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新入社員が辞める「5つのギャップ」|入社前・入社後にできる予防策10選
- 厚生労働省の調査(学歴別就職後3年以内離職率の推移)によると、新入社員が入社1年以内で退職してしまう割合は約1割という結果が出ています。せっかく手間暇かけて採用し、育成した新入社員が「いよいよこれから…」というタイミングで会社を辞めてしまう
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【上司・人事必見】新入社員のお悩みランキングTOP10と対応策
更新日: ー
作成日:2022.11.2
「今の新入社員は、どんなことに悩んでいるんだろう?」
新入社員を育成する人事やトレーナー、上司の立場であれば、誰しもが考えたことがあるのではないでしょうか。
本コラムでは、当社が毎月1回、新入社員に実施しているパルスサーベイGrowthからの新入社員の数値結果やフリーコメントを集計し、新入社員がどのようなことに悩みを抱えているのかランキング形式でご紹介していきます。
フリーコメントは、新入社員からのリアルな声も多く載せています。
また、原因と対策についてもお伝えします。ご覧いただき、新入社員のフォロー施策の企画を進めていただけたらと思います。
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大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。
目次
1)新入社員のお悩みランキング1位は「周囲に働きかけができていない」こと
パルスサーベイGrowthの結果から悩みのランキングを付けると次のようになりました。
※ランキングの付け方や調査方法については、最後に記載しております。
順位 | お悩み内容 | 低評価の回数 | 比率 |
---|---|---|---|
1位 | 自分の役割でないことで、周りのためになると思ったことについて働きかけられていない | 111 | 25.5% |
2位 | 自分なりの意見を持って仕事に取り組めていない | 60 | 13.8% |
3位 | 遠慮せずに、周囲・上司とコミュニケーションをとれていない | 59 | 13.5% |
4位 | 仕事において何を期待されているのか理解しきれていない | 50 | 11.5% |
5位 | 周囲・上司を巻き込めていない | 47 | 10.8% |
6位 | 自身やチームの目的・目標を意識しきれず、仕事に意欲的に取り組めていない | 42 | 9.6% |
7位 | 自組織で成長していけると感じない | 32 | 7.3% |
8位 | 自組織で成長を実感できていない | 29 | 6.7% |
9位 | より良い仕事をするために学び続けていない | 6 | 1.4% |
周囲に働きかけができていない、ということが新入社員にとって1番の悩みになっていることが分かりました。新入社員は教えてもらってばかりで、周りの人に恩を返せていないことが悩みになっているようです。
具体的にどのような悩みがあるのか、フリーコメントの一部をご紹介します。
フリーコメントは「最後に、振り返ってみて感じた、「自身の誇れること・申し訳なく思うこと・これから取り組んでいきたいこと」を教えてください」という設問に対して回答して頂いています。
順位 | お悩み内容 | フリーコメントの一部 |
---|---|---|
1位 | 自分の役割でないことで、周りのためになると思ったことについて働きかけられていない | ・自分のことで精一杯で、他の人の分の業務内容や進捗まで把握しきれておらず大変申し訳なく感じる。 ・忙しい中で先輩を手伝えることが少ない。それに手伝いたい気持ちはあるのに仕事に余裕が持てないためそれができない。 ・時間に余裕がある時は、他人の手伝いができていたが、余裕をなくし、自分の仕事さえ雑になってきている。とにかく時間が足りず、非効率なことが多い。非効率さが、ミスに繋がっている。ロケが終わってからミスに気づくことも多々。準備段階での時間配分ができていなかったと思うので気をつける。 |
2位 | 自分なりの意見を持って仕事に取り組めていない | ・「自分の意見を加えて答える」というのが、私はまだ分からないことばかりで自身の考えを持てず積極的に会話やコミュニケーションを図れていないなと感じた。 ・あまり積極的に自分の意見を言えないので、そこは直したい ・自分の意見・提案が足りない。緊張や焦りがあると言葉が滞る。 |
3位 | 遠慮せずに、周囲・上司とコミュニケーションをとれていない | ・全体業務の引継ぎも終えていよいよ本腰になってきたと感じるがいまだに遠慮をしてしまう。上司にも心を開いてほしいといわれた。気兼ねなく相談できる環境は自分からも積極的に作らなければと思う。 ・忙しい環境には有りますが、質問を後回しにされたりする機会が多く、声をかけにくくなってしまっています。 ・同じチームの先輩、上司の方が地方出張や外出などで会社にいないことが多く、連絡が LINE中心のため、コミュニケーションを取ることの難しさを感じています。また、すでに進行しているチームの中に参加しているので、現状どこまで物事が進んでいるのかといった現状把握の難しさも感じています。 |
4位 | 仕事において何を期待されているのか理解しきれていない | ・まだ自分ができることやできないこと、やっていいこととしてはいけないことの見極めができていないため、当たり前の事でも指示を仰いでしまうことを申し訳なく感じています。 ・何をするべきなのかまだあまりわからないところです。 ・自分のできることの少なさ、スピードの遅さや容量の悪さなどにより期待に応えることができていないとも感じている。 |
5位 | 周囲・上司を巻き込めていない | ・周りから頼まれる業務に追われて自分の仕事ができない。残業で自分の業務をしたり、家でこなしているが限界が来そう。上司も忙しく、周りに頼れる人もいないので諦めるしかないと思っているが、今後も続くかと思うと精神的に厳しい。またチームも浅い関係性しか無いので精神的にきつい。 ・まだ上手く周囲を巻き込んだタスク管理が出来ていないこと。 ・あれもこれも引き受けてしまい手に負えなくなって迷惑をかけてしまったことです。 |
6位 | 自身やチームの目的・目標を意識しきれず、仕事に意欲的に取り組めていない | ・5月はとにかく無力感を感じられた月でした。仕事に使う特有の用語や専門用語から自分がPCのセットアップでさえ分からないことばかりでした。自分が何を行っていて、この作業は何のために行っているのか不明でした。 ・まだ、分からないことばかりで先輩からの指示に対して作業をしている状態であり、なぜ何の目的でこの作業をするのかと意味を考えずただ与えられた仕事を取り組んでいるので今後は自分の行っている作業がどう影響するのかと考えながら取り組んでいきたい。 ・あまり面白みが少ない仕事をしている際に顕著にやる気のなさが出ていると自己評価している。 |
7位 | 自組織で成長していけると感じない | ・何が分からないか分からない状態でやや不安がある。 ・今後のことに関しては、現在のことで精一杯であり、不透明のため、先を見据えた考え方ができるようになりたい。 ・自分が会社で働いている具体的なイメージが未だ持てていないことが申し訳ない。 |
8位 | 自組織で成長を実感できていない | ・努力が足りない?どれだけ、プライベートを削って努力すべきか分からない。自分はプライベートをそんな削りたくないが、努力しなければいけないのも理解している。 ・提出する際に確認の負のループに陥って時間がかかりすぎていること。これから取り組んでいきたいことは、仕事への恐怖心をなくしたい。 ・仕事が手一杯で日々追われている感じがある |
9位 | より良い仕事をするために学び続けていない | ・専門的な知識はあまり身につけられていないと思うので、自主学習に取り組んでいきたい。 ・業務上、IT知識について触れる機会が少ないので、自分から進んで自主学習に取り組んでいきたい。 |
その他 | 体調・メンタルの不調 | ・体調不良が続いていること ・常に元気を出せと、同じことを何度も繰り返し注意されているのに改善できず、申し訳なく思う。 ・打たれ弱い、叱咤激励に対し落ち込んでしまう |
新入社員が書いたリアルなコメントを見ることで、新入社員が何に困っていることを見ることが出来ました。
2)お悩みランキングTOP10の背景にあるものとは
新入社員が抱える悩みの原因を把握していきます。
悩みの背景が考えられていないとフォロー施策としてその場限りの対応になってしまうこともあります。適切なフォロー施策を考えるためにも、悩みの背景を理解を進めましょう。
先ほどのランキングで出てきた悩みの原因について、当社が実施している新入社員の様子や、人事や経営者の皆様と行っている勉強会、Growth Meetingなどで出てきた話を参考に、考えられる仮説を10個お伝えします。
①メンバーとの情報共有が少ない、余裕がない
新入社員の悩みランキング1位の「自分の役割でないことで、周りのためになると思ったことについて働きかけられていない」という悩みについては、メンバーとの情報共有が少ないこと、余裕がないことが原因として考えられます。
コメントにあった、他の人の分の業務内容や進捗まで把握しきれていないというのは、メンバーとの情報共有を行えていない可能性があります。
メンバーの仕事内容は、年数を重ねると何となく何をやっているかが分かりますが、新入社員にとっては全く想像ができないため、理解しきれていないことも多いです。特にテレワーク環境の場合は、他のメンバーが何をしているのか、意識的に情報をオープンにしたり共有しなければ見えてきません。
例えば、経理部の中で、Aさんは○○事業部メインでBさんは△△事業部メインなどということは、新入社員に共有していないと知ることは出来ません。また、テレワーク環境では、部署の中でもトレーナーとしか会話をしていないという話を聞くこともあります。
そして、自分の仕事で精一杯で周りが見えていないというコメントからは、業務量が多いか、計画的に業務を行えていないことが考えられます。どちらにせよ、業務時間に余白が無いことが原因となります。
例えば、誰かに頼まれたことを全部引き受けてしまって、トレーナーが把握していない仕事を抱えていることもあります。他にも、新入社員の日報を見てみると、トレーナーの想定以上の時間をかけて業務を行っている可能性もあります。
このように、自分の役割でないことで、周りのためになると思ったことについて働きかけられていないという悩みは、メンバーとの情報共有が少なく、余裕がないことによって起きている可能性が考えられます。
②自分の意見に自信が無く、安心して発言できる環境ではない
新入社員の悩みランキング2位の「自分なりの意見を持って仕事に取り組めていない」という悩みについては、周りの同僚より経験が浅いため、自分の意見を持っていたとしても自信が無く、自分の意見を持って仕事に取り組めていないと考えられます。
これは、間違っているかもしれないけど、自分なりの意見を言ってみようと思えるような安心できる環境が無いということも影響しているように思います。実際に、新入社員研修の中で、自分の意見に対してどのような反応が来るかわからなくて怖いという発言をしている新入社員がいました。
このように、自分なりの意見を持って仕事に取り組めていない、という悩みについては、新入社員が安心して発言できる環境がつくれていないということも影響して、自分の意見を持って仕事に取り組むことができていないという状況になっていることが考えられます。
③忙しい姿を見ると話しかけづらいと感じてしまう
新入社員の悩みランキング3位の「遠慮せずに、周囲・上司とコミュニケーションをとれていない」という悩みについては、関係性ができていないために、先輩や上司には迷惑を掛けたくないという考えが先行し、業務を前に進めるという目的がおざなりになってしまっていると考えられます。
新入社員が自分とコミュニケーションを取ることによって先輩や上司に迷惑をかけてしまうという思い込みを持ってしまっているようです。
コメントにもあったように、先輩や上司に質問をしたときに後回しにされるという経験や、声を掛けたときに嫌そうな表情をされたというような経験が積み重なると、コミュニケーションを取ることは迷惑になってしまうという思い込みが強くなっていってしまいます。
このように、遠慮せずに、周囲・上司とコミュニケーションをとれていないという悩みについては、新入社員が自分とコミュニケーションを取ることで先輩や上司に迷惑をかけてしまうという思い込みの上に、さらにネガティブな経験をすることで、ますます話しづらくなってしまうと考えられます。
④長期的な期待のみ渡されて、具体的にいつの段階でどこまでを期待されているのかが明確になっていない
新入社員の悩みランキング4位の「仕事において何を期待されているのか理解しきれていない」というお悩みについては、上司や組織から期待されていることを新入社員が理解しきれていないことが原因として考えられます。
半年後や1年後にどうなっていて欲しいかは伝えていても、そのために具体的に今の時点でどの段階までできるようになっていることが求められているのかが分からず悩んでしまっている可能性があります。
例えば、半年後に、Aサービスの営業が一人でできるようになるということが期待されていて、そのことは新入社員も理解できているとしましょう。しかし、半年間の期待に答えてもらうために1か月後はここまでできていたらOKなどの指標が無いと、新入社員は2か月目から、まだAサービスのについて1人で営業ができる状態ではないから、期待に応えられていないと感じてしまうのです。
半年までにできるようになって欲しいという期待のため、2か月目で達成出来ないのは当たり前ですが、その途中の期待が無いと新入社員は焦ってしまい、自分はいつまでも期待に答えられていないと自分を責めてしまう、ということが起きます。
このように、仕事において何を期待されているのか理解しきれていない、という悩みについては、短期的なスパンで期待していることが明確になっていないことが原因となります。
⑤仕事はチームでするものだということが実感できていない
新入社員の悩みランキング5位の「周囲・上司を巻き込めていない」という悩みについては、仕事は1人でするのではなくチームで行うものだということが実感できていないことが悩みの原因として考えられます。
自分に依頼された業務は、一人でやり遂げなければならないと考えてしまっているため、協力してもらうことが良くないことになってしまっている可能性があります。
当社の新入社員研修でケーススタディを行うときも、上司役の講師に相談しても良いですよと伝えているにも関わらず、自分たちだけで悩んでしまい、時間内に質の良いアウトプットが出来なかったということがよく起きています。
このように、周囲・上司を巻き込めていないという悩みについては、仕事はチームで行うものだということが実感できていないことが原因として考えられます。
⑥自身やチームの目的・目標を理解できていない
新入社員の悩みランキング6位の「自身やチームの目的・目標を意識しきれず、仕事に意欲的に取り組めていない」という悩みについては、自身やチームの目的・目標を理解できていないことが原因として考えられます。
目的や目標を理解しきれていないのは、目的・目標が新入社員にとってイメージしきれていなかったり、明確になっていない場合が多いです。
例えば、チームの目標として今月末までに1,000万売り上げるとします。そのときに、新入社員は自分がどのように動くとチームの目標に貢献できるのかが、イメージしきれず、とりあえずひたすらアポイントを取ることを行い、その結果、仕事が作業的になってしまい意欲を失ってしまうということが起きます。
このように、自身やチームの目的・目標を意識しきれず、仕事に意欲的に取り組めていない、という悩みについては、目的・目標を理解しきれておらず、自分がやっていることが目的・目標に近づくための行動なのかが分からなくなることが原因となります。
⑦明るい未来が想像できていない
新入社員の悩みランキング7位の「自組織で成長していけると感じない」という悩みについては、自組織にいる未来に希望を持てていないということが原因として考えられます。
新入社員が思い描いている将来なりたい姿になれなさそうとか、憧れる先輩がいないと、自組織の中で成長をイメージしていくことは難しくなります。
例えば、有名な商品の製造に関わりたいという想いで入社した新入社員が、入社して3年間は工場勤務で、工場勤務の人としかほとんど関わりが無く何を作っているのかも分からないという状態が続くと、希望していた未来像を描けなくなってしまうということも起きます。
このように、自組織で成長していけると感じない、という悩みについては、新入社員が働いている環境の中に目指したいと思えるローモデルがいないと抱えやすい悩みになります。
⑧成長を振り返る機会がない
新入社員の悩みランキング8位の「自組織で成長を実感できていない」という悩みについては、成長を振り返る機会がないため、成長していても実感できていないことが原因として考えられます。
新入社員の間は、日々初めての仕事を行っていくため、課題は次々と出てきます。そのため、振り返るということをしないと、自分が成長できていることに気が付くのが難しいのです。
例えば、新入社員が入社した4月から半年後の9月の間に、成長していることは山ほどあります。社会人としての意識や、マナー、基本的なビジネスマナーも成長しているはずですし、配属後の業務も配属直後に比べると共有言語も理解できるようになり、仕事のペースも早くなっているはずです。
いろいろできるようになっているにもかかわらず、自組織で成長を実感できていない、という悩みを持ってしまうということは、振り返る時間を持てていないだけなのです。
⑨仕事に対して主体的になれていない
新入社員の悩みランキング9位の「より良い仕事をするために学び続けていない」という悩みについては、仕事に対して主体的になれていないことが原因として考えられます。
仕事に対してあまりやる気がなく、言われたことだけやればいいやと考えていると受け身の姿勢になってしまいます。一方、仕事に対してもっとこうしたいという自分なりの意欲があると、学びは自然と行えるのです。
例えば、仕事に対して主体的になれていないと、ITのスキルをもっと勉強しないとお客さんに満足してもらえないなと思っても、今日は疲れたからなどと理由をつけて学ぶことはしません。主体的になれていると、時間があまりとれないという状態でも参考本の1章だけでも読もうとか、ITスキルについて解説しているYouTubeを観ようなど何かしらできることを探して取り組むことができます。
より良い仕事をするために学び続けていない、という悩みについては、どれだけ仕事に対して意欲を持って取り組めているかが課題となるのです。
<参考>【若手社員研修】で主体性の発揮を促したい!知っておくべき4つのプロセス
⑩フィードバックに対する体制が弱い
新入社員の悩みランキング外で出てきた「体調やメンタルに不調がある」という悩みについては、フィードバックに対する体制が弱いことが考えられます。
ポジティブフィードバックをもらっても素直に受け取ることができず喜べなかったり、ネガティブフィードバックをもらうと落ち込みすぎてしまうということが起こります。
例えば、自分なりの意見を述べてくれた新入社員に対して、「君からの意見をもらえてとても助かった。ありがとう。」とポジティブフィードバックをしても、「いえ、そんなことないです。」と謙遜した言葉が返ってくるのみで嬉しそうにしていないということがあります。また、「この資料にミスがあったよ。このミスって何で起きてしまったの?」と先輩としてはミスの背景を理解したいがために聞いた質問に対して、新入社員は攻められているというように感じ、傷ついてしまうということも起きます。
これは、コロナによってバイトの経験が少なかったり、学校で個性を大切にするということが言われたために注意されるということが少なくなったために、フィードバックを受け取る機会が減少したことが背景として考えられます。
このように、体調やメンタルに不調がある、という悩みについては、フィードバックに対する体制が弱いことが原因として考えられます。
悩みの原因について、当社が実施している新入社員の様子や、人事や経営者の皆様と行っている勉強会、Growth Meetingなどで出てきた話を参考に、考えられる仮説を新入社員が育ってきた背景や、組織の環境の視点からお伝えしています。
そのため、あくまで仮説として扱っていただきたいとこと、特にメンタル不調に関しては、しっかりと状況を把握していただき、フォローしていただければと思います。
3)新入社員のお悩みを減らすための対応策
新入社員が悩んでしまう原因の仮説を考えることができたため、フォロー施策を考えていきます。
1章のランキングで出てきた悩みのフォロー施策について、組織や人事としてできることを10個お伝えします。
①メンバーとの情報共有をする、新入社員の状態を確認する
新入社員の悩みランキング1位の「自分の役割でないことで、周りのためになると思ったことについて働きかけられていない」という悩みに対しては、メンバーとの情報共有をすること、そして新入社員の状態を確認することを行いましょう。
新入社員とメンバーとで情報共有をするということについては、お互いが小まめに情報共有を行い、新入社員自身で、どんな支援をしたらいいか考えられる状態にしておくということです。
そうすることで、他の人の分の業務内容や進捗まで把握できていないという悩みを解消することができます。
共有方法は様々ありますが、例えば、新入社員もメンバーも日報をオープンにしてビジネスチャットに送る方法や、オンラインカレンダーやタスク管理ツールをメンバーで共有して、いつ何を行うかを見えるようにしておくことも方法の一つです。
新入社員の状況を確認するということについては、新入社員が何によって余裕がなくなっているのか、状況を把握することが必要です。
状況を確認して業務量の調整や業務の進め方を改善できれば、余裕が無くて手伝えないという新入社員の悩みを解消することができるためです。
新入社員に起きがちなことは、依頼以上に細かい所に気を付けていて、時間がかかってしまうということがあります。このようなことにならないように、毎日の日報に作業時間を記載してもらって明らかに時間が掛かりすぎている内容について、確認するということを行いましょう。
このように、自分の役割でないことで、周りのためになると思ったことについて働きかけられていない、という悩みに対しては、メンバーとの情報共有をすること、そして新入社員の状態を確認することを行いましょう。
②どんな意見でも受け止めることを伝えて意見を促す
新入社員の悩みランキング2位の「自分なりの意見を持って仕事に取り組めていない」という悩みに対しては、新入社員は意見を持っていても伝えられていないだけの可能性もあるため、どんな意見でも受け止めることを伝えて意見を促すようにしましょう。
まずは、自分なりの意見が求められていると新入社員が自覚することが必要だからです。
意見を促すことについては、例えば、上司が抱えている仕事に対して、「AとBで迷っているんだけど、どっちがいいと思う?」と相談をするなどです。
相談を兼ねた意見の促しは、新入社員からすると上司から頼ってもらえたことの嬉しさもありますし、上司でも迷うことがあるんだということも分かるため、安心感に繋がることもあります。
また、仕事の進め方やアウトプットについて、新入社員が自分の意見で選択できる余白を作っておくと、責任感を感じることになるため、より意欲的に仕事をできるようになります。
このように、自分なりの意見を持って仕事に取り組めていない、という悩みに対しては、新入社員のどんな意見でも受け止めることを伝えて意見を促すようにしましょう。
③忙しいときは素早い対応できないこともあることをあらかじめ伝えておく
新入社員の悩みランキング3位の「遠慮せずに、周囲・上司とコミュニケーションをとれていない」という悩みに対しては、基本的にコミュニケーションは積極的にとって欲しいと思っているけど、忙しいときはゆっくり話を聞いたりすることができなくなってしまうということをあらかじめ伝えておきましょう。
そうすると、質問を後回しにされたり、普段より言い方が強いなと感じても、忙しかったんだろうなと自分の中で納得させることができるからです。
例えば、仕事に追われてイライラしているときは、「え?何で?OK」など言葉が普段より短くなるけど、逸れは、新入社員に対してではなくて、自分の仕事に対してイライラしてしまっているだけだから、気にしないようにしてくれると助かる、というようなイメージです。
このように、遠慮せずに、周囲・上司とコミュニケーションをとれていない、という悩みに対しては、あらかじめ忙しいときは時間をとったり丁寧に説明することが難しくなってしまうこともある、ということを伝えておくようにしましょう。
④短期的に新入社員が目指せる目標を含めた育成計画を立てる
新入社員の悩みランキング4位の「仕事において何を期待されているのか理解しきれていない」という悩みに対しては、短期的に新入社員が目指せる目標を含めた育成計画を立てるようにしましょう。短期的な目標があることで、今何を期待されているのかが分かりやすくなるためです。
年間目標、半年の目標を達成するために、この1か月でどこを目指すか設定します。
※部下・後輩育成OJTトレーナー研修のテキストより抜粋
この例のように1週間ごとの目標も設定することができると、達成したごとに達成感を得ることができるため、モチベーションも維持しやすくなります。
ただ、1週間ごとまで落とし込むことは、時間と労力的に難しいことが多いと思いますので、少なくとも、1か月単位の目標は計画を立てて、新入社員に伝えるようにしましょう。1か月ごとの目標を作成するときは、2つのポイントに気を付けて下さい。
※ オンボーディングの際は、1週間ごとなど上記の内容で対応することが望ましいです。
②目標は達成できたか否かが判断できるように明確になっていること
②については、SMARTの法則に則って作成して頂けるといいかと思います。 新入社員のフリーコメントを見ると、上司・先輩からの期待と、新入社員が期待されていると思っていることに、大きな認識のズレが起きていることが伺えます。新入社員が期待されていることを大きく見積もっていると、自分は中々目標をできないと思いながら仕事をすることになり、メンタル面のフォローが必要になって来る可能性もあるので注意が必要です。
このように仕事において何を期待されているのか理解しきれていない、という悩みについては、短期的に新入社員が目指せる目標を含めた育成計画を立てるということで改善することができます。
⑤新入社員が相談しやすい環境をつくる
新入社員の悩みランキング4位の「周囲・上司を巻き込めていない」という悩みに対しては、新入社員が相談しやすい環境をつくるため、あらかじめ相談の時間を確保しておくようにしましょう。
相談する時間が決まっていると、仕組化しているため相談しないという選択肢が無くなりますし、新入社員は安心して声を掛けられるようになります。
例えば、始業時、お昼前、夕方などタイミングを決めて各15分程時間を確保しておきます。その時間は、仕事を前に進めるためのコミュニケーションを積極的に受け付ける時間として、いつでも話しかけていいという時間にすると、新入社員は安心して声がけすることができるようになります。 これは特にテレワーク環境の企業にはおすすめです。
このように、周囲・上司を巻き込めていない、という悩みに対しては、あらかじめ相談の時間を確保しておくなど、相談しやすい環境をつくるようにしましょう。
⑥自身やチームの目的・目標を新入社員でもイメージできるように明確に伝える
新入社員の悩みランキング6位の「自身やチームの目的・目標を意識しきれず、仕事に意欲的に取り組めていない」という悩みに対しては、自身やチームの目的・目標を新入社員でもイメージできるように明確に伝えることを意識しましょう。目標をただ一方的に伝えても、新入社員が理解できていないと、それは伝わっていることにはならないため、新入社員が目標へコミットすることは出来ません。
上の段階に当てはめてみると、 1段階目が目的・目標を伝えるだけなので、単純に「チームの目標として、1年以内にオウンドメディアのPV数を1,000,000にすることになったから頑張っていこうね。」というような一方的な伝え方になります。
2段階目が目的・目標を伝え、新入社員に不安なところを聞いてフォローするので、「チームの目標として、1年以内にオウンドメディアのPV数を1,000,000にすることになったんだ。これから一緒に頑張っていきたいと思うんだけど、目標を達成するために不安なことある?」というような伝え方になります。相手の想いを考えようとしていることが分かります。
3段階目は目的・目標を渡す人が大切にしている考え方や想いを言語化して伝えることで、新入社員の共感レベルが上がり、関係性を強くできるという段階です。「チームの目標として、1年以内にオウンドメディアのPV数を1,000,000にすることになったんだ。この1年間は、これから会社が大きくなれるかのとても重要な年で、そのためには会社の認知を広げていくことが欠かせない。目標達成のための道筋はこれから検討するけど、その中で大変なことも出てくると思う。でも、私は〇〇さんが各言葉が凄く力を持っていると思っていて、必要な力なので、ぜひ一緒に頑張って欲しいと思っています。〇〇さんはどうですか。」というようなイメージです。
伝えていることは同じですが、伝え方によってだいぶ印象が変わることが分かります。
せっかく良い目的・目標を作っても、新入社員がその目標をしっかり受け止めることができなければ、目的・目標は意味のないものとなってしまいます。
自身やチームの目的・目標を意識しきれず、仕事に意欲的に取り組めていない、という悩みに対しては、新入社員に理解してもらうように伝える伝え方を意識することで解決しましょう。
⑦先輩のストーリーを伝えて、成長イメージを持てるようにする
新入社員の悩みランキング7位の「自組織で成長していけると感じない」という悩みに対しては、先輩のストーリーを伝えて、成長イメージを持てるようにするようにしましょう。自分の先輩方がどのような成長をしているのかが分かると、現在の仕事だけでは見えてこなかった成長できる自分をイメージすることができるようになります。
具体的には、ヒーローズジャーニーという手法があります。ヒーローズジャーニーとは、米国の神話学者ジョーゼフ・キャンベル氏が世界各地の神話を研究する中で、神話には共通するパターンがあることを発見したことから生まれた手法で、人の内面の葛藤やその葛藤を克服するプロセスをストーリーのように伝える方法です。
スタンフォード大学 Jennifer Aaker教授によると、ストーリーで話す方法と論理的・数値的に話を伝える方法とでは、人の記憶の残りやすさに最大22倍差がでると言われています。 先輩方の成長ストーリーが新入社員の記憶に残ることによって、成長予感を高めるのです。
組織の中にいると、何かしらの葛藤や苦労があります。
例えば、それを先輩方がどう乗り越えて今があるのかということについて、新入社員が頭の中で映像を浮かびあげることができるくらい鮮明に内容を伝えるということを行います。そのような話を聞くと、新入社員は今より先の未来を見ることができ成長していけることが理解できるようになります。新入社員は会社のほんの一部しか見えていない状態ですし、始めのうちはどうしても今に目が向きがちです。しかしその先に進めたら面白そうということがあると、成長を予感することができるようになるのです。
⑧1on1や研修で振り返りの時間をつくる
新入社員の悩みランキング8位の「自組織で成長を実感できていない」という悩みに対しては、1on1や研修で振り返りの時間をつくることが必要です。日々次々と課題が出てくる中で、自分が成長できていることに気が付くのは難しいためです。
例えば、1on1で毎月の目標の達成度を確認しながら、具体的にどのような業務を行っていたかを可視化することによって、自身の成果が見えるようになり、自信につながる場合もあります。
当社ではクオーターに1回、成果貢献報告会という場を創り、目標の達成度や3か月間で自身が行った業務を洗い出して発表するということを行います。 このように自身の仕事を振り返る時間があると、意外と色んな業務に携わっていたんだなということに気が付きますし、発表の後に他のメンバーからもらうコメントから、自分では気が付かなかった成長した点に気が付くこともできます。
他にも、半年や1年というタイミングで、成長を振り返り、これまで成長に対してさらなるドライブをかけていくことを目的とした研修を実施するのも効果的です。
当社では、新入社員が入社半年のタイミングで行う新入社員・OJTトレーナー合同研修や、1年後のタイミングで行う1年目フォロー研修などをご用意しております。
自組織で成長を実感できていない、という悩みに対しては、1on1や研修で振り返りの時間をつくるようにしてみてください。
⑨インサイドアウトを促す
新入社員の悩みランキング9位の「より良い仕事をするために学び続けていない」という悩みに対して、インサイドアウトを促すことを意識しましょう。自分の内側から、もっと良い仕事をしていきたいと思えると、より良い仕事のために自然と学び続けることができます。
人事や組織としてできることとしては、新入社員がこれからどうなりたいのか、というありたい姿を新入社員と対話をしながら見つけていくということです。昔は、より高いポジションや給与を目指したいという人が多くいたため、そこに向かってエネルギーを使っていましたが、最近の若手の傾向として、より高いポジションや給与を目指すという人は少なくなっています。そのため、一人一人と丁寧に向き合わなければ、ありたい姿が見えてこなくなってしまったのです。
新入社員とありたい姿について対話をする場合は、憧れの先輩や、将来像、楽しかった仕事や達成感があった仕事、逆に辛かった仕事などを紐解いていくと、段々とありたい姿が形作られていきます。
このように、より良い仕事をするために学び続けていない、という悩みについては、インサイドアウトを促すことを意識して行ってみてください。
⑩フィードバックの伝え方を意識する
新入社員の悩みランキング外で出てきた「体調やメンタルに不調がある」という悩みに対しては、フィードバックの伝え方を意識するようにしましょう。新入社員の伸びしろに期待して伝えているというメッセージが新入社員に伝わると、受け入れてもらいやすくなります。
アーティエンスでは、フィードバックの定義を次のように考えています。
・双方が心から願う未来に向けた成長 を支援するために、提供されるもの
そのため、フィードバックでは次のようなことを意識しています。 まずはこの前提を理解して頂き、そのうえで次の6つのポイントを意識することをお勧めします。
ポイント | 詳細 |
---|---|
1)「5:1」でポジティブを意識 | 5:1の割合を意識して、相手とのポジティブなやり取りを増やす。 無理やり良いことをでっちあげるのではなく、日々のやり取りがその割合になるように関係性を創る。新入社員が職場に馴染むまで(受容感)3か月かかると言われているため、特に入社3か月間は、関係性構築のフィードバックに。 |
2)フィードバックの目的に立ち返る | フィードバックの唯一の目的は「他者の成長を支援すること」であり、フィードバックを行う側がグロース・マインドセットでいることが重要。自身の能力・相手のミスを「認めさせたい」という思考になっていないか、今一度立ち止まる。 |
3)受け手の「自己」ではなく「行動」に焦点を当てる | 受け手の自己ではなく行動にフォーカスする。「あなたは…」ではなく「その行動は…」と行動を主語に伝えると、次の行動がわかりやすくなり、フィードバックの効果が高まる。(ただし、誰しもが認知バイアスを持っているので、意識する) |
4)コンパクトに、日常的に、高頻度で行う | 情報量が多いと受け手に負担がかかり、フィックスト・マインドセットが強化される。フィードバックは的を絞りコンパクトに、日常的に、頻度を高めて行う。(ただし、マイクロマネジメントにならないように注意)受け手が「これならできそう」と思えて、前進感を持てるように。 |
5)業務支援・内省支援・精神支援になっているか | フィードバックは、部下の「業務支援」だけではなく、「内省支援」と「精神支援」としても大切な役割を担う。決めつけや一方的な情報提供ではなく、問いかけによって共に考え、受け手自身の言葉にする。最後に期待もたっぷり伝えて。 |
6)チームで相互にフィードバックし合える仕組み創りを | フィードバックする・されるの固着化した関係性ではなく、チームで相互にフィードバックし合える機会・仕組みを創る。若手がフィードバックを行う場合は、事前にフィードバックしてほしい観点を伝えておく。 |
体調やメンタルに不調がある、という悩みに対しては、何のためににフィードバックを仕様としているのか少し考えてから、伝え方に十分注意してフィードバックを行うようにしましょう。
4)新入社員が抱えている悩みを素早く見つけることがポイント
今まで、新入社員が抱えているお悩みとその原因、対策をお伝えしました。
ここまでで分かる通り、新入社員が抱えている悩みは、原因が分かれば対策して改善することができます。
そうすると、一番のポイントとなるのは、いかに早く新入社員が悩んでいることに気が付くかということです。
毎日朝礼を行うときに、新入社員の状態を確認できるという方は、そこで違和感を感じたときに、声がけをするなどして、対応して頂けたらと思います。
しかし、テレワークを行っていたり、上司やトレーナーが忙しいと毎日顔を合わせるということができない組織も多いいと思います。また、顔を見て話していても、新入社員が内に秘めていることに気が付くことは難しいです。そのため、当社ではパルスサーベイGrowthをおすすめしています。
パルスサーベイGrowthとは、若手・新入社員のセルフマネジメント力・リーダーシップの向上を目的とした、振り返りツール(パルスサーベイ)です。毎月、10の設問に回答してもらい、その数値の変化を見て新入社員の育成をフォローします。
パルスサーベイ実施で得られる効果としては、次のようなことが挙げられます。
・回答者の状態が可視化できる
・繰り返し回答するため質問事項への意識を高められる
・状態・課題が顕在化され、施策を考えやすくなる
月に1度同じ設問について答えてもらうことで、数値の変化を見ることができ、その変化によって新入社員の状態を確認できるようになるのです。
例えば、2022年度にGrowthを実施している方で、8月にいきなり低評価の「1」が多くついた時がありました。
すぐに人事の方に連絡をして状況を確認してもらい、新入社員と対話をしてもらったところ、部署が変更になり、親しくしていたトレーナーの方と分かれたという環境の変化があったことと、新しい部署で会社に関するネガティブな意見を聞くようになり、会社に対して信頼が出来なくなっているということが分かりました。
数値が下がった原因が分かったため、それに対して社内で施策を考えて頂きフォローして頂き、翌月は「1」の評価は無く、少し前向きに仕事に向き合えるようになりました。
このように、定点観測として数値を測っていると変化に気が付くことができるのです。
新入社員の状態や変化を敏感に感知して、新入社員の悩みに気が付くのはとても難しいです。しかし、組織側から悩みに気が付けないと、新入社員は悩みを抱えたまま仕事をし続けることになり、無理だと思った時には退職をするという判断をしてしまっています。
そのため、いかに早く新入社員の悩みに気がつき、フォローできるのかが大きなポイントとなります。
できるだけ早く、次のサイクルを回せるようにするためにも、パルスサーベイGrowthのようなツールを用いて頂けると良いかと思います。
回答セルマネジメントとリーダーシップ開発に関して、当事者意識を育む9つの設問とフリーコメントを毎月1回、計12か月回答
※調査期間:2021年4月~3月 ※調査対象者:2021年度新入社員
※合計サンプル数1,331
※低評価の基準:5段階評価のうち1,2の数値を付けているものを指す
※お悩みとして分かりやすいように設問の内容を否定した内容を記載
※新入社員が回答している元の設問は以下。
ランキング | 設問内容 | 低評価の回数 | 比率 |
---|---|---|---|
1位 | 私は自分の役割でないことも、周囲やチームのために良いと思ったことは働きかけている | 111 | 25.5% |
2位 | 私は自分なりの意見を持って仕事に取り組んでいる | 60 | 13.8% |
3位 | 遠慮せずに、周囲・上司とコミュニケーションをとれている | 59 | 13.5% |
4位 | 仕事において何を期待されているのかを知っている | 50 | 11.5% |
5位 | 周囲・上司を巻き込むことで仕事の品質は高まっている | 47 | 10.8% |
6位 | 自身やチームの目的・目標を意識することで、日々の仕事により意欲的に取り組めている | 42 | 9.6% |
7位 | これから先、自組織で成長していけると感じている | 32 | 7.3% |
8位 | 私は自組織で成長してきていると感じている | 29 | 6.7% |
9位 | 私はより良い仕事をするために学び続けている | 6 | 1.4% |
5)まとめ
本記事では、当社で実施しているパルスサーベイGrowthの数値の回答結果から悩みのランキングと新入社員が記載したリアルな内容のコメントををお伝えし、その悩みを抱える原因と対応策をお伝えしました。
悩み ランキング | 悩み内容 | 原因 | 対応策 |
---|---|---|---|
1位 | 自分の役割でないことで、周りのためになると思ったことについて働きかけられていない | メンバーとの情報共有が少ない、余裕がない | メンバーとの情報共有をする、新入社員の状態を確認する |
2位 | 自分なりの意見を持って仕事に取り組めていない | 自分の意見に自信が無く、安心して発言できる環境ではない | どんな意見でも受け止めることを伝えて意見を促す |
3位 | 遠慮せずに、周囲・上司とコミュニケーションをとれていない | 忙しい姿を見ると話しかけづらいと感じてしまう | 忙しいときは素早い対応できないこともあることをあらかじめ伝えておく |
4位 | 仕事において何を期待されているのか理解しきれていない | 長期的な期待のみ渡されて、具体的にいつの段階でどこまでを期待されているのかを伝えられていない | 短期的に新入社員が目指せる目標を含めた育成計画を立てる |
5位 | 周囲・上司を巻き込めていない | 仕事はチームでするものだということが実感できていない | 新入社員が相談しやすい環境をつくる |
6位 | 自身やチームの目的・目標を意識しきれず、仕事に意欲的に取り組めていない | 自身やチームの目的・目標を理解できていない | 自身やチームの目的・目標を新入社員でもイメージできるように明確に伝える |
7位 | 自組織で成長していけると感じない | 明るい未来が想像できていない | 先輩のストーリーを伝えて、成長イメージを持てるようにする |
8位 | 自組織で成長を実感できていない | 成長を振り返る機会がない | 1on1や研修で振り返りの時間をつくる |
9位 | より良い仕事をするために学び続けていない | 仕事に対して主体的になれていない | インサイドアウトを促す |
その他 | 体調・メンタルの不調 | フィードバックに対する耐性が弱い | フィードバックの伝え方を意識する |
これで分かる通り、新入社員が抱えている悩みは、原因が分かれば対策して改善することができます。 そのため一番のポイントとなるのは、いかに早く新入社員が悩んでいることに気が付くかということなのです。
新入社員の状態や変化を敏感に感知して、新入社員の悩みに気が付くのはとても難しいため、必要に応じてパルスサーベイGrowthなどのツールを上手く活用して頂けたらと思います。
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