- [ コラム ]
主体性って、結局なに?研修内で「主体性」を高めるための6つの方法
- 「新入社員や若手社員がもっと主体性を持って行動してほしい」「言われたことは一生懸命やるんだけど、それ以上の仕事はやらず、主体性に欠ける」「管理職なのに、上からの指示を部下に伝えるだけで、主体性が足りない」上記のような「社員の主体
- 詳細を見る
会議の質を上げるには、管理職のファシリテーション力が肝! ~会議を起点に、組織変革を進める~
更新日: ー
作成日:2022.7.12
組織の中では日々行われている「会議の質」について考えたことはありますか。
皆さんが考える、会議の質が高いとはどういう状態でしょうか。
その状態と比較して、みなさんの組織の「会議の質」は高いですか?
会議の課題としてよくお聞きする声としては・・・
・報告会になっていて、意味のない会議が多い。メールで十分
・受け身で、誰も意見を言わない。結局、経営者や管理職が全て決めている
・仕事や責任の押し付け合いになり、建設的に物事が進まない
・課題に対しての施策が決まっても、コミットが低い。会議ではやるといっていたのに・・・
などで、会議が会議の役割をはたしていないことが伺えます。
このような状態に対して、改善が必要だよなとは思いながらも、他の業務で忙しかったり、
解決策が分からないなどで後回しにしてきた方も多いと思います。
しかし、逆の発想で考えると、会議の質が上がれば、解決する課題も多くあるということです。
例えば、先ほどの課題が解決すると、以下のことが得られるようになります。
・会議に参加している全ての人が当事者意識と主体性を持っている
・部署・部門間を超えて協働・共創関係になり、事業課題・組織課題に対応する
・決まった施策に関して、コミットを高く取り組む
会議の質をこのように高めるための施策として、アーティエンスでは管理職のファシリテーション力が肝になると考えています。
管理職は、自部署の会議や、他部署との会議、そして時には経営会議にも参加します。そのため、管理職のファシリテーション力が上がれば、自組織の会議の質は上がっていきます。
本コラムでは、管理職のファシリテーション力を上げることで会議の質が高くなり、組織力が高まるアプローチ方法をお伝えします。
ファシリテーション研修を実施して、会議の質を高めませんか?
会議の質を高めるためには、ファシリテーターの基礎知識とスキル習得が必要です。ファシリテーションスキルを身に付けることで以下のようなメリットがあります。
- 会議の生産性が向上する
- 新しいアイデアが出やすくなる
- 会議の内容を上手く整理できる
- ネクストアクションの解像度が上がる
今すぐファシリテーション力向上研修のサービス資料をダウンロードして、自社の会議の質を向上させる一歩を踏み出しましょう。
目次
1)ファシリテーション・ファシリテーターとは?
まずは、始めに前提としてファシリテーション・ファシリテーターとは何かを簡単にお伝えします。
※ 当社、ファシリテーター研修より抜粋
※ 当社、ファシリテーター研修より抜粋
ファシリテーターは、中立な立場で参加者の話し合いの場を創るため、会議にファシリテーターがいると、会議がよりよくなるいうことをお判りいただいたかと思います。
2)会議の質とは何か?そして、会議の質を上げる必要性とは何か?
次に「会議の質」と「会議を行う目的」を説明します。
会議の質とは、会議で求められるアウトプットの質が高く、そして会議参加者の関係の質(時には会議に参加はしていなくても会議の目的に関係がある社員同士も含まれる)が高くなることを指します。
そして、会議の目的ですが、会議毎にさまざまにはなりますが、抽象度を上げると、下記になるかと思います。
「チーム・組織のパフォーマンスに対して、好影響を与えること」を指します。
会議の質が高まれば、「チーム・組織のパフォーマンスに対して、好影響を与えること」がより高まります。
ただし、会議の質が低ければ、逆効果になることさえあります。
それでは、会議の質とは、どのような観点で見ていくとよいのでしょうか。
ファシリテーションの世界では、タスクとメンテナンスという言葉があります。
タスクとは会議終了後に出る成果物と考え、メンテナンスとは人間関係と考えると分かりやすいです。
例をあげるのであれば、タスクの質が高い場合とは、会議の目的・目標を達成するための成果物が出て、決まるべきことが決まっている状態になります。メンテナンスに関しては、会議終了後にチームの一体感が出て、より施策へのコミットが上がったり、組織・チームへのエンゲージメントが高まっている状態です。
この二つの軸で考えると、会議の質は分かりやすくなります。
※ 当社、ファシリテーター研修から抜粋
上記図の右上に行っていたら、会議の質は高いでしょう。
ただし右下にいる場合は、「目標達成ができていないにもかかわらず、なあなあになっている」などがあるかもしれませんし、左上にいる場合は「アウトプットは出ますが、協力関係やコミットが低い」こともあるかもしれません。左下は、「会議をする意味があるのか?」というレベルかもしれません。
右上の会議を増やしていくためにも、ファシリテーション力は必須です。
もちろん会議に参加者全員がファシリテーション力を持てているといいのですが、その中でも特に多くの会議に関わる管理職がファシリテーション力を高めていくことは、とても重要です。
3)管理職がファシリテーション力を高めるには?
管理職のファシリテーション力を高めるには、どうしたらいいのでしょうか?
抑えておきたいポイントは、2点です。
「管理職自身の影響力の扱い方」と、「ファシリテーションスキルの習得」になります。
1. 管理職としての影響力を知り、あり方(Be)を高める
ファシリテーション力を高めるためのスキルややり方を学ぶことも重要ですが、最も重要なのは、管理職の存在です。
ファシリテーターの立場を取る管理職の影響は大きいため、管理職自身の態度・あり方を高めていくことが必要です。
※ 当社、ファシリテーター研修より抜粋
例えば、「対話で施策を決めよう」と伝えているにもかかわらず、自身の答えが決まっていて無理やりそこに落としていくファシリテーターでは、タスクもメンテナンスも高りません。
それは、どんなにファシリテーションスキルを使っていても、無意味です。
「対話で施策を決めよう」と伝えている以上、自身の答えがあっても、対話を通して、メンバーと共に探求し、素晴らしいアウトプットを共創・協働していくことが重要です。
【関連記事】組織の対話力はファシリテーション研修で高められる|実施企業に起きた驚きの変化を事例で解説
管理職の在り方を高めていくには、成人発達理論で言われる垂直的成長が必要になってきます。
※ 当社、ファシリテーター研修より抜粋
それでは、垂直的成長をどのように行えばいいのかというと、適応課題と向き合い乗り越えていくことで成長を促せます。
下記コラムで、適応課題の向き合い方に関して、詳しく書いておりますので、よければこちらも参考にしてください。
■今、管理職に渡すべき”課題の分け方・向き合い方”ー技術的問題と適応課題ー
2. ファシリテーションスキルを身につける
もちろん垂直的成長が行われ、管理職のあり方・態度が高まったとしても、スキルがなければ、会議の質は高まりません。
ファシリテーションスキルは、さまざまあるため、まずは「自身がタスク寄りか?メンテナンス寄りか?」を考えていく必要があります。その上で、自身が得意な部分は強化し、不得意な部分は改善していく必要があります。
例えば、タスクに苦手意識を持っている方に関しては、「議論を構造化するためのファシリテーターに必要なロジカルシンキング」や「合意形成の方法」を学ぶ必要がありますし、メンテナンスに苦手意識を持っている方は、「場創り」や「共創・協働の場を創る」ための方法を学ぶ必要があります。
下記は一部参考として、当社のファシリテーター育成コースの資料をご紹介しますので、参考にしてください。 ※ 当社、ファシリテーター研修より抜粋
※ 当社、ファシリテーター研修より抜粋
これらのようなスキルを学ぶことで、ファシリテーションのスキルを高めることができ、そのことによって、会議の質も高められるようになります。
ファシリテーション研修を実施して、会議の質を高めませんか?
会議の質を高めるためには、ファシリテーターの基礎知識とスキル習得が必要です。ファシリテーションスキルを身に付けることで以下のようなメリットがあります。
- 会議の生産性が向上する
- 新しいアイデアが出やすくなる
- 会議の内容を上手く整理できる
- ネクストアクションの解像度が上がる
今すぐファシリテーション力向上研修のサービス資料をダウンロードして、自社の会議の質を向上させる一歩を踏み出しましょう。
【関連記事】より良い決定を導くファシリテーションスキルは4つ|実践ポイントと具体例
4)管理職がすぐできる会議の質を高めるアプローチ方法
ファシリテーション力は、様々なスキルの組み合わせによって成り立つため、身につけることが難しい所もありますが、今回はその中でも、管理職がすぐ活用できるファシリテーションスキルをお伝えできればと思います。
部内会議、他部署・他チームとの会議、事業部・経営者会議と、3つの場面で良く起きる困りごとに対して対応しているスキルになります。
1. 部内会議でのアプローチ ~目的と目標を明確にする~
まずはじめに、会議で何を扱うかを明確にするということです。
会議の種類は、4つあると言われています。
※ 当社、ファシリテーター研修より抜粋
これらの4つのいずれか、もしくは掛け合わせで会議は成り立っています。
何のための会議か分からないと、メンバーから「何のための会議か分からない」という意見が出てくることになります。そして、「意見が全くでない」、もしくは「やると言ったのに、実行されない」ということも起きます。
会議の始めに、会議の目的・目標を確認するだけでも、参加者が改めて同じゴールを向くことができるのでお勧めです。
会議の目的・目標をしっかり考えるだけでも、会議の質は変わります。
例えば、下記の目的・目標ではどちらの方が会議の質は高まるでしょうか?
※ 当社、ファシリテーター研修より抜粋
B社のケースだと「ただ売上を達成するための会議」ですが、A社のケースは「売上達成だけではなく、戦略・戦術のPDCAを回るための情報を収集し、経営陣など上層部に情報を渡すこともできます。そして『売上を達成すること』と『顧客への価値を高めること』を、両立するための施策をチームで考えること」になるため圧倒的に左の目的・目標の方が会議の質は高まります。
会議の目的・目標も設定など会議をデザインするフレームワークで、OARRというものがあります。
こちらもご紹介させていただきます。こちらを活用すると、会議の進め方が明確になります。
※ 当社、ファシリテーター研修より抜粋
目的・目標の確認とOARRのフレームワークを活用するを考えるだけでも、部内会議の品質は高まっていきます。
2. 他部署・他チームでのアプローチ ~対立関係を明確にする~
次に
他部署や他チームとの会議です。
目的・目標をすり合わせ足しても、他部署との会議では、部内会議より自部署の都合ばかり目が行き、対立関係や衝突が起こるケースが見られます。さらに悪い場合、問題があっても、対立すら起きず、問題から目を背けて、終わってしまうことも往々にあります。
それでは、他部署との会議で、対立関係を浮き彫りにし、それを乗り越えるにはどうしたらいいのでしょうか?
まずは、それぞれの部署の認知を見ていく必要があります。
すぐ見える結果や行動だけではなく、各部署の取り巻く環境や、認知の状態を丁寧に確認していきます。
※ 当社、ファシリテーター研修より抜粋
そのあと各部署が、win-winになれるにはどうしたらいいかを探求します。その際にまずは現時点でどのような状況になっているかを確認していきます。
その際には下記のような図を書いて可視化するのがおススメです。
※ 当社、ファシリテーター研修より抜粋
次にどのように対立関係を乗り越えていくかを考えていきます。時には、目的・目標を見直します。
対立関係が解消できない場合は、勝ち負けという文脈にせず、意思決定により痛みを伴った部署・人に対して、配慮・フォローを行うことも必要でしょう。
対立関係や衝突は、組織が発展するためには、あって当たり前ですし、必要な要素です。
ただし、どちらかの部署の勝ち負けのような扱いにすると、わだかまりを残していくことになりますし、臭いものに蓋で終わらせてしまうと、発展性はありません。
対立関係や衝突は、組織をよりよくするチャンスとして捉えていく必要があるのです。
3. 経営者・事業責任者でのアプローチ~上司の認知を広げる~
最後に、経営者会議など発言が難しい会議でのアプローチです。
部内会議や、他部署との会議と比較すると圧倒的に難易度が上がります。
経営者から自部署の報告を行い、一方的に質問と指示命令を行うだけの会議も多いように思います。ただし、これでは会議の質は高いとは言えません。
管理職が、経営者の意思決定に良い影響を及ぼしていくにはどうしたらいいのでしょうか?
VUCAと言われる現代において、経営者だけの判断で、意思決定の質を高めるには、限界があります。
だからこそ、管理職が経営者の意思決定の質を高めるための働きかけが必要になります。
現場で起きていることを適切に伝えていく必要があるのです。
ただ、この伝えるということに対して、難しさを感じている管理職の方も多いかもしれません。
「意見を伝えても、経営陣は耳を傾けない」、「意見を言って、評価が下がるのは嫌だ」ということもあるでしょう。
そして、経営陣も、自身の意見や考えを頭ごなしに否定されるのは、面白くありません。
その場合は、「問いを投げる」を行ってはいかがでしょうか。問いを投げて、認知を広げて、共に探求していくということです。
まずは、下記観点から問いを投げて見るといいかもしれません。
・時系列の観点
・立場の違いの観点
・抽象と具体の観点
例えば、経営陣の意思決定に不安がある場合は、一例としてそれぞれ下記のような問いが投げられるかもしれません。
時系列の観点 : 「過去の施策●●との違いは何か?」
過去に失敗した施策があれば、注意喚起になるかもしれません
立場の違いの観点 : 「現場の社員が、今回の方針を実施した時、組織へのエンゲージメントはどうなるのか?」
エンゲージメントという観点を考えることで、現場への伝え方ではなく、本質的な内容を提示することも可能です
抽象と具体の観点 : 「今回の施策で、最も大切にしていることは何か?」
最も大切にしていることに言及があれば、他のアイディアを伝えることもできるかもしれません
※ もちろん伝え方や、日頃からの上司や経営者との関係性も重要です。
VUCAと言われる時代においては、経営者の立場も現場の立場も分かる管理職が、組織の意思決定に対して、強い影響を与えていくことが、必要不可欠です。
その際、問いはとても心強いツールになります。
5)まとめ
会議の目的とは、「チーム・組織のパフォーマンスに対して、好影響を与えるもの」です。
「無駄な会議を無くす」、「会議を短くする」という問題意識もありますが、全ての会議は無くなることはありませんし、時間がかかる会議もあります。
もちろん意味のない会議は無くし、時間も短くすることは必要ですが、それだけに目が向くと、いいことはなにもありません。
いかに会議の質を上げて、現場の業務遂行につなげていくことが必要なのではないでしょうか。
そして、会議の質を上げていくには、多くの会議に携わる管理職が起点になることで、大きなインパクトを与えられます。
近年のVUCA時代に管理職のファシリテーション力の向上は、必須と言っても構わないでしょう。
その際、ただ管理職のファシリテーションスキルを上げることに目を向けるだけではなく、管理職自身のあり方・態度にも目を向けていくことが重要です。
スキルをいくら身に付けても、管理職が信頼に値しなければ、効果は半減します。
アーティエンスのファシリテーター研修は、ファシリテーションスキルだけではなく、管理職自身が自身のあり方と向き合う内容になっています。
公開講座・派遣型共に提供しておりますので、興味がある方は、ぜひお問い合わせいただければと思います。
詳細は、下記より確認が可能です。
本コラムにより、みなさんの組織の「会議の質」が高まり、組織・チームのパフォーマンスが上がり、社員のみなさんと組織の未来につながると嬉しく思います。
ファシリテーション研修を実施して、会議の質を高めませんか?
会議の質を高めるためには、ファシリテーターの基礎知識とスキル習得が必要です。ファシリテーションスキルを身に付けることで以下のようなメリットがあります。
- 会議の生産性が向上する
- 新しいアイデアが出やすくなる
- 会議の内容を上手く整理できる
- ネクストアクションの解像度が上がる
今すぐファシリテーション力向上研修のサービス資料をダウンロードして、自社の会議の質を向上させる一歩を踏み出しましょう。