コラム

パフォーマンスの高いファシリテーターの探し方と依頼の仕方

 経営者 

2023/1/10作成ー

「パフォーマンスの高いファシリテーターに依頼したい!でもどうしたらいいのだろう?」
このような疑問を持ち、本コラムにたどり着いたのではないでしょうか。

ファシリテーターに仕事を依頼したい理由の一例としては、

・M&A後に、経営会議の意思決定のスピードが遅くなったので、困っている
・新商品の開発企画で、良いアイデアが出てこない
・会社の肝いりのプロジェクトのキックオフミーティングでチームビルディングをしたい
・地域活性化のイベントがあるので、ワークショップを行いたい
・コンサルタントは信頼できない。会議を進行するファシリテーターでいい

などがあるのではないでしょうか。ただパフォーマンスの高いファシリテーターを探すことは、思っているよりも難しいです。理由は、誰でも「ファシリテーターです」と言えば、ファシリテーターになれてしまうからです。ファシリテーターは、公的資格がないため、このようなことが起きます。そして、ファシリテーターの力量を評価するのは、とても難しいです。

参加者全員が発言をし、会議の場が盛り上がり、決まることが決まっていれば、ファシリテーターとして、パーフォーマンスは高いのでしょうか?
答えは、NOです。

理由は、下記の通りです。

・参加者全員が発言 ⇒ 本音が出ていなければ意味がありません
・会議の場が盛り上がり ⇒ 盛り上がるか盛り上がらないかは重要ではありません
・決まることが決まっている ⇒ コミットがなく、実行されなければ意味がありません

最もパフォーマンスが高いファシリテーターは、「何もしない」ファシリテーターと言われています。何もしなくても、参加者が当事者意識と主体性を持っているので、物事が進み、素晴らしい結果が出ているためです。実際は、どのようなファシリテーターでも介入はしますが、素晴らしいファシリテーターほど、本人が目立たなくなります。

先ほどの「参加者全員が発言をし、会議の場が盛り上がり、決まることが決まっている」を例に取ると、

・参加者全員が発言 ⇒ 参加者が全員が、本音を話しやすい場を作るのみ
・会議の場が盛り上がり ⇒ 対話・議論による探求・内省・生成が起きる場創りに集中するのみ
・決まることが決まっている ⇒ 現場での促進や変革に集中するのみ

です。ただ、このようなパフォーマンスの高いファシリテーターを探して依頼するには、評価や判断軸が分からず、どうしたらいいか分からないのが当然です。

本コラムでは、パフォーマンスの高いファシリテーターの探し方や、依頼の方法をお伝えしていきます。本コラムを最後までお読みいただくと、自信を持って、パフォーマンスの高いファシリテーターに依頼することが可能になります。

「パフォーマンスの高いファシリテーターを探し、依頼をする方法」では、下記2つを行うのみです。

・パフォーマンスの高いファシリテーターを見つけること
・パフォーマンスの高いファシリテーターが、依頼内容とマッチングするかの確認

それぞれ説明していきます。

1)依頼できるパフォーマンスの高いファシリテーターを見つけること

 テレワークをしている女性  パフォーマンスの高いファシリテーターを見つけるためには、下記2つのプロセスを行うことが必要です。

・何人かのファシリテーターと出会うこと
・パフォーマンスの高いファシリテーターかを確認すること

何人かのファシリテーターと出会うこと

一人会って決まりというケースは少ないためです。本当に素晴らしいファシリテーターだと確信が持てるまで、何人かのファシリテーターと会ったほうがいいでしょう。

具体的な出会い方としては、ファシリテーターが所属している団体・企業に問い合わせてみるといいです。

ファシリテーターが所属している代表的な団体・企業としては、

・ 日本ファシリテーション協会
・ Be-Nature School
・アーティエンス
・ その他研修会社

などがあります。 パフォーマンスの高いファシリテーターを見つけるためには、まずは何人かのファシリテーターとお会いするといいでしょう。何人かお会いし、信頼できるファシリテーターかどうか、そして依頼内容にあったファシリテーターを探すことが必要です。

パフォーマンスの高いファシリテーターかを確認すること

ファシリテーションは、冒頭で説明した通り、見づらいものになり、一見うまくいっているようでも、中身がないケースさえあります。お会いしたファシリテーターが、パフォーマンスの高いファシリテーターかどうかを具体的に確認する方法として、“Be(あり方)”と、”DO(やり方)”を聞いてみるといいでしょう。はじめに、下記を聞いてみるといいでしょう。

ファシリテーターとしてのキャリア (基本的なスキルレベルの確認)

ファシリテーターとして何年目になるか、年間でどのくらいファシリテーションを行うかなどを聞くことによって、ある程度の基本的なスキルレベルの確認ができます。ただし、気を付けなければいけないのが、キャリアが長ければパフォーマンスが高いかと言えばそういうわけではありません。まずは、ファシリテーターとしての実務経験があるかどうかを確認します。

ファシリテーターとしてのBeの確認

ファシリテーターになったきっかけや大切にしていることなどを聞くと、ファシリテーターとしてのBeが確認できます。きっかけ・大切にしていることが出てこなければ、アルバイト感覚で行っている可能性さえあります。

例えば、本コラムの筆者である私のファシリテーターとしてのきっかけと大切にしていることを、例に挙げます。
ファシリテーターになったきっかけは、業務改善のコンサルティングを行っていた時に、自身がその組織を離れると、少し時間が経つと、また元に戻ったり、悪化するという経験を何度かしたことがありました。

そのため、自身の業務改善のコンサルティングという仕事に対して、懐疑的になり、本当に意味のある仕事をしたいと思い、組織変革ファシリテーターという職業に出会い、自身の職業としました。ファシリテーターとして大切にしていることは、「クライアントの未来を共創すること」です。「クライアントを信じ、彼ら彼女らの未来と今と向き合うこと」を大切にしています。

このように想いを持って、ファシリテーターという職業を行っているか確認することで、ファシリテーターとしてのBeの確認ができます。

ファシリテーターとしてのDoの確認

ファシリテーターとして、苦労した場や失敗した場を確認するといいでしょう。苦労した場や失敗した場で、どのように振舞ったか、何を学んで次に活かしたかで、ファシリテーターとしての力量が分かります。

私が、まだファシリテーターとして経験が浅かった時に、失敗したと思ったケースは、ベンチャー企業の経営会議での重要な意思決定において、「社長だけが現場が見えていない」と思い、説得モードに入ったことでした。これは、ファシリテーターというより、コンサルタントとしてのアプローチだったのでしょう。社長は激怒し、その場が終わり、当たり前ですが、契約も終了になりました。

原因としては、二つ考えられます。
一つは私の状態がとても悪かったことです。ファシリテーションをする前に、自組織の社内会議で当時の取締役と激しい議論をし、その状態でファシリテーションをしてしまったことです。
もう一つは、「どのような角度から見ても、この社長が変わるべきだ」という私の思い込みです。

二つともファシリテーターとしては、行ってはいけない失敗です。状態を整えてから場に入るのは当然ですし、ファシリテーターはフラットでいなければならないのに、社長と敵対したことです。

この経験・体験を得て、ファシリテーターとして成長できたと思うストーリーもお伝えします。あるベンチャー企業(コンテンツビジネス事業。マザーズ上場会社(当時)。社員数200名程度)のファシリテーター(次世代リーダー育成の研修企画)をした際ですが、社長が大激怒したことがありました。会社の課題を次々に目の前に提示されたためでした。

別コラム「【中小企業向け】管理職研修とは、自組織の課題を解決する研修を実施すべき」で、詳細は書いていますが、一部抜粋して下記にご紹介します。

社長からは、「当社には当社の事情がある。私は、この会社が倒産しかけたときに、ジョインして、復活させたんだ!あの状況は、ハードマネジメントせざるを得ない。今の状況を起こしているのは、私が原因だというのか?あなたに何が分かる!」

会議室は静まり返りました。顧客担当である私は、社長であるAさんも含めて、経営陣に問いかけます。
「良い悪いではなく、この状況が続くと、組織はどうなりますか?」

コーポレート本部の責任者である取締役Cさんが、口を開きました。
「あの時は、ああするしかなかった。ただ私はこの図を見て、とても苦しいですし、痛いです。当社の課題から目を背けるのではなく、どう解決するかを考えませんか?」
と発言をされました。

その日は、一旦ここまでで終了になりました。
その後、社長Aさんは「事業部長への管理職研修は行う。私が協力できることはするが、まだ消化できていない部分がある。取締役Cさんのことを信じるから、頼む。今、私は全面に出ないほうがいい。具体的な研修内容などは進めてくれ」というお話でした。

社長Aさん、取締役Cさんも、そして他の二名の取締役も、この状況から逃げずに、課題と向き合うことになります。ここで、何となくお茶に濁したりせず、課題と向き合う覚悟を持ったため、この後組織は大きく変わっていきます。

本お客様では、時間の関係上、経営陣は、3.5日間の研修のうち、初日しか参加できませんでした。ただ、社長Aさんから出てきた言葉は、「(一日目の研修終了時に)他の日程も抑えておくべきだった。君たちに支援できることがあったら、言ってくれ」と伝えていました。また、当社の顧客担当のBさんに対しては、「まだ一日だが、手応えを感じている。事業部長同士が、笑顔でお昼を食べているなんて想像できなかった。あれだけ仲が悪かったのに。アーティエンスさん、Bさんに頼んでよかったよ」と握手を求めてきたそうです。経営陣が本気になれば、管理職も本気になり、現場の課題に向き合います。

本お客様では、研修後、すぐに下記のような動きがあったそうです。

・部次長による合宿
・合宿後、社員を巻き込んだボーリング大会
・部門間の活性化
・新サービスの企画立案の増加

 
より詳細を知りたい方は、「【中小企業向け】管理職研修とは、自組織の課題を解決する研修を実施すべき」をお読みください。

このように、経験談をありありと語ることができるかということも重要です。

【参考】 失敗談や苦労したことを聞くことが憚れる場合の聞き方
意思決定や合意形成の場をどのように扱っているかを、具体例として聞くといいでしょう。
話を聞き終えたタイミングで、「現場で実際その意思決定はどうなったか」、「意思決定や合意形成で、参加者の関係性はどうなったか」等を聞くと、どの程度ファシリテーターの関わりによって、変革が起きたかが分かります。

2)パフォーマンスの高いファシリテーターが、依頼内容とマッチングするかの確認

 ニーズ  パフォーマンスの高いファシリテーターであっても、得意分野もありますし、対応できないケースもあるためです。依頼内容とマッチングするかは、下記を確認するといいでしょう。

・ファシリテーターのやり方が、依頼内容とマッチングするか
・ファシリテーターが自組織と一緒にやりたいと思っているか
・ファシリテーターとして関わるプロセス
・ファシリテーターとしてどこまで手伝ってもらえるか

それぞれ説明していきます。

ファシリテーターのやり方が、依頼内容とマッチングするか

ファシリテーターは、自身が大切にしている”やり方”があるため、依頼内容とマッチングしないものも出てきます。

例えば、課題解決を行う場合に、コーチング系のファシリテーターに依頼をした場合、言語化が上手くできず、迷走するときもあります。チームビルディングを行う場合に、戦略コンサル出身のファシリテーターに依頼をした場合、物事は決まっていくが、言われたことをただ行っていて、チームとしての一体感は醸成されなかったと言うことも起き得ます。パフォーマンスの高いファシリテーターにも得意不得意があるので、自身の専門領域とマッチングするかを確認するといいでしょう。

ファシリテーターが自組織と一緒にやりたいと思っているか

ファシリテーターは、自身が大切にしている”あり方”があるため、依頼を受けることができない場合もあります。特に、パフォーマンスの高いファシリテーターになればなるほど、「なぜ、この案件を私が受ける必要があるのか」を考えます。そのため、「なぜ私たちとご一緒していただけるのか?」と聞いてみるとよいでしょう。ハイパフォーマーのファシリテーターであれば、理由もはっきり伝えてくれますし、依頼内容との齟齬がないかも確認できます。
※もちろん聞き方は、丁寧に行ってください。

ファシリテーターとして関わるプロセスはどうなっているか

「依頼内容が達成できるかどうか」や「達成イメージを持つ」ためです。もちろん、依頼内容によっては、複雑化するので、簡単に要件定義やスケジュールを引けない可能性があります。ただし、目安を聞かなければ、ファシリテーターを入れても効果がないという状況では、とても残念な結果になります。

「ファシリテーターとして関わることで、どのような成果物が出るのか」と聞くといいでしょう。会議などでは、会議後の成果物、その成果物が依頼内容とマッチングしているかなどです。
※ 多くのファシリテーターは、要件定義はクライアントと作ります。提案する場合もありますが、協働・共創を行います。

ファシリテーターとしてどこまで手伝ってもらえるか

ファシリテーターの業務範囲を明確にすることで、依頼する側も、依頼されたファシリテーターも、責任範囲が明確になり、安心してプロジェクトを進めていくことが可能です。

具体的には、会議・ワークショップの場のみの契約になるのか、会議室などの場所の手配から事後フォローなども行ってもらえるかなどです。責任範囲が不明確になると、「ここまでやってほしかった」ということも生まれてしまいます。「ファシリテーターとして、プロジェクトに対してどこまでお手伝いいただけますか?」と聞くとよいでしょう。経験が豊かなファシリテーターでしたら、いくつかパターンを出してもらったり、自身の標準的な進め方をもとに打ち合わせを行います。

なお、注意しないといけない点は、ファシリテーターにすべて丸投げをしようと思うと、仕事を断られる場合があります。理由は、ファシリテーターはあくまで促進者になり、主体は依頼側になるためです。丸投げをするということは、その時点でファシリテーターが役に立てないと判断するためです。

3)まとめ

本コラムでは、パフォーマンスの高いファシリテーターを探し、依頼をする方法として、下記2つが重要であることをお伝えしました。

・パフォーマンスの高いファシリテーターを見つけること
・パフォーマンスの高いファシリテーターが、依頼内容とマッチングするかの確認

パフォーマンスの高いファシリテーターを見つけるためには、下記2つのプロセスを行うことが必要です。

・何人かのファシリテーターと出会うこと
・パフォーマンスの高いファシリテーターかを確認すること

パフォーマンスの高いファシリテーターが、依頼内容とマッチングするかの確認は、下記4つの内容を確認することが必要です。

・ファシリテーターのやり方が、依頼内容とマッチングするか
・ファシリテーターが自組織と一緒にやりたいと思っているか
・ファシリテーターとして関わるプロセス
・ファシリテーターとしてどこまで手伝ってもらえるか

本コラムを読んだことで、パフォーマンスの高いファシリテーターに出会い、自信を持って依頼をしていただければ嬉しく思います。アーティエンスのファシリテーターは、自信を持って、おすすめできるファシリテーターばかりですので、ご相談がある場合はお気軽にご連絡ください。

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