- [ コラム ]
社員の忖度が組織を腐らせる!健全な組織創りのための解決方法
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成果が出ない原因は職場の信頼関係? 関係性を変える8つの行動
更新日:
「職場に信頼関係が足りていないかもしれない」
「うちの社員たち、遠慮して本音を言えていない気がする」
――そんな違和感や不安を感じていませんか?
制度や仕組みを整えても、なかなか成果が上がらない。そこには職場の「信頼関係不足」が潜んでいるかもしれません。
本コラムでは、職場で信頼関係が必要な理由、信頼を築く具体的な行動、そしてそれが職場にもたらすポジティブな影響について詳しく解説します。
信頼関係は、すべての組織にとって欠かせない“土台”です。
関係の質を高めることで、思考・行動・結果の質にもポジティブな影響を起こすことができます。
本コラムを参考に、信頼関係を改善し、行動や結果を変えていきましょう。
目次
1)職場で信頼関係が必要なワケは、「関係性」が「成果」の起点となるから
職場において信頼関係が必要なのは、社員一人ひとりの思考や行動の質を高める起点になるためです。そしてその積み重ねが、最終的に組織全体の成果に直結していきます。
「成果を上げたい」「もっと自発的に動いてほしい」と感じたとき、多くの人は「行動」や「仕組み」の改善から考えがちです。
しかし、本質的な変化や成果を生み出すには、人と人との“関係性”=信頼関係を見直すことが不可欠です。
これは、MIT組織学習センター共同創設者のダニエル・キム氏が提唱した「成功循環モデル」でも説明できます。
成功循環モデルとは、成果を生み出すプロセスを、以下の図のような順で捉える考え方です。
※ 当社 ファシリテーター研修資料より一部抜粋
この循環は一方向ではなく、関係の質が結果にも再び影響を与える「ループ構造」になっています。
この流れからもわかるように、「行動」や「成果」だけを求めても、関係性が不十分なままでは、良いサイクルは生まれません。
具体的に、信頼関係がある職場と、ない職場では以下のような違いが出てきます。
信頼関係がある職場 | 信頼関係がない職場 |
---|---|
心理的安全性が高く、社員が安心して意見・提案を発信できる | 発言が減り、アイデアや課題が埋もれる |
チーム内で連携や助け合いが自然に生まれ、生産性が向上する | 責任の押し付け合いや孤立が生じる |
情報共有やフィードバックが活性化し、問題の早期解決につながる | 情報共有が滞り、問題が慢性化する |
このように、信頼関係の有無は職場の空気感や業務の質、そして組織全体の成果に大きな影響を与えます。
だからこそ、成果を出せる組織づくりの第一歩として「信頼関係」の構築が必要です。社員同士の信頼を土台にした関係性づくりが、思考・行動・成果の質を底上げし、組織の持続的な成長を後押しします。
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2)職場で信頼関係の築くために必要な8つのこと
職場で信頼関係を築くためには、日常の中での小さな行動の積み重ねが重要です。以下の8つのポイントを意識することで、相手との関係性が深まり、信頼が育まれていきます。
① 約束・納期を守る
② 自身に非がある時は素直に謝る
③ 他者を非難しない
④ 積極的にサポートする
⑤ 時には周囲を頼る
⑥ 自己開示をする
⑦ 周囲のメンバーに関心を持つ
⑧ 感謝を伝える
順番に説明します。
① 約束・納期を守る
信頼関係を築くためには、日々の約束や納期をきちんと守ることが基本です。守られないと「自分は大切にされていない」と感じてしまうためです。
例えば上司の場合、部下との1on1の予定をクライアント都合で何度も後回しにしてしまうと、「自分は後回しにされる存在なのか」と部下に思わせてしまい、信頼を損ないます。
部下の立場では、頼まれたタスクを期限内にしっかり仕上げることはもちろん、「間に合いそうにない」と気づいた時点で早めに相談することが信頼につながります。進捗をこまめに共有するだけでも、「しっかり考えて動いているな」と上司に安心感を与えられます。
また、「言っていること」と「やっていること」が一致しない場合も信頼を揺るがします。仕事では「クライアント>社内の人」という優先順位が見えがちですが、相手が誰であっても人として対等に接し、約束を守る姿勢が信頼関係の構築につながります。
② 自身に非がある時は素直に謝る
信頼関係を築くには、自分に非があるときに素直に謝ることが大切です。言い訳ばかりされると、誠実さに欠ける印象を与えてしまうためです。
例えば、上司が会議のスケジュールを間違えて部下を待たせてしまった場合、「ごめん、完全にミスだった」と素直に謝ることで、部下との信頼関係を保つことができます。上司の人間味に触れ、部下が親近感を持つこともあります。逆に曖昧な言い訳でごまかされると、信頼が一気に冷めてしまいます。
部下も同様に、自分のミスを正直に報告することで、「誠実な人だな」「信頼できるな」と感じてもらえます。
人は誰しも失敗やミスをします。その時に、素直に謝ることができるか否かが信頼関係につながります。
③ 他者を非難しない
信頼関係を築くためには、他者を非難しない姿勢を持つことが重要です。誰かの悪口を聞いた瞬間、「自分も陰で言われているのでは?」と不安になり、オープンな関係が築けなくなってしまうためです。
例えば、誰かが不在の場で家族や同僚の愚痴をこぼすと、それを聞いていた周囲も「自分のことも陰で言われているのでは」と警戒してしまいます。
部下も同じく、他部署や他の上司の悪口を漏らすと上司からの信頼が揺らぎます。
オープンな意見交換ができる関係性を育むためにも、ネガティブな発言には注意しましょう。
④ 積極的にサポートする
信頼を深めるためには、自分の役割を超えてでも、相手をサポートする姿勢が大切です。助けてもらえた経験は、相手への安心感と感謝につながり、自然な信頼関係が生まれるためです。
例えば、上司が会議中に発言しづらそうな部下に「○○さん、何か意見ある?」と声をかけるだけで、「気にかけてくれている」と感じてもらえます。
部下の立場でも、「この資料、今少し手が空いているので手伝いましょうか」と申し出ることで、「助かる、よく見てくれているな」と信頼が深まります。
ちょっとした配慮や気づきが、信頼の土台をつくります。
⑤ 時には周囲を頼る
信頼関係を築くためには、時には周囲の人を頼ることも必要です。人は頼られることで「信頼されている」と感じ、自信や誇らしさにつながるためです。
上司が部下に「この企画、君のアイデアも聞かせてくれない?」と頼ると、部下は「自分の意見が求められている」と感じ、関係性が近づきます。
部下も、上司に対して「この表現、どちらが良いか迷っていまして…」と相談するだけでも、「ちゃんと考えたうえで頼ってくれている」と感じてもらえます。
完璧にこなすだけが信頼ではなく、適切に頼ることも信頼構築の一部です。
⑥ 自己開示をする
自分の経験や想い、ちょっとした弱みを開示することで、人柄が伝わり、信頼を得やすくなります。人柄や背景を知ることで、共感や理解が深まり、関係性が近くなるためです。
例えば、上司が「自分も新人時代はここが苦手だった」といった経験を話すことで、「自分と同じように苦手と感じていることもあったんだ」と安心します。
部下からも、「実は緊張してしまうタイプで…」と打ち明けることで、「そうだったんだ」と理解してもらいやすくなります。
自己開示は、「話しても大丈夫」という安心感を生み、信頼のきっかけになります。
⑦ 周囲のメンバーに関心を持つ
信頼関係を築くには、周囲のメンバーに関心を持つことが大切です。相手の特性や強みを理解することで、適切なコミュニケーションや支援ができるようになるためです。
例えば、得意なことを理解していれば、それを活かせる仕事を依頼し感謝が生まれます。依頼した人は成果を得られたことに、依頼された人は自分の強みを活かせたことに感謝し合える関係になります。
部下も、上司の好みや思考の傾向を知っていれば、「この伝え方なら響きそう」と配慮ができるようになります。お互いの理解が深まれば、無用なすれ違いも減り、自然と信頼が生まれます。
こうした相互理解が、強いチームを育てていきます。
⑧ 感謝を伝える
信頼関係を築くためには、感謝の気持ちを伝えることが欠かせません。感謝されることで自分の行動が認められていると実感でき、前向きな関係性が築けるためです。
例えば上司が、「あの資料、わかりやすくて本当に助かった」と伝えると、部下のモチベーションが上がります。
部下も、「会議でフォローしてくださってありがとうございました」と一言伝えることで、「しっかり見てくれていたんだな」と上司に伝わります。
感謝の言葉を伝えるには、日頃から相手の行動や言動にしっかり目を向けていることが大切です。だからこそ、感謝をきちんと伝えられる人は、「ちゃんと見てくれている」と相手に感じてもらえ、信頼を得やすくなります。
信頼関係は、日常のちょっとした言動や姿勢の積み重ねによって築かれます。
上司と部下、どちらの立場であっても、「自分から信頼をつくりにいく」姿勢を持つことが、より良い関係性の第一歩です。
今回紹介した小さな行動が、結果として職場全体の風土やパフォーマンス向上につながります。
3)信頼関係のある職場で起きるポジティブな影響
信頼関係が職場にあると、安心感や協力体制が育まれ、組織全体の生産性と成果が高まります。信頼関係によってもたらされる具体的なポジティブな状態を5つご紹介します。
・困ったときに助け合える
・建設的な議論ができる
・仕事を任せられる
・人間関係でのストレスが軽減される
・協働できる
困ったときに助け合える
信頼関係があると、困ったときに素直に助けを求めやすくなります。「できない人と思われたくない」という不安より、「助けてくれる」という安心感が勝るためです。
例えば、自分の業務量が多くスケジュールが厳しいとき、信頼関係があれば正直に上司や同僚に相談し、協力して問題解決に向かえます。一方、信頼がないと無理をして一人で抱え込み、結果として質の低下や納期遅延につながる可能性があります。
信頼関係は「助けを求めても大丈夫」という安心感を生み、健全なサポート体制を築く土台になります。
建設的な議論ができる
信頼関係があると、メンバー同士が意見を遠慮なく出し合えるため、建設的な議論ができます。相手が否定する意図ではなく、より良いものを一緒に考えてくれているという前提があるためです。
例えば社内会議では、信頼があれば「自分の意見を伝えるのが怖い」といった不安は少なくなり、率直に意見交換ができます。結果として納得感のある結論にたどり着け、成果につながりやすくなります。
このように、信頼関係があると、安心して対話ができ、仕事の質ややりがいが高まる環境をつくることができます。
仕事を任せられる
信頼関係があると、互いに安心して仕事を任せたり引き受けることができます。「任されたことに応えたい」という責任感や、「何かあってもサポートしてもらえる」という信頼があるためです。
例えば、会議資料の作成を依頼する場合、相手がこれまで納期を守ってきた、丁寧な仕事をしてきたという信頼があれば、細かな確認をせずに任せることができます。逆に信頼がなければ「本当に大丈夫かな」と不安になり、任せる側にも余計な負荷がかかってしまいます。
このように、信頼があることで「任せる」「任される」のやりとりがスムーズになり、組織全体の生産性が高まります。
人間関係でのストレスが軽減される
信頼関係があると、職場での人間関係によるストレスが減少します。コミュニケーションが円滑になり、誤解や衝突が起きにくくなるためです。
例えば、考え方の違いがあっても、「この人は自分を否定しているわけではない」と思えると、冷静に話し合ってお互いの考えを統合しやすくなります。信頼がないと、相手の意見に対して攻撃されたと感じたり、必要以上に自分を守ろうとしたりしてしまい、ストレスが溜まっていきます。
このように、信頼関係は「安心して話し合える空気」をつくり、人間関係の摩擦やストレスを最小限に抑える役割を果たします。
協働できる
信頼関係があると、お互いの特性を活かして自然と協働することができます。相手の強みを認め合い、「一緒にやった方が良い成果を出せる」と実感しているためです。
例えば、プレゼンに向けて、資料作成が得意な人、話し方が上手な人、フォローに長けている人がチームで動くと、それぞれの力を発揮し、成果の質が大きく高まります。一方、信頼がないと「自分でやった方が早い」と孤立しやすく、限界のある成果にとどまってしまいます。
信頼関係があると協働が自然と生まれ、メンバー全員が自分の役割や価値を実感しながら働ける職場になります。
今回紹介したように、職場に信頼関係が築かれていると、助け合い・建設的な議論・安心して任せられる関係性が生まれ、日々の仕事の質が大きく向上します。また、不要なストレスが減ることで心に余裕が生まれ、チームとして自然な協働も実現しやすくなります。
成長し続ける組織を目指すためには、業務効率やスキル向上の前に、まず「信頼関係づくり」に目を向けることが大切です。
3)まとめ|アーティエンスでは研修を通して職場の信頼関係向上をサポートします
本コラムでは、「なぜ職場で信頼関係が必要なのか」「どうすれば信頼関係を築けるのか」「信頼関係があることで何が変わるのか」について具体的に紹介しました。
信頼関係は、制度やスキルだけでつくられるものではありません。
日々のちょっとした言動や、相手を思いやる姿勢の積み重ねが、信頼を育てていきます。
今自分ができることから少しずつ行動を変えていくことで、関係性が変わり、やがてチーム全体・組織全体へと良い影響が波及していきます。
しかし、信頼関係の構築は個人の行動に依存しやすく、「組織として支援するのは難しい」と感じる方も少なくありません。
そこで、アーティエンスでは、信頼関係の土台づくりをサポートするための各種研修をご用意しています。
【職場の信頼関係向上につながるおすすめ研修】
●関係性構築力研修
自己理解と他者理解を通じた、円滑なコミュニケーション方法の習得を目指します。
●メンバー向けチームビルディング研修
チームの一員としての当事者意識醸成と、チーム力を高める仕組み創りの習得を目指します。
●困難を乗り越えるリーダーシップ開発コース
“チーム創り”に絞ったスキル提供で、管理職とチームの変容を促します。
「チームの雰囲気をよくしたい」「成果を上げる土壌を整えたい」そう思われた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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信頼関係は、すべての組織にとって欠かせない“土台”です。
関係の質を高めることで、思考・行動・結果の質にもポジティブな影響が循環し、より素晴らしい成長を促しましょう。

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