新入社員研修の振り返りは重要?具体的な手段と振り返るべき観点を詳しく解説

更新日:

作成日:2024.1.15

新入社員研修 振り返り


「新入社員研修の振り返りって必要?」
「新入社員研修の振り返りって具体的にどうすればいいの?」

このようなお悩みをお持ちの方が多くいらっしゃることかと思います。
結論から言うと、新入社員研修を実施した後の振り返りは欠かせません。新入社員が振り返りをすることで、学びをより深められるためです。また、人事や組織が振り返りをすることで、新入社員研修のアップデートもできます。

そこで本コラムでは、新入社員研修の振り返りをする大切さと具体的な手段についてお伝えします。新入社員研修の振り返りをすることで、新入社員の育成を向上しましょう。

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    このコラムで分かること

    • 新入社員にとって、新入社員研修の振り返りが重要な理由
    • 人事・組織にとって、新入社員研修の振り返りが重要な理由
    • 新入社員研修を振り返る具体的な手段と進め方
    執筆者プロフィール
    山下 絢加
    2013年にアーティエンスに入社。組織開発・人材育成のコンサルタントとして、大手企業から中小企業まで、幅広く研修プログラムの企画・開発・運営を実施。現在は主にマーケティングプランニングを担当。
    youtube:中小企業の人材育成・組織変革 専門チャンネル

    専門性:新入社員若手社員組織開発・組織変革

    1)新入社員向け|新入社員研修の振り返りが重要な5つの理由

    新入社員にとって新入社員研修の振り返りが重要な理由は次の5つです。

    ・学んだことを理解するため
    ・学んだことを業務に活かせるようにするため
    ・学んだことを思い出すため
    ・変化・成長を実感するため
    ・課題を明確にするため

    順番に説明します。

    学んだことを理解するため

    新入社員研修の後に振り返ることは、新入社員が学んだことを理解するために必要です。1日かけて学んだことを研修直後の振り返りの時間で自分なりに整理することで、学んだことを理解しやすくします

    例えば、アーティエンスのビジネスマナー研修は、「挨拶、言葉づかい、身だしなみ、敬語、名刺交換、来客・訪問対応、電話対応、文章コミュニケーション」といった内容を1日を通じてお伝えします。ビジネスマナーの基礎的な内容ではあるものの新入社員にとっては膨大な量でしょう。そこで、振り返りを行い、学んだ内容を整理し、理解する時間を確保することが重要になります。

    学んだことを業務に活かせるようにするため

    新入社員研修の後に振り返ることは、学んだことを業務に活かせるようにするために必要です。振り返りの中で、今日学んだことを業務のどの場面で活かすかを明確にすることで、翌日から学んだことを活かせられるようにします

    人は曖昧な内容では行動しづらく、行動が具体的になっている方が実行しやすくなる傾向を持っているためです。新入社員研修後に振り返りの時間がないと、ただ知識やスキルのやり方を得ただけで終わりになってしまい、学んだことを業務で活かせない状態になってしまう人もいます。

    例えば、「今日研修で学んだことを明日から活かせるようにします」という意思表示だけではほとんどの確率で学んだことが活かされないまま明日が終わるでしょう。明日になった時に、具体的に何をどう活かそうかを考えないといけなくなり、その工程が面倒だったり、そんなことを考えている時間がないと後回しにされるためです。

    そうならないようにするためにも、新入社員研修後に、今日学んだことをどのように業務で活かせそうかを考える時間を振り返りの中で行うことが必要です。

    学んだことを思い出すため

    新入社員研修の後に振り返ることは、学んだことを思い出すために必要です。人は一度学んだだけでは記憶が定着せずに忘れていってしまいます。新入社員研修を受けてからしばらく経ったときに研修を振り返る時間を設けることで、忘れてしまっていた内容を思い出して、業務に活かせるようにします

    人の忘却のメカニズムの研究として、1日後には34%、1か月後には21%しか記憶した内容を覚えていないという研究結果(Ebing Housの忘却曲線)があります。

     エビングハウスの忘却曲線画像参照:エビングハウスの忘却曲線

    この実験は無意味な単語を覚え、その後の記憶の定着率を表した実験結果のため、意味のある研修の内容にはそのまま適応できませんが、1日経てばかなりの部分を忘れてしまうことは確かでしょう。

    研修での学びを記憶に留めるだけでなく、認知・行動変容へと繋げていくには、定期的に新入社員研修の内容を振り返ることが不可欠です。

    変化・成長を実感するため

    新入社員研修で振り返ることは、変化・成長を実感するために必要です。今までの仕事を振り返ることで、自分が成長していることを実感し、次の仕事へのモチベーションやエンゲージメントの向上につながります

    新入社員は日々新しい仕事に触れて、毎日を全力で駆け抜けているため日常の中で自身の成長を実感できる機会が少ないです。しかし、自身が成長している実感を持てないと、「いつまで経っても先輩に迷惑をかけてしまっている。自分はなんてダメなんだろう」「今のままの仕事環境だと自分の未来に希望はあるのだろうか」などとネガティブな感情を引き起こしやすくなります。このような感情が続くと職場に居づらさを感じて離職を考えるようにもなってしまいます。

    そうならないようにするためにも、新入社員研修の中で自身の仕事を振り返り、変化や成長を実感する機会を作ることが必要です。

    課題と目標を明確にするため

    新入社員研修で振り返ることは、課題と目標を明確にするために必要です。振り返りは、新入社員が次の段階に進むための計画を立てる手段にもなります。今までの仕事を振り返り、苦手に感じていることや今後強化したいスキルを洗い出せると、今すべきことと今後の目標が明確になります

    しかし自身の仕事を振り返る機会を設けていないと、新入社員が解決すべき課題は何か、これからどのようなキャリアを進みたいか、そのために何をすべきなのかが見えません。その状態では新入社員のモチベーションが低下しやすくなります。また、OJTでの育成もしづらくなります。

    そうならないようにするためにも、新入社員研修の中で今までの仕事を振り返り、自身の課題と向き合ったり、目標を明確にすることが必要です。

    新入社員に研修の振り返りをしてもらうことはこれらの理由から重要です。

    2)人事・組織向け|新入社員研修の振り返りが重要な2つの理由

    人事・組織にとって新入社員研修後に振り返ることが重要な理由は次の2つです。

    ・新入社員の育成施策を調整するため

    ・新入社員研修をアップデートするため

    順番に説明します。

    新入社員の育成施策を調整するため

    人事・組織にとって新入社員研修後に振り返ることが重要な理由は、新入社員の育成施策を調整するためです。振り返りをすることで新入社員の状態について理解が深まり、適切に育成を調整できます

    新入社員研修を振り返る中で、もしうまく伝え切れなかったところがあれば、その点をフォローするための勉強会を開いたり、OJTトレーナーに伝えてフォローしてもらうなど調整できます。

    また新入社員個人についても、研修の様子から、「Aさんは自分の意見が正しいと思っていて周囲の意見にあまり耳を貸さなそうだったから、そのことを意識して育成した方がいいね」などの個別の育成の仕方についても対策できます。

    このように新入社員研修を振り返ることで、新入社員の状態に合わせた育成の調整ができます

    新入社員研修をアップデートするため

    人事・組織にとって新入社員研修後に振り返ることが重要な理由は、新入社員研修をアップデートするためです。振り返りをすることで改善点が見つかり、次年度以降の新入社員研修をより良くしていけます

    新入社員研修を振り返ることなく、毎年実施して終わりにしてしまっていると、内容が改善されていきません。新入社員研修はさまざまなことを考慮して作成されていると思いますが、どうしても実際に新入社員に受けてもらわないと見えてこない課題もあります。

    例えば、当社の新入社員研修のミニワークの一つとして、銀行にないとダメなもの、あればいいものを考えて書いてもらうワークがありました。

    今までは上記の解答例を出して納得している人が多かったのですが、数年前にこの解答例を出したときに違和感を感じている人が多かったため、ワークの内容を変更したことがありました。(数年前までは店舗の銀行をイメージする人が多かったですが、今ではネット銀行をイメージする人が多く、解答例に違和感を感じている人がいました。)

    このように時代によって新入社員の反応が変わることもあるため、それらをアップデートしてくことは必須です。そのことに気づいて改善策を考えるためにも、新入社員研修の振り返りが必要です。

    人事や組織に研修の振り返りをしてもらうことはこれらの理由から重要です。

    3)新入社員向け|新入社員研の振り返りの5つの手段

    新入社員が新入社員研修の振り返りをするための具体的な手段を5つ紹介します。

    手段 期待できること
    振り返りシート 学びを整理し、現場での実践につなげられるようになる
    日報 リマインド効果が生まれ、研修で学んだことを業務で活かそうとする意識が高まる
    バトンメール® リマインド効果が生まれ、研修の学びが継続される
    レポート作成・プレゼン発表 学びを思い出した上で学びをより深く理解できるようになる
    フォローアップ研修 自身の成長を実感したり課題と向き合う機会を作れる

    振り返りシート

    新入社員が新入社員研修を振り返るために振り返りシートが有効です。振り返りのテーマを組織側で決めておけるため、新入社員は問いに答えるだけで意味のある振り返りができます

    例えば、アーティエンスでは次のシートを活用しています。

    ※ 当社の研修振り返りシート(ブリッジシート)

    研修の振り返りシートは、研修で学んだことの言語化ができることと、学んだことをどう活かすかを言語化できることがポイントです。

    当社の振り返りシートでは、①②で研修での学びの理解度を確認し、③で現場での活かし方を明確にしています。研修で学んで終わりではなく、この学びを現場での仕事でどう活かすかを言葉にすることで、一歩を踏み出せるように促しています。④では、現場で活かす際に難しさを感じそうなことを想像して書いてもらうことで、現場でうまく活用できない時の準備を行えます。また、この内容を人事やトレーナーが見ることで、フォローできる状態にしておくこともできます。

    実際に新入社員が記載した内容をいくつかご紹介します。

    ※ 新入社員に記載いただいた研修振り返りシート(ブリッジシート)

    研修を受けて終わりだと、研修で自分は何を学んだのか、学んだことをどう活かすのかが明確にならないままで、明日から学びを活かすことが難しくなります。そのため、研修後にこのような振り返りシートを活用して自分で言語化することで、学びを現場での実践につなげられるようになります

    なお振り返りシートを用いて振り返りを行う場合のおすすめのタイミングは、研修終了直後〜1週間以内です。

    日報

    新入社員が新入社員研修を振り返るために、日報の中に「研修の学びをどのように活かしたか」の項目を設けて記載してもらう方法があります。毎日研修で学んだことを思い出すため、記憶に定着しやすくなりますし、また、学んだことを活かそうとする動きも増えます

    例えば、研修でビジネスマナーについて際は日報に次のような項目を設けるというイメージです。

    「今日、ビジネスマナーをどのタイミングでどのように活かしましたか。」
    「ビジネスマナーを実践してみて、どのような影響がありましたか。ポジティブな影響でもネガティブな影響でも構いません。」
    「ビジネスマナーを実践してみての気づきやモヤモヤがあれば書き出してみましょう。」

    このように日報に研修を思い出させる項目を設けて記載してもらうことでリマインド効果が生まれ、研修で学んだことを業務で活かそうとする意識が高まります
    おすすめの実施期間は、研修の翌日〜1ヶ月程度です。

    【関連記事】新入社員の日報フォーマット│日報の書き方と成長につなげるコツ

    バトンメール®

    新入社員が新入社員研修を振り返るために、バトンメール®もおすすめです。

    バトンメール®は、アーティエンスが開発した研修後のフォローツールです。新入社員が4~5名のグループになり、1週間に1回、「研修で学んだことをこんな風に現場で使ったよ」という内容を書いたメールを書いて、次の人に回していくというものです。
    バトンメール®を行うことで、研修の学びが継続されていくことが期待できます。おすすめの実施期間は、研修の1週間後〜3ヶ月程度です。

    このようにバトンメール®を行うことで、研修のことを思い出し、また、研修での学びを他の新入社員はどのように実践しているのかを知れるため、研修の学びが継続されていきます

    レポート作成・プレゼン発表

    新入社員が新入社員研修を振り返るために、レポート作成やプレゼン発表も手段の一つです。研修で学んだことを思い出して、学んだことを活かせるようになるためです。

    研修レポートについてはフォーマットを人事側で用意しておくと、振り返ってほしい項目について振り返りを促せます。各項目については、テキストをそのまま書き写しただけにならないよう、新入社員の言葉で記載してもらえるようにする工夫が必要です。

    プレゼンをしてもらう場合は、研修の内容をまとめて発表するやり方では研修のテキストの流れの通りになりやすいため、研修で学んだどのような知識やスキルを実務の中でどのように実践したのかをプレゼンテーションとして発表してもらうというやり方をおすすめします。

    それぞれ、実施タイミングのおすすめは研修の1~2週間後です。

    レポート作成やプレゼンの準備にはある程度の時間がかかるため、業務時間内に作業できるよう、作成の時間を確保してもらっておきましょう。時間がない中で作成すると、完成させることに意識が向いて振り返りの効果が弱くなってしまいます。

    このようにレポート作成やプレゼン発表を通して新入社員研修を振り返ってもらうことで、学びをより深く理解できるようになります

    フォローアップ研修

    新入社員が新入社員研修を振り返るために、フォローアップ研修の実施もおすすめです。フォローアップ研修とは、新入社員のさらなる活躍や、組織の未来への希望を高めるために実施される研修です。自身の成長を実感したり課題と向き合う機会を作れます

    例えば、アーティエンスの1年目フォローアップ研修では、自身の今までの仕事を振り返ってストーリー形式で他のメンバーにシェアする時間を作っています。聞き手はその人の話を聞きながら「よいと感じたこと」「素晴らしいなと思ったこと」をメッセージとして伝えてもらいます。そうすることで、当人は自身の経験を客観的に振り返えられ、また他者からのメッセージをもとに自分の成長を自覚できます。

    また、当社の成長力強化研修では、自らの「現状」と「課題」に向き合い、これからの「目指したい姿」を探求していきます。

    このようにフォローアップ研修で自身の成長を実感する機会を設けたり、課題や目指したい姿を探求する時間を作るなどの振り返りの時間を設けることで、新入社員のモチベーションやエンゲージメントの向上を促します

    フォローアップ研修は入社後半年の9月~11月頃に実施する企業が最も多く、次に入社後3ヶ月、もしくは2年目直前の3月頃に実施されることが多いです。

    このような手段を使って、新入社員が研修の振り返りをできるようにしましょう。

    【関連記事】新入社員フォローアップ研修の目的と内容例

    4)人事・組織向け|新入社員研修を振り返るために見るべき4つの観点

    人事や組織が新入社員研修を振り返るための見るべき観点を4つ紹介します。

    観点 期待できること
    新入社員の主体性度合い・集中度合い 新入社員の学びの深さを確認できる
    新入社員に記載してもらう振り返りシート 新入社員の理解度を確認できる
    新入社員の研修開始時・終了時のコメント 新入社員の研修でのリアルな変化を見られる
    他者からのフィードバック 新たな視点の意見を得られる

    新入社員の主体性度合い・集中度合い

    まず一つ目は、新入社員の主体性度合い・集中度合いです。新入社員が集中して主体的に研修に参加していたら、学びも深くなっている場合が多いためです。

    主体性と集中度合いを見るためには、以下のような部分を意識してみてください。

    ・新入社員の体の向き
    椅子に座っている時に上体が前のめりになっていると主体的に参加していますが、背もたれに寄りかかっているような場合は参加度合いが低くなっています。

    ・手の動き
    ペン回しをしていたり、何かをいじっている場合は集中力が弱くなっています。

    ・ワークの時間
    ワークの時間が予定していた時間より大幅に上回っている場合は、集中力が低下している可能性が高いです。

    これらの部分を研修中に意識的に確認し、研修直後にその観点について振り返りを行うことで、新入社員研修の改善に繋げられます

    新入社員に記載してもらう振り返りシート

    二つ目は、新入社員に記載してもらう振り返りシートの内容です。振り返りシートから新入社員の理解度を確認できるためです。
    振り返りシートを新入社員研修の改善に繋げる観点にする場合は、次の2つのことが必要です。

    1、振り返りシートに何を学んだのかを記載する項目を作っておくことと
    2、研修のラーニングポイントを決めておくこと

    ラーニングポイントとは、研修でこれだけは達成する目標みたいなものです。ラーニングポイントと新入社員が振り返りシートに記載している学んだことが一致しているか否かを確認することで、研修の目的達成度を確認できます。

    ラーニングポイントと振り返りシートの内容がズレている場合は、期待していた学びを得られていない可能性が高いため、新入社員研修の改善が必要です。

    振り返りシートを用いて新入社員研修の振り返りをする際は、記憶が新しい研修終了直後〜1週間以内に行うことをおすすめします。

    新入社員の研修開始時・終了時のコメント

    三つ目は、新入社員の研修開始時・終了時のコメントです。新入社員のリアルな変化を見られるためです。

    当社では、研修開始時と終了後は、チェックイン・チェックアウトというものを導入して、受講生のコメントや変化・状態を確認しています。チェックインとは研修に入る前に「今の率直な気持ち・気になっていること」について一人一言声を出して話す時間です。チェックアウトは、研修の最後に「内省・対話で明らかになったこと」「新たに取り組んでみたいこと」「本日の感想」などを自由に声に出してもらう時間です。
    例えば、アーティエンスの上司との協働体感研修ではチェックインとチェックアウトで次のような変化が起きていました。

    【チェックイン】※研修開始時のコメント
    ・自分の仕事はチームで行うので、今日の研修でイメージを持てるようにしたい
    ・職場で活かすイメージを持って取り組みたいと思う
    ・新しいことに挑戦するのが苦手だが挑戦したい
    ・周りに働きかけるのが苦手なので、頑張りたい
    ・意味のある発言をしてグループワークを前に進められるようにしたい
    ・いままでの振り返りをしっかりして、その上で仕事に活かせるような学びを得たいと思う
    ・自分が会社の代表として仕事できるように学んでいきたい

    【チェックアウト】※研修終了時のコメント
    ・インプットとアウトプットの繰り返しで成長するんだなと思った。営業の仕事でアウトプットする機会が多いと思うので、前回の反省を次回に活かせるような仕事をしていきたい
    ・報連相の大切さを知った。これくらいは報連相しなくてもいいかなと思っても、それが信頼や信用につながるんだと思った
    ・自己開示をすると相手の開示レベルが上がるなと思った
    ・チームで合意形成をして進めていくことの難しさを感じた
    ・報連相に行かないと上司が不安なんだということがわかった。自分から動きに行くことが大切だと思った
    ・私のテーマは、「自分が動け!」です。できない自分に気付き、社会人になることが不安になった。今気づいて、本当に良かった。自分が動かないと何も変わらない
    ・報連相をまめにしたい。そして、常に目的・背景、この二つを抑えたい

    ここでのチェックインとチェックアウトの変化をみると、研修でリアルな仕事の進め方を体験したことで、報連相の大切さやチームで動くことの難しさを感じている人が多いことがわかります。

    このような変化を見て、人事や組織として意図した気づきやモヤモヤを持っている人が多い場合は、新入社員の目的が達成できている可能性が高いです。一方、チェックアウトでネガティブすぎる意見や意図していないモヤモヤを感じている人が多い場合は、研修を改善した方が良いサインです。
    チェックインとチェックアウトの変化によって新入社員研修の振り返りをする際は、研修中にできる限り聞こえてくる言葉をメモしておき、後から振り返られるようにしておきましょう。これも記憶が新しい研修終了直後〜1週間以内に振り返ることをおすすめします。

    他者からのフィードバック

    四つ目は、他者からのフィードバックです。研修を設計した人ではないからこそ気づく視点があるためです。

    例えば、他の部署の人に研修に参加してもらったり、昨年新入社員研修を受講した2年目社員数名に参加してもらうなどです。それぞれの視点からフィードバックをもらうことで新たな気づきを得られるかもしれません。
    他者からのフィードバックによって振り返りをする際は、できるだけ参加してくれた人の記憶が新しい研修直後に確認することをおすすめします。

    他の人に参加してもらう場合は、あらかじめフィードバックの観点を伝えて、それを意識して参加してもらうようにしましょう。フィードバックの観点として、以下のことは確認できると良いでしょう。

    ・よかった点
    ・目的にあった内容だったか
    ・わかりづらい箇所
    ・これも伝えて方がいいのでは?と思う内容
    ・誤字脱字などのケアレスミス
    ・研修の環境で気になること など

    このような他者からのフィードバックを得ることで、新入社員研修をより良いものにできます

    5)まとめ〜アーティエンスでは新入社員研修で振り返りまでサポート〜

    本コラムでは、新入社員研修の振り返りをする大切さと具体的な手段についてお伝えしました。

    新入社員にとって新入社員研修の振り返りが重要な理由は次の5つです。
    ・学んだことを理解するため
    ・学んだことを業務に活かせるようにするため
    ・学んだことを思い出すため
    ・変化・成長を実感するため
    ・課題を明確にするため

    人事・組織にとって新入社員研修後に振り返ることが重要な理由は次の2つです。
    ・新入社員の育成施策を調整するため
    ・新入社員研修をアップデートするため

    これらの理由から新入社員研修の振り返りは必要と言えます。

    新入社員が新入社員研修の振り返りをするための具体的な手段は次の5つです。

    手段 期待できること
    振り返りシート 学びを整理し、現場での実践につなげられるようになる
    日報 リマインド効果が生まれ、研修で学んだことを業務で活かそうとする意識が高まる
    バトンメール® リマインド効果が生まれ、研修の学びが継続される
    レポート作成・プレゼン発表 学びを思い出した上で学びをより深く理解できるようになる
    フォローアップ研修 自身の成長を実感したり課題と向き合う機会を作れる

    人事や組織が新入社員研修を振り返るための見るべき観点は次の4つです。

    観点 期待できること
    新入社員の主体性度合い・集中度合い 新入社員の学びの深さを確認できる
    新入社員に記載してもらう振り返りシート 新入社員の理解度を確認できる
    新入社員の研修開始時・終了時のコメント 新入社員の研修でのリアルな変化を見られる
    他者からのフィードバック 新たな視点の意見を得られる

    このような手段や要素を意識して、研修の振り返りをできるようにしましょう。

    なお、アーティエンスでは新入社員研修で振り返りまでサポートしています。

    ●新入社員研修で「学び→実践→振り返り」と失敗経験の活かし方をレクチャーを実施

    ●振り返りが深まる振り返りシート(ブリッジシート)を使用

    ●受講生の個別フィードバック、客観的なプロ視点で現場育成へアドバイス
    (4月研修を5日間以上導入いただいた企業様への限定サービスです。5月以降の実施をご希望の場合:1回(1時間)1万円~2万円です。)

    ●組織の状態に合わせたフォローアップ研修が充実

    新入社員研修についての相談や詳細については、お問合せからご連絡ください
    新入社員研修の振り返りをすることで、新入社員の育成を向上しましょう。

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