研修・セミナーレポート

2025年8月28日 効率的な会議進行スキル習得研修 ー公開講座研修レポート

更新日:

本内容は、2025年8月28日に開催した「効率的な会議進行スキル習得研修」の公開講座研修レポートです。研修概要、終了時のコメント、そして研修内容を時系列に沿ってご紹介します。

1)効率的な会議進行スキル習得研修 概要

今の会議を迷いなく、効率的に進めるためのスキルを習得することを目的としています。

会議ファシリテーター育成のための【基礎編】として、ファシリテーターの重要性・役割理解と、会議参加者のコミットメントを高めるためのスキルを習得します。

3つの学びのポイント

①議論の流れを掴む|成果を生む5つのプロセス

会議の質と参加者のコミットメントを高めるために、ファシリテーターとしての役割や、成果を生む5のプロセスを理解します。プロセスを理解することで、全体感を持って会議に臨むことができます。

②明確な目標と動きを創る|OARRとアジェンダ

OARR(オール)等の会議における基礎スキルを学びます。研修内での実践を通し、会議の質を上げるためのスキルを習得します。

③問いで引き出す|プッシュとプルのバランス

ファシリテーションの基礎スキルとなる問いのスキル「プッシュとプル」を、ワークを通じて実践的に習得します。

アジェンダ

①事前講義|ファシリテーターとは?
┗ファシリテーターの役割
②すばらしい会議の場/そうでない会議の場とは
③ファシリテーターに必要な4つの要素

┗前提①会議体の4つの種類
 ・情報共有/収集|問題解決/発見|意思決定/合意形成|意識強化と行動促進
┗前提②意識すべき2つのポイント
 ・タスクとメンテナンス
┗術①会議のデザイン
 ・共有⇒発散⇒混沌⇒収束⇒決定
┗術②明確な目標と会議の質を上げる
 ・OARRとアジェンダ
┗術③問いのスキル
 ・プッシュとプル    講義、個人ワーク
④実践|会議ファシリテーション
┗・素晴らしい○○会議とは?
 ・○○会議で、私たちが今困っていることは?
 ・小さな一歩の考察     グループワーク
⑤振り返りとアクションの決定

2)受講者の研修での変化(チェックアウト・アンケートより)

研修の最後に行うチェックアウトやアンケートで、受講者がどんな学びや気づきを得たのかを確認できます。

研修終了時のコメント(チェックアウト・アンケートより)

・ファシリテータは好かれたり仲良くしたりするものではない、ということをおっしゃっていたのが印象的でした。メンテナンスを高めるために場を和ませようとしがちでしたが、馴れ合いでは仕方がないよなとハッとさせられました…。

・自分一人の意識だと変えにくいので、今日の学びをメンバーに伝えて、こういうところを意識してやっていくから、みんなもちょっとずつ意識してくれると嬉しい、と伝えたいです。

・大切にしたい気づきとしては、会議の目的だけはなく、参加者の納得感をみるといったメンテナンスの要素を入れるということです。社風的に目的の共有は必ずされるんですが、そこに納得感がのるとさらに主体的に取り組むことができ、より効果的な会議を行うことができると感じました。

・ざっくりした目的・目標設定のまま会議に臨むことが多かったので、きちんと時間を作って準備をしようという気持ちになりました

・どうしてもタスク寄りになってしまう傾向があるので、メンテナンスへの意識をもって会議に臨もうと思いました

・まずは惰性で続けている定例会議(前任者から引き継いだもの)の目的・目標を改めて整理しようと思います。整理したものを共有することで、参加者が主体性・積極性をもつようになれば良いなと思います。

単なる会議運営にとどまらず、「場をどう活かすか」という視点での気づきが深まり、参加者の皆さんの会議の質に対する意識が一段と高まっていることが感じられました。

3)研修内容

①事前講義|ファシリテーターとは?

まず「チェックインはなぜ行うのか?」をグループで対話しました。
対話で出ていた内容の一部を紹介します。

【参加者コメントの一部】
・自己紹介の意味があるのかな
・このチームでやっていくんだぞ、ということを意識させるためな気がする
・アイスブレイク的な意味が大きいのかな
・どんな風に会話を回していくのかを考えて欲しいのかな
・3/4が自宅から入っているということもあって、切り替えの意味もあるのかな

グループでの対話後、全体でもシェアを行いました。その話の中で、さらに深めていきました。

【問い】チェックインをする前とした後で、ご自身にどんな変化がありましたか?

【参加者コメントの一部】
・なんとなく、こんな感じの人なんだなと理解できた
・チェックイン前までは緊張していたのですが、チェックインをしたら安心感が出てきた

【問い】アイスブレイクとチェックインの違いはなんでしょうか?

【参加者コメントの一部】
・普通のアイスブレイクは、場を和ませることがメインのイメージで、セミナーを受ける方向性を合わせる意味があるのかな
・アイスブレイクは緊張をほぐすことがメイン、チェックインは意識の切り替えとか認識のすり合わせができるという印象

以上の対話を受けて、講師からアイスブレイクとチェックインの違いをお伝えしました。

アイスブレイクは、あらかじめ決められた枠組みに沿って行うため、参加者に強制感が生まれやすい特徴があります。

一方でチェックインは自由度が高く、参加者の当事者意識や主体性が引き出されやすくなります。また、場にいる人の状態を把握できるというメリットもあります。

ファシリテーターとしてチェックインを行う目的は、場の質を捉えて関係の質を上げることです。
場の質を捉えて、ファシリテーターとしてどのように関わることで関係の質を高められるかを考え、実行していきます。

そうして関係性の質を高めることで、以下のサイクルで動く成功循環モデルを回していけるようにします。

 

ファシリテーターの役割についてもお伝えしました。

ただ、アーティエンスでは、この定義にとどまるのではなく、受講者の方々に「素晴らしいファシリテーター」として成長してほしいと考えています。

そのため「素晴らしいファシリテーターとは何か」について、グループで対話していただきました。

対話で出ていた内容の一部を紹介します。

【参加者コメントの一部】
・合意形成できる
・会議の目的に対するアウトプットを出せる
・方向性がズレた時に流れを戻せる
・目的の共有するなどの会議が始まる前からの準備ができている
・意見を吸い出せる
・発言しやすい雰囲気を作る
・場のルールを作って、徹底できる
・会議で決まっていること以上のことが出てくる
・参加者全員が妥協できるラインを作れる

アーティエンスが考える素晴らしいファシリテーターは次のような人です。

予定調和ではなく、その場で出てきたものを大切にして、成果物と関係の質が高まることにコミットして取り組むことが大切です。
(時間通りに、決められたことをしないといけないのは司会者の役割です。)

そのためにも、ファシリテーターとしての「あり方(Be)」と「態度・姿勢」が、とても重要になることをお伝えしました。

ここまでの研修を振り返り、気づき・発見・もやもやをグループを全体でシェアしました。
全体シェアで出てきた問いを紹介します。

【受講者からの問い】
カネヴィンフレームワークの説明は理解したものの、具体的にどんな会議が当てはまるのかがイメージしきれませんでした。パターンはありますか?

【講師からの回答】

それぞれの傾向はあるのでお伝えします。

・自明系:答えが明確で、レクチャー型の会議に多い
・煩雑系:普段の会議で多く見られ、最適解を探すタイプ
・複合系:煩雑系の発展版で、さまざまな課題が複雑に絡み合い、適応解を探すタイプ
・混沌系:どうにも手が打てない状況に直面したとき(例:コロナ禍)

会議を始める前に「この会議はどの系統にあたるのか」を予想して準備しておくことは大切です。
ただし、進行するうちに想定とは違う系統へ移行してしまうことも少なくありません。

予定と違う方向に進んでいると感じた場合は、会議の中で参加者同士の対話の時間を設けて、短時間でも一人で考える時間をとったりすると、状況を整理しやすくなります。

ここからは、具体的なスキルについて学んでいきます。

②ファシリテーターに必要な3つの術

ファシリテーターに必要な3つの術として、

・会議のデザイン
・会議の質を上げる明確な目標
・問いのスキル 

についてお伝えし、ファシリテーターとしての基本的なスキルを学んでいきます。

3つの術を学ぶにあたり、押さえておいてほしい2つの前提について先にお伝えしました。

前提①会議体の4つの種類

適切な目標設定をするために、会議には次の4つの種類があることを理解しておく必要があります。

自分がファシリテーターとして入る会議がどの種類に当てはまるのかを理解して臨むことで自身が動きやすくなります

前提②会議の質を高めるために意識すべき2つのポイント

会議の質を高めるために意識すべきポイントは、大きく 「タスク」と「メンテナンス」 の2つです。

・タスク … 会議の成果物や意思決定といったアウトプットの質に目を向けること
・メンテナンス … 参加者同士の一体感や納得感など、関係性の質に目を向けること

この2つを両立して意識することで、成果物の品質と関係の質を最大限に高められます。

ファシリテーターは、この両面をバランスよく扱うことで、会議を「単なる作業の場」から「組織を前進させる場」へと変えてます。

これらの学びの踏まえて、実務の直近で行った会議を振り返り、自身がどの位置にいたのかを振り返ってもらいました。

振り返ることで、改善することや意識することが見えてきます。

また、自身がタスクよりかメンテナンスよりかを知ることも重要です。自身の強み・弱みを知ることで、意識的に対応できるようになります。

それぞれの苦手をどのように対応すればいいのかなどの悩みをダイアログしてもらいました。その際、受講者から出てきた問いを共有します。

【参加者コメントの一部】
・会議の中で決着を付けがちなのでタスクよりかなと思いました
・結論を決めるところまで進めづらい。みんなの意見を聞きすぎて、時間ギリギリで結論どうしましょと焦って決めることが多い気がします
・会議の中で決着を付けがちなのでタスクよりかなと思いました。関係性も意識しないとなーと思いました
・みんなが言いたいことが言えているかな?が気になる。時間ギリギリになってしまう…

あくまでも傾向としてですが、営業や開発の職種の方はタスク寄りの方が多いです。また、これも一概には言えませんが、男性の方がタスク寄り、女性の方がメンテナンス寄りの方が多い傾向にあります。

続いて、ファシリテーターに必要な3つの術について講義を行いました。

 

術①会議のデザイン

ファシリテーターに必要な術の1つ目として会議のデザインの仕方についてお伝えしました。

創造的な議論や対話が生まれるときは、下記のようなプロセスになります。

この流れを理解して会議をデザインすることが必要です。

術②会議の質を上げる明確な目標

ファシリテーターに必要な術の2つ目は、会議の質を上げる明確な目標についてです。
明確な目標を設定するために、OARRを明確にしておく必要があります。

OARRの考え方をもとに、今実務で行っている会議が、どんな目的・目標で行われていて、どんなことを達成しようとしているのか、どの程度時間をかけているのか、誰が参加しているのか、ということを個人で整理していきました。

その後グループでそこでの気づきを共有しました。対話の一部を紹介します。

【参加者コメントの一部】
・前任の担当者がやっていたことをそのままやっていて、目標目的が書けないものがあったので、見直しが必要だと思った
・情報共有の会議はできているけど、合意形成など、組織の質を上げるための会議はまだやりようがありそう
・会議について昨年度、全社で見直したため、自分の会社は会議が整備されているなと思った

その後、OARRの中でも特に重要なアジェンダの作り方について学んでいきました。アジェンダは次の3つを意識して作成する必要があります。

その後、現在の会議のアジェンダをあらためて作成するワークを行いました。実際に作成してみると、アジェンダ作りの難しさを感じたり、既存の会議の意味が出てこないという方もいました。

目的・目標・アジェンダを作る上で、言葉がとても重要です。目的・目標はパワフルな言葉にしましょう。また、アジェンダも成果と関係の質を高めることを意識した言葉を使うとより良くなります。

例えば「状況の共有」ではなく「〇〇について良かったことと失敗したこと」とすると、タスクだけでなくメンテナンスにも少し触れられます。
他には「〇〇を実行する上で難しいことの洗い出し」ではなく「〇〇を実行する上での阻害要因を確認する」という言葉を使う方が乗り越えやすくなります。

参考として、アーティエンスで行っている定例MTGの内容をシェアしました。

◆目的ᅠ
情報共有を丁寧に行うことで、共創・協働を行う場が活性化する

◆目標ᅠ
各自、相談ができ、ネクストアクション(考察ポイント)などが明確になること

◆Agendaᅠ
・ スケジュール確認ᅠ
・ 売上報告ᅠ>全体方針・財務報告も兼ねます
・ 戦略ᅠ
・ マーケティング(webマーケ・メルマガ、youtube、ᅠ新規事業)ᅠ
・ 納品(納品管理表確認、Growth)ᅠ
・ 開発ᅠ
・ 講師ᅠ
・ コーポレートᅠ
・ to do 確認ᅠ
・ 気づきと発見の共有

当社の事例を交えながら、言葉選びやアジェンダの流れに込められた細かな工夫をお伝えしたことで、受講者の方々からは「こんなところまでこだわるのか」という新たな気づきが生まれていました。

術③問いのスキル

ファシリテーターに必要な術の3つ目として、PullとPushの問いの仕方についてお伝えしました。

PullとPushの問いを会議の状況に合わせて効果的に使えるようになると、会議の目標を達成しやすくなります

③実践|会議のファシリテーションをやってみよう

ファシリテーターに必要な3つの術を学んだところで、実際にファシリテーションを行うワークを2回行います。

1回目は、既にテーマや目的、目標、アジェンダが決まっている状態の会議のファシリテーターとして、会議を行ってもらいました。

 

1回目の後の振り返りでは次のような意見やモヤモヤが出てきていました。全体シェアの中で出てきた意見を一部紹介します。

【受講生からのコメント】
準備を丁寧に行い、自分の弱みであるメンテナンスを意識して取り組みました。

しかし、自分も発言を多くしてしまったため、ファシリテーションに徹すればよかったという反省があります。議論というより考えを共有する場になってしまい、対話を促す難しさを実感しました。

【講師からのコメント】
準備をしっかり行い、自分の苦手な部分を意識して取り組んでいた点はとても素晴らしいです。

ファシリテーターとして会議に参加する際は、基本的には自分の意見は控えるのが望ましいです。序盤は介入を多めにし、後半にかけて自然と介入を減らし、参加者主体の場づくりにシフトできると理想的です。

ただし、自分の意見をどうしても伝えたい場合は、「私は〜〜と感じましたが、皆さんはどう思いますか?」と投げかける形にすると、対話をさらに深めやすくなります。

【受講生からのコメント】
タスクに偏らないよう意識し、メンバー同士で抽象的な言葉の認識を合わせながら、メンバーの意見をしっかり聞くことができました。
ただ、時間配分がうまくできませんでした。

【講師からのコメント】
ご自身の特性を自覚しながら、抽象と具体を行き来できていた点がとても素晴らしかったです。
「もう少し背景を教えていただけますか?」「その中で大切にしているものは何ですか?」といった問いかけは、相手の思考を深め、認識の共有をより確かなものにしていきます。

時間配分については、時間内に終わることが必ずしもいいこととは限らないため、参加者の状態を見ながら考えてもらえたらいいかなと思います。

【受講生からのコメント】
ORRLは意識して実践でき、皆から平等に意見を引き出すことができました。

一方で、時間管理がうまくいかず、自分が「ファシリテーターをうまくやろう」と緊張していたことで、逆に意見を出しづらい雰囲気をつくってしまったように感じています。自分が意見を言わなかったことで、他の方も意見を出しづらかったのかな、などもう少し場の雰囲気を良くする工夫ができたらよかったなと感じています。

【講師からのコメント】
ファシリテーターが緊張していると、その空気は場全体に伝わってしまいます。そんな時は「今少し緊張しているので、もし聞き取りづらかったら教えてください」といった形で素直に場に出してしまった方が安心感が生まれます

また、ファシリテーターは基本的に自分の意見を言わなくても問題ありません。ただし、場がオープンになっていないと感じられる場合は、「〜かもしれないし、〜かもしれませんね」といった柔らかい表現で自分の考えを提示するのも一つの方法です。そうすることで、参加者が意見を出しやすくなり、場がより活性化します。

2回目は、参加者が自分たちでテーマや目的、目標、アジェンダを決めるところから行ってもらいます。

2回目の後の振り返りでは次のような意見やモヤモヤが出てきていました。全体シェアの中で出てきた意見を一部紹介します。

 

【受講生からのコメント】
みんなで決めた目標やテーマに沿って進められたので、良い会議になったと感じました。ただし、会議のデザインについては十分に意識できず、難しさを感じました。

【講師からのコメント】
30分という短い時間の中で、会議のデザインにおける5つのポイントすべてを盛り込むのは難しいものです。重要度の高いポイントを選んで取り入れる工夫をすると、限られた時間でもより効果的な会議につながります。

【受講生からのコメント】
準備段階で目的や目標をゼロから考えること自体が難しく感じました。

また、会議中は沈黙が苦手で、結果的にファシリテーターとメンバーの1対1の対話が中心となり、メンバー同士の横の関わりをつくることができませんでした
いくらメンテナンスを意識していても、自分の強みであるタスクに引っ張られてしまい、両者のバランスの難しさを実感しました。

【講師からのコメント】
チャレンジする姿勢がとても素晴らしいです。すべてを同時に意識するのは難しいため、1〜2個に絞って取り組むことでファシリテータースキルは着実に伸びていきます。

メンバー同士の関わりをつくる工夫としては、例えば「〇〇さんから〜という意見が出ましたが、皆さんはどう思いますか?」と問いを投げかけたり、人数が多い場合は付箋に意見を書いて提出してもらう方法があります。これにより、参加者全員が自然関わりあう場をつくれます。

また、受け身の姿勢をとる参加者には「どちらを選びますか?」と選択を促すなど、関わらざるを得ない体験を設計することも効果的です。

特にメンテナンスが弱いと自覚している方は、コミットを具体的に確認する手法が有効ですので、ぜひ実践に取り入れてみてください。

【受講生からのコメント】
タイムコントロールができていたこと、結論をきちんとまとめられたことは良かったと思います。

今回は「何もしないファシリテーター」を目指しましたが、議論の際にはもう少し方向性を示してもらえたら良かった、とフィードバックをいただいたため、議論がさらに膨らむように促せたら良かったと感じました。

【講師からのコメント】
「メンバーを信じて任せてみよう」という意識が、場の安心感や主体性を引き出し、良い雰囲気をつくっていたのだと思います。
今は試行錯誤の段階ですが、関わる度合いと任せる度合いのバランス感覚を磨いていくことで、さらに質の高いファシリテーションができるようになっていけると思います。

ファシリテーターの難しさと、自身の課題に気づき、これから回数を重ねていく中で成長していきたい、という気持ちが芽生えている様子を感じました。

4)講師・アテンド所感

今回の研修では、皆さん一人ひとりが会議に対する課題意識を持ちながら主体的に参加してくださったことで、研修自体がとても良い学びの場になっていたと感じます。中には「これまで会議をデザインしたことがなかった」という方もいらっしゃいましたが、良い会議を実現するためには、やはり意図的にデザインする姿勢が欠かせません

会議のデザインは、最初は時間がかかるかもしれません。しかし、一度しっかりと作り込んだものは、他の場面でも応用できるようになります。初めは試行錯誤しながらで構いませんので、ブラッシュアップを繰り返しつつ丁寧に設計してみてください。

また、今回は基礎として必ず押さえておきたい3つの術をお伝えしました。ただ、どれだけスキルを持っていても、ファシリテーター自身の「あり方」が整っていなければ、場に悪い影響を与えてしまいます。だからこそ、今回学んだスキルを小さく実践に移しながら、自身のあり方についても折に触れて振り返っていただきたいと思います。

会議で成果と関係性の質を高めることは、皆さん自身がポジティブな影響を与えると同時に、その影響がやがて自分に返ってくるという、大切な循環を生み出します

その実感を一つひとつ積み重ねながら、皆さんの場づくりがさらに進化していくことを心から期待しています。

≫10月21日開催|受付中【公開講座】全員参加の会議づくり研修