新入社員研修のグループワークが、育成と配属判断を支える【設計ガイド】

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新入社員研修でグループワークを取り入れた方がいいのだろうか」
「新入社員研修のグループワークって、どうやって作ればいいのだろうか」
「やってみたけれど、盛り上がるだけで学びにつながっている気がしない…」

そんな悩みを抱えながら、このコラムにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
特に研修を内製化している場合、座学が中心になりやすく、グループワークが十分に取り入れられていないケースも少なくありません。

しかし、知識や気づきは、「聞いて終わり」では定着しません。
自分なりに考えて言葉にしたり、他者の意見を受け止めたり、実際に行動してみたりすることで、学びは深まり、現場で使える力へと変わっていきます。

だからこそ、グループワークを通じて「考える・話す・すり合わせる・試す」経験を積むことが、新入社員の成長を大きく後押しします

本コラムでは、新入社員研修におけるグループワークを「なんとなく実施するもの」から「育成と配属判断を支える仕組み」へと変えるために、
グループワークの目的、代表的な種類と事例、失敗しがちなポイントと対策、そして設計手順までを整理してお伝えします

研修の効果を高めるグループワーク設計の基本を押さえ、明日からの研修企画にぜひ活かしてみてください。

※ 本コラムは、あくまで研修内のグループワークに特化したコラムです。研修の作り方ではありません。人事のみなさんが、グループワークを作る際の参考になれば嬉しいです。

監修者プロフィール

山下 絢加

2013年にアーティエンスに入社。組織開発・人材育成のコンサルタントとして、大手企業から中小企業まで、幅広く研修プログラムの企画・開発・運営を実施。現在は主にマーケティングプランニングを担当。
X:@yama_atc youtube:中小企業の人材育成・組織変革 専門チャンネル

1)新入社員研修のグループワークが、育成と配属判断を支える

新入社員研修におけるグループワークは、単なる育成施策ではなく、新入社員の成長を促しながら、人事が配属判断に必要な情報を得られる重要な機会です。
新入社員研修のグループワークが2つの視点で有効な理由

講義中心の研修では、知識やスキルを伝えることはできても、新入社員がそれをどう使うのか、どう周囲と関わるのかまでは見えにくいのが実情です。

一方、グループワークでは、新入社員は学びの受け手ではなく、場の一員として関わることが求められます。

・自分は何を考え、どう意見を持つのか
・周囲の意見をどう受け止め、どう折り合いをつけようとするのか
・正解が用意されていない状況で、どう判断し、どう動くのか

こうした場面を通して、新入社員は「自分で考え、周りと協力しながら答えをつくる経験」を積んでいきます

これは、実務に入った後に求められる姿勢や働き方を、研修の段階で体感できる機会でもあります。

同時に、人事にとってもグループワークは重要な観察の場になります。

・議論を前に進める役割を担うタイプか、周囲を支えるタイプか
・自分から周囲に働きかけるか、状況を見ながら動くか
・メンバー構成やテーマが変わったときに、振る舞いはどう変化するか

こうした言動や行動の積み重ねは、面接や座学では捉えきれない新入社員の特性を浮かび上がらせます。

このように、新入社員研修のグループワークは、
新入社員にとっては「主体的に学び、協力して考える経験の場」であり、
人事にとっては「特性を立体的に把握し、配属や育成を判断するための材料を得る場」です。

新入社員の成長を促しながら特性を捉えられるからこそ、配属判断の精度も高まっていきます。

グループワークは「とりあえず入れるもの」ではなく、何を育てたいのか、何を見極めたいのかを起点に設計することで、研修全体の価値を大きく高める要素になります。

2)新入社員研修でよく行われるグループワークの種類・事例

新入社員研修でよく行われるグループワークは、大きく次の4つに分けられます。

ここでは、それぞれの特徴と具体的な事例に加えて、なぜアーティエンスではそのやり方を採用しているのかという視点もあわせてお伝えします。

① 対話

対話は、グループのメンバー同士で意見を交わしながら、考えを深めていくグループワークです。
自分とは異なる意見に触れることで、ものごとの捉え方や認知の幅を広げられることが、大きな特徴です。

アーティエンスが対話型のグループワークを重視しているのは、新入社員に「考えを持つこと」「言葉にすること」「違いを受け取ること」を、社会人の早い段階で経験してほしいと考えているからです。

社会人になると、正解が一つに定まらない問いに向き合う場面が一気に増えていきます。
そのときに求められるのは、正解を当てにいく力ではなく、他者と対話しながら考えを深めていく力です。

だからこそ、アーティエンスでは、土台を新入社員研修の段階から育てることを意図し、対話を中心に据えています。

例えば、アーティエンスの社会人の自覚研修では、カフェでの対話のように、自由に意見を交わすことを目的とした「ワールド・カフェ」の手法を用いて対話を行っています。

設定している問いは、次のようなものです。

・学生と社会人の違いとは何だろう?
・私たちの未来と今を豊かにするために、社会人のスタートをどのように切るとよいのだろう?

これらはいずれも、正解が一つに定まる問いではありません。
だからこそグループで対話を行うことで、自分一人ではたどり着けなかった視点や価値観に出会うことができます。

ワールド・カフェでは、1つの問いにつき約15分間の対話を行い、これを3問繰り返します。
その後、クラス全体で対話の内容を共有し、他グループの考えにも触れていきます。
こうしたプロセスを通じて、認知の幅がさらに広がっていきます。

なお、対話に慣れていない新入社員も多いため、実施前には必ず「対話のルール」を共有することをおすすめします。

対話のルールの参考:当社社会人の自覚研修のテキストより抜粋

 対話のルール
あらかじめルールを設けておくことで、安心して発言できる環境が整い、誰かの発言によって傷つくことを防ぐことができます。

② 課題解決

課題解決は、提示された課題に対して、グループで解決策を考えていくグループワークです。
実際の仕事で起こり得るシチュエーションを疑似体験できることが大きな特徴です。

アーティエンスが課題解決型のグループワークを重視しているのは、新入社員に「考え方」だけでなく、仕事の進め方そのものを体験してほしいと考えているからです。

社会人になると、上司や先輩と連携しながら、制約条件の中で成果を出すことが求められます。
その際に必要なのは、正しい答えを一人で導き出す力ではなく、状況を整理し、周囲を巻き込みながら前に進める力です。

だからこそアーティエンスでは、実務を想定した設定にこだわり、課題解決のグループワークを設計しています。

例えば、アーティエンスのロジカルシンキング研修では、「CS向上のための企画を考える課題」に取り組みます。
業務背景や制約条件を具体的に設定することで、新入社員がリアルな仕事をイメージしながら考えられるようにしています。

※ 当社ロジカルシンキング研修より抜粋

このグループワークの特徴は、講師が上司役となり、課題に取り組む途中で「相談する」「方向性を確認する」といったやり取りをあえて組み込んでいる点です。

こうした設計により、新入社員は
「どのタイミングで、どのように上司や先輩を頼ればよいのか」
を体験的に学ぶことができます。

実務に近い課題設定で行う課題解決のグループワークは、現場に出たあともすぐに活用できるスキルの土台づくりにつながります

③ ディベート(&対話)

ディベートは、一つのテーマに対して対立する二つの意見を設定し、本人の考えとは関係なく割り当てられた立場になりきって議論するグループワークです。

仕事の中で意見が対立したときに、どう乗り越えていくかを体験できることが特徴です。

アーティエンスがディベートを取り入れている理由は、新入社員に「自分の考えを主張する力」と同時に、相手の立場を理解しようとする視点を身につけてほしいと考えているからです。

例えば、次のようなテーマでディベートを行います。

  • A:仕事で成果を出すために、上司との飲み会には積極的に行くべき

  • B:プライベートを大切にするため、断るべき ディベートのワーク

一見すると対立している意見でも、それぞれに背景や大切にしている価値観があります。
ディベートでは、割り当てられた立場になりきり、相手の意見に対して反論や主張を行います。

このときのポイントは、事前に作戦タイムを設けることです。
自分たちの立場を正当化する理由や、相手から出そうな意見への反論を準備した上で議論に臨みます。

さらに、アーティエンスではディベートの後に、同じメンバーで対話の時間を設けています。
ディベートで意見をぶつけ合った後に対話を行うことで、お互いが納得できるポイントや、折り合いのつけ方に気づくことができます。

仕事では、顧客と上司、部署間など、板挟みになる場面が少なくありません。
ディベートと対話を組み合わせたグループワークは、対立を避けるのではなく、対話によって乗り越える姿勢を育てることにつながります。

④ ゲーム

ゲーム型のグループワークは、楽しみながら関係性を築いたり、会社の仕組みや仕事の構造を体感的に理解できることが特徴です。

アーティエンスがゲームを取り入れている理由は、新入社員が頭で理解するだけでなく、体験を通して気づきを得てほしいと考えているからです。

例えば、アーティエンスの目標達成・コスト意識研修では、新入社員が「自分はコストである」という視点に気づくゲームを実施しています。

 スタートアップ企業のゲーム スタートアップ企業のゲーム

※ 当社研修資料と受講生のグループワークの様子

ゲームという形式を取ることで、数字や理屈だけでは実感しづらい会社の仕組みを、自然に理解することができます。

アーティエンスがゲーム型のグループワークを開発する際に重視しているのは、「楽しさ」そのものではなく、何に気づいてほしいのかを明確にすることです。

例えば、目標達成・コスト意識研修で実施している経営シミュレーションゲームでは、チームで事業運営を行い、限られた資源や時間の中で意思決定を重ねていきます。
売上だけでなく人件費や固定費といったコストも発生するため、自分たちの選択が最終的な利益に直結することを体感できます。

このゲームを通して、新入社員は「自分の行動が会社全体の成果に影響すること」や「自分自身も会社にとってのコストであること」を実感として理解します。

このように、ゲーム型のグループワークは、楽しさを入口にしながらも、新入社員が会社の仕組みや仕事の構造を自分事として理解するための有効な手法です。


このように、新入社員研修で行われるグループワークには、複数の種類があり、それぞれ育成できる力や目的が異なります。
目的に応じて適切な手法を選び、体験と振り返りを通じて学びを定着させることが、新入社員研修の効果を高めるポイントです。

3)新入社員研修のグループワークで起こりがちな失敗と対策

新入社員研修でグループワークを実施する際に起こりがちな6つの失敗と、その解決策を紹介します。
新入社員研修のグループワークで起こりがちな失敗と対策

① 目的が曖昧なまま実施してしまう― 研修目的・ラーニングポイントの明確化

新入社員研修のグループワークでよくある失敗として、「とりあえずグループワークを入れる」「参加型にしたいから実施する」といったように、目的が曖昧なままグループワークを行ってしまうケースがあります。

目的が曖昧だと、「何を学んでほしいのか」「どんな行動や変化を期待しているのか」が不明確になり、ワークが話して終わり、盛り上がって終わりになりがちです。
講師の介入や振り返りもブレやすく、学びが定着しません。

そのため、グループワークを設計する前に、
「このワークを通して、新入社員に何に気づいてほしいのか」
「どんな行動や思考の変化を促したいのか」
を言語化しておくことが重要
です。

その目的に合わせて、テーマ・進め方・メンバー構成を設計することで、ワークの意味が明確になります。

② テーマ設計が弱く、議論が深まらない― 思考を促すテーマ設計

新入社員研修のグループワークでよくある失敗として、テーマが抽象的すぎて、受講者が何を話せばよいかわからず、議論が深まらないケースがあります。

テーマが弱いと、発言が出なかったり、一部の人だけが話したり、価値観の共有で終わってしまいがちです。
結果として、「考えた感覚」はあっても、仕事につながる学びにはなりにくくなります。

そのため、テーマは正解が一つに定まらないものでありつつも、
・具体的な状況
・判断を迫られる前提条件
・新入社員自身が想像しやすい文脈
を含めて設計することが重要
です。

考えるための足場を用意することで、新入社員は自分の意見を持ちやすくなり、対話や議論が深まりやすくなります。

③ ファシリテーション不足で、場が機能しない― 講師による場のホールド

新入社員研修のグループワークでよくある失敗として、講師が場に介入せず、グループワークの空気に任せてしまい、場が機能しなくなるケースがあります。

グループワークは、放っておけば自然に学びが深まるものではありません。
特に新入社員研修では、消極的な態度やネガティブな発言が場に影響しやすく、学びの質が下がってしまうことがあります。

そのため、講師には「場をコントロールする」のではなく、研修の中で起きていることを受け止め、問いかけやフィードバックによって学びにつなげる「場をホールドする」役割が求められます。

講師の小さな介入の積み重ねが、グループワーク全体の学びの質を大きく左右します。

④ グループワークの様子を見切れていない― アテンド配置による見取り強化

新入社員研修のグループワークでよくある失敗として、講師一人で運営しているため、グループ内で起きていることを十分に把握できないケースがあります。

講師は場をホールドすることに意識が向くため、誰がどのように関わっているのか、発言量や関係性の築き方まで細かく見るのは難しくなります

そのため、アテンドスタッフを配置し、グループ内の様子を観察・共有できる体制を整えることが重要です。

アテンドからの情報をもとに講師が介入やフィードバックを行うことで、より一人ひとりに届くグループワークになります。

⑤ 指示に余白がなく、思考が固定化する― 余白を残した指示設計

新入社員研修のグループワークでよくある失敗として、指示や説明を細かく出しすぎて、新入社員が「言われた通りにやるだけ」になってしまうケースがあります。

指示に余白がないと、新入社員は自分で考えたり判断したりする必要がなくなり、実務につながる思考力を育てにくくなります

そのため、グループワークではあえて説明しすぎず、「どう考えるか」「どう進めるか」を新入社員に委ねる余白を残すことが重要です。

その上で、講師側のオペレーションは明確にし、どこまで答え、どこから考えさせるのかを整理しておくことで、学びの質を保てます。

⑥ 振り返りがなく、やりっぱなしで終わる― 学びを定着させる振り返り設計

新入社員研修のグループワークでよくある失敗として、グループワークを実施したものの、十分な振り返りを行わずに次へ進んでしまうケースがあります。

振り返りがないと、体験はその場限りの出来事で終わり、「何が学びだったのか」「仕事でどう活かすのか」が整理されません

そのため、グループワーク後には、
・何が起きたのか
・なぜそうなったのか
・仕事でどう活かせそうか
を言語化する振り返りの時間を設けることが重要
です。

体験を振り返りによって意味づけることで、グループワークは行動変容につながる学びへと変わります。


新入社員研修のグループワークは、設計や運営を誤ると「参加しただけ」「話して終わり」の場になりがちです。
グループワークを'やること'ではなく、'何を変えたいのか'から逆算して設計することが、研修効果を高める鍵です。

4)新入社員研修で失敗しないためのグループワーク設計ガイド

新入社員研修のグループワークは、思いつきや過去踏襲で設計すると、学びも観察も中途半端になりやすい施策です。

そのため、グループワークは「作る順番」と「考える観点」を押さえて設計することが重要です。
ここでは、失敗を防ぎ、研修効果を高めるための基本ステップを紹介します。
新入社員研修で失敗しないためのグループワーク設計ガイド

① 研修目的と連動した、グループワークの目的(ラーニングポイント)を明確にする

グループワークを設計する際は、まず「何のために行うのか」という目的(=新入社員に学んでほしいポイント)を、研修全体の目的と連動させて明確にすることが重要です。

グループワークの目的が曖昧なままだと、「何を学ばせたいのか」「どんな変化を期待しているのか」が不明確になり、結果として、効果が実感できないグループワークになってしまう可能性が高くなるためです。

例えば、次のような研修の目的に応じたグループワークの目的が考えられます。
 研修の目的

このように、研修の目的と連動したグループワークの目的(=新入社員に学んでほしいポイント)を事前に言語化しておくことで、グループワークの内容や進め方、講師の関わり方まで一貫した設計が可能になります。

②グループワークの種類と、タイムラインを作成

グループワークの効果を高めるためには、目的に合ったグループワークの種類を選び、研修全体の流れを踏まえたタイムラインを設計することが重要です。

どれだけ内容が良いグループワークであっても、目的と合っていなかったり、実施する順番や時間配分が適切でなかったりすると、新入社員の学びは浅くなってしまいます。

例えば、アーティエンスのビジネスマナー研修のグループワークの一部のスケジュールがこちらです。

タイムライン

この章では、「挨拶のマナーが正しくないことによるネガティブな影響を知り、挨拶の重要性を理解すること」を目的に設定しています。

その目的に合わせて、マナーができていない人の動画を見て「どこが間違っているか」を話し合うグループワークを実施しています。

このワークを通じて、新入社員は
「マナーができていない人は、なんかカッコ悪い」
「自分はああなりたくない」
といった感覚を持ち、マナーを学ぶ必要性を自分事として捉えるようになります。

そのうえで正しい挨拶のやり方を伝え、実際に実践する流れをつくることで、新入社員は「なぜ挨拶が必要なのか」を理解したうえで学びに向き合うことができます。

理由が腹落ちした状態で取り組むため、学びは受け身にならず、主体的なものになり、また、「できるようになった」という成長実感を得られることで、研修全体への意欲や集中力も高い状態を保ったまま参加してもらえます。

このように、グループワークの目的に最も適した内容を選び、それに合わせてタイムライン(研修の流れと時間配分)を設計することで、新入社員の学びはより深まり、実務につながるものになります。

当社のマナー研修動画をご覧になりたい方は、下記フォームからダウンロードできます。

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    ③グループワークのコンテンツ開発

    グループワークのコンテンツ開発では、新入社員が主体的に取り組める仕掛けを組み込むことが重要です。
    グループワークは、受講者が「どれだけ考え、試し、関わったか」によって、学びの深さが大きく変わるためです。

    そのため、はじめから正解や型を提示するのではなく、まずは新入社員自身に考えさせ、やってみるプロセスを設けることが効果的です。
    うまくいかない経験や違和感を先に持つことで、「なぜうまくいかなかったのか」「どうすれば良くなるのか」という問いが生まれ、その後に伝える知識や型が意味を持ち始めます。

    このように、
    体験 → 気づき → 学習 → 再実践
    の流れを意図的に設計することで、新入社員は受け身ではなく、自分ごととして学びに向き合う
    ようになります。

    結果として、理解度や定着度が高まり、実務につながる行動変容も起こりやすくなります。

    このように、グループワークのコンテンツは、研修の目的と合致していることに加え、新入社員が自ら考え、試し、気づける設計になっていることがポイントです。

    また、開発を進める中でタイムラインに違和感が出た場合は、前後の設計と行き来しながら柔軟にアップデートしていきましょう。

    ④テストプレイ・アップデート

    グループワークは、必ずテストプレイを行い、改善を重ねることが欠かせません。
    どれだけ丁寧に設計しても、実際に動かしてみないと見えないズレや違和感が必ず生じるためです。時間配分、説明の分かりやすさ、難易度などは、机上では判断しきれません。

    当社では、実施を想定している人数を集めて実際にテストプレイを行います。

    その中で、
    ・時間が足りない/余りすぎている
    ・指示の意図が伝わりにくい
    ・新入社員のレベル感と合っていない といった点を確認
    します。

    また、参加者から率直なフィードバックをもらうことも重視しています。
    耳の痛い意見が出ることもありますが、それこそがグループワークの質を高める重要な材料になります。

    テストプレイでは、
    「グループワークの目的とズレていないか」
    「研修全体の流れに違和感がないか」
    「新入社員が無理なく取り組めるか」
    といった観点で確認
    し、必要に応じてアップデートを重ねていきましょう。

    このプロセスを通じて、学びの質は確実に高まります。

    ⑤実施

    グループワーク当日は、設計通りに進めることよりも、新入社員の学びを最優先に判断することが大切です。

    グループワークの目的は「予定通り終わらせること」ではなく、新入社員が気づきや学びを得ることだからです。
    当日の受講生の状態によっては、柔軟な対応が求められる場面も出てきます。

    例えば、2時間以内に提案書をまとめるワークで、受講生から時間延長の依頼が出たケースがありました。

    その際は時間を延長しつつ、

    ・納期を守ることの重要性
    ・延長を依頼するなら、もっと早く伝える必要があること

    をフィードバックとして伝えました。

    結果として、単なる成功・失敗ではなく、「仕事では何が求められるのか」を実感する学びにつながりました。

    グループワーク当日は、新入社員の様子をよく観察し、「この場面で何を学んでほしいか」を軸に判断することが重要です。
    柔軟に対応することで、グループワークはより実務に近い、意味のある学びの場になります。


    この章で紹介したように、新入社員研修のグループワークは、思いつきや慣例で設計すると、学びも観察も中途半端になりがちです。

    研修全体の目的と連動したラーニングポイントを起点に、内容・タイムライン・コンテンツ・検証・当日の関わり方まで一貫して設計することで、グループワークは新入社員の成長を促し、実務につながる学びの場になります。

    5)まとめ・アーティエンスが新入社員研修でグループワークを重視する理由

    本コラムでは、新入社員研修におけるグループワークについてお伝えしました。

    アーティエンスが新入社員研修でグループワークを重視しているのは、グループワークの中にこそ、新入社員が「自分で考え、周りと協力して進める力」を育てる機会と、
    人事が「言動・行動の積み重ねから特性を立体的に捉える機会」が同時に生まれるからです。

    講義中心の研修は、知識やスキルをインプットする点では有効です。
    一方で、「現場でどう使うのか」「周囲とどう協働するのか」までを体感し、行動に落とし込むには限界があります。

    だからこそ、グループワークを通じてアウトプットの機会をつくり、実務に近い状況で考え、試し、振り返るプロセスを設計することが重要になります。

    アーティエンスの新入社員研修では、研修目的と連動したラーニングポイントを起点に、グループワークの種類・タイムライン・コンテンツ・テストプレイ・当日の運営までを一貫して設計し、毎年アップデートを重ねています。

    アーティエンスの新入社員研修について相談したい場合は、ぜひお気軽にご相談ください

    貴社の課題や育てたい力を起点に、グループワーク設計の考え方から具体的な内容案まで、一緒に整理していきます。