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【事例付き】新入社員研修の内容例!成功のカギを深掘り解説
- 社会人としての土台を築き、活躍人材へと育成するための最初のステップである新入社員研修。本コラムでは、新入社員研修で取り入れるべき内容例や効果を高めるためのカギ、そして事例を詳しく紹介します。本コラムを参考に新入社員研修の内容を選定し、新入社
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本内容は、2024年4月2日に開催した「社会人の自覚研修」の公開講座研修レポートです。
受講内容や、受講前と後の変化をまとめています。
目次
社会人になることを前向きに捉え、活躍・成長するための意識変革を促すことを目的としています。
“社会人のあるべき姿”を一方的に押し付けるのみでは、本当の意味での社会人としての自覚は醸成されません。
本研修では、社会人として持つべき規範やルールを習得しつつ、対話と内省も取り入れ、新入社員自身の内面からの意識変革を促します。
「与えられる立場」から「与える立場」へと立場が変わることを改めて理解します。また、社会人として必要な「顧客満足の担保」「モラルの遵守」「周囲への貢献意識」の3つの観点を学びます。
社会人としての大変さや心構えを理解しながらも、楽しさややりがいといった一面も知り、社会人になることに対してワクワク感やポジティブな意識を醸成します。
自身の特性 (強み・可能性) を活かすことで、小さくても周囲へポジティブな影響を与えていけることを知り、主体性と当事者意識を高めます。
1. イントロダクション
2. 社会人への意識変革と期待:ワールドカフェ
3. 顧客満足:与える側としてのお客様の期待をどう超えていくか
4. モラル遵守:学生としての甘さが、会社に損害を与える
5. 貢献意識:自身の思い込みや独りよがりではない周りへの働きかけとは
6. 明日から、自身はどんな行動を起こすか?
7. 本日の振り返り
研修の始めと終わりに、「今日の研修で期待すること」や、「気づき・感想」などを話す時間を設けています。
研修の初めと終わりの中で出てきたコメントから、変化を感じることができます。
・まだ社会人になったという実感がないです。会社ではチームで仕事を進めることが大事だと思うので、今日のグループワークも頑張りたいです。
・社会人は学生より縛られる部分と自由がはっきりするのかなと思います。あと、成果が求められるようになるところも今までと違うところだと思います。やるべきことが明確になると思うので、そのことに対して成果を出せるようにしたいです。
・システムエンジニアって個人だけの仕事だと思いがちだけど、チームワークも必要なので、チームで働くためのスキルを身につけたいです。社会人としてのマインドを身につけて仕事で活かしていきたいです。
・社会人は与える立場、サービスを提供する立場で、その目線が足りていないことに気が付いた。恥じらいを捨てて、積極的・能動的に動くことが大切だと感じた。
・失敗を恐れずに積極的に行動を起こしていきたいという気持ちの変化が生まれた。仕事は一人で成立するものではない。周囲と相談・コミュニケーションを取りながら、主体的に行動を起こしていきたい。
・顧客満足度を担保させるできても、超えるには、先に起こりうる状態をイメージして、感動、よろこび、信頼を感じてもらうのが、難しいけれど社会人なんだと気づかされた。
・自分の意識が変わった。周囲に対してどのような影響を与えられるのか、貢献できるのかを考えながら動きたいと思った。自立したいという想いがより一層強くなった。
研修開始時は、社会人になった実感がなく、何となく研修に参加している受講者もいました。
しかし、研修終了時には、自ら社会人であるという自覚を持たないと変わっていけないということに気づき、学びを行動につなげる意識を持てている状態になりました。
当社の新入社員研修は、セルフマネジメント力を身につけることを目指した研修となっています。
弊社では、セルフマネジメント力は、4つの力(業務遂行力、巻き込み力、意義付け力、成長力)によって構成されると考えています。
これらを鍛えることでセルフマネジメント力が身に付き、成果や成長を出せるようになります。
近年ではテレワークでも増え、セルフマネジメント力がより求められるようになりました。
※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
また、研修で自身と仲間の成長を最大化するために、当社では5つのルールを設けています。
※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
新入社員のインサイドアウト(新入社員の内側からの変容)を促し、研修に主体的に取り組んでもらうためのきっかけとして、ワールドカフェを行います。
※ワールド・カフェとは、カフェのようなリラックスした雰囲気の中で、少人数に分かれたテーブルで自由な対話を行う対話手法の一つです。
ワールド・カフェでは、「社会人とは何か?」について対話を通して、理解を深めていきました。
※ 研修でのグループワークの様子
問い
・round1 学生と社会人の違いとは何だろう?
・round2 「組織・世の中に貢献し、自身の幸せ度を上げる」社会人とは?
・round3 私たちの未来と今を豊かにするために、社会人のスタートをどのように切るといいのだろう?
アウトプットとして出てきた内容は次の写真のような内容でした。
※受講生のアウトプット
自分たちが幸せでありながらも会社や社会に貢献する人になるために何が必要なのか、ということに意識を向けていました。
新卒採用のページ構成について採用担当の方に意見を伝える、というワークを行いました。
※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
このワークを通して、次のようなことに意識を向ける大切さを学びました。※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
ワークの振り返りでは
などの感想が出てきていました。
また、クライアントに対してただ改善策を伝えるだけでは相手を不快にさせる可能性があるため、伝え方にも工夫が必要だという気づきも得ていました。
社会人は、与えられる立場から与える立場になります。与える立場である以上、成果への評価は相手(お客様・上司)が決める、ということを体験しました。
与える立場としてお客様の期待をどう超えていくか、という顧客満足について学びました。※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
顧客満足を追求するために、日頃からどのような準備・対応が必要かを考えました。
グループで対話をした中で、次のような話が出てきていました。一部をご紹介します。
【顧客満足を得るために必要な準備】
・経験から得た知識
・サービスの理解
・ニーズにあった情報収集
・顧客の調査
【顧客と向き合う際に大切なこと】
・謙虚な姿勢
・顧客目線に立つ
・顧客の課題の先まで考える
・アフターケアなど顧客のことを考えた細やかなコミュニケーション
これらの内容を踏まえながら、当社は顧客満足に関して、次のように新入社員に伝えています。※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
“ないとだめサービス” とは、顧客満足型マーケティングで言われる本質サービスのことを指します。顧客満足を得るためには、「相手が求めること」を正しく理解し、常に行動で示すことが大切である、ということを学びました。
社会人として欠かすことのできないモラルについて伝えました。
学生としてのモラルの甘さが会社に損害を与える可能性があるため、モラルに反するとどのようなリスクが生まれるのかを考えて理解を深めました。
※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
「会社にすごい迷惑を掛けてしまうね」
「不安なことは自分で勝手に判断せず、会社に確認した方が良いよね」
「自分が原因で賠償金とか請求される事態になるのは怖すぎる」
モラルは当たり前すぎて組織から言われないこともあります。
しかし言われてないから守らなくてもいいというわけではありません。
ワークを通して、社会や企業のモラルは一人一人が責任をもって遵守する必要があるという意識が強くなったようでした。
自身の思い込みや独りよがりではない周りへの働きかけとは何か、という貢献意識について、次の課題を通して学びました。※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
講義の前にワークを行い、その後解説する流れで実施しました。
ワークでは、自分の目的だけを見て相手の状況を考えられていないコミュニケーションも生まれていました。
しかし、講義で以下のことを伝えると、相手に依頼する際は自分も何かに貢献することで、調整してもらえるようになることを納得している様子が伺えました。※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
貢献するためには、顧客・会社の期待・満足のために自分ができることを提案し、実行する必要があることを学びました。
今まで学んできた、顧客満足、モラル、貢献意識を活かした、顧客満足度を上げるための総合ワークを行いました。
教室を一つの会社、グループを各部署とし、解決策を提案してもらう内容です。※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
グループを超えて、働きかけをする受講者の様子も見られました。
しかし、各グループの意向をまとめたアウトプットを提出できたチームは、僅かでした。
※まとめきれなかった受講生のアウトプット
【顧客満足】
顧客満足がゴールになっておらず、自部署の課題解決のみにとどまっているチームが多くありました。最終的な目的は何かを意識し続けることの難しさと大切さを実感していたように見えました。
【貢献意識】
自分の言い分を通すだけでなく、自分たちで変えられるところが何かを話し合えていました。
【モラル】
他部署の確認無く、新サービスを作る約束をしてしまう、といったチームもありました。
実践ワークを通して「意識や行動が足りていなかった」といった気づきを得ている方が多くいました。
顧客満足、貢献意識、モラルは社会人にとって欠かすことのできない意識のため、社会人として仕事を行う際に常に意識することをお伝えしました。
自身のリーダーシップ(周囲へのポジティブな影響)を高めていくために、グループのメンバーで相互フィードバックとして良かった点と改善点を伝えあいました。
相互フィードバック時の受講者の発言
・柔らかい雰囲気が素敵。素敵な意見を持っているので自分の意見も大切にしてほしい。
・まとめるのが上手。方向性がズレたときに正してくれた。
・理解力があって発言が的確で助かった。
・バラバラの意見を綺麗にまとめてくれた。
・あらゆる角度から意見を出してくれた。他の人の意見とか全体の方向性を大切にしてくれていたけど、自分の意見も大切にしてほしい。
・リアクションをくれて嬉しかった。
・ほのぼのして見えるけど情報把握が早かくてすごいなと思った。
・頭の回転が早いと思った。ネガティブな発言をすることはなくてすごいなと思った。
・ポジティブな意見をくれて嬉しかった。
・アウトプットを完成できなかったことを悔しがっていて、それだけ真剣に取り組んでいたってことだからすごいなって思った。
※研修中のグループワークの様子
受け取ったフィードバックで自身の強みと弱みを知った上で、あなたらしいリーダーシップ(パーソナリティベースドリーダーシップ)のタイプについて考えました。
当社ではリーダーシップの種類を10個に分類しています。これは、当社がリーダーシップの研究を行う中で市場調査を行い、リーダーシップの発揮の仕方をもとに、新入社員を次の10のタイプに分けたものです。
※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
自身が強みと感じているリーダーシップを研修期間中により磨いたり、新たなリーダーシップを見つけてもらい、周囲の人にポジティブな影響力を与えていける人になってもらうことを目指してもらいます。
受講者のみなさん、全体的に前向きに参加している方が多い印象でした。
講師の話を真剣に受け止め、ワークを通して素直に気づきを得ていました。
また、「習ったことを、遂行する」「雑多な情報を整理する」ことに、長けていました。
新入社員のみなさんには本日学んだことを意識し続け、社会人としてまずは“与える人”になってもらいたいと思います。
※本研修の内容及び24年度新入社員研修のご案内資料は、下記よりダウンロードいただけます。
5月以降も、新入社員がその時期によって持つ悩みに即した研修を提供していますので、よければご利用くださいませ。
新入社員を対象とした公開講座スケジュールはこちらから確認いただけます。