【新入社員の離職率】離職率改善のための場面別施策・事例もご紹介!

更新日:

作成日:2023.3.31

3人集まっている男性 新入社員に離職が出てしまった。もう3人目…
離職率を改善するためにできることはあるのだろうか?
そもそも、離職率ってどの程度を目指すのがいいんだろう?

このようなお悩みをお持ちの方が多くいらっしゃるかと思います。

令和3年3月の卒業者が入社1年以内(令和4年3月31日まで)に離職した割合は、全体平均で14.3%でした。最終学歴別にみると、次のようになります。

最終学歴 割合
高卒 平均 16.6%
短大等卒 平均 18.3%
大学卒 平均 12.2%
全体平均 14.3%

※ 引用:新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況を元に算出

離職率は人事部のKPIに設定されやすい数字です。また、求職者が気にする数字でもあり、組織として離職率の数字には強い関心を持たれることが多いです。

そこで今回は、新入社員の【最終学歴別】【事業所規模別】【産業分類別】の離職率と、離職率の目標設定方法、離職率を抑えるための場面別施策についてお伝えします。自組織の新入社員の離職率に対する目標を明確にし、施策を行うことで、新入社員が長く定着できる状態を目指しましょう。

監修者プロフィール

山下 絢加

2013年にアーティエンスに入社。組織開発・人材育成のコンサルタントとして、大手企業から中小企業まで、幅広く研修プログラムの企画・開発・運営を実施。現在は主にマーケティングプランニングを担当。
youtube:中小企業の人材育成・組織変革 専門チャンネル




新入社員研修成功事例集

1)【学歴別】【事業所規模別】【産業分類別】新入社員の離職率の平均

先ほどもお伝えした通り、厚生労働省が令和4年10月に発表した、新規学卒者の離職状況の調査によると、令和3年3月の卒業者が入社1年以内(令和4年3月31日まで)に離職した割合は、全体平均で14.3%でした。
【再掲】最終学歴別

最終学歴 割合
高卒 平均 16.6%
短大等卒 平均 18.3%
大学卒 平均 12.2%
全体平均 14.3%

※ 引用:新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況を元に算出

次に、新規大卒就職者の離職率(令和3年3月の大学卒業者が令和4年3月31日までに離職した割合)を事業所規模別にみると、次のようになります。

人数 割合
5人未満 29.9%
5〜29人 23.6%
30〜99人 16.5%
100〜499人 12.3%
500〜999人 10.6%
1000人以上 8.3%

※ 引用:新規大卒就職者の事業所規模別就職後3年以内※の離職率の推移

また、新規大卒就職者の離職率(令和3年3月の大学卒業者が令和4年3月31日までに離職した割合)を産業分類別にみると、次のようになります。

産業分類別 割合
鉱業、採石業、砂利採取業 0.9%
建設業 11.3%
製造業 5.5%
電気・ガス・熱供給・水道業 3.3%
情報通信業 8.5%
運輸業、郵便業 10.7%
卸売業 9.8%
小売業 15.4%
金融業、保険業 8.1%
不動産業、物品賃貸業 16.7%
学術研究、専門・技術サービス業 12.3%
宿泊業、飲食サービス業 21.0%
生活関連サービス業、娯楽業 24.5%
教育、学習支援業 19.8%
宿泊業、飲食サービス業 21.0%
医療、福祉 13.8%
複合サービス事業 9.5%
サービス業(他に分類されないもの) 16.9%
その他 25.2%

※ 引用:新規大卒就職者の産業分類別(大分類※1)就職後3年以内※2の離職率の推移

このような平均値になっていることがわかりました。会社の状況などによって平均値と自組織の数字にズレがあることもあると思います。あくまでも目安の一つとして見ていただくと良いかと思います。    

2)新入社員の離職率 目標数値の算出方法

新入社員の離職率として具体的な目標数値を設定する際は、先ほどの新入社員の離職率の平均数値も参考にしながら、過去の自組織の離職率や、採用コスト、業務人数の情報を元に算出しましょう。他の組織が5%にしているからなどの理由では、本質的な目標数値になりません。

離職率が高いと、その分、新入社員の採用・育成にかかる費用や時間、人員配置などに影響が出ます。それぞれのリスクを取れるラインを確認し、その情報を元に離職率の目標数値を設定しましょう。

・再採用するための費用はいくらあるのか。その費用で何人採用できるのか。
 ➡︎離職者を出せる人数が決まるため、そこから割り返すと離職率が算出できます

例えば、再採用するための費用が200万あって、自組織の採用コストが一人当たり約90万だったとします。そうすると、再採用できる人が2名となるため、離職者は2名までに抑える必要があります。 今年度の新入社員の採用人数が15名だった場合、2÷15=13.3%で、離職率を13.3%以内に抑えることがこの組織が目標とする離職率になります。

・業務を進めるに当たって、何名までであれば退職者が出たときに業務を回すことができるのか。
 ➡︎離職者を出せる人数が決まるため、そこから割り返すと離職率が算出できます

例えば、再採用のコストがなく、退職者が出ても再採用ができないとします。この場合は、何名減った段階で現場が回らなくなるのかを確認して、離職率を算出します。例えば、新入社員から3名退職者が出たら現場が回らなくなる場合、退職者は2名に抑える必要があります。今年度の新入社員の採用が10名だった場合は2÷10=20%となり、離職率を20%以下にする必要があることがわかります。

離職率は0%を目標にするのがいいのではないかと思う方もいるかも知れませんが、そうとも言い切れません。組織の文化に合わない人をずっと雇い続けることは、組織にとってネガティブな影響を受けるためです。

例えば、細かい部分にもルールがあり、ルールを絶対破ってはいけない組織文化のなかに、枠にハメられ挑戦できないのが苦手という新入社員が入社してしまったとします。この場合、新入社員はその組織にい続けても苦しく、モチベーション高く仕事をすることは期待できません。

このような人を、離職率を0%にしたいからという理由で離職をつなぎとめる施策を行い続けるのは新入社員にとっても組織にとっても良いことではありません。

そもそも離職率を低くしたいのは、長い間組織で働いてもらうことで高い成果を出し続けてもらうためのはずです。しかし、離職率を0%にするために、いやいや組織にいるような人を雇い続けても成果を出せるようになるかというと難しいでしょう。

組織の成長のためという目的を忘れて、離職率ばかりにこだわってしまいがちです。手段が目的にならないよう、目的を再確認した上で、目標を設定することを大切にしましょう。

新入社員の離職率について、目標数値は一概には言えません。自組織がリスクを取れる範囲を確認して設定するようにしましょう。

(参考)ライフイベント(結婚・介護など)による離職
ライフイベント(結婚・介護など)による離職も一定数出ます。

ライフイベントのケースでは、介護に集中したいため、退職するという話も聞きますし、結婚を機にパートナーの勤務地に引っ越しするため、退職しなければならないケースも出てきます。この時にライフイベントでの離職に関しては、テレワークの充実など福利厚生精度を見直すことで、改善は可能です。  

新入社員研修成功事例集

3)【場面別】新入社員の離職率を抑える工夫

新入社員の離職率を抑える方法を場面別にご紹介します。

【採用時】に新入社員の離職率を抑えるためにできる3つの工夫

採用の際は、次の3点を意識しましょう。

・活躍できる可能性があるかを確認する
・自組織の文化(カルチャーフィット)に馴染めそうかを確認する
・情報をオープンにする

活躍できる可能性があるかを確認する

能力要件を明確にして、採用する必要があります。 活躍できる可能性がないと、組織での居場所がなくなります。そして成長や成果も出せなくなると離職に繋がります。

例えば、プログラマーになる人材と、接客業を行う人材では求められる人物像は違います。コミュケーションスキルを取っても、プログラマーは論理的に話したり聞いたりするスキルが求まれますし、接客業は顧客との関係性構築などを求められるでしょう。 ※ もちろんプログラマーでも関係性構築力が求められ、接客業でも論理的思考を用いたコミュケーションも求められますが、優先度の話として例に出しています。

採用人数が足りないということで、能力面で不安がある人材を採用すると、ミスマッチが起きます。 新卒採用の人物像・能力要件を明確にしていくことが必要です。

自組織の文化(カルチャーフィット)に馴染めそうかを確認する

カルチャーフィットできそうかを確認する必要があります。いくら能力が高くても、自組織の文化に馴染めなければ、モチベーションの維持が難しく、また、関係性の構築も難しくなるため、結果的に成果に対しても期待ができなくなるためです。

例えば、チームで目標を達成することをカルチャーにしている組織に、一人で効率よく仕事をしたいという人が入ってくると、組織のカルチャーと合致しません。個人の能力は高くて、成果は出せるかもしれません。しかし、組織の文化に馴染むことができないと、元々いるメンバーにとっても、自身にとっても居心地が良くなくなり、離職に繋がりやすくなります。

自組織の文化に馴染めそうかを確かめるためには、次のような方法があります。

・企業が自社のカルチャーを明確に定義・言語化し、伝える ・面接で採用候補者の価値観を深堀りし、双方の不安点を解消していく ・採用人事・現場社員と採用候補者の面談を実施する ・採用候補者向けに自社イベント・ワークショップなどを実施する ・適性検査を実施する

これらの方法を元に、採用の中でカルチャーフィットできそうかを判断することが必要です。

情報をオープンにする

ネガティブな部分も含めてオープンにしておく必要があります。入社前のイメージと入社後の印象のギャップが大きくなればなるほど、離職をしてしまうことになるためです。

仕事内容や評価制度、待遇などに関しては、お互いに認識のズレが無いようにするのは言うまでもありません。それに加えて、例えば、「一見華やかそうに見える仕事の理想と現実」や「配属希望や下積み期間に対する考え方」など、ギャップの要因になりそうなものは、入社前に解消しておきましょう。実際に働いている社員と会って、リアルな話を聴く機会を設けるのも一つの方法です。

「ネガティブな内容ばかり伝えると、入社を承諾してくれないのでは…?」と思われるかもしれませんが、ネガティブな情報を伏せて入社しても、ギャップが生じて離職に繋がりかねません。結果、企業側にとっても新入社員側にとっても、幸せな状況とは言えません。

ネガティブな情報を開示する際には、企業側が一方的に話すのではなく、就活生の話にも丁寧に耳を傾けることがポイントです。

・会社や仕事内容に対するイメージ ・入社後に理想とする働き方 ・目指すキャリア ・大切にしたい価値観

などヒアリングし、自社で叶えられる魅力付けできるポイントは魅力付けしつつも、入社後ギャップになりそうな部分は丁寧に説明するように心掛けましょう。

【内定~入社時】に新入社員の離職率を抑えるためにできる2つの工夫

受け入れ時(オンボーディング)で意識したいのは次の2点です。

・内定後から関係性を築いていく
・入社から3ヶ月までは、特に丁寧にフォローする

内定後から関係性を築いていく

新入社員の転職理由の上位が人間関係のためです。内定者同士、内定者と既存社員の関係性を早い段階で構築できれば、人間関係のストレスを感じづらくなり離職も起きづらくなります。

人間関係を構築するためのオンボーディング施策として具体的な方法として、次のようなことがあります。

・内定者交流会
・職場見学
・歓迎会
・1on1
・相互インタビュー

・内定者交流会
内定式後に内定者交流会として、これから同期となる人にどんな人がいるのかを知る機会を作ります。そうすることで、同期の人はどんな人なのかという不安が解消されます。

相手のことを知り、自分のことを知ってもらうための自己紹介を始め、今不安に思っていることの共有や、次回の交流会の計画を立てるなどの内容を含むこともお勧めです。

さらに、内定式後に内定者同士で連絡を取り合えるようにすることで、事前に同期間の関係性を構築することができます。同期となる人と関係性を築けていると、入社前後の不安を相談し合えることができ、ストレスになる要素を減らすことができます。新入社員にとって、職場に知っている人がいる、というだけで安心感があり、他の人との関係性の気付きやすさにも影響します。

・職場見学
内定者に対して、職場を見学できる機会を設けます。職場に実際に行くことで、職場の雰囲気や空気感、実際に働いている人の様子を体感することができ、自分が職場で働くイメージを持ちやすくなります。

自分が社会人として、今見ている環境で働くことになる、ということが実感できると、緊張感だけでなく、期待感も感じやすくなります。ポジティブな感情を持って入社してくれると、職場との関係性も築きやすくなります。

・歓迎会
新入社員を歓迎していることを表す機会を作ることも一つの方法です。新入社員は歓迎してもらえていることがわかると、一番はじめに感じる「受け入れてもらえなかったらどうしよう…」という不安を解消することができます。

ただし、歓迎会をしても、その時の空気感として「イヤイヤ参加しています」という人が多かったりすると、逆に配属場所について不安感を増幅させてしまいます。飲み会にネガティブなイメージを持っている新入社員であれば、昼食休憩を長めにとり、少しリッチなランチを行うウェルカムランチでもよいでしょう。

普段からの部署の雰囲気が現れやすい場でもあるため、大前提として部署ごとの関係性を良くしておくことが大切です。

・1on1
定期的に1on1ミーティングを実施することを推奨します。定期的に1on1を行うことで、新入社員のちょっとした不安が解消され、関係構築にも繋がります。

特に始めの1ヶ月間は、15分程度の時間でも毎日1on1を実施することを推奨します。新入社員が積極的に質問がしにくい時期のため、こまめなフォローが必要なことと、関係性構築のためです。毎日1on1の時間を用意するのが難しいという方は、例えば、トレーナー1人で1on1を全て実施するのではなく、チームメンバーで持ち回りで実施する方法があります。持ち回りで行うと次のようなメリットが生まれます。

・新入社員:様々な視点からアドバイスや意見をもらえる。関係性構築にも繋がる。
・トレーナー:育成の時間的な負担軽減、他社員からの育成に関するアドバイスをもらえる。
・トレーナー以外の社員:自身も新入社員育成に携わっているという当事者意識を持てる。

少しでも1対1でコミュニケーションと取れる機会を設けると、関係性を築きやすくなります。

・相互インタビュー
弊社では配属時、新入社員と既存社員が相互インタビューを行い、新入社員への歓迎度合いを高め、メンバーとの関係構築に繋げています。

相互インタビューは、お互いに大切にしている想いや背景を理解し合うことを目的としています。自己紹介シートを配る等の取り組みもあるかもしれませんが、直接コミュニケーションを取り合うことがオンボーディングでは重要なので、相互インタビューを推奨しています。

(参考:相互インタビューシート)
弊社新入社員研修を導入いただいたお客様にオンボーディング支援ツールとしてお渡ししています。

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人間関係に不安なく仕事をできる状態を作れることは、離職を防ぐために重要なポイントです。

(参考)ビズヒッツ社が新卒1年未満で転職した経験がある381人を対象に行った調査
新卒1年未満で転職した理由について、人間関係が1位となっています。  ビズヒッツ社 新卒1年未満で転職した経験がある381人を対象に行った調査 ※ 引用:新卒1年目の転職は厳しい?転職理由やタイミングを381人にアンケート調査

入社から3ヶ月までは、組織に馴染めることに重点を起き丁寧にフォローする

Feldman, D. C. (1977)の調査によると、新入社員が職場の仲間に受け入れられたと感じる(受容感)には、平均2.7カ月かかるという研究結果があるためです。

新入社員のオンボーディング検討にあたっては、「組織社会化(そしきしゃかいか)」の3つの軸を押さえていくことがポイントです。

組織社会化とは、平たくいうと「組織に馴染む過程」を意味し、下記図の3つの軸が組織に馴染むためのポイントになります。(オンボーディングは、組織社会化の広い概念の中の一形態で、「即戦力化」という文脈が加わったものであると認識していただくとよいでしょう)  組織社会化 職業的社会化とは、「仕事を行うために必要なスキルや知識を、研修などのOff-JTやOJT、自己学習によって身に着けていく」過程を指します。なるべく早い段階で職場に馴染み活躍してもらうために、仕事に必要な専門的なスキルや知識をインプットしてもらいます。

文化的社会化とは、「組織の雰囲気(社風・人間関係)や考え方(価値観)や文化(社員が共通に行っている行動やルール・暗黙知)を受け入れて馴染む」過程を指します。入社後、なかなか会社に馴染めずに孤独を感じて離職してしまう新入社員を出さないためにも、必須で検討したい内容です。

役割的社会化とは、「組織において自身に期待されている役割を理解し、既存メンバーとのやりとりや指導を通して役割を全うしていく」過程を指します。より分かりやすく言うと「組織の中で自分の存在価値を見出していくこと」です。

この3つの軸を意識してオンボーディングを丁寧に行うことで、関係の質を上げて話しやすくします。関係の質が上がると、結果的に離職が起きにくくなります。

【参考コラム】オンボーディングについて、より詳しく知りたい方へ
新入社員の離職を防ぐ!オンボーディングの具体施策と成功の3つのポイント

【育成時】に新入社員の離職率を抑えるためにできる2つの工夫

育成の場面では、次の2点を意識しましょう。

・成長実感・成長予感を持てるような働きかけをする
・研修など学ぶ機会を作る

成長実感・成長予感を持てるような働きかけをする

新入社員は、この組織にいることで成長できる、という感覚を持てると、モチベーション高く仕事をすることができ、その結果離職を考える機会も少なくなります。

逆に成長実感がないと、成長予感も育まれず、退職リスクが出ることがデータでも出ています。

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新入社員が成長していることを実感できる機会を作る方法としては、

・日々の中でのポジティブフィードバック
・1on1
・研修での振り返り

などがあります。

・日々の中でのポジティブフィードバック
上司や先輩の視点で成長していると感じたことがあれば都度フィードバックとして伝えるようにしましょう。新入社員は自身で自分の成長に気がついていないことが多いためです。また、ポジティブフィードバックをしてもらえると、純粋に嬉しく、より頑張ろうというモチベーションに繋がることもあります。

ポジティブフィードバックをする際は、できるだけ具体的な内容で、他社との比較をするような内容にならないように注意しましょう。

ポジティブフィードバックの伝え方の例
資料のレイアウト、以前は〜〜だったけど、今は〜〜なっていて、見やすくなったよ。
〇〇さんはいつも、ちゃんと納期に間に合わせて仕事をしてくれるから助かるよ。
前回伝えたところを意識してくれたことが伝わったよ。ありがとう。
この箇所について〇〇さんの意図が伝わるし、相手にもわかりやすい内容になっているね。

心にもないことや、誇張しても、新入社員には伝わりますので、ただ本心で伝えることがポイントです。

・1on1
定期的に行う1on1で同じ問いを行い、その時の返答を記録しておくことで成長を見ることができます。

例えば、今まで報連相をするタイミングがわからないと言っていた新入社員が、報連相を相手にわかりやすく伝えるためにはどうしたらいいか、という話題になったとします。このこの場合、報連相のタイミングはわかったけど、伝え方が難しいという話に変化しているため、報連相に行く、という部分については成長しています。
1on1で扱うテーマなどから変化を感じ、そこにどのような成長があるのかを見つけて新入社員に伝えることができると、成長を実感することに繋がります。

・研修での振り返り
研修のなかで、今までの振り返りをすることもできます。例えば、当社の1年目フォロー研修では、一度立ち止まって、自身の成長を感じ、自らが成長することで、組織の成長につながる一歩を踏み出すことを目的とした内容を実施しています。

研修のなかでは、ポジティブリフレクションといって、1年間をポジティブに振り返り、仲間からのポジティブフィードバックで、現場での変化を最大限に認知する機会を設けています。

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このワークを行うことで、自身だけでは気がつくことのできなかった成長に気がつき、自分て自分が思っているより成長できていたかもしれない、という感情になる方が多いです。

日常の業務から離れて、しっかりと自身の成長を振り返る時間を取ることで、成長を実感することができ、今後の仕事へのモチベーションになっていきます。

新入社員が成長していけそうと期待できる機会を作る方法としては、

・研修など学ぶ機会を作る
・1on1などで新入社員とともにキャリアを描く

などがあります。

・研修など学ぶ機会を作る 自分がこれからも成長していけそうと感じるのは、これから良い知識や経験を受け取ることができると感じられるときです。そのため、年間の研修予定などを提示して、この時期にこんな学びを得ることができると分かると成長予感を感じやすくなります。また、同じようにこんな仕事をする機会を得られるかも知れないと思うことも、成長予感を持ちやすいです。

新入社員として必要になるスキルとしては、大きく6つに分類することができます。

社会人としてのマインドセット

・社会人としての意識を持つ ・ビジネスマナー ・コスト ・コンプライアンス

関係性の構築

・コミュニケーション ・チームビルディング

業務遂行

・一般的なビジネススキル ・ロジカルシンキング ・要件定義力 ・ソリューション提案力 ・プレゼンテーション

専門知識・スキル

キャリア開発

・「目指したい姿」を探求する ・振り返りフォロー

メンタルヘルス

組織が望む新入社員になってもらうために、どんなスキルが必要なのかを洗い出し、そのスキルを学ぶ機会を作るようにしましょう。

【参考コラム】新入社員研修のカリキュラムの作り方について、より詳しく知りたい方へ
【新入社員研修のカリキュラム】事例をもとに研修のプロが徹底解説

・1on1などで新入社員とともにキャリアを描く
目指したいキャリアが明確になることで、モチベーション高く仕事を行うことができるためです。今と未来が繋がることをイメージできると、モチベーションを保ちやすくなります。

特にこうありたいという姿がない新入社員については、今の仕事をやることで、今後どのような可能性があるのかを対話の中で考えていきます。

例えば今、新入社員が経理を担当しているとすると、今後は、財務戦略の仕事に関わることもできるし、希望があれば、他の部署を経験することもできる、ということを伝えて、対話をしていくことも良いです。また、事例として、元々経理にいた〇〇さんは、営業にも興味があったみたいで、営業をやっている。営業の時に経理でみていた数字が役に立つこともあるみたい、という話をした後で対話をするのも、イメージが湧きやすいです。

他にも、自身の強みを探して、それを活かすキャリアを考えることもできます。今までの仕事の中で楽しかったり、自分では普通だと思っていたことに対してポジティブフィードバックをもらったことを思い出しながら自分の強みを探すことで、キャリアを考えることもできます。

誰かから頼まれる前に行動することが得意であれば、サポート業務や相手に喜んでもらえる企画の作成などで活かすキャリアを考えることができます。細かい作業をミスなくこなせる場合は、経理業務や、納品管理などで活かすキャリアもあるかもしれません。今ありたい姿がない新入社員でも、キャリアを描いていくことはできます。

一方、ありたい姿を新入社員が明確に持っている場合は、ありたい姿のために、今行っている仕事が役に立っていることを確認できると、安心することができます。

例えば、ありたい姿として先輩のBさんみたいにクライアントから信頼されていて、提案に対してクライアントに喜んでいただけるようになりたい、という姿があったとします。その状態と今行っている、営業の電話アポイントや、先輩方の営業サポートがどのように役立つかを対話していきます。そうすると、電話のアポイントの時に、クライアントに興味を持ってもらうためにできることがないかを考えてやってみる、ということが出てくるかも知れません。もしくは営業サポートをしながらさまざま営業パターンを知る、ということもできます。

成長の見通しや、どのようなキャリアパスがあるのかをイメージできることが重要です。

・学びの支援をする
学びの支援をしてもらえると、自分が興味ある分野について成長していけそうだなとと感じることができます。

例えば、 ・資格取得手当 ・eラーニングサービスによる自己啓発機会 ・外部セミナー等の参加費用を組織が負担 ・書籍購入の補助 ・副業支援 などです。

組織が自分の成長を望んでくれているというメッセージを受け取ることにもなるため、モチベーション高く働くことに繋がり、結果的に離職も起きづらくなります。

【働き方】新入社員の離職率を抑えるために意識したい2つのこと

働き方で検討したいのは次の2点です。

・フレックス制度
・テレワーク

自分で仕事の時間をコントロールできる部分が増えるため、モチベーションにポジティブな影響を与えます。
例えば、介護が必要な家族がいる新入社員は、テレワークによって、家族が体調を悪くしたときも、会社を休むことなく仕事をしながら面倒を見ることができるようになります。

自分のプライベートと仕事を自分の好きなように調整することができるようになることで、働きやすくなることから会社への感謝の気持ちが生まれ、離職に繋がりにくくなります。

(参考)新入社員・若手社員に対して、完全テレワークではなく、ハイブリット型がお薦め

新入社員・若手社員においては、テレワークを進めることで、成長支援ができなくなる可能性があります。適切な支援を受ける機会が減るためです。業務スキルが未熟なため、周りからの支援が必要になります。また人としてもまだまだ未成熟なため、精神的支援も必要になります。

例えば、業務スキルを覚える際に先輩社員のやり方を見て学ぶでしょう。また新入社員が悪気がなく行っているビジネスマナー違反などに関しても、先輩社員がいればその都度フィードバックが可能です。

このため、新入社員・若手社員においては、テレワークを進めることで、成長支援ができなくなる可能性があります。新入社員・若手社員に対して、完全テレワークではなく、ハイブリット型がお薦めです。

新入社員の離職率を抑えるためのその他2つの施策 そのほか、組織として検討したいことは次の2点です。

・メンター制度を導入する
・相談窓口を設置する

メンター制度を導入する

新入社員にメンターをつけることで組織への安心感をもたらして成長を促すことができます。

新入社員が仕事の中で感じるネガティブ感情を解消し、ポジティブ感情を一緒に共有することで、新入社員の精神が安定し、仕事に集中することができるためです。

新入社員は仕事の中で多くの緊張や不安の感情を抱えています。その感情を一人で抱え込んでしまうと、常に強い緊張感を持って疲れてしまいます。そうなると、環境を変えたほうがいいのではないかと離職を考えやすくなってしまいます。

そのときに大切な役割を担うのがメンターです。メンターは、新入社員にとって安心して何でも話せる存在になり、新入社員の感情に寄り添い、フォローします。新入社員にとってメンターという存在がいることで、組織に安心できる状態を作ります。

【参考コラム】新入社員のメンターやメンター制度についてより詳しく知りたい方へ
【Q&A付】新入社員のメンター|4つの役割で組織への安心感をもたらす

相談窓口を設置する

社内相談窓口は、パワハラやモラハラなどのハラスメント、また仕事や職場環境が起因となるストレスやメンタル不調など、従業員が社内で抱える問題について対応する窓口です。 従業員が心身ともに健全に働ける職場環境をつくるために、相談窓口のような取り組みが企業から重要視されるようになりました。社内窓口であれば、専門部署を創ってもいいですし、人事総務が兼任してもいいでしょう。また産業医など外部機関を相談窓口にすることをも必要です。

話しにくい相談や悩みを話せる場所を作ることで、仕事や職場を前向きに捉え、離職の防止に繋げることができます。

4)事例|新入社員にメンターをつけて離職率が改善

とある美容器具メーカーさんが、離職率の改善にメンター制度を導入し、導入から3年後には離職者の割合が大幅に減ったという事例をお伝えします。

<企業情報> 業種:化粧品メーカー 規模:300名程度

課題

採用では優秀層と言われる新入社員が入社するものの、現場のメンバーを見て幻滅し、3年~5年で退職してしまう

当社の見立て

お客様の人事の方や経営陣と一緒に課題を見にいったところ、「孤独感」と「成長する機会」がポイントとなっていることが判明

成長する機会がないことで、新入社員や若手が次々と退職していました。

退職が続くと、組織が新入社員や若手社員の育成支援に力を入れても退職するから意味がないと思うようになり、新入社員や若手社員に成長する機会を与えようとしていませんでした。 そして組織全体として、新入社員や若手社員はどうせやめてしまうからという認識が浸透し、新入社員と若手社員はますます孤独になっていった、という状態でした。

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対策案

「孤独感」と「成長する機会」を解決するために次の2つの対策案を検討

1、孤独感をなくすために、メンターと成長できる機会をつくる→メンター制度の導入
2、成長する機会を創るために、成長している実感を持たせる機会をつくる→他社との合同研修

対策 ポイント
孤独感の解消 メンター制度 ・メンター制度により、組織とのつながりを強化する
・メンターが、OJT研修により育成マインドを醸成し、育成スキルを学ぶ
・人事がメンターとの月一の面談を行い、後方支援を行う
・メンターになることをステータスとする
成長する機会 階層別研修
(メンター制度)
・定期的な研修実施をすることで、成長実感・予感を促す
・他社との合同研修により、自己認知を広げ、成長実感と成長意欲を上げる
・スキル・人としての成長の両側面にアプローチする

結果

メンター制度を導入、他社との合同研修を行うようになってから3年後には新入社員・若手社員の退職割合が大幅に減少し、自組織にいることに誇りを持って仕事をできるようになった

特にメンターとして新入社員の悩みを聞いたり、フォローしてくれる人をつくったことで、孤独感が解消され、退職を選ぶのではなく、まだこの会社で頑張ってみようと思えるようになった、という方が多くいました。

このように、新入社員の離職率は、課題に適した対策を行うことで改善することができます。

新入社員研修成功事例集

5)まとめ

新入社員の離職率を抑えるための状況別施策や、平均離職率についてお伝えしました。
厚生労働省が令和4年10月に発表した、新規学卒者の離職状況の調査によると、令和3年3月の卒業者が入社1年以内(令和4年3月31日まで)に離職した割合は、全体平均で14.3%でした。

この数値を一つの目安にしながら、採用コスト、業務人数の情報を元に離職率の目標数値を算出しましょう。
離職率は0%を目標にするのがいいのではないかと思うかも知れませんが、組織の文化に合わない人をずっと雇い続けることは、組織にとってネガティブな影響を受けます。組織の成長という目的を達成するために離職率の目標があることを理解し、手段が目的にならないように注意しましょう。

新入社員の離職率を抑える方法が場面別にできることが異なります。

採用の際は、次の3点を意識しましょう。

・活躍できる可能性があるかを確認する
・自組織の文化(カルチャーフィット)に馴染めそうかを確認する
・情報をオープンにする

オンボーディングで意識したいのは次の2点です。

・内定後から関係性を築いていく
・入社から3ヶ月までは、特に丁寧にフォローする

育成の場面では、次の2点を意識しましょう。

・成長実感・成長予感を持てるような働きかけをする
・研修など学ぶ機会を作る

働き方で検討したいのは次の2点です。

・フレックス制度
・テレワーク

そのほか、組織として検討したいことは次の2点です。

・メンター制度を導入する
・相談窓口を設置する

これらの対策を行い、自組織にいてほしい新入社員の離職を抑えられるようにしましょう。

当社の新入社員研修では、新入社員が組織に定着できるよう、新入社員研修と連携したオンボーディングのツール・スケジュールプランを提供するなどオンボーディングにも力を入れています。

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具体的に何をすればいいかわからないという声が多いため、人事と現場の双方が協力しあい、新入社員を受け入れる体制創りをサポートします。

当社のオンボーディングも含めた新入社員研修に興味がある方は、ぜひお気軽にお問合せください。

自組織の新入社員の離職率に対する目標を明確にし、施策を行うことで、新入社員が長く定着できる状態を目指しましょう。そうすることで、結果的に組織の成長にも繋がります。  

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