忙しい人事必見!研修丸投げでも成果を出す「研修会社選び」のコツ

「採用業務が忙しく、研修を丸投げしたい」
「研修の進め方が分からないので、一旦研修会社に任せたい」
「経営陣から研修を丸投げされた。どうしよう」

このような問題意識を持っている方が本コラムにたどり着いたのではないでしょうか。

「他の業務との優先順位を考えたときに、研修は研修会社に任せたい」というお気持ちはよく分かります。本コラムでは、限られたリソースで最大限の成果を上げる方法をお伝えします。

最後までお読みいただくと、

1. 【ステップ別】丸投げしても成果を上げる研修会社の特徴
2. 研修会社に「研修を丸投げ」することのリスク

を理解できます。本コラムを通して、少ないリソースで素晴らしい研修や育成をしていきましょう。

執筆者プロフィール
迫間 智彦
X:@tohaza_atc youtube:中小企業の人材育成・組織変革 専門チャンネル
大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。

専門性:ファシリテーター管理職組織開発・組織変革

1. 【ステップ別】丸投げしても成果を上げる研修会社の特徴

丸投げしても成果を上げる研修会社には特徴があります。研修企画から研修後まで、4つのステップ別に見ていきましょう。

1-1. 【研修企画】研修企画を作成できる
1-2. 【事前準備】効率化と役割分担を明確にしている
1-3.【 研修当日】運営を問題なく実施できる
1-4.【 研修後】フォローアップが充実している

それぞれ説明していきます。

1-1. 【研修企画】研修企画を作成できる

前提、研修目的やゴール設定は、大枠でもよいので、自社で行う必要があります。
それさえも時間がない場合は、どのような研修を行いたいかは考えておきましょう。
(大枠を考えた上で研修会社に相談すると、適切なアドバイスを得られるためです。)

出来る限り「丸投げ」したい場合は、「研修企画」の知識や実績がある研修会社を選ぶべきです。
※ヒアリングもそこそこに研修を提案する会社は選ばないように注意しましょう。企業の実情と乖離した研修が実施され、研修効果や研修評価を得られない可能性があります。

例えば先日、お客様から筆者に「管理職向けのアンラーニングの研修を行いたい」という相談がありました。経営陣からの思い付きのリクエストで、詳細な目的・ゴールは設定されていませんでした。
そのため一旦お客様の状況をお聞きし、「研修によって目指す具体的な変化(目的)」や「目的を達成するために必要な研修スケジュール・具体的な内容」を企画し、提案しました。

【企画書の一部】

このように、自社で定めた大枠の目的をもとに、企画作成、そして具体的な研修内容まで提案できる研修会社を選んでいく必要があります。

1-2. 【事前準備】効率化と役割分担を明確にしている

事前準備の効率化を進めている企業を選ぶことも重要なポイントです。具体的には

・事前準備の全体像を提示&役割分担を提示する
・一つひとつのプロセスを丁寧に説明・フォローする

の、二つが実施できる研修会社を選ぶといいでしょう。準備の負担も不安も減らすことができます。

なお、アーティエンスでは研修準備シートを用いて全体像の提示と役割分担を進めています。

 

また備品の発注や会議室の確保が初めての場合、手間をなくしていただくために、各情報と必要なリンク情報が掲載されたシートの共有をしています。

研修会場のレイアウト依頼は視覚的に分かりやすく行っており、外部会議室の予約が必要な場合は代行業務(手数料必要)も行っています。

1-3.【 研修当日】運営を問題なく実施できる

いよいよ研修当日を迎えたら、基本すべて任せることのできる研修会社を選ぶといいでしょう。講師一人、もしくはアテンドスタッフが現場に入り問題なく進められるということです。

当日は主に、下記プロセスで進んでいきます。

・会場入り
・研修開始
・研修実施
・研修終了・撤収

会場入り

会場入りの時間を設定していただければ、講師やアテンドスタッフが向かいます。
そして会場のレイアウトや備品に問題ないかの確認します。
問題がある場合は、早急に連絡をします。
※ 「1-2. 【事前準備】効率化と役割分担を明確にしている」を丁寧に行っていれば、トラブルが起きることはないです。

研修開始

研修開始になったら受講生の出欠の確認などを含めて、報告します。欠席者が多い場合などは、判断を仰ぎます。

研修中

研修を進める中で、下記の連絡・報告・相談を行っていきます。

・お昼休憩などの連絡
・体調不良者などのトラブル報告・相談
・見学者へのフォロー・報告

研修終了・撤収

研修が終了したら受講生に退出を見届け、報告します。
レイアウトの設計や備品の管理などがある場合は、受講生に行っていただきます。

1-4.【 研修後】フォローアップが充実している

研修後のフォローが充実している研修会社を選ぶといいでしょう。上司への報告や、次回研修企画の負担を減らすことができます。フォローの内容は、主に下記があります。

・研修実施報告に役立つレポートの作成
・受講者の課題出し、次回研修に向けた示唆出し

研修実施報告に役立つレポート

経営者への実施報告に時間がかかってしまうと、結局業務量の負担もそして心理的負担感も多くなり、他の業務のパフォーマンスが低くなります。
こうした負担を減らすためには、経営者に提出するレポート作成も実施している研修会社を選ぶといいでしょう。

例えば研修会社が提出するレポートは、「講師所感」のみで終わることも少なくありません。

当社では、研修レポートに研修の目的から研修風景、事前ワーク・アンケートなどの対比を入れていきます。(有償サポート)
このように企画担当者の負担を少しでも減らしたフォローを行うことが必要です。

受講者の長所・課題、必要な教育支援に関する示唆出し

研修会社は受講者の長所や課題情報を持っています。他企業との比較も含めた客観的な視点をもって長所・課題を見つけられるのが、研修会社の良さでもあります。

受講者の長所や課題に加えて、必要な教育支援に関する示唆出しがあると、社内の育成施策や次回研修を検討する際に、企画部分の負担を減らすことができます。

なおアーティエンスでは、受講後に振り返りの打ち合わせを行い、受講者の所感や必要な教育支援に関する示唆出しを行っています。

(参考)公開講座・セミナーの場合

「1. 研修会社に研修を丸投げするための4ステップ」の工数も割くのが難しい場合は、他社と合同の公開講座やセミナーをお薦めします。

研修カスタマイズなどはできませんが、研修を申し込めば基本、すべて研修会社が主体となって進めてくれます。まさに「研修の丸投げ」と言ってもいいでしょうか。

具体的に公開講座・セミナーの活用方法を知りたい方は、ぜひ下記コラムもご覧ください。
※ 新入社員研修向けのコラムですが、ほかの階層でも参考になります。

【必見チェック表】2025卒新入社員研修(公開講座)を見極める12のポイント
意外と知らない!「合同新入社員研修」の魅力と選定ポイントを徹底解説

2. 研修会社に「研修を丸投げ」することのリスク

『研修会社に「研修を丸投げする」リスク』が4点あります。

・研修のナレッジがたまらない
・研修予算が高くなる可能性がある
・研修会社の言われるがままになりやすい
・育成文化が育まれにくい

2-1. 研修のナレッジがたまらない

研修のナレッジがたまりません。

研修会社に任せるためナレッジの積み上がりはなくなります。そうすると社内で研修を実行する際に、スムーズな研修実施ができなくなります。
成長する組織は社内研修と社外研修のバランスが良いです。社内でしかできない研修もありますし、外部だからこそできる専門的な研修もあるためです。

少しずつでも研修企画の確保時間を増やしていき、研修会社と共によい研修を創っていくための働き掛けを行うとよいでしょう。具体的には企画を一緒に創っていったり、研修当日にアテンドを行い、運営方法を把握できると良いでしょう。

2-2. 研修予算が高くなる可能性がある

研修予算が高くなる可能性があります。本来、人事担当者が行う仕事を外部に任せることになるので、当り前ですが外注費用は高まります。

担当者の時間が確保、もしくは別の人員を用意できたら、社内で行うことを増やしていきましょう。そうすれば必要以上のコストが発生しなくなります。

2-3. 研修会社の言われるがままになりやすい

丸投げで進めると、研修会社の言われるがままになりやすいでしょう。すべて把握しているのは研修会社であり、研修実施の主体者でありながらも、意見を言いづらくなったり適切なサービスを受けられなくなる可能性も出てきます。

お客様からよくお聞きする声としては、「全部やってくれるからありがたいんだけど、強引に進めるのでモヤモヤする」「丸投げして無事に終わったのはいいけれど、本当に良いサービスだったか分からない」などがあげられます。

また、サービス内容がブラックボックス化するため、研修会社のミスがあっても気づかない可能性もあがります。当社が聞いたお話で受講生のアンケートを改ざんした事例もあります。

ある程度担当者の時間が確保できたら、研修会社と適切な議論や対話ができるようにすることが必要です。「3-1. 研修のナレッジがたまらない」の対策でお伝えしように研修会社との共創・協働を増やしていくと、議論・対話が必然的に増えていきます。

また担当者の研修の知識を増やしていくのもよいでしょう。
まずは当社のコラムを読んでいただいたりYouTube動画を見ていただくといいでしょう。

・人と組織の課題解決に本当に役立つ情報を発信するコラム
・【アーティエンス】中小企業の人材育成・組織変革_管理職研修・コンサルティング
・【アーティエンス】新入社員・若手社員育成_企業研修・コンサルティング

2-4. 育成文化が育まれにくい

育成文化が育まれにくくなります。
研修を丸投げするという行為は、人材育成への優先度が下がっている証拠です。当り前ですが組織側の育成優先度の低さは、受講生や現場にも伝わってしまいます。

きれいな言葉で人材育成のコンセプトを出したり多くの予算をかけて研修を行っても、思ったほどの効果が出ない場合も多いでしょう育成文化を創り育むという状況は遠のきます。

ある程度担当者の時間が確保できたら、本気で研修企画を行うといいでしょう。その際は共創・協働ができる研修会社を探すといいでしょう。

3.まとめ

本コラムでは、研修を丸投げする際に知っておきたい下記二点をお伝えしました。

1. 【ステップ別】丸投げしても成果を上げる研修会社の特徴
2. 研修会社に「研修を丸投げ」することのリスク
研修を丸投げするイメージがついたのではないでしょうか。

業務量を考えるとどうしても研修の優先順位は下がり、研修会社に丸投げしたい気持ちは十分に分かります。当社でもそのような状況のお客様へ、少しでもよりサービスを提供したいと考えています。

安心して「研修」を丸投げし、「成果」も求めたいという方は、ぜひアーティエンスまでご連絡ください。