【事例あり】管理職研修のレポート|目的と内容

更新日:

作成日:2023.8.1

研修 挨拶

管理職研修で扱うレポートは、大きく2種類です。

・管理職が、人事・上司に提出するレポート
・人事が、経営者に提出するレポート

これらのレポートを適切に活用できれば、研修内容の定着化が進み、研修効果は高まります。
また、研修の効果測定や研修内容の改善活動にも役立ちます。

そこで本コラムでは、上記2種類のレポートの具体的な内容や作成時の注意点などを解説していきます。

このコラムで分かること

  • 管理職が提出する管理職研修のレポートの目的・内容・事例
  • 人事が提出する管理職研修のレポートの目的・内容・事例
  • 管理職研修のレポート作成時の注意点
執筆者プロフィール
迫間 智彦
大学卒業後、大手通信会社、アルー(株)勤務後、2010年にアーティエンス(株)を設立。業界歴17年。大手企業から、中小企業、ベンチャー企業の人材開発・組織開発の支援を行っている。専門分野は、組織開発、ファシリテーション。

専門性:ファシリテーター管理職組織開発・組織変革

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1. 管理職が提出する管理職研修のレポート

本章では、管理職が提出する研修レポートの「目的」「内容」「事例」「注意点」について詳しくお伝えしていきます。

1-1. 目的:研修の学びを現場で実践し、定着させるため

管理職が提出する管理職研修のレポートの目的は、「管理職が研修で学んだことを、現場で実践し、定着させる」ためのものです。

「管理職が研修で学んだことを、現場で実践し、定着化する」ことを促すことで、研修効果は上がり、管理職自身も研修に対して、前向きになります。

例えば、管理職に目標設定・管理の研修を行ったとします。現場に戻り、研修内容をもとに部下の目標設定と面談を行い、その上でレポートを書くことで、内省が深まり研修での学びが現場での実践と繋がります。

このように、管理職が提出する管理職研修のレポートは「管理職が研修で学んだことを、現場で実践し、定着化する」ことを目的に進めましょう。

(参考)管理職研修のレポート:評価の一面
管理職研修のレポートを、昇進などの評価の一つに用いるケースもあります。
※ 今は少なくなりましたが、小論文という形を取る会社もあります。
管理職研修のレポートは、管理職自身が組織とどう向き合うかを確認できる一つの要素です。ただし、管理職研修のレポートをテクニックを用いて素晴らしい内容を書いたとしても、現場でのパフォーマンスと乖離がある場合は、人事や上司は注意して評価をしていく必要があります。低い評価をつけるのも致し方ないでしょう。

1-2. 内容:認知変容や行動変容を促すもの

管理職が提出する管理職研修のレポートの内容は、「管理職が研修で学んだことを、現場で実践し、定着化する」という目的を、強化するものでなければなりません。

管理職研修のレポートは、意識の変化(認知変容)や行動の変化を促進する内容にする必要があります

具体的には、下記内容は必ず含めるといいでしょう。

・管理職研修での学び・気付き・発見
・現場で活かせそうなポイント
・学びを阻害するものと、それをどのように乗り越えていくか

上記の内容にすることで、意識の変化(認知変容)や行動の変化(行動変容)を促進する内容になり、「管理職が研修で学んだことを、現場で実践し、定着化する」という目的を強化する管理職研修のレポートになります。

1-3. 事例:事前・事後レポートの内容

管理職が提出する管理職研修のレポートとして、コンテンツビジネス事業会社様(マザーズ上場会社(当時)、社員数200名程度)の実施内容をお見せします。

事前レポートでは、研修への参加意欲を確認し、事後レポートの内容と比較することで、受講者である管理職の変化を確認していきました。

【管理職研修の事前課題】

【管理職研修のレポート】

研修の事前・事後課題に関して、詳しく知りたい方は、下記コラムをご覧ください。
管理職研修の成果を高める事前課題・事後課題とは?具体例やメリット・デメリットも解説

管理職が提出する管理職研修のレポートにすることで、「管理職が研修で学んだことを、現場で実践し、定着化する」という目的は、強化されていきます。

1-4. 3つの注意点

負担を可能な限り無くす

負担を可能な限り無くすことが必要です。現在の管理職は役割が多いため、業務量も多く責任も重いです。管理職研修で学んだことを活かしてほしいにもかかわらず、管理職の足かせになるような働きかけは、NGです。

感想文にしない

管理職研修のレポートを、感想文にするのはよくありません。よくあるケースとして、昔のレポートのフォーマットをそのまま使っているなどが見られます。感想文は、形式的なものになり、きれいごとしか書かなくなるケースも見られます。それでは、管理職のパフォーマンスは上がりません。

やりっぱなしにしない

管理職研修のレポート提出後、何もフォローされないケースがとても多いです。管理職からすると、よりやらされ感も出ますし、管理職と企画側に分離が起きます。レポートを提出する側と受け取る側です。管理職のレポートをまとめて、管理職全員に送るなどを行うなどを行い、さらに学びを深めていくようにすると、共に学習するという文脈になっていきます。

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2. 人事が提出する管理職研修のレポートに関して

本章では、人事(研修を運営する側)が提出する研修レポートの「目的」「内容」「事例」「注意点」について詳しくお伝えしていきます。

2-1. 目的:管理職研修を起点とした、組織変革を促進していくため

人事が提出する管理職研修のレポートの目的は「管理職研修を起点にし、組織変革を促進する」です。

経営陣が、人事から提出された管理職研修のレポートを通して、管理職と組織の変化を理解することで、より管理職への支援は強化され、組織変革は進んでいくでしょう

「1-3. 事例:事前・事後レポートの内容」でお伝えした事例の企業様では、企画側の人事が丁寧に経営陣にもレポートを提出していきました。そのことにより、経営陣による管理職への支援が強くなりました。研修の一年後には、下記のような効果が出ていきました。

人事が提出する管理職研修のレポートの目的は、「管理職研修を起点にし、組織変革を促進する」にしていくといいでしょう。

2-2. 内容:経営者との対話・議論が促進されるもの

人事が提出する管理職研修のレポートの内容は、「管理職研修を起点にし、組織変革を促進する」という目的を、強化するものでなければなりません。

管理職研修のレポートは、経営者と共に管理職研修で起きたことを探求し、「どのように管理職に対して支援ができるか?組織変革を進めていくか」を考えられる内容にする必要があります。

具体的には、下記内容は必ず含めるといいでしょう。

・研修の企画の確認
・研修の風景
・管理職が提出する管理職研修のレポートなど管理職のアウトプットの確認
・今後のアクションの考察

このような内容にすることで経営者と共に「管理職研修を起点にし、組織変革を促進する」という目的を強化する管理職研修のレポートになります。

2-3. 事例:研修内容のレポート

管理職研修の振り返りを行いながら、同時に研修レポートを作成した事例をお伝えします。
当日のアジェンダは下記の通りです。アジェンダにそって進めながら、レポートの作成を行いました。
【アジェンダ】
【当日投影スライド 兼 管理職研修レポート(一部抜粋)】
ー実施研修の目的・内容確認

ー当日の講義内容・受講時の様子の振り返り

※ リフレクションシートは、速記メモのため誤字脱字など日本語がおかしい部分があります。

ー今後、企画側が管理職に支援できることを考察する

管理職研修のレポートを作成することで、「管理職研修を起点にし、組織変革を促進する」という目的が、強化されていきます。

2-4. 2つの注意点

管理職の評価にしない

管理職のブリッジシートや発言内容などが気になるケースもできてきますが、「○○マネージャーはだめだ」などという文脈にしてはいけません。管理職の個別の評価にするのではなく、背景には何があるのかを、探求するといいでしょう。

管理職研修の評価にしない

レポートを見ていると、「管理職研修において、管理職の発言が少なかったのではないか」など、本来の企画と異なる部分に目が行くことがあります。それが研修の評価につながり、研修の改善点を探す場になっていきます。「管理職研修が盛り上がる」、「管理職研修自体の評判が気になる」ではなく、「管理職研修で起きた状況の背景に何があり、今後、管理職の変容を推進するには、どのような支援が必要か?もしくは企画をアップデートするには何が必要か?」ということを考えるべきです。

3. まとめ

本コラムでは、【管理職が提出するレポート】と【人事が提出するレポート】のそれぞれについてお伝えしました。2つのレポートのどちらにおいても、品質の高いレポートを創っていくことで、研修の効果が高まっていくことを理解していただけたはずです。

そして、本コラムを通して、管理職研修のレポートの作成ができるようになったのではないでしょうか。

本コラムを通して、あなたの組織の管理職研修が素晴らしいものになることを願っております。管理職研修でお困りごとがあれば、お気軽に当社までご相談ください。

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