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[ コラム ]
【若手社員研修】で主体性の発揮を促したい!必要な4つのプロセス
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今の若手社員に『権利と義務』は通じない!『利用と貢献』で成長を促進
更新日:
「最近の若手社員が権利ばかり主張して、義務を全うしない」
「『権利と義務』という響きに違和感を感じ始めている」
といった悩みがあり、本コラムにたどり着いたのではないでしょうか。
『権利と義務』は今の若手社員に、響かなくなっています。自身の欲求(権利)が満たされなければ、「転職すればいい」や「腰掛でもいい。副業を頑張る」と考える人も多く出てきているためです。
SNSなどで「自分の生きたいように生きたらいい」というメッセージと多く触れ合っていることが影響しているのかもしれません。現在、生き方・働き方に変化は見られ、多様化の更なる加速が予想されており、一方的な印象を抱く「義務」はますます響かなくなるでしょう。
※ OJTトレーナー研修のテキストより抜粋
一方で組織側として、権利ばかりを主張する若手社員がふえると、自分勝手なわがままな社員が多くなります。組織は弱体化するでしょう。そして、若手社員本人の未来も明るくはないでしょう。
本コラムでは、権利と義務が通用しない若手社員に対して、どのようなアプローチをすればいいかをお伝えします。
最後までお読みいただくと、『権利と義務』に変わる若手社員へのメッセージを理解でき、若手社員のキャリア支援につながっていくでしょう。
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目次
▼【解説動画】9分で分かる|【経営者・管理職必見】権利ばかり主張する社員には『○○と○○』を伝えて!
1. (前提)社員の『権利と義務』は何か?
一般論として、労働契約における労働者の中核的な権利義務は、賃金請求権と、労働義務(労働力の提供)です。『権利と義務』は、コインの裏表の関係と言っていいでしょう。
具体的に、労働契約法6条において労働契約とは、
「労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する」
と規定されています。
その他の義務としては、会社から組織的管理を受ける中で、使用者が人事権や業務命令権、懲戒権を行使した場合には、それを受忍しないといけない義務もあります。会社に対して誠実でなけらばならない(労働契約においては信頼関係が要請されるため)という義務(具体的には秘密保持義務や競業避止義務等)もあります。
権利としては、使用者の安全配慮義務の裏返しとして、労働者が使用者に配慮を求めることを権利と表現することもできます。
※ 労働契約や就業規則等において、具体的に義務や権利を定めた場合には、それらも権利義務になります。このように労働契約における労働者の中核的な権利義務は、賃金請求権と、労働義務(労働力の提供)です。
2. 今の若手社員に『権利と義務』は通用しない
今の若手社員には、『権利と義務』は通用しません。
若手社員は、自分のやりたいことやありたい姿こそが重要だからです。ただし、これは今の時代だからというのではなく、若手社員の頃は今も昔もこうした想いをもっていたのではないでしょうか。それは、変わりません。ただし、昔は「終身雇用制」や「丁稚奉公」的な考え方が一般的であり、『権利と義務』が受け入れやすい状況であったということです。
一方、今は「自分の生きたいように、生きたらいい」といったメッセージが強くなっています。また「第二新卒」という言葉も一般的になり若手社員にも転職の機会は多くあります。フリーランスという働き方もあり、若手社員には多くの選択肢が用意されています。
そのため『権利と義務』という文脈で若手社員を縛り付けることは難しいです。いやな気持を我慢したまま、その組織に居続ける理由はないためです。
次の章では、『権利と義務』の代わりに、若手社員に対して響くメッセージ『利用と貢献』をお伝えします。
3. 『権利と義務』から、『利用と貢献』へ
今の若手社員に対しては、『権利と義務』より、『利用と貢献』と伝えるといいでしょう。
若手社員は自身のやりたいことやありたい姿を大切にします。そして、それを組織に求めます。この前提を踏まえて、組織はコミュニケーションをとっていく必要があります。
具体的なメッセージとして「自身の成長のために会社をどんどん利用してください。ただし、あなたが貢献できることは何ですか?」と伝えていくと良いでしょう。
なお、『利用と貢献』の考え方は、組織と個人が対等な立場というメッセージが込められています。どちらの立場が強いということはありません。組織は、『権利と義務』というメッセージによって(無意識的にも)伝わってしまう組織が強く個人が弱いという立場から卒業していく必要があります。
【関連記事】新入社員へ伝ええるべきたった1つの大切なこと
実際、最新の人材開発・組織開発の考え方として、「カンパニーセンタード(企業中心)から、ピープルセンタード(従業員中心)」(※)への考え方に移行することが重要だと言われており、欧米の組織ではピープルセンタードにシフトし始めています。
(参考)ピープルセンタードと、カンパニーマネージメント
※ 当社、人事向け勉強会Growth Meetingの資料より抜粋
『権利と義務』いう言葉にこだわるのではなく『利用と貢献』という言葉で、若手社員に対してコミュニケーションをとると良いでしょう。そして、言葉をかえると共に、組織と若手社員の関係性の変化があることを理解し、対等な立場として認知し、組織側も一歩ずつ変わっていく必要があります。
『利用と貢献』を伝えると、組織と若手社員がドライな関係になり、利用価値がないと思ったら、すぐやめてしまうのではないかという問題意識も出てきます。
最後の章では、『利用と貢献』を伝えながらも、若手社員のエンゲージメントを高めていく方法をお伝えします。
4. 『利用と貢献』を伝えながらエンゲージメントを上げていくために、エンプロイー・エクスペリエンス(従業員の経験価値)の質を高める
『利用と貢献』を伝えながら、エンゲージメントを上げていくためには、エンプロイー・エクスペリエンス(従業員の経験価値)の質を高めていくことが、必要です。
エンプロイー・エクスペリエンスとは、従業員が企業や組織の中で体験するすべての経験価値のことを指します。良質な経験を積み重ねることで、組織へのポジティブな思いが醸成されてエンゲージメントが高まっていきます。質の高いエンプロイー・エクスペリエンスとは、
例えば、
・仕事を通して、強く実感できる成長体験
・顧客や世の中に大きなインパクトを与えている挑戦
・顧客から感謝され、自身の存在意義を強く感じる経験
・仲間とともに、逆境を乗り越えていく体験
などです。
若手社員が日々の仕事にやりがいを感じ、組織にいる時間をかけがえのない時間にしていくことを指します。
このような機会を組織が創り、自身の生き方のために『利用』できる組織であり『貢献』したい組織となっていく必要があります。
『利用と貢献』の関係の中でエンゲージメントを上げていくためには、エンプロイー・エクスペリエンスの質を高めていくことが大切です。そうすることで、若手社員は、「どこにでもいける」という考え方を持ちながらも「自分の組織を選ぶ」ことになるでしょう。
5. まとめ
本コラムでは、若手社員には『権利と義務』という考えから『利用と貢献』という考え方に移行する必要性をお伝えしました。
働き方・生き方は変わっています。組織も変わる必要があります。『権利と義務』を押し付けるのではなく『利用と貢献』をもとに組織と社員の新しい関係を築いていくといいでしょう。
そして、若手社員が「この組織にいたい」という選択をするためにも、エンプロイー・エクスペリエンスの質を高めていくといいでしょう。
エンプロイー・エクスペリエンスの質を高めていれば、退職があったとしても、OB・OGとしての関係性はよくなりますし、出戻りが起きる可能性も高くなります。
ぜひこれからの時代は『利用と貢献』というアプローチを行っていただければと思います。
なお、アーティエンスでは若手社員の「自身がどうありたいか」の明確化とそれらの想いを「どのように組織と融合させていくか」ということを大切にした研修も多く開催しております。
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