドセット・スキル・知識を検討
5、マインドセット・スキル・知識を渡すタイミングを検討
6、育成方法を検討

順番に説明します。

1、現在実施している研修の確認

まずは現在実施している研修を確認して把握することから始めます。現状を確認することで、改善点や継続した方が良い点を考えるようにできるためです。

現在実施している研修について確認する場合は、以下のような問いに答えてみると、次年度の新入社員研修をより良くするためのヒントを得られやすいです。

・なぜ、それらの研修を実施することにしたのか
・それらの研修を実施することで、どのような姿になることを期待していたか
・現在実施している研修に対して効果を感じているか
・現在の新入社員のスキルや知識について、現場は満足しているか。足りない部分があると感じる場合は具体的にどんなスキルや知識か
・現在の新入社員は、仕事を行う上で必要に感じている知識やスキルはないか。また、研修の実施タイミングや、学んだことの活かし方で気になることはなかったか

これらのことを確認できると、次年度にも活かしたい良いポイントと、改善が必要なポイントが見えてきます。

2、組織が目指している方向性の確認

組織が目指している方向を確認します。新入社員研修は、組織の成長を促すためのものです。そのため、新入社員研修の方向性が、組織の目標を達成するために必要になる人材と重なっている必要があります

例えば、人材紹介サービス会社の組織の目標として、「3年以内に100億円の売り上げを作り、企業と個人の幸せのマッチングを増やす」という目標があった場合は、この目的を達成するための人材を育成する必要があるということです。

新入社員の育成が組織が目指しているところと同じ方向を向けるように、組織が目指している方向性を確認することは大切です。新入社員研修の設計が完成した後に、改めて、組織が目指している方向性と重なるかを確認することをおすすめします。

3、組織が求めている新入社員の姿を検討

組織が求めている新入社員の姿を検討します。新入社員に1年後どうなってほしいかのゴールが明確になっていないと、そのための育成を考えることができないためです。
組織が目指している方向性に成長するためには、具体的に新入社員にはどのようになってほしいかを考えます。

例えば、人材紹介サービス会社の組織の目標として、「3年以内に100億円の売り上げを作り、企業と個人の幸せのマッチングを増やす」という目標があった場合は、この目的を達成するための社員を育成する必要があります。その中で、新入社員の時点でどこまでできるようになってほしいかを考えます。

そうすると、例えば、「新入社員が転職支援に関して、初回相談(ヒアリング)から提案・転職までの支援を配属後3ヵ月で1件、一年目終了時の3月末までに25件遂行できるようになる」というような目標が設定されるかもしれません。

新入社員に求める姿は欲張りすぎず、過去の事例などから考えて新入社員が達成可能な範囲で設定するようにしましょう。

4、新入社員に求める姿に必要なマインドセット・スキル・知識を検討

新入社員に求める姿が明確になったら、そのために必要なマインドセット・スキル・知識を検討します。必要な要素を明確化することで、研修内容を考えやすくなります

新入社員研修では、下記のような要素が必要になることが多いです。

●社会人としてのマインドセット
・社会人としての意識を持つ
学生から社会人への切り替えと、自身の強みの探求を通じて周りに対してどのようにポジティブな影響を与えられるかを考えるスキルです。

・ビジネスマナー
信用や関係性を高めていくための、自身と相手や場を大切にしたビジネスマナースキルです。

・コスト
売上創出の難しさやコスト意識、目標達成するために必要となる数値を捉えられるスキルです。

・コンプライアンス
不祥事防止や企業価値向上のため、コンプライアンスの重要性や違反のリスク、遵守すべき法令や企業規則の知識スキルです。

●関係性の構築
・コミュニケーション
関係者とのコミュニケーションをより円滑にするためのコミュニケーションスキルです。

・チームビルディング
チームの一員として活動する際の、自身の環境・状況にあわせた望ましいチームのあり方と、成果を出すための活動の仕方に関するスキルです。

●業務遂行
・一般的なビジネススキル
仕事の優先度や重要度の理解、ホウレンソウ、問題再発防止等、プロとしての“仕事の取り組み方”に関するスキルです。

・ロジカルシンキング
相手の期待に応えるために、自分自身でロジックを創れるスキルです。

・プレゼンテーション
相手のニーズをしっかりとらえ、訴求する伝え方をし、行動変容を促すスキルです。

・ソリューション提案力
顧客・社内の課題を正確に把握し、課題を解決していくために必要なヒアリング・トーキングスキルです。

●専門知識・スキル
業界によって変わるスキルです。資格なども必要になるケースもあります。

●キャリア開発
・「目指したい姿」を探求する
自身でどのようなキャリアを描きたいかを考えます。イメージがしにくい場合は、先輩社員の話を聞いて、ロールモデルを探します。

・振り返りフォロー
自らの成長・変化を実感し、どのように成長スピードを上げていくかを考えるスキルです。

●メンタルヘルス心身ともに健康的に働ける職場を作れるようにするためのスキルです。

これらの内容を参考にして漏れがないように検討しましょう。

【参考コラム】より新入社員研修の内容を詳しく知りたい方へ【実例あり】新入社員研修に必要な6つの内容と効果を高める5つのポイント

5、マインドセット・スキル・知識を渡すタイミングを検討

新入社員に求める姿になるために必要な要素が明確になったら、それらを渡すタイミングを検討します。渡すタイミングが適切でないと、学びの効果が弱くなってしまうためです。

新入社員研修の相談を受ける中で、一気にたくさんのことを教えたいという考えをお持ちの方がいます。しかし、一度に多くの内容を渡しても新入社員が受け取ることができなかったら意味がありません。
また、できるだけ早く渡せたほうが良いという考えをお持ちの方もいますが、新入社員にとっては難しすぎて理解ができないと、それも効果が弱くなってしまいます。

そのため、アーティエンスでは、下記のようなスケジュール間で渡すことをおすすめしています。

このスケジュールは、新入社員が不安や悩みを抱えやすいタイミングに適切な内容の研修を行うことを意識して考えられています。
下記の内容は当社で調査してまとめた、タイミングごとに変わる新入社員の状態を整理したものです。

このように、新入社員がいつどのような悩みを抱えているのかを考えて、そのタイミングでマインドセットやスキル、知識を渡す方法が一つあります。

他にも、新入社員に求める姿になってもらうために、いつまでに何ができるようになっていて欲しいというように逆算形式で考えることもできます。

これらの考え方を活用して、適切なタイミングで育成を行えるようにしましょう。

6、育成方法を検討

マインドセットやスキル、知識をどのような方法で新入社員に提供するかを考えます。内容や予算によって、育成方法を検討する必要があります

育成方法については、大きく次の3つの種類があります。

・OFF-JT(Off the Job Training)
Off-JTとは、職場を離れて、講習や研修などを行う人材教育のことを指します。

・OJT(On the Job Training)
OJTとは、組織の上司や先輩が、部下や後輩に対して具体的な仕事を与え、その仕事を通して、業務に必要な知識・技術・考え方などを指導し、修得させることを指します。

・SD(Self Development)
SDとは、社員による自発的な学習を意味します。例えば、eラーニングや書籍購入の補助、資格取得の支援などが挙げられます。

一般的には、4月~5月はOFF-JTでマインドセットや必要最低限のスキルや知識を研修形式で提供し、6月あたりの配属のタイミングでOJTをメインにすることが多いです。ただ、OJTだけでは育成しきれない部分もあるため、その内容については、月1回程度、研修や先輩の話を聞く勉強会の機会をつくるというような取り入れ方をしています。

適切な育成方法を選択することで、予算や時間の調整を行えるようにしましょう。

新入社員研修はこのようなプロセスで考えると、組織の方向性をズレなく、新入社員に求める姿を目指して適切な設計ができます。

効果的な研修に必要な要素を知る

効果的な研修を行うために必要な要素を知ることも大切です。研修の質を高めることができるためです。研修に必要な要素について環境、コンテンツ、講師という3つの視点でお伝えします。

環境①適切な場所で実施する

環境音が大きい場所は受講生の集中力を妨げるため良くありません。
また、空調を教室ごとに調整できる場所のほうが良いです。新入社員に熱が入っている時や、眠気を感じている時は温度を下げて集中できるようにする、という調整を行えるようにするためです。

環境②適切なレイアウトをつくる

新入社員研修を対面式で実施する場合は、人との距離が近すぎず、講師が受講生の様子を見てまわる空間を取れるようにします。レイアウトについては、新入社員研修の内容に合わせて適切なレイアウトにしましょう。

講師の話を聞く時間が多い時はシアター形式やバズ形式、グループワークが多い時は島形式、対話がメインな時はサークル形式などがよく使われます。

コンテンツ①時代に即した内容にする

時代に即した内容になっているか確認しましょう。時代に合っていないと、新入社員は納得感が得られず研修の効果が弱くなってしまいます

精神論的な内容を訴えたり、1日の間で100人の人と名刺交換してくる、というような内容はもちろん今の時代に行っても効果はありません。アーティエンスでは、今の時代にあう新入社員研修の特徴を以下のように考えています。

自分が新入社員の時はこうだったからというような判断で研修内容を判断するのではなく、今の新入社員が受け取ってくれるかを意識して内容を検討することが大切です。

コンテンツ②新入社員のインサイドアウトを促す内容にする

新入社員のインサイドアウトを促す内容になるように意識することが必要です。新入社員研修は、いくら人事や組織で丁寧に設計したとしても、新入社員が受け取ってくれないと意味がないためです。
インサイドアウトを促すためには、新入社員が自分の内側から学びたいという思いが出てきたり、自分にとって意味のある時間であることを認識してもらう必要があります。

そのために、アーティエンスの新入社員研修では、ワールド・カフェを取り入れています。

ワールド・カフェとは、カフェのようなリラックスした雰囲気の中で、少人数に分かれたテーブルで自由な対話を行う対話手法の一つです。他者から言われたことではなく、自分から湧き出てきたことに対しては、納得感が強くなります。そのため研修のテーマに合わせた内容で行うことで、主体的に学ぶ姿勢になります。

研修の中で新入社員のインサイドアウトを促し、学ぶ意欲を高めることができると、その分学びの効果を高めることができます。

コンテンツ③「わかる」ではなく「できる」ことを目指す内容にする

新入社員研修でインプットだけして、わかるようにはなったが、実際に使うことができないという状態では新入社員の成長を促すことができません。そのため、「できる」ことを目指す内容になっていることも大切です。

アーティエンスでは、学んだことをいつどのように活用するのかをイメージできるようにシミュレーションワークを取り入れた新入社員研修を実施しています。

例えば、当社の上司との協働体感研修では、日報の提出率を改善するための企画書を作成してもらう、というシミュレーションを行います。シミュレーションワークの世界観は次のようになっています。

チームで要件定義やタスク分解、スケジューリングを行い、仮説を立てて上司役の講師に報連相を繰り返しながら、アウトプットを完成させていきます。この中で実際に学んだことをどのような場面でどう活かすかを経験できます。
実際の様子は、上司との協働体感研修ー公開講座研修レポートから御覧いただけます。

スキルや知識はあるけど、具体的にどのように業務に活かしたらいいのかがわからず、学んだことを活かせていないという状態にならないようにしましょう。

コンテンツ④適度な休憩をとる

新入社員の研修で、適度な休憩を取り入れることも必要です。休憩することによって頭を整理できます。内容についていけていない人はその時間を使って追いつくこともできます。また、休憩をすることで疲れずぎて集中できなくなってしまう、ということも防ぎます。
新入社員の状態を見て、適切なタイミングで休憩の時間を設けることも、研修効果を高めるポイントになります。

講師①登壇実績を確認する

講師は登壇実績のある人のほうが安心して任せられます。登壇実績が多いほど、新入社員の状況を見ながら柔軟に対応できる人が多いためです。
ただ、必ずしもイコールというわけではないため、講師登壇に対してどのような想いがあり、受講生にどのような想いを伝えてきたのか?という観点でも確認するようにしましょう。
同じコンテンツであっても講師の質によって、最終的な学びの質は変わってきます。外部講師に依頼する場合は、信頼して任せられる講師に依頼できるようにしましょう。

講師②目的をしっかりとすり合わせる

講師と新入社員研修の目的をすり合わせられていることも大切です。目的が合っていたら、状況に応じて柔軟に対応しても、研修の目的を達成することができるためです。

アーティエンスでは、研修ごとにラーニングポイントを設定して、そのポイントをしっかりと伝えられるようにすることを講師にも伝えて実施しています。

例えば、当社のビジネスマナー研修では「信用や関係性を高めていくための自身と相手や場を大切にしたビジネスマナーの考え方を学ぶ」という目的のために下記のラーニングポイントを設けています。

1)ビジネスマナーを実践することの意義と、与える影響を理解する
ビジネスマナーを単なる「型」をとして覚えるのではなく、ビジネスマナーを実践することの意義や目的から理解します。その上で、ビジネスマナーを実践することで得られる相手からの信用や関係構築などの影響を知ります。

2)ビジネスマナーの基本となる「相手目線」を意識する
どんなに完璧なビジネスマナーでも「相手目線」が欠けていては、本来の意味を成しません。ロールプレイングや間違い探しワークを通じて、相手や状況によって受け取る印象に多様性があることを理解し、相手や場に応じたビジネスマナーを習得します。

3)ビジネスマナーを通じた「個性の発揮」を考える
ビジネスマナーは単に堅苦しいものではなく、自身の個性(強み)を発揮できるツールでもあります。ワークを通じて、そのことを理解し、ビジネスマナー実践への不安や苦手意識を軽減します。

目的とラーニングポイントを明確にしておくことで、新入社員の状態に合わせて柔軟な研修を行えるようになります。

このような効果的な研修を行うために必要な要素を知って、それらをクリアしている研修を実施するようにしましょう

新入社員研修の設計プロセスを理解し、効果的な研修にするための要素を意識して研修を設計することで、新入社員の成長を促し、組織の成長にも繋げることができるようになります。

2)新入社員研修の担当として、研修効果をより高めるためにすべきこと4選

新入社員研修の担当者として、新入社員と組織の成長を促す新入社員研修の設計だけでなく、研修前後や講師となったときにできることもあります。研修効果をより高めるためにすべきことを4つ紹介紹介します。

・研修前に新入社員に背景や必要性を伝える
・研修後に定期的なリマインドを行う
・研修で見えた個々の特性を現場の育成につなげる
・自身のファシリテーション力を鍛える

研修前に新入社員に背景や必要性を伝える

新入社員に、新入社員研修の背景や必要性を伝えるようにしましょう。理由があり、その理由に納得できると、新入社員のインサイドアウトが促されるためです。

具体的には「なぜ、このタイミングでこの研修を実施することにしたのか」「研修後、どのような状態を期待しているのか」などを研修前に伝えておきます。

これらのことを伝えることで、新入社員は、組織から期待されているという感覚も得ることができます。そのため、適度な緊張感と期待してもらえていることへの嬉しさも持って、主体的に新入社員研修に参加できるようになります。

研修後に定期的なリマインドを行う

新入社員の研修後に、研修で学んだことをリマインドしましょう。研修だけでは身につけるところまで持ってくことは難しいためです。

人の忘却のメカニズムの研究として、「1日後には34%、1か月後には21%しか記憶した内容を覚えていない」という研究結果(Ebing Housの忘却曲線)があります。 エビングハウスの忘却曲線画像参照:エビングハウスの忘却曲線

この実験は無意味な単語を覚え、その後の記憶の定着率を表した実験結果のため、意味のある研修の内容にはそのまま適応できませんが、1日経てばかなりの部分を忘れてしまうことは確かです。 研修での学びを記憶に留めるだけでなく、認知・行動変容へと繋げていくには、定期的なリマインド(刺激)やフォローは不可欠と言えます。

リマインドの具体的な方法を2つ紹介します。

日報

日報で、研修で学んだことをどう活かしたのかを記載する方法です。日報に書かないといけないということから、仕事を行う中で研修で学んだことを活かせないか意識しやすくします。

例えば「研修で学んだことを今日の仕事の中でどのように活かしましたか?」という設問を日報の中に設けることで、無意識的にも研修で何を学んだのかを思い出すことにつながり、リマインド効果となります。研修で学んだことを思い出す回数や、テキストを見直す回数が増えると何度も思い出すため記憶に定着しやすく、学びを定着させることにつながります。

【参考コラム】
新入社員の日報フォーマット│日報の書き方と成長につなげるコツ

バトンメール®

バトンのように特定のグループの中で研修で学んだことをどう活かしたかを記載したメールを回していく方法です。(メール以外にも、グループチャット等で実施も可能です)

他のメンバーが研修で学んだことを仕事でどう活かしているのかを知ることができ、学びの活かし方の幅を広げることができます。終了のタイミングは、担当が3回程度メールが回ってくるタイミングあたりがおすすめです。

【具体的な進め方】
1. 新入社員に意識して欲しいことを基にメール文言を考えます。
2. 新入社員をグループ(4~6人)に分けます。
3. 各グループのなかで1名指定し、その方からバトンメール®をスタートします。
4. メールを作成し、グループメンバー全員にメールを送ります。
5. メールの文末に、次にメールを送ってほしい人を指名します。
6. 指名された人は、次の1週間内にメールを作成し、グループメンバー全員に送ります。
7. メールの文末に、次にメールを送ってほしい人を指名します。
※ 6~7を繰り返します。

【バトンメール®を実施する際のポイント】
・文頭でアイスブレイクを入れる
・メールの順番は新入社員に任せる
・人事もCCに入れ、メール送付が遅れている場合は声掛けをする
・終了時期を決める

【参考:バトンメール®サンプル】バトンメール®サンプルバトンメール®は、人事や新入社員の負担が少なく実施できるためおすすめです

研修で学んだことを思い出して記憶に定着してもらうためにリマインドすることが大切です。リマインドを行う機会を作ることで、新入社員研修の効果を高められるようにしましょう。

研修で見えた個々の特性を現場の育成につなげる

新入社員研修で新入社員のことを観察し、特徴を掴みましょう。そしてその内容を育成につなげることができると新入社員の成長を促しやすくなります。

例えば、新入社員研修の様子を見ていて、何か考えてはいそうだけど積極的な発言はせず、聞かれたら答えるスタンスの新入社員がいたとします。その様子を見て、それが現場でも起きている可能性があると感じたら、そのことを育成トレーナーに伝えます。そして、そのための対策として会議などで意見を発言するときは育成トレーナーから新入社員に意見を確認してみる、などの対応をすることで、新入社員から意見を聞けるようになるかもしれません。

新入社員研修は、新入社員の特性を観察できるチャンスです。新入社員の様子や課題との向き合い方を観察して、育成につなげられるようにしましょう。

自身のファシリテーション力を鍛える

新入社員研修の担当者として、自身のファシリテーション力を鍛えることをおすすめします。特に内製で研修を行い、自身が講師として参加する場合は必要なスキルです。

ファシリテーターとは、「場・コミュニティに関わる人々の当事者意識・主体性を、最大限発揮することを促す存在」です。そうすることで、成果物の品質と関係の質が高まります。

新入社員研修は、講師として教えることも重要ですが、新入社員が学ぶ意識になるようにファシリテートすることも必要です。ファシリテーションは、学び経験を重ねることで、より良くしていくことができます。

アーティエンスでは、ファシリテーション研修を実施していますので、興味のある方はぜひご覧ください。また、「【ファシリテーション手法】すぐ使える12選│場創りから行動変容まで」のコラムもおすすめです。

このように、新入社員研修の担当として、新入社員研修をより良くするためにできることは様々あります。できることを少しずつ行い、毎年新入社員研修がより良くなっていくように取り組みましょう。

3)新入社員研修の担当になった際の年間スケジュール

新入社員研修の担当になった際の年間スケジュールは次のようになります。

4月 5月 6~8月 9月 10月 11~2月 3月
新入社員導入研修 配属前
研修
フォロー研修 内定者研修 フォロー研修
次年度の研修企画 次年度の研修準備

新入社員研修を4月、9月、3月に実施している会社の年間スケジュール例です。

新入社員研修の担当としてこのようなスケジュールになることを想定した上で、それ以外の仕事を行えるように調整しましょう。

【参考コラム】
新入社員研修のスケジュール|新入社員が最大限の学びを得るために
新入社員研修は6か月間がベスト?成長に繋がる研修内容・スケジュール例

4)まとめ〜アーティエンスは効果的な新入社員研修でサポート〜

本記事では、新入社員研修の担当になった方に向けて、新入社員研修の担当者としての役割を明確にし、その上で、新入社員研修の設計方法や効果的な研修を行うための方法をお伝えしました。できることを少しずつ行い、毎年新入社員研修がより良くなっていくように取り組みましょう。

アーティエンスでは、新入社員の担当者を、学術的な背景や経験がたくさん詰まった効果的な新入社員研修でサポートします。
当社の新入社員研修は、本記事で紹介した効果的にする方法を取り入れた内容になっています。詳しい情報を知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください