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会議を無駄にしない!社内会議を活性化させる9のアイディア
更新日:
「せっかく会議を開いているのに、発言が少なく、結局いつも上の決定に従うだけになってしまう…」
「会議では盛り上がるけど、現場にはまったく浸透しない…」
そんな社内会議に対するモヤモヤを抱えている方も多いのではないでしょうか。
会議は本来、組織を前に進めるための大切な場です。
しかし現実には、「発言しづらい空気」「目的の曖昧さ」「結論が現場に届かない構造」など、小さなズレの積み重ねによって、せっかくの会議が“形だけの場”になってしまっているケースも少なくありません。
実は、こうした会議の停滞には明確な要因があり、ちょっとした仕掛けや設計の見直しによって、現場でもすぐに実感できるような変化を生み出せます。
本コラムでは、「会議を活性化させたい」「現場とつながる会議にしたい」と願う方に向けて、
・会議が活性化しない9の要因と改善アイディア
・決定事項を現場につなぐ3つの工夫
・実際に成果が出た企業事例
をわかりやすくご紹介します。
読み終えたとき、「今ある会議からでも変えられる」「まずはこれからやってみよう」と思える具体策が見つかるはずです。
まずは、あなたの会議から、組織の未来を少しずつ変えていきましょう。

大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。
目次
1)【要因別】社内会議を活性化させる9のアイディア
社内会議が活性化しない9の理由と活性化させるアイディアをお伝えします。
番号 | 会議が活性化しない要因 | 活性化を促すアイディア |
---|---|---|
1 | 発言への恐怖心がある | 否定しないルールの策定 |
2 | 発言しても変わらないという諦めがある | 意思決定のルールを明確にする |
3 | 意見をうまく言えない不安がある | 「まとまってなくてもOK」と伝える |
4 | 話が理解できず意見が持てない | 情報を整理する時間と可視化を入れる |
5 | 発言して目立ちたくないという心理がある | 無記名で意見を出せる仕掛けを取り入れる |
6 | 会議の目的・目標が抽象的である | ゴールとアジェンダを具体的に設計する |
7 | 人数が多すぎる/必要な人がいない | 必要な人を厳選し、役割と期待を明示する |
8 | 座席レイアウトが発言しづらい配置 | 顔が見える配置(島型・円形)に変える |
9 | 進行役が不在で場が止まってしまう | ファシリテーターを明確に配置・育成する |
1-1.発言への恐怖心が高い:会議ルールの策定
参加者が自分の意見を言うことに恐怖を感じていると、発言が少なくなり、会議は活性化しません。
「どんな意見でも受け止めてもらえる」という安心感がなければ、沈黙が続き、建設的な議論は生まれにくくなります。
この恐怖心の背景には、「否定されたらどうしよう」「評価されるのが怖い」といった不安があります。
たとえば、過去の会議で「そんなの当たり前でしょ」と冷たく返された経験があると、「自分もあんなふうに否定されるかも…」と感じ、次第に発言を控えるようになります。
このような恐怖心を和らげるためにおすすめなのが、「会議中は他人の意見を否定しない」というルールをあらかじめ設定しておくことです。
たとえば、「意見をジャッジせず、“なぜそう考えたのか”を探る姿勢で聴く」というルールを共有しておくだけでも、参加者は安心して自分の考えを話しやすくなります。
実際にアーティエンスでは、以下のようなルールを設けています。
会議のルールは内容に合わせて調整が必要です。
詳しいルールの作り方についてはこちら「プロファシリテーターが伝授!失敗しないグランドルールの作り方と扱い方」のコラムをご覧ください。
発言への恐怖心をなくすには、「どんな意見も大切に扱われる」という安心感が不可欠です。
1-2.発言への諦めがある:意思決定のルール作り
参加者が「意見を言ってもどうせ変わらない」と感じていると、会議は活性化しません。発言する意味がないと諦めてしまい、そもそも意見を出そうとしなくなるためです。
このような諦めが生まれる背景には、「過去に意見を聞いてもらえなかった」「自分の考えに価値を感じてもらえなかった」といった経験があります。
たとえば、意見を言ったのに無視されたり、「そんなこと言うために会議の時間を使わないで」といった反応をされたことがあると、「どうせ自分の声は届かない」と思うようになります。
そのような場面を目の当たりにしているだけでも、発言を避けるようになってしまいます。
このような状況を防ぐために有効なのが、意思決定のルールを明確にしておくことです。
たとえば、「意思決定の前には全員から意見を出す」「どう決まったのかのプロセスを共有する」など、参加者の意見がちゃんと扱われていることが見えるような仕組みをつくると、発言への諦めは減っていきます。
参加者が「自分の意見には意味がある」「この会議に参加している価値がある」と実感できる状態をつくることが、会議の活性化につながります。
1-3.意見をうまく伝えられないことへの心配:言語化を支援する仕掛け
参加者が「うまく伝えられなかったらどうしよう」と心配してしまうと、意見を出すことをためらい、会議は活性化しません。
意見は持っていても、それを表現することに自信が持てないため、結果として何も共有されないまま終わってしまいます。
このような不安の背景には、「考えを簡潔に伝えることへの苦手意識」や「思考の整理に時間がかかる」という要素があります。
意見があっても発言できないままでいると、本人にはモヤモヤが残り、場としても有意義な意見が表に出てこなくなります。
こうした状況を改善するためには、「意見はまとまっていなくても出してよい」という安心感をつくることが効果的です。
たとえば、会議の冒頭でファシリテーターが「意見がまとまっていなくても大丈夫です」と伝えたり、「話しながら整理してもいいですよ」と明示しておくことで、心理的ハードルが下がります。
発言された内容については、ファシリテーターが要点を補足・要約したり、わからない部分を質問で確認するなどのフォローを入れましょう。
時間が限られた会議であっても、会議を活性化することが目的であれば、こうした言語化のサポートに時間を使う価値は十分にあります。
意見があるのに発言されない状況は、本人にとっても組織にとっても損失です。まずは「伝えきれなくても話していいんだ」と思える場づくりから始めてみましょう。
1-4.会議の話を理解できていない:情報整理の時間を設置
会議の内容を理解できていない状態では、参加者は意見を持つことができず、会議が活性化しません。
「意味のある意見が出ない」のではなく、「考える余裕すらない」状態になっていることが原因です。
特に、情報が多すぎて混乱していたり、自分よりも経験や知識のあるメンバーの中で理解を追うのに精一杯な人は、発言する以前に“ついていく”ことで頭がいっぱいになっています。
こうした状況では、会議に参加していても意見を出すことができず、結果として議論が深まりません。
このような状態を防ぐには、ファシリテーターが情報を整理する時間を設けることが効果的です。
たとえば、話の流れや論点を口頭でまとめたり、ホワイトボードや資料に可視化して共有するだけで、参加者の理解が進み、考える余裕が生まれます。
以下のようなフレームワークを活用すると、情報の整理・共有がしやすくなります。
●分かっていること/分からないこと
議論の前に背景や認識をそろえるために活用
●マトリックス
対立軸や優先度を整理することで意見が出やすくなる
例)意思決定を行う際のマトリックス
●プロセス図
流れを可視化することで、次のステップを考えやすくなる
例)新規事業のゴールを設定する会議の場合
●KPT(Keep/Problem/Try)
振り返りや改善点の明確化に役立つ
こうした仕掛けによって、参加者が「理解できた」「話についていける」と感じられるようになれば、自然と意見も出るようになります。
会議を活性化するには、まず話を理解できる状態をつくることが不可欠です。
1-5.目立つことへの抵抗感:多様な発言手段の用意
会議で発言すると「目立ってしまう」「人間関係に影響するかも」と感じてしまう人が多いと、率直な意見が出にくくなり、会議の活性化は難しくなります。
特に、発言によって周囲からネガティブな反応が返ってきたり、その後の関係性に気を遣わなければならない状況では、「わざわざ言う必要はない」と考えて黙ってしまう傾向があります。
たとえば、会議で意見を出したことで嫌味を言われたり、「じゃあそれお願いね」と仕事を押し付けられるような流れになってしまった経験があると、今後はなるべく目立たないようにしよう、と発言を避けるようになります。
こうした状態を改善するには、無記名で意見を出せる仕組みを取り入れることが有効です。
たとえば、会議中に付箋を使って意見を書いてもらい、壁に貼って全員で見ながら共有する、という方法があります。誰が書いたか分からない状態で意見が並ぶことで、「自分だけが目立つ」状況を避けられ、安心して意見を出しやすくなります。
無記名というだけで、関係性のしがらみを意識することなく本音を伝えやすくなり、結果として会議も活性化していきます。
会議では、「意見を言う=目立ってリスクを負う」ではなく、どんな立場の人でも安心して声を上げられる状態をつくることが大切です。
1-6.目的の曖昧さ:具体的なゴールとアジェンダ設計
会議の目的や目標、アジェンダが抽象的だと、参加者は何を考え、何を話せばいいのかが分からず、議論はかみ合わずに終わってしまいます。結果として、会議が活性化しないだけでなく、目的も達成できません。
「意見が出ない」「話が脱線する」「関係のない議論で時間だけが過ぎる」といったことが起きやすくなります。
このような事態を防ぐためには、会議の目的・目標を明確にし、それに沿ったアジェンダを具体的に設計することが重要です。
「なぜこの会議を行うのか」「何を達成すればいいのか」といった“会議の意味”を明らかにすることで、参加者の意識がそろい、議論も深まりやすくなります。
以下の2つの会議目的・アジェンダの例を比較してみてください。
パターン1 | パターン2 |
---|---|
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パターン2のように、目的・目標・アジェンダが明確だと、「何のための会議か」「何を考えるべきか」が伝わりやすくなり、参加者の行動や発言が的確になります。
こうした情報は、会議前にメールやチャットで共有しておくのがおすすめです。加えて、会議冒頭でファシリテーターが目的とアジェンダを読み上げて確認することで、全員の認識をそろえることができます。
資料や事前課題がある場合も、あわせて共有しておくと、共通の前提を持ったうえで建設的な議論がしやすくなります。
会議を活性化させるには、まず「なぜ集まるのか」「どこに向かうのか」を具体的にすることから始めてみましょう。
【関連記事】【テンプレート集】即効性抜群!会議をスムーズにするアジェンダ
1-7.参加人数が不適切:適切な参加者の設計
会議の参加者が適切でないと、議論がかみ合わず、会議は活性化しません。必要な人がいなかったり、逆に多すぎたりすることで、議論が進みにくくなるためです。
たとえば、議題に関係するキーパーソンが不在だと、重要な視点が欠けたまま議論が進み、結論の質も下がってしまいます。逆に、参加者が多すぎると発言の機会が限られたり、当事者意識が薄い人が増えたりして、活発な対話が生まれにくくなります。
実際に、米コンサルティング大手ベイン・アンド・カンパニーの調査では、「会議の参加人数が7人を超えると、1人増えるごとに生産性が10%下がる」という結果が出ています。
このような背景からも、会議の活性化には7人以下の少人数体制が望ましいとされています。
対策としては、会議の目的に照らして「この議論に必要不可欠な人は誰か」を明確にし、参加メンバーを絞ることが重要です。
また、参加を依頼する際には、その人に何を期待しているかを具体的に伝えられるかどうかを基準に選ぶと、より適切な人選ができます。
会議を有意義な時間にするためには、誰に参加してもらうかの設計も大切なポイントです。
1-8.レイアウトが不適切:対話がしやすい配置と場づくり
会議のレイアウトが適切でないと、参加者同士の対話が生まれにくくなり、会議は活性化しません。
特に「意見を出しやすい雰囲気」をつくるには、座席の配置が大きな影響を与えます。
たとえば、スクール形式(教室型)で机が前を向いて並んでいる状態では、参加者同士の顔が見えず、コミュニケーションが一方通行になりがちです。
視線や表情といった非言語のサインが感じられないことで、安心して発言する雰囲気が生まれにくくなります。
こうした状況を避けるためには、参加者同士の顔が見えるレイアウトにすることが効果的です。
具体的には、以下のようなレイアウトがおすすめです。
・島形式(グループごとの対面配置)
・バズ形式(少人数で輪になって話す)
・サークル形式(円状に座る)
※ ファシリテーション研修のテキストより一部抜粋
このようなレイアウトでは、相手のうなずきや笑顔といった非言語的なサインを感じやすく、安心感が生まれます。結果として、「話しても大丈夫」という空気が醸成され、意見交換が活発になります。
会議を活性化させたいときには、議題や参加者に合わせてレイアウトを意図的に設計することが大切です。
話しやすい場づくりは、座り方から始まります。
1-9.進行役の不在:ファシリテーターの配置と育成
ファシリテーターという進行役が不在の会議では、議論が停滞したり、沈黙が続いたりして、会議が活性化しにくくなります。進行を助け、場の流れを調整する存在がいなければ、停滞を打破することは難しいです。
誰も場を動かさないまま時間だけが過ぎてしまうと、参加者の集中力も徐々に失われてしまいます。
このような事態を防ぐには、会議前にファシリテーターの役割を決めておくことが効果的です。
ファシリテーターが、以下のような役割を担うことで、会議はぐっと動きやすくなります。
たとえば、
・話がブレたときに、議論を本筋に戻す
・意見が出ないときに、問いを投げて場を動かす
・沈黙が続いた場合、状況を整理したり、発言を引き出す工夫をする など
沈黙は必ずしも悪い時間ではなく、「考える時間」であることも多いですが、長く続くようであればファシリテーターが適切に介入することが求められます。
おすすめの介入方法として、会議室にあるペンを“バトン”にして次に発言する人へ渡していく方法があります。これにより、発言の流れが自然に生まれ、沈黙が回避されやすくなります。
このとき、「指名」という言葉は避け、「次に意見を聞きたい人にバトンを渡してください」と伝えることで、参加者の主体性を引き出すことができます。
対立が起きている場合には、対立構造を可視化したり、座席の配置を工夫することで、冷静に話し合える場をつくることも可能です。
会議の活性化には、ただ議題をこなすだけでなく、場の流れを“支える人”の存在が不可欠です。
会議の場を変えるのに、必ずしも大がかりな改革は必要ありません。
“恐怖心がある”“情報が整理されていない”“目的が曖昧”など、よくある状態に対して、ちょっとした設計やルールの工夫で活性化は大きく変わります。
「どう発言させるか」ではなく、「どうすれば自然と発言したくなるか」という視点を持つことが大切です。
2)活性化した社内会議を、現場につなげるための3つの工夫
会議で意思決定されたことが、現場でも主体的に実行される状態があってこそ、はじめて組織に変化が生まれます。
ここでは、そのために実践できる下記の3つの工夫をご紹介します。
・バトンメール®を活用する
・現場展開する際に工夫する
・現場の声を集めて、社内会議の参加者に共有する
バトンメール®を活用する
バトンメール®を活用するという方法があります。バトンメール®は、アーティエンスが開発した、会議後や研修後のフォローツールです。
参加者は4~5名のグループになり、1週間に1回、会議で決めたことについて「実践してみた経験」や「難しさを感じていること」などを書き、次の人に回していきます。
実施方法はメールでなくても、チャットなどでも問題ありません。
※ 当社資料より一部抜粋
会議後に参加者同士でバトンメール®を行うことで、会議での意思決定を何度も思い出す機会が生まれます。
これにより、「決まったことが実施されない」という事態を防ぎ、会議の熱量を維持しやすくなります。
また、会議後の行動変容や認知変容を、参加者同士で促すことができる点も大きな特徴です。
その結果、現場での実行力が高まり、次の会議へも自然につながっていきます。
現場展開する際に工夫する
現場展開の際には、いくつかの工夫が必要です。会議で意思決定されたことを実際に実行するのは、現場のメンバーであることが多いため、どのように想いを伝えるか、そして現場が実行しやすい内容になっているかがポイントになります。
想いを伝えるうえでは、意思決定された背景や、実行することで開かれる未来を現場にもイメージしてもらうことが大切です。現場の社員がその想いに共感し、自分たちもその未来を目指したいと感じられれば、社内会議と同じ熱量で主体的に取り組んでもらいやすくなります。
反対に、「会議で決まったことだからやってください」や「私は本当は反対なんだけどね」といった伝え方は、やる気を削いでしまうため避けましょう。
また、実行内容についても配慮が必要です。現場のやり方と合っていないと不満が出やすくなり、形だけの実行に終わってしまうこともあります。実行後は現場と密に情報共有を行い、必要に応じて内容を調整したり、支援を行ったりすることが欠かせません。丸投げや放置は厳禁です。
さらに、現場に展開する際は、できる限り具体的に伝えることを意識しましょう。アクションプランや納期を明確にすることで、「誰が、何を、いつまでに」やるべきかが明確になり、現場でもスムーズに実行しやすくなります。
現場の声を集めて、社内会議の参加者に共有する
社内会議をより実行力のあるものにするためには、現場の声を集めて会議参加者に共有することが欠かせません。
会議で決まったことを実行するのは現場であることが多いため、実際に業務に取り組んでいるメンバーがどんな課題や状況に直面しているのか、また、会議で決まったことが現場でどのように受け取られ、どのように実行されているのか、現場のリアルな声を通じて理解することが重要です。
そうした声をもとに支援や調整を行うことで、決定事項が現実的で実行可能なものになり、結果的に現場での実行力も高まります。
また、現場の声を会議参加者に届けることは、現場と会議体との連携を強化することにもつながり、組織全体に一体感が生まれやすくなります。組織としての活力を高めるうえでも有効なアプローチです。
現場の声を集める方法としては、現場社員へのインタビューやアンケートフォームでの収集が有効です。
特に、まだ関係性ができていない場合や、率直な意見を引き出したいときには、匿名性を担保することで、より素直な声を得られる可能性が高まります。
こうした仕掛けを通じて、社内会議だけでなく現場にも責任感や主体性をもって取り組んでもらえるような流れをつくることができます。
会議を活性化させることはゴールではなく、スタート地点にすぎません。
本当に意味のある会議にするためには、その場での意思決定が現場へしっかりと届き、行動として実行される仕組みが欠かせません。
今回紹介した工夫を取り入れることで、現場に任せきりにせず、会議と現場が双方向につながる状態をつくることができます。
3)社内会議の活性化を成功させた企業事例
ある食品メーカー(従業員約200名)は、コロナ禍による業績悪化や組織の停滞に直面していました。特に、トップダウンの指示命令型マネジメントが加速し、社員の自発的な行動が減少するという悪循環が生まれていました。
この状況を打開するため、「議論や対話の質の向上」に注目し、1ヶ月に1回のファシリテーション研修を1年間通じて12回実施しました。研修には、各部門から選出された16名が参加し、性別・役職・年齢をバランスよく構成しました。
▼実施スケジュール
研修の結果、以下のような組織変革が実現しました。
・会議の見直しが進み、工数削減と会議の質向上が実現
・プロセスが改善され新商品開発の効果と効率が向上
・社員主導の中長期計画プロジェクトが立ち上がり、経営理念の実現が加速
・営業手法を抜本的に見直し、コロナ禍に対応した新たなアプローチを導入
・マーケティング部門を新設し、組織力を高めながら仕組みで売れる体制を整備
このように、社内会議の質を向上させる取り組みは、組織全体の変革を促す重要な要素となります。
ファシリテーション研修でのファシリテーターの育成を通じて、社員の主体性を引き出し、組織の活性化を図ることができます。
4)まとめ|社内会議の質を高めるにはファシリテーター研修がおすすめ
社内会議が活性化しない原因は、「発言しづらさ」や「目的の曖昧さ」「進行の不在」など、実はちょっとした要因の積み重ねによるものです。
今回ご紹介した9の要因とその対策アイディア、そして現場へのつなぎ方や成功事例を通じてお伝えしたかったのは、「会議を変えることは、組織のあり方そのものを変える力を持っている」ということです。
会議が変われば、発言が増え、意思決定の質が上がり、現場の実行力も高まります。さらに、現場と会議の循環が生まれれば、組織全体の活力や一体感も育っていきます。
しかし、こうした会議の転換を自力で仕掛けていくのは、容易ではありません。そんなときにこそ活用いただきたいのが、アーティエンスのファシリテーション研修です。
アーティエンスは、単なるスキル習得にとどまらず、「会議を変えることで組織を変える」ことを目的とした実践型のファシリテーション研修を提供しています。会議の設計からファシリテーション、現場との接続までを一貫して支援することで、貴社の組織変革を強力に後押しします。
「うちの会議、何かが足りない」と感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。
一つの会議から、組織の未来を少しずつ変えていきましょう。