研修・セミナーレポート

2025年1月16日 問題解決力研修ー公開講座研修レポート

本内容は、2025年1月16日に開催された「問題解決力研修」の公開講座研修レポートです。受講内容や、受講前と後の変化をまとめています。

1)問題解決力研修 概要

問題解決力研修の目的

アーティエンスの問題解決力研修では課題の明確化と深掘り、共創による課題解決コミュニケーションスキルの習得を目的としています。

問題解決の思考法やフレームワークを学んでも、実際の現場で活用イメージを持てなければ机上の空論で終わってしまいます。問題解決力を強化するには、ヒアリング・トーキングのコミュニケーションスキルが必要不可欠です。

本研修では、ニーズ・課題感の明確化・課題の真因の深掘り・解決策の共創を、研修時間の大半をかけてシミュレーションワーク形式で実践的に体験をしていきます。実際の職場環境に近い、リアルな研修設定の中で、上司役講師から何度もフィードバックを受け、チームでPDCAサイクルを回していきます。

問題解決力研修での3つの学びポイント

ニーズ・課題を「明確化」する

ヒアリングとトーキングの基本スキルを学び、相手のニーズや課題を明確化し、認識のズレをなくすコミュニケーションを習得します。

ニーズ・課題を「深堀り」する

シミュレーションワークを通して、ニーズや課題を深く掘り下げて、真因を把握することの重要性とその具体的手法・フレームワークを学びます。

解決策を「共創」する

課題の根本的解決、そして解決策に対する納得感やコミットの醸成のためには、相手と共創関係を創ることが重要だと理解します。自身の現在の関係性を振り返りながら、共創への意識向上と具体施策を検討します。

問題解決力研修 当日のアジェンダ

0. オープニング 
1. 事前講義~問題解決のフレームワーク・考え方~ 
2. シミュレーションワーク~営業スキル向上のための企画作成~
3. 事後講義1~問題解決のためのヒアリングスキル~
4. 事後講義2~問題解決のためのトーキングスキル~
5. 本日の振り返り
6. 明日からの一歩

2)問題解決力研修 受講前後のコメント変化

研修の始めと終わりに、「今日の研修で期待すること」や、「気づき・感想」などを話す時間を設けています。研修の初めと終わりの中で出てきたコメントから、変化を確認できます。

研修開始時のコメント

研修開始時、受講生からは下記のようなコメントがあがっていました。

・論理的に説明するのに苦手意識があるが、研修の目的にもあるように、しっかりと考えて、相手に納得してもらい、共感してもらえるようにしたい

・仕事のスピードが遅いと感じているので、改善するためのヒントを学べたらと思う

・資料を読み取って情報を整理する仕事の時に、事前に視点を確認したり、前提を理解しておくことで、より効率的で効果的な仕事をできることを学んだ。努力の方向性をより良くしたいと感じた

・周りに頼りながら仕事を行えてはいる。ただ、少し仕事に慣れてきたこともあって、先輩に聞かずにやったら間違っていたことがあったので、一緒に仕事をしている意識を持って、確認した上で仕事を進めることが必要だなと感じた

・知識をインプットして学び切った上でどう活用するかを意識したい

研修終了時のコメント

研修終了時の受講生の発言や終了後のアンケートでは、下記コメントがありました。

・上司と共創するために一方的な報告、コミュニケーションではなく、上司とディスカッションすることが大切だと気づいた

・何がわからないのかを明確にした上で質問し、わからないときにわからないと伝えることも大切にしたい

・5W2Hは今まで意識してたつもりでいたが全然使いこなせていないことを自覚した

フレームワークを使いこなせるようにならないと次の段階へ進めないと感じた

相手が答えやすい質問と、自分が知りたい答えを聞き出す質問の両方を意識するのが難しかったが、そこが自分でできていない箇所だと気づいた

・ざっくりとした議題に対して
どう手順を踏んで整理していけばいいのかがわかった

課題を解決するために必要な深く考えること、欲しい情報を聞き出すために適切に質問すること、わかりやすく簡潔に伝えることに難しさを感じている方が多かったです。

そのことへの気づきと、具体的な取り組み方の理解によって、自身の課題が見つかり、今後意識したいことが明確になっているようでした。

3)問題解決力研修の内容

事前講義

コミュニケーションを構成する3つの要素

コミュニケーションを構成する要素は、「考える」「伝える」「聞く」の3つに分けることができます。「考える」「伝える」「聞く」に関して、ビジネスパーソンとして求められるレベル、フレームワーク、ポイントなどを具体的に解説しました。

【参照】問題解決力研修テキストの一部

問題解決に役立つフレームワーク

問題解決を行いやすくするためのヒントとして、フレームワークをいくつか紹介しました。

【参照】問題解決力研修テキストの一部

認識のズレをなくしていく為に大切な2つのポイント

認識のズレが発生する場面を想像して考えるショートワークを行った後、認識のズレをなくしていくためのポイントを2つお伝えしました。

【参照】問題解決力研修テキストの一部

シミュレーションワーク

シミュレーションワークで【営業スキル向上のための企画を作成する】というミッションに取り組んでいただきました。
上司役の講師に報連相しにいきながら、より良い企画の作成に向けて取り組みます。

グループで仮説を考え、考えを上司役の講師に適切に伝え、講師の意見や考えを聞いて、さらに考えを深める中で、問題解決に必要なスキルを磨いていきます。最終的には、最も良いと判断された企画書とプレゼンを行ったグループが優勝となります。最も良い企画と決定される判断軸は、「上司の要望を理解し」、「さらに要望を深堀し」、「企画を共創しているか」の3つです。

問題解決は実践してみないと理解しきれない部分が多いため、シミュレーションワークの時間を多く設けています。

【シミュレーションワークの様子】

上司役の講師から「何が言いたいのかわからないから可視化してわかりやすくして」「MECEになってる?」などのフィードバックを受けながら、上司と共創し、より良いアウトプットを目指していきました。

受講生アウトプット

各グループの最終的なアウトプットと講師フィードバックは、以下の通りです。

優勝:Aグループ

【講師フィードバック】
上司の期待以上の企画を出してくれましたし、上司として共創できたと感じられました。解決策では、若手社員のヒアリングスキルと育成文化情勢を統合して対策を考えてくれた点が素晴らしいです。
アウトプットは時間が足りなかったようなので、時間を意識してアウトプットをより綺麗に整えられると、より良いものになったと思います。

Eグループ

【講師フィードバック】
上司として仕事を一緒に行っている時のプロセスに満足し、安心して任せられました。アウトプットについても、このグループだけがすり合わせしてくれたため、わかりやすくまとまっていました。
良いプロセスを経て、期待を超えるレベルのアウトプットを出してくれたと思います。

Bグループ

 

【講師フィードバック】
対策に抜け漏れがあったり、アウトプットが見づらいところは残念です。ただし、このチームは部下にいてほしいチームではありました。チームで一体感を持って取り組んでいたため、空気感も良かったですし、誰も置いていっていないと感じました。今回はアウトプットとしては失敗でしたが、この経験が良い未来につながるものになったのではないかと思います。

Dグループ

【講師フィードバック】
解決策は面白くて良かったものの、アウトプットはイマイチでした。ただ、このグループで1番残念だったのは、チームでの一体感を感じられなかったことです。
仕事はチームで行うため、チームで共創することをもう少し意識してもらえると、皆にとっても良い結果になると思います。

Cグループ

【講師フィードバック】
スタートが遅かったものの、しっかり考え抜いてくれていました。受注数や去年との対比の数字とかかなり細かいところまで数字を聞いてくれたのはこのグループだけでした。アウトプットはあまり良くないものの、チームでの一体感を持って取り組んでいた点はとても良かったと思います。

4)講師・アテンド所感

今回の研修では、実践を通じて問題解決力を学び、身につけていただきました。

問題解決力が身につくと、本質的な課題に気づき、それを改善したり、より良くするための対策を行えるようになります。この力はどの職種にも必要不可欠で、身につけることで社内でも市場でも皆さんの価値が大いに高まります。

決して簡単なものではありませんが、この力を伸ばすことが、これからのキャリアにおいて大きな強みとなるため、これからの実務の中で取り組んでほしいです。

問題解決力を磨くためには、次の3つを意識してください。

1. 考え抜く
課題を深く掘り下げ、真の原因や本質的な解決策を見つけましょう。表面的な対応ではなく、本質に迫ることが重要です。

2. 実行する
どれだけ優れた解決策を考えても、実行しなければ何も変わりません。勇気を持って、行動に移すことが大切です。

3. 仲間を作る
一見関係なさそうに思えるかもしれませんが、仲間の存在は重要です。仲間がいれば、失敗したときにも励まし合い、再び挑戦する力を得ることができます。

今日学んだ問題解決力を実務で活かし、皆さんがさらに活躍できるようになることを期待しています。